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34 【番外編】孕ませエンド2
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王都の貴族向けの店が並ぶの通りで、明るい金色の髪の美少年と護衛らしき青年二人が歩いていた。
「王都スゲェ!何、この店!すげえドレス!花屋みたいにカラフルだ!なぁマクシムもそう思わないか?」
「花屋って……ソトン、その例え酷いな……今はアシル様の護衛中って忘れてるだろ?」
「ふふ、花屋の花のように素敵な店がたくさんですよね」
サレイユの婚約者アシルと、護衛のマキシムとソトンは舗装された石畳を話しながら歩いていた。サレイユに頼まれて今日はアシルの護衛をしているが、カイナード出身で王都に初めてきたソトンは完全にお上りさん状態でマキシムは先が重いやられ憂鬱な気分だった。
「母ちゃんや妹に見せてたかったな」
「おい、今は護衛中だぞ。俺たちは観光客じゃない。しっかり仕事しろ」
「ソトンの気持ちは分かります。僕も王都は久しぶりなので気持ちが高ぶってしまいます。家族にお土産を買っていけばいいですよ」
「ええ?!いいんですか?でもここ高そうで……」
ソトンは周りをキョロキョロと見回す。貴族向けの店の通りなので平民のソトンが値段の心配をしてしまうのは当然だ。
「安いお店もありますよ。僕、知ってるから今から行きましょう」
「アシル様、ソトンを甘やかさないでください」
「マキシムも一緒に家族へのお土産を買えばいいですよ?」
「俺の実家は王都近くです。昨日、帰りましたので大丈夫です」
護衛される側のアシルと、護衛側が一緒に観光気分で買い物など何かあったときに困る。ここはマキシムは引かないことにする。アシルは少し考えて口を開く。
「それではマクシムの恋人に送るお土産なんてどうですか?」
「……っ……おっ俺にはいませんので……恋人は……」
刺されたような心の痛みにマキシムは一瞬動揺する。自分の不貞が原因で他の男に取られて別れることになった元恋人を思い出す。もうニ年にもなるのに心は癒えてはいなかった。
『ロジェ……俺はもう王都には戻らないと決めたのに……』
サレイユが王都に一週間ほど戻ることになり、マキシムにも来てほしいとサレイユ本人から頼まれた。アシルの警護にソトンだけでは心許ない、あいつは絶対やらかす頼むからサポートしてくれと言われてついて来たが、想像以上にソトンが護衛を忘れて浮かれていたのでサレイユの予想は当たっていた。
失恋の痛みを思い出しているマキシムが動揺している隙に、アシルは提案を出す。
「では、こうしましょう。僕がサレイユ様へのお土産を買うということでお店に行きます」
「……かしこまりましたアシル様」
こう言われては何も言えない。マキシムは従うしかない。その店に行くこととなった。
「アシル様、危険な場所などはお止めしますから」
「心配しすぎですマキシム。お店の隣は病院ですし、通りの外れでもないですよ」
「あっ、本当ですね。ヤブーシャー医院、内科、産科、医療魔術で有名な名医がいるみたいですよ」
ソトンが観光客向けのガイドブックを読みながら話していて、マキシムは更に頭が痛くなった。
『ソトン……殴りてえ……』
++++++++++++++++++++++++++++++
病院の待合室で、ロジェとカラスバは座って待っていた。この病院は男性出産も診察してくれて最新の医療魔術が受けられる病院とあって待合の人が多かった。カラスバが、カラスバとその兄弟もここの病院で産まれたといっていた。椅子に座って待っているロジェはカラスバに話しかける。
「ねえ、カラスバくんが仕事を休んでまで病院の付添いしてくれるの悪いから、次からは一人で行ってもいいかな?だめなら実家の母さんか姉さんに付添いを……」
「大丈夫、職場にも許可は取ってるから。理解がある職場でよかったよ」
「でも……」
「それに僕も初めてのことだから一緒に行って先生からロジェくんの身体の経過のこと知りたいし」
「う、うん、ありがとう……」
そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。いたれりつくせりで、ありがたいがいつもカラスバに監視されているようで不安になってしまう。家族に相談したことがあるが、妊娠しているからカラスバはロジェを心配しているんだよと言われてしまった。
『考えすぎなのかな……確かにカラスバくんが色々と気を使ってくれるのはありがたいけど……』
