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33 【番外編】孕ませエンド1
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「サレイユ、久しぶり!何年ぶり?」
「二年くらいだ」
「あっそうだ。はい、これは頼まれてた強精ポーションだよ」
「悪いなカラスバ」
まだ昼になる前の明るい陽光が照る時間、王都の高級レストランの個室にて2人の男、サレイユとカラスバはテーブルに向き合って食事をしていた。というより食事を積極的に取っているのは、カラスバだけであった。サレイユは騎士の正装でキッチリ着こなしている。カラスバも魔術師の正装で黙っていれば決まっているが、遠慮なくバクバク食事を取っているのでまったく様になっていなかった。カラスバから荷物を受け取りサレイユは中身を確認する。袋の中にはポーションが10本入っているが、このポーションは今王都で話題の効き目抜群の強精剤ポーションであった。
「カイナードの上司や辺境伯にも王都にいくならコレを買ってこいと頼まれたんだ。手に入れるのが困難なんだろ?このポーション」
「そうみたいだね。僕は売ってる店と懇意なんだ。ところでサレイユすっかり騎士らしくなっちゃって。日焼けしてるし更に頑強になったね。そんなに辺境領のカイナードの騎士団は大変なの?」
「軽く言うな……今は平穏だが本当に騎士という仕事は大変なんだぞ……カイナードの学園に通いつつ騎士団で鍛えられたからな……」
王都の学園に通っていたサレイユは、当時付き合っていた男爵令息も一緒にカイナードに行くことになり婚約した。休暇を取り久しぶりに婚約者と王都に帰ってきたのだ。他にも王都出身の騎士団の同期や、王都に来たことがない若い騎士も一緒に来ているらしい。
「私の婚約者は今は買い物に行っている。一緒に行きたかったが、お前と会うために仕方なく断念したんだぞ」
「ふーん、あっそれ、食べないなら頂戴」
「足りないなら追加注文すればいいだろう……」
カラスバのマイペースで自由奔放ぶりは久しぶりにあっても変わらず、サレイユは内心ため息をついた。サレイユは食事に手を付け始めた。
「あっそうそう僕、結婚したんだ。来年には父親になるよ!」
「えっ?えぇっ?お前が?!」
「うん!」
サレイユは思わず立ち上がり目が飛び出るほどに驚愕した。こんな邪悪な男が結婚し、あまつさえ子供が産まれる……相手は誰かは検討はついているが、サレイユは気の毒になった。
『カラスバが結婚し子供が生まれれば多少はまともになるかもしれんな。伴侶は大変だろうが……』
サレイユは目の前で食事を呑気に食べているカラスバを見てそう思うのであった。
++++++++++++++++++++++++++
カラスバとサレイユが食事をしている頃――
閑静な建物が立ち並ぶタウンハウスの通りに、他に比べると地味な一軒家がある。パッと見はわからないが、厳重な防犯魔術がかけられていた。その家の客間に、ロジェは卒業した学園の友人二人と談笑をしていた。
「まさかロジェがカラスバくんと結婚してもう妊娠してるなんてな」
「卒業してすぐだもんな。二人はほんと仲がいいんだな」
「ははは……そうかな……」
ロジェは曖昧に笑って誤魔化す。友人のウスマとフォックは、学園を数ヶ月前に卒業したあと魔術商品を販売する商会でポーションを作る魔術師として働き始めた。カラスバは研究が認められ、国から補助がでている民間の研究所で働くことになり、ロジェは実家のポーション屋の手伝いをしようと思っていたら妊娠してしまった。いや、カラスバに学園を卒業したから子作り解禁だとばかりに狙って孕まされてしまったのだった。拒否権はロジェにはなかった。
「カラスバくんは今日は仕事なの?」
「今は用事があって出かけてるよ。午後には帰ると思うんだけど」
「カラスバくんにも会いたいけど、俺たち午後から職場の研修があるからそれはまでにはお暇するよ」
「仕事か、二人ともいいなあ」
