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受け継がれる想い
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???「ねぇ、こんな苗植えたところでどうせ敵の焼夷弾で焼けちゃうよ?」
???「かもな・・・でも、何かの奇跡でこいつが大きく育ってくれたら・・・きっと後世の助けになる筈だ」
???「大きくなるまでに何十年かかるんだろうね?その頃には僕たち3人も死んじゃってるかもね!」
???「それでいいさ、でも・・・その頃にはさ、誰も悲しまず殺し合わない世界であってほしいよ・・・。」
《ボクの一番最初の記憶・・・100年程前、名も知らない子どもたちにこの地に植えられた》
《あれからたくさんの大人と子どもたちがボクを大きくなるのを見守ってくれた》
《きっと最初の記憶のあの子たちはもう死んでいるだろう、人間はボクらのように長くは生きられないから…》
《でも、そんなボクも気づけばもう老木になってしまった、もしかしたらボクは近いうちに最後も人間の手で切り倒されるのかも知れない》
《そんなのはイヤだ、だってボクはまだ・・・》
「相変わらずでっけー木だなぁ・・・しかしなんでこんな校庭のど真ん中にあるんだ?こういうのって校庭の隅にひっそりあるもんなんじゃないの?」
「長く、この学校の守り神として大切に育てられてきたんだっておじいちゃんが言ってた。この木には様々な想いが託されているとかなんとかって・・・」
「ふーん、その割にはもう随分とボロボロじゃねえか?何ていうか…ボロボロだ、校舎よりもでけーけどさ・・・」
「あはは!語彙力が欠片もないね!」
「うるっせー!こんな老木倒れる前にさっさと切っちまった方がいいんじゃねえかって言ってんの!」
《イヤだ・・・そんなのイヤだ、だってボクはまだ役目を・・・!》
「なんだ?風もないのに木が・・・揺れた・・・?」
「あーあ怒らせた、君が切っちまえなんて言うから!」
「バ、バカ言うなよ・・・ほら、チャイムだ、大休憩が終わる!急いで教室戻るぞ!」
それから程なくして授業が始まり、少年は一人窓際の席で空を見つめる
「急に曇って来たな・・・さっきまでいい天気だったのに・・・」
ゴロゴロという雷鳴が遠くから聞こえ、すぐに雨も降りだす。
「傘持ってきてねえっつーの、どうやって帰るかな今日・・・」
ピカッ・・・
真っ白な稲光が唐突に教室内を包む
遅れて轟く雷鳴
教室内の照明が消える
「な、なに!?怖い!雷が落ちたんだ!」
「きゃあああああああ!」
恐怖で叫び出す子どもたち
「お、落ち着いて!大丈夫!電気もすぐに戻る!」
俺は見た、教室の電気なんかどうでもいい、俺は見たんだ
あの老木に雷が落ちた瞬間を、そして真っ赤に燃え上がるその時を・・・
???「遠い未来にいつかここにいる子どもたちの背中を大きな姿で押してやってくれ」
???「それまで無事に育ってくれるといいな、私達の未来の子ども達を助けてね」
???「そうだ、君に役目を与えよう、どうか後世で私達の子どもを・・・守って!!」
《これで・・・役目は果たせたかな・・・?遅くはなったけど・・・》
《ああ、色んな教室の窓から子どもたちがボクを見てる・・・》
《長い間・・・ありが・・・と・・・》
それから数日もしないうちにあの木は業者の手で切り倒された
その時にはもうほぼ真っ黒こげの状態だった
その時は近所のお年寄りも大人もみんな集まって別れを見届けた
そして・・・
「この苗を植えるのか?」
「そう、植えるの、願いを込めてね」
「きっといつか大きくなって私達の未来の子どもたちをまた助けてくれるんじゃない?」
「その頃には俺ら誰も生きてねぇんじゃねえのか?」