そんな不安気なロジェの気配を察知したのか、カラスバはロジェの手をそっと両手で握る。
「ふふ、ロジェくんは僕の職場での立場を心配してくれてるんだね。大丈夫だよ、結果をすでに出しまくってるからね。来年の昇給が楽しみ」
カラスバに笑顔を向けられて、ロジェは困ったように笑い返した。
+++++++++++++++++++++++
お洒落な外観のお菓子屋に、アシルとソトンが店内で買い物をしている中、マキシムは店の外で護衛をしていた。狭い店内のため、一人は外で待機していたほうがいいとマキシムは外で待っていた。
外から店の窓を覗くと、アシルとソトンがショーケース内の商品を見て何か話している。これをアシルの婚約者サレイユが見たら、ソトンはぶっ飛ばされるだろうなとマキシムは思いつつ、ソトンがすっかり護衛を忘れているのに呆れてしまう。
待機している店の隣は、医院で診察を受ける人や帰る人が出たり入ったりしている。ソトンが言っていたように人気のある医院のようだ。今いる場所は治安はいい地域のため、特に心配はするようなことは起きていなかった。
マキシムはふと隣の医院の入り口を見ると、お腹の大きい女性が入っていくのが見えた。そういえば、ソトンが産科もあると言っていたなと思い出す。そんな時、二人の男性が建物から出てきた。見覚えがある髪色、背丈、遠くから見ても分かる覚えがある目の色。隣の男に寄り添うように腹が膨らんだロジェがゆっくり歩いていた。
「……ッ!!」
信じられなかった。いや、この国では男性同士の結婚も出産も可能だが、まさかロジェが妊娠しているだなんて……マキシムは頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
「ロ、ロジェ……」
マキシムの小さい呟きは誰にも聞こえていないはずだった。ロジェの隣りにいるローブの男が、マキシムの方を少し見たあと、嘲笑うかのように口端をあげたように見えた瞬間、どこからともなく強風が吹き、風に気を取られていると二人の姿はどこにもなかった。
「……白昼夢か……?」
おそらく今見たのは似た他人だろうとマキシムは思った。しかし、自ら大切な人を傷つけて別れた過去の所業を思い出し、自己嫌悪に陥り後悔の念に襲われる。
いくら後悔しても、もう遅いんだ……
「マキシム!買い物終わったぞ!待たせたな!」
マキシムはソトンの声で現実に引き戻された。お土産を買ってご機嫌なソトンを見て、自己嫌悪に陥っていた自分も警護する者として失格だなと反省する。
『そうだ、今は警護中だ。騎士としての仕事をはたそう』
「マキシム、お待たせしました。二人とも疲れたでしょう?お礼にお茶でも行きませんか?」
「アシル様、俺達は警護ですから大丈夫です。それにサレイユ様に嫉妬されてしまうので遠慮しておきます。」
「そんなーマキシム!せっかくアシル様のお誘いなのに!ってお前なんか涙目になってない?」
ソトンに指摘をされて、マキシムは自分が泣いていたことに気づいた。
「さっき吹いた強風で目にゴミが入ってこうなったんだ……」
結局、アシルのお供でオシャレなレストランで軽食を取ることになり、その後帰ってから嫉妬したサレイユに注意を受けるマキシムとソトンなのであった。
「いきなり転移魔法を使わないでよ。びっくりするよ」
「ごめんごめん」
病院を出たらカラスバにいきなり転移魔術を使われて、家の前まで転移で帰らされてしまい、ロジェはカラスバに怒っていた。
「近くの大きな公園で散歩したかったのに……花が見頃だって言ったのカラスバくんじゃないか」
「忘れてたよ。本当にごめん」
「もう……いつものことだからいいけど……」
ロジェにへそを曲げられてしまったが、カラスバは医院から出るときに近くの店にロジェの元恋人であるマキシムがいたことに気がついていた。サレイユが王都に一時的に戻っているなら、マキシムがいてもおかしくないと思っていたが偶然会うとは思っていなかった。ロジェが気づく前に転移魔術を使って帰ってきたが、そのせいでロジェの機嫌が悪くなってしまった。
『元カレと会ってストレスになる方がよくないしな……さてロジェくんのご機嫌を取ろう』
「お詫びに今日は僕が夕餉を作るよ」
「えっ、いいよ!カラスバくん、いつもシチューしか作らないから」
「僕はいつもシチューでも構わないよ?」
「今はシチューは食べたくないんだ……僕は野菜スープでいいかな。あとクラッカーが食べたいな」
「じゃあ買ってくるよ」
そう言ってカラスバは転移魔術で消えていった。相変わらず振り回されてしまい、ロジェは部屋のソファーに座って身体をを休める。