ロジェは心底そう思いながら、ウスマとフォックの職場の話を聞いていた。卒業後はどこかの商会やポーション工房に修行に行きたかったが、カラスバが許してくれなかった。
――ロジェくんは僕の所有物だよ。僕の許可無く外に出て働くのは許さないよ――
卒業後はカラスバと一緒に暮らすことになり、すぐに妊娠してしまった。報告を受けたロジェの両親と姉は驚いたが、カラスバを気に入っていたので祝福をしてくれた。問題はカラスバの父親だった。カラスバが一人でカラスバの実家に行って3日帰ってこなかった。4日後に戻ってきた時に、衝撃的なことを言われたのだった。
「いやー、父さんに『愛する人を妊娠させたので責任を取って結婚します』って報告したら、怒った父さんに魔術で僕の全身の骨を粉々にされちゃったせいで帰るのが遅くなっちゃった。心配かけてごめんね」
「……え?……粉々?えっ?」
「学園を卒業したばかりなのに妊娠させたのが父の逆鱗に触れたみたい。まあ僕は気にしてないけど。ほとぼりが冷めたら父はともかく母には会ってほしいな。あっ結婚式はいつしよう?」
ニッコリと笑顔でカラスバに言われたが、ロジェは返事にをすることができなかった。その時のことをロジェは頭の片隅で思い出しながら、ウスマとフォックの会話に相槌を打っていた。
「でもロジェすごいよな。お前が考案した滋養強精のポーション。あれ売れてるんだろ?」
「男の機能を元気にさせるポーションだろ。ピンポイントで元気にするっていう発想はなかったな」
「ははは……いやその話はいいから……」
カラスバの性欲が凄まじいので少しでも性欲減退してほしく、性欲をなくすポーションをロジェはこっそり作っていたが、実験していくうちに衰えた男性機能を回復させるポーションが出来上がってしまい、こっそり捨てようとしたがカラスバに見つかりそのままカラスバに使用され激しく犯された。カラスバに勧められて滋養強精ポーションを実家の店で売り出したところ、思ったより以上に売れてしまい、ロジェは複雑な心境だった。ちなみにロジェの実家の父親は儲かってウハウハである。
「出産費用や生まれてくる子供のお金の足しになればいいかなあ……と思って……ということにしておいてほしいかな」
「足しになるだろ絶対!」
「まさかロジェがいい奥さんになるとは思わなかったな」
「ハハハ……」
ロジェは曖昧に笑って誤魔化した。
++++++++++++++++++++++
ウスマとフォックが帰った後、ロジェは庭にある温室の中で育てている薬草に水やりをしていた。日課の水やりはロジェに取って一人過ごす癒やしの時間だった。
「んー、この薬草はあんまり育ってないな。肥料を変えてみようかな……いや土からかな?」
カラスバがロジェが研究する用に温室を用意してくれて、ロジェは外に出なくてもポーション用の薬草を栽培して研究することができるようになった。環境を整えてくれるのはありがたいが、ロジェは外に出たいと言う前に先手を打たれているように思えた。
『なんか……気のせいか自分が閉じ込められてるみたいなんだよなあ……あえて外に出してくれないような……妊娠してるから心配してくれてるのかもしれないけど』
そう考えながら薬草を移植ゴテで別の鉢に植え変えていると、温室のドアがふいに開いた。
「ロジェくん、ただいま」
「あ、おかえりなさい。今、薬草の鉢替えをしてたところなんだ」
「僕がやるよ」
「そんなに大した数じゃないから自分でやるよ」
「だめだよ。ロジェくんはもう自分だけの身体じゃないんだから無理しないで。僕がやるよ」
そう言ってカラスバはロジェの隣に来て移植ゴテを手に取り、薬草の鉢替えを手際よくし始める。鉢替えをカラスバにやってもらい手持ち無沙汰になったロジェは、置いてあった椅子に座ってカラスバの作業を見ることにした。
「終わったよ。今度、肥料を変えてみようか」
カラスバは鉢替えを終わらせ、座っているロジェの前にしゃがむとロジェの膨らみつつあるお腹に顔を寄せて手でそっと撫でた。
「ここにロジェくんと僕の子供がいるなんて不思議だね。顔を見るのが楽しみ」