「それでいいじゃない、そうやって受け継がれていくのよ」
「よく分かんねー・・・けど、やるならさっさとやっちまうか!」
???「かもな・・・でも、何かの奇跡でこいつが大きく育ってくれたら・・・きっと後世の助けになる筈だ」
???「大きくなるまでに何十年かかるんだろうね?その頃には僕たち3人も死んじゃってるかもね!」
???「それでいいさ、でも・・・その頃にはさ、誰も悲しまず殺し合わない世界であってほしいよ・・・。」
《ボクの一番最初の記憶・・・100年程前、名も知らない子どもたちにこの地に植えられた》
《あれからたくさんの大人と子どもたちがボクを大きくなるのを見守ってくれた》
《きっと最初の記憶のあの子たちはもう死んでいるだろう、人間はボクらのように長くは生きられないから…》
《でも、そんなボクも気づけばもう老木になってしまった、もしかしたらボクは近いうちに最後も人間の手で切り倒されるのかも知れない》
《そんなのはイヤだ、だってボクはまだ・・・》
「相変わらずでっけー木だなぁ・・・しかしなんでこんな校庭のど真ん中にあるんだ?こういうのって校庭の隅にひっそりあるもんなんじゃないの?」
「長く、この学校の守り神として大切に育てられてきたんだっておじいちゃんが言ってた。この木には様々な想いが託されているとかなんとかって・・・」
「ふーん、その割にはもう随分とボロボロじゃねえか?何ていうか…ボロボロだ、校舎よりもでけーけどさ・・・」
「あはは!語彙力が欠片もないね!」
「うるっせー!こんな老木倒れる前にさっさと切っちまった方がいいんじゃねえかって言ってんの!」
《イヤだ・・・そんなのイヤだ、だってボクはまだ役目を・・・!》
「なんだ?風もないのに木が・・・揺れた・・・?」
「あーあ怒らせた、君が切っちまえなんて言うから!」
「バ、バカ言うなよ・・・ほら、チャイムだ、大休憩が終わる!急いで教室戻るぞ!」
それから程なくして授業が始まり、少年は一人窓際の席で空を見つめる
「急に曇って来たな・・・さっきまでいい天気だったのに・・・」
ゴロゴロという雷鳴が遠くから聞こえ、すぐに雨も降りだす。
「傘持ってきてねえっつーの、どうやって帰るかな今日・・・」
ピカッ・・・
真っ白な稲光が唐突に教室内を包む
遅れて轟く雷鳴
教室内の照明が消える
「な、なに!?怖い!雷が落ちたんだ!」
「きゃあああああああ!」
恐怖で叫び出す子どもたち
「お、落ち着いて!大丈夫!電気もすぐに戻る!」
俺は見た、教室の電気なんかどうでもいい、俺は見たんだ
あの老木に雷が落ちた瞬間を、そして真っ赤に燃え上がるその時を・・・
???「遠い未来にいつかここにいる子どもたちの背中を大きな姿で押してやってくれ」
???「それまで無事に育ってくれるといいな、私達の未来の子ども達を助けてね」
???「そうだ、君に役目を与えよう、どうか後世で私達の子どもを・・・守って!!」
《これで・・・役目は果たせたかな・・・?遅くはなったけど・・・》
《ああ、色んな教室の窓から子どもたちがボクを見てる・・・》
《長い間・・・ありが・・・と・・・》
それから数日もしないうちにあの木は業者の手で切り倒された
その時にはもうほぼ真っ黒こげの状態だった
その時は近所のお年寄りも大人もみんな集まって別れを見届けた
そして・・・
「この苗を植えるのか?」
「そう、植えるの、願いを込めてね」
「きっといつか大きくなって私達の未来の子どもたちをまた助けてくれるんじゃない?」
「その頃には俺ら誰も生きてねぇんじゃねえのか?」
「それでいいじゃない、そうやって受け継がれていくのよ」
「よく分かんねー・・・けど、やるならさっさとやっちまうか!」
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