「本当に困った人だなあ……君もそう思わない?」
ロジェは膨らんだお腹を撫でながら独り言を呟いた。
「王都スゲェ!何、この店!すげえドレス!花屋みたいにカラフルだ!なぁマクシムもそう思わないか?」
「花屋って……ソトン、その例え酷いな……今はアシル様の護衛中って忘れてるだろ?」
「ふふ、花屋の花のように素敵な店がたくさんですよね」
サレイユの婚約者アシルと、護衛のマキシムとソトンは舗装された石畳を話しながら歩いていた。サレイユに頼まれて今日はアシルの護衛をしているが、カイナード出身で王都に初めてきたソトンは完全にお上りさん状態でマキシムは先が重いやられ憂鬱な気分だった。
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「おい、今は護衛中だぞ。俺たちは観光客じゃない。しっかり仕事しろ」
「ソトンの気持ちは分かります。僕も王都は久しぶりなので気持ちが高ぶってしまいます。家族にお土産を買っていけばいいですよ」
「ええ?!いいんですか?でもここ高そうで……」
ソトンは周りをキョロキョロと見回す。貴族向けの店の通りなので平民のソトンが値段の心配をしてしまうのは当然だ。
「安いお店もありますよ。僕、知ってるから今から行きましょう」
「アシル様、ソトンを甘やかさないでください」
「マキシムも一緒に家族へのお土産を買えばいいですよ?」
「俺の実家は王都近くです。昨日、帰りましたので大丈夫です」
護衛される側のアシルと、護衛側が一緒に観光気分で買い物など何かあったときに困る。ここはマキシムは引かないことにする。アシルは少し考えて口を開く。
「それではマクシムの恋人に送るお土産なんてどうですか?」
「……っ……おっ俺にはいませんので……恋人は……」
刺されたような心の痛みにマキシムは一瞬動揺する。自分の不貞が原因で他の男に取られて別れることになった元恋人を思い出す。もうニ年にもなるのに心は癒えてはいなかった。
『ロジェ……俺はもう王都には戻らないと決めたのに……』
サレイユが王都に一週間ほど戻ることになり、マキシムにも来てほしいとサレイユ本人から頼まれた。アシルの警護にソトンだけでは心許ない、あいつは絶対やらかす頼むからサポートしてくれと言われてついて来たが、想像以上にソトンが護衛を忘れて浮かれていたのでサレイユの予想は当たっていた。
失恋の痛みを思い出しているマキシムが動揺している隙に、アシルは提案を出す。
「では、こうしましょう。僕がサレイユ様へのお土産を買うということでお店に行きます」
「……かしこまりましたアシル様」
こう言われては何も言えない。マキシムは従うしかない。その店に行くこととなった。
「アシル様、危険な場所などはお止めしますから」
「心配しすぎですマキシム。お店の隣は病院ですし、通りの外れでもないですよ」
「あっ、本当ですね。ヤブーシャー医院、内科、産科、医療魔術で有名な名医がいるみたいですよ」
ソトンが観光客向けのガイドブックを読みながら話していて、マキシムは更に頭が痛くなった。
『ソトン……殴りてえ……』
++++++++++++++++++++++++++++++
病院の待合室で、ロジェとカラスバは座って待っていた。この病院は男性出産も診察してくれて最新の医療魔術が受けられる病院とあって待合の人が多かった。カラスバが、カラスバとその兄弟もここの病院で産まれたといっていた。椅子に座って待っているロジェはカラスバに話しかける。
「ねえ、カラスバくんが仕事を休んでまで病院の付添いしてくれるの悪いから、次からは一人で行ってもいいかな?だめなら実家の母さんか姉さんに付添いを……」
「大丈夫、職場にも許可は取ってるから。理解がある職場でよかったよ」
「でも……」
「それに僕も初めてのことだから一緒に行って先生からロジェくんの身体の経過のこと知りたいし」
「う、うん、ありがとう……」
そう言われてしまうと何も言えなくなってしまう。いたれりつくせりで、ありがたいがいつもカラスバに監視されているようで不安になってしまう。家族に相談したことがあるが、妊娠しているからカラスバはロジェを心配しているんだよと言われてしまった。
『考えすぎなのかな……確かにカラスバくんが色々と気を使ってくれるのはありがたいけど……』
そんな不安気なロジェの気配を察知したのか、カラスバはロジェの手をそっと両手で握る。
「ふふ、ロジェくんは僕の職場での立場を心配してくれてるんだね。大丈夫だよ、結果をすでに出しまくってるからね。来年の昇給が楽しみ」
