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きみが好きだと言ったから
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世界の終わり。これは僕のお気に入りの本だ。
内容としては、概ねタイトル通り。人類が滅亡するその最期の時の話。
結末としては、救いようの話。起承転結が成り立たない話。
なのにどうしてだろうな。本の内容としては破綻しているのに、もう何度も手にとって読んでいる。
この本を彼女に貸した。彼女も面白いと言ってくれた。
あの日、僕は彼女に告白をされたんだ。
僕が体調を崩した時、彼女は僕の家までお見舞いにきてくれた。
僕のおでこにキスをして、僕の頭を撫でるんだ。
彼女は本を読んでいた。それなのに僕には読んだことを言わなかった。
だから僕はこの本を貸した。読みたいなら遠慮せずに読めばいいんだ。そう思ったから。
ぱらぱらとページを捲る。ふと、本の最後のページに何か書いてあるのに気が付いた。
『私は貴方と手を繋ぐ。私は貴方を抱き締める。私は貴方の傍にいる。これが答え。これがすべて。』
こんなもの、いつの間に書かれていたのだろうか。
知らなかった。それにこの字には心当たりがある。
「なあ、これ、きみが書いただろう」
「えっ……か、書いてない」
「嘘。これはきみの字だ。僕が間違えるはずがない」
「はわ、とうとうばれてしまった。私はもう、塵となった。ちりちりちりちり……」
僕の彼女はとてもかわいい。
あの日、親の反対を押し切ってまで彼女と同じ大学にきてよかった。
これからもずっと一緒にいよう。
世界が終わる、その時まで。
内容としては、概ねタイトル通り。人類が滅亡するその最期の時の話。
結末としては、救いようの話。起承転結が成り立たない話。
なのにどうしてだろうな。本の内容としては破綻しているのに、もう何度も手にとって読んでいる。
この本を彼女に貸した。彼女も面白いと言ってくれた。
あの日、僕は彼女に告白をされたんだ。
僕が体調を崩した時、彼女は僕の家までお見舞いにきてくれた。
僕のおでこにキスをして、僕の頭を撫でるんだ。
彼女は本を読んでいた。それなのに僕には読んだことを言わなかった。
だから僕はこの本を貸した。読みたいなら遠慮せずに読めばいいんだ。そう思ったから。
ぱらぱらとページを捲る。ふと、本の最後のページに何か書いてあるのに気が付いた。
『私は貴方と手を繋ぐ。私は貴方を抱き締める。私は貴方の傍にいる。これが答え。これがすべて。』
こんなもの、いつの間に書かれていたのだろうか。
知らなかった。それにこの字には心当たりがある。
「なあ、これ、きみが書いただろう」
「えっ……か、書いてない」
「嘘。これはきみの字だ。僕が間違えるはずがない」
「はわ、とうとうばれてしまった。私はもう、塵となった。ちりちりちりちり……」
僕の彼女はとてもかわいい。
あの日、親の反対を押し切ってまで彼女と同じ大学にきてよかった。
これからもずっと一緒にいよう。
世界が終わる、その時まで。
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