「僕も、そうだよ」
ロジェはカラスバの濡れ羽色の髪の毛を返すように撫でた。
「二年くらいだ」
「あっそうだ。はい、これは頼まれてた強精ポーションだよ」
「悪いなカラスバ」
まだ昼になる前の明るい陽光が照る時間、王都の高級レストランの個室にて2人の男、サレイユとカラスバはテーブルに向き合って食事をしていた。というより食事を積極的に取っているのは、カラスバだけであった。サレイユは騎士の正装でキッチリ着こなしている。カラスバも魔術師の正装で黙っていれば決まっているが、遠慮なくバクバク食事を取っているのでまったく様になっていなかった。カラスバから荷物を受け取りサレイユは中身を確認する。袋の中にはポーションが10本入っているが、このポーションは今王都で話題の効き目抜群の強精剤ポーションであった。
「カイナードの上司や辺境伯にも王都にいくならコレを買ってこいと頼まれたんだ。手に入れるのが困難なんだろ?このポーション」
「そうみたいだね。僕は売ってる店と懇意なんだ。ところでサレイユすっかり騎士らしくなっちゃって。日焼けしてるし更に頑強になったね。そんなに辺境領のカイナードの騎士団は大変なの?」
「軽く言うな……今は平穏だが本当に騎士という仕事は大変なんだぞ……カイナードの学園に通いつつ騎士団で鍛えられたからな……」
王都の学園に通っていたサレイユは、当時付き合っていた男爵令息も一緒にカイナードに行くことになり婚約した。休暇を取り久しぶりに婚約者と王都に帰ってきたのだ。他にも王都出身の騎士団の同期や、王都に来たことがない若い騎士も一緒に来ているらしい。
「私の婚約者は今は買い物に行っている。一緒に行きたかったが、お前と会うために仕方なく断念したんだぞ」
「ふーん、あっそれ、食べないなら頂戴」
「足りないなら追加注文すればいいだろう……」
カラスバのマイペースで自由奔放ぶりは久しぶりにあっても変わらず、サレイユは内心ため息をついた。サレイユは食事に手を付け始めた。
「あっそうそう僕、結婚したんだ。来年には父親になるよ!」
「えっ?えぇっ?お前が?!」
「うん!」
サレイユは思わず立ち上がり目が飛び出るほどに驚愕した。こんな邪悪な男が結婚し、あまつさえ子供が産まれる……相手は誰かは検討はついているが、サレイユは気の毒になった。
『カラスバが結婚し子供が生まれれば多少はまともになるかもしれんな。伴侶は大変だろうが……』
サレイユは目の前で食事を呑気に食べているカラスバを見てそう思うのであった。
++++++++++++++++++++++++++
カラスバとサレイユが食事をしている頃――
閑静な建物が立ち並ぶタウンハウスの通りに、他に比べると地味な一軒家がある。パッと見はわからないが、厳重な防犯魔術がかけられていた。その家の客間に、ロジェは卒業した学園の友人二人と談笑をしていた。
「まさかロジェがカラスバくんと結婚してもう妊娠してるなんてな」
「卒業してすぐだもんな。二人はほんと仲がいいんだな」
「ははは……そうかな……」
ロジェは曖昧に笑って誤魔化す。友人のウスマとフォックは、学園を数ヶ月前に卒業したあと魔術商品を販売する商会でポーションを作る魔術師として働き始めた。カラスバは研究が認められ、国から補助がでている民間の研究所で働くことになり、ロジェは実家のポーション屋の手伝いをしようと思っていたら妊娠してしまった。いや、カラスバに学園を卒業したから子作り解禁だとばかりに狙って孕まされてしまったのだった。拒否権はロジェにはなかった。
「カラスバくんは今日は仕事なの?」
「今は用事があって出かけてるよ。午後には帰ると思うんだけど」
「カラスバくんにも会いたいけど、俺たち午後から職場の研修があるからそれはまでにはお暇するよ」
「仕事か、二人ともいいなあ」
ロジェは心底そう思いながら、ウスマとフォックの職場の話を聞いていた。卒業後はどこかの商会やポーション工房に修行に行きたかったが、カラスバが許してくれなかった。
――ロジェくんは僕の所有物だよ。僕の許可無く外に出て働くのは許さないよ――