カラスバに笑顔を向けられて、ロジェは困ったように笑い返した。
+++++++++++++++++++++++
お洒落な外観のお菓子屋に、アシルとソトンが店内で買い物をしている中、マキシムは店の外で護衛をしていた。狭い店内のため、一人は外で待機していたほうがいいとマキシムは外で待っていた。
外から店の窓を覗くと、アシルとソトンがショーケース内の商品を見て何か話している。これをアシルの婚約者サレイユが見たら、ソトンはぶっ飛ばされるだろうなとマキシムは思いつつ、ソトンがすっかり護衛を忘れているのに呆れてしまう。
待機している店の隣は、医院で診察を受ける人や帰る人が出たり入ったりしている。ソトンが言っていたように人気のある医院のようだ。今いる場所は治安はいい地域のため、特に心配はするようなことは起きていなかった。
マキシムはふと隣の医院の入り口を見ると、お腹の大きい女性が入っていくのが見えた。そういえば、ソトンが産科もあると言っていたなと思い出す。そんな時、二人の男性が建物から出てきた。見覚えがある髪色、背丈、遠くから見ても分かる覚えがある目の色。隣の男に寄り添うように腹が膨らんだロジェがゆっくり歩いていた。
「……ッ!!」
信じられなかった。いや、この国では男性同士の結婚も出産も可能だが、まさかロジェが妊娠しているだなんて……マキシムは頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
「ロ、ロジェ……」
マキシムの小さい呟きは誰にも聞こえていないはずだった。ロジェの隣りにいるローブの男が、マキシムの方を少し見たあと、嘲笑うかのように口端をあげたように見えた瞬間、どこからともなく強風が吹き、風に気を取られていると二人の姿はどこにもなかった。
「……白昼夢か……?」
おそらく今見たのは似た他人だろうとマキシムは思った。しかし、自ら大切な人を傷つけて別れた過去の所業を思い出し、自己嫌悪に陥り後悔の念に襲われる。
いくら後悔しても、もう遅いんだ……
「マキシム!買い物終わったぞ!待たせたな!」
マキシムはソトンの声で現実に引き戻された。お土産を買ってご機嫌なソトンを見て、自己嫌悪に陥っていた自分も警護する者として失格だなと反省する。
『そうだ、今は警護中だ。騎士としての仕事をはたそう』
「マキシム、お待たせしました。二人とも疲れたでしょう?お礼にお茶でも行きませんか?」
「アシル様、俺達は警護ですから大丈夫です。それにサレイユ様に嫉妬されてしまうので遠慮しておきます。」
「そんなーマキシム!せっかくアシル様のお誘いなのに!ってお前なんか涙目になってない?」
ソトンに指摘をされて、マキシムは自分が泣いていたことに気づいた。
「さっき吹いた強風で目にゴミが入ってこうなったんだ……」
結局、アシルのお供でオシャレなレストランで軽食を取ることになり、その後帰ってから嫉妬したサレイユに注意を受けるマキシムとソトンなのであった。
「いきなり転移魔法を使わないでよ。びっくりするよ」
「ごめんごめん」
病院を出たらカラスバにいきなり転移魔術を使われて、家の前まで転移で帰らされてしまい、ロジェはカラスバに怒っていた。
「近くの大きな公園で散歩したかったのに……花が見頃だって言ったのカラスバくんじゃないか」
「忘れてたよ。本当にごめん」
「もう……いつものことだからいいけど……」
ロジェにへそを曲げられてしまったが、カラスバは医院から出るときに近くの店にロジェの元恋人であるマキシムがいたことに気がついていた。サレイユが王都に一時的に戻っているなら、マキシムがいてもおかしくないと思っていたが偶然会うとは思っていなかった。ロジェが気づく前に転移魔術を使って帰ってきたが、そのせいでロジェの機嫌が悪くなってしまった。
『元カレと会ってストレスになる方がよくないしな……さてロジェくんのご機嫌を取ろう』
「お詫びに今日は僕が夕餉を作るよ」
「えっ、いいよ!カラスバくん、いつもシチューしか作らないから」
「僕はいつもシチューでも構わないよ?」
「今はシチューは食べたくないんだ……僕は野菜スープでいいかな。あとクラッカーが食べたいな」
「じゃあ買ってくるよ」
そう言ってカラスバは転移魔術で消えていった。相変わらず振り回されてしまい、ロジェは部屋のソファーに座って身体をを休める。
「本当に困った人だなあ……君もそう思わない?」
ロジェは膨らんだお腹を撫でながら独り言を呟いた。
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