勇者パーティーにクビにされました～これからどうしよう？～

王宮魔術師アンディ

「やっぱ、ダメか。」

「あかんかったかぁー。」


皆はガッカリし、地面に座り込んでしまった。
何だか申し訳なく思い謝った。


「すみません……。お役に立てなくて………。」


しょんぼりすると皆が慰めてくれた。

「ええんて。王都で噂になってる聖女様ならもしかしたらって思ってダメ元であたってみただけやし。同じパーティーの魔法使いのアンディが今、調べてくれてるらしいから。」

ミリヤがニカッと歯を見せて笑い、私を気遣いフォローしてくれた。

「魔法使いのアンディって、歴代最年少で王宮魔術師になったていう天才少年？」

アマンダがアンディの名に驚き、声を上げた。

「ああ。王宮魔術協会なら何か分かるかも知れないって話で調べて貰ってる。そろそろ合流する頃だと思うが。」

ガイがアマンダと私に説明してくれた。

「まあ。それならカインも元に戻るかも知れないわね。」

アマンダ落ち込んだ私を励ますように言った。


そうね。アンディだったら賢いし、何か見つけてくれるかも。そもそも私なんかじゃ無理だとは思ってたし……。




皆でアンディのことや、呪いのことを話し合っていると突然魔方陣が現れた。

魔方陣から光輝くと中からアンディが現れた。


テレポートだ。力ある魔法使いしか使用できない魔術だ。


「すみませんっ。皆さん。お待たせしました。」


バタバタしてやってきたのだろう、アンディの茶色の髪があちこち乱れ、額に汗をかいていた。


「アンディ！！今、丁度話してたんだよ。どうだった？」

「それが……すみません。王宮魔術師協会でも全勢力尽くして調べたんですが、やはり前例がないようで……。ただ、前王宮魔術師長だった私の師匠が魔族の魔法について研究してましたんで何か知ってるんじゃないかと思いまして、会いに行く価値はあると思うんですよ。」


「さっすが、アンディ！！ほなそのアンディの師匠に会いに行こうや。」

「すみません。師匠がレーブの山奥に住んでまして私も行ったことがないので徒歩で行くしかないんです。」


アンディは困ったように頭をかいた。


レーブってめっちゃ、遠いー。そんなとこに住めるの？あそこって魔獣も強いし、近くの人里も徒歩じゃ3日かかるんじゃない？隠者ってヤツ？まあ、魔術師って変わり者が多いって言うしね。


「仕方ないな。もう、遅いから今日は休んで明日の朝出発しよう。」

ガイがやれやれと、長い旅になりそうだ。と呟きながら武器の手入れを始めた。


はあ。とにかく、カインの呪いの解除の手かがりが見つかって良かった。