卒業後はカラスバと一緒に暮らすことになり、すぐに妊娠してしまった。報告を受けたロジェの両親と姉は驚いたが、カラスバを気に入っていたので祝福をしてくれた。問題はカラスバの父親だった。カラスバが一人でカラスバの実家に行って3日帰ってこなかった。4日後に戻ってきた時に、衝撃的なことを言われたのだった。
「いやー、父さんに『愛する人を妊娠させたので責任を取って結婚します』って報告したら、怒った父さんに魔術で僕の全身の骨を粉々にされちゃったせいで帰るのが遅くなっちゃった。心配かけてごめんね」
「……え?……粉々?えっ?」
「学園を卒業したばかりなのに妊娠させたのが父の逆鱗に触れたみたい。まあ僕は気にしてないけど。ほとぼりが冷めたら父はともかく母には会ってほしいな。あっ結婚式はいつしよう?」
ニッコリと笑顔でカラスバに言われたが、ロジェは返事にをすることができなかった。その時のことをロジェは頭の片隅で思い出しながら、ウスマとフォックの会話に相槌を打っていた。
「でもロジェすごいよな。お前が考案した滋養強精のポーション。あれ売れてるんだろ?」
「男の機能を元気にさせるポーションだろ。ピンポイントで元気にするっていう発想はなかったな」
「ははは……いやその話はいいから……」
カラスバの性欲が凄まじいので少しでも性欲減退してほしく、性欲をなくすポーションをロジェはこっそり作っていたが、実験していくうちに衰えた男性機能を回復させるポーションが出来上がってしまい、こっそり捨てようとしたがカラスバに見つかりそのままカラスバに使用され激しく犯された。カラスバに勧められて滋養強精ポーションを実家の店で売り出したところ、思ったより以上に売れてしまい、ロジェは複雑な心境だった。ちなみにロジェの実家の父親は儲かってウハウハである。
「出産費用や生まれてくる子供のお金の足しになればいいかなあ……と思って……ということにしておいてほしいかな」
「足しになるだろ絶対!」
「まさかロジェがいい奥さんになるとは思わなかったな」
「ハハハ……」
ロジェは曖昧に笑って誤魔化した。
++++++++++++++++++++++
ウスマとフォックが帰った後、ロジェは庭にある温室の中で育てている薬草に水やりをしていた。日課の水やりはロジェに取って一人過ごす癒やしの時間だった。
「んー、この薬草はあんまり育ってないな。肥料を変えてみようかな……いや土からかな?」
カラスバがロジェが研究する用に温室を用意してくれて、ロジェは外に出なくてもポーション用の薬草を栽培して研究することができるようになった。環境を整えてくれるのはありがたいが、ロジェは外に出たいと言う前に先手を打たれているように思えた。
『なんか……気のせいか自分が閉じ込められてるみたいなんだよなあ……あえて外に出してくれないような……妊娠してるから心配してくれてるのかもしれないけど』
そう考えながら薬草を移植ゴテで別の鉢に植え変えていると、温室のドアがふいに開いた。
「ロジェくん、ただいま」
「あ、おかえりなさい。今、薬草の鉢替えをしてたところなんだ」
「僕がやるよ」
「そんなに大した数じゃないから自分でやるよ」
「だめだよ。ロジェくんはもう自分だけの身体じゃないんだから無理しないで。僕がやるよ」
そう言ってカラスバはロジェの隣に来て移植ゴテを手に取り、薬草の鉢替えを手際よくし始める。鉢替えをカラスバにやってもらい手持ち無沙汰になったロジェは、置いてあった椅子に座ってカラスバの作業を見ることにした。
「終わったよ。今度、肥料を変えてみようか」
カラスバは鉢替えを終わらせ、座っているロジェの前にしゃがむとロジェの膨らみつつあるお腹に顔を寄せて手でそっと撫でた。
「ここにロジェくんと僕の子供がいるなんて不思議だね。顔を見るのが楽しみ」
「僕も、そうだよ」
ロジェはカラスバの濡れ羽色の髪の毛を返すように撫でた。
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