恋人から性欲処理は浮気じゃないとキレられた僕はクラスメートに寝取られる

雫谷 美月

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14 採集実習④

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朝になり、食事をしつつ次の採集場所を確認するため地図を拡げて打ち合わせを始めるが、ロジェは暗い顔をして話を黙って聞いていた。

「ロジェ、顔色悪いけど大丈夫か?」
「う、うん……」

明け方まで辱めを悦んで受けていたロジェはほとんど寝ていなかったが、同じはずのウスマとフォックはとても元気だった。

「……ウスマとフォックの体調はどう……?」
「俺は絶好調だぞ」
「キャンプしたのに凄い身体が調子がいい。空気がいいからかな」

辱めを受けたロジェはフラフラだったが、何故か3人はほぼ寝てないはずなのに元気だった。

「ロジェくん、僕の体調も聞いてほしいな」
「……カラスバくんは見るからに元気だよね……」

ニコニコとカラスバはロジェの隣で聞いてくるが、ロジェは昨日の乱交を思い出したくなく俯いてしまう。

『友達と……してしまったのに、僕は喜んでた……自分がこんなにいやらしい人間だったなんて……』

ウスマとフォックの二人は催眠状態だったので昨夜のことは覚えていないようだ。しかしロジェはしっかりと覚えていた。自ら犯されるのを悦び、肉棒をしゃぶって性交を強請るはしたない自分を。

『最悪だ……死にたい……』

額に手を当てて絶望的な気分に陥っているロジェへ、カラスバが荷物から何かを出してきてロジェに渡そうとした。

「ロジェくん、体調悪いならポーションあるから飲んで」
「……う……うん……」

一体誰のせいで体調が優れないのか、とカラスバに怒りたいが今はロジェにそんな元気もなかった。カラスバからポーションを受け取ったロジェは見覚えがあるポーションの瓶に目をみはる。

「これ…うちの実家のポーションじゃないか……」
「そうだよ。ロジェくんのお家の商品」
「しかも日付の刻印が最近のだ……な、なんで……?」
「何故って、ロジェくんのお父さんが遊びに来てって言ったからたまにお店に行って買いに行ってるんだ。質がいいし、お父さんの腕はすごいね!」
「……知らなかった……そんなの……」
「いつも割引してもらってるよ。いいお父さんだね!よくロジェくんのことをお話してるよ」

自分の知らぬ間に実家の店に行って父と会っていたのか…ショックを受けロジェはますます気分が悪くなってしまった。

「今度、一緒に行こうね」
「いや…ぼ、僕の実家だし……」

ロジェはそう言うのが精一杯だった。

++++++++++++++++++++++++++++++++

ロジェがあまりにも顔色が悪くなってしまい、ウスマとフォックは先に次の採集場所に出発し、カラスバと後から合流する計画となった。遅れて出発したロジェとカラスバは、緩やかな山道をゆっくり歩いていく。天候は穏やかだったが、ロジェは相変わらず顔色が悪くカラスバが気遣うように話しかけた。

「ロジェくん、大丈夫?休む?」
「……誰のせいだと思ってるんだ……」

ロジェはカラスバを睨むが、カラスバは笑顔で気にした様子もない。外面は良いので歩いていく山の風景も似合うが、その外見とは裏腹に邪悪な男であることをロジェは嫌というほど知っている。

「僕のせい?ごめんよ。でも昨日はロジェくんも途中から凄かったし」
「……それ以上、言わなくていいよ……」

カラスバへの怒りよりも、自分への自己嫌悪が強くロジェを苛んだ。あんなに乱れて淫欲に溺れてしまったのはロジェ自身だった。

『あれは僕のせいじゃない……カラスバくんが悪いんだ……そうじゃないと……これは浮気になってしまう……』

ロジェはまだ恋人であるマクシムと喧嘩したとはいえ別れてないので、れっきとした裏切り、背信行為になると考えていた。

喧嘩した時にマクシムは“性欲処理は浮気じゃない“とロジェに言った。

『性欲処理なら浮気じゃない……か。それだと昨夜、喜んで性欲処理をしていた僕も浮気じゃなくなるな……友達二人とセックスしてカラスバくんに抱かれて喜んでたのに浮気じゃなくなるなんて……そんなバカな話があるのか……見境なしの浮気をしているのは僕のほうじゃないか……』

ロジェは自己嫌悪に気持ちが沈んでいると、カラスバから肩を抱かれてしまう。

「……あの、カラスバくん……大丈夫だから……」
「確かに昨夜は楽しかったから調子に乗ってやりすぎちゃったのは悪かったよ。ごめん」
「今頃、謝られても……」

ロジェの頬に顔を寄せてスリスリと頬擦りをしてカラスバは甘えてくる。

「昨日は本当によかったよ。僕とロジェくんの気持ちが通じあったし」
「別に通じ合ってないよ……」

カラスバの体から離れようとするが、ロジェの肩を抱く手は離れずカラスバは更に互いの鼻先がつくぐらいの距離に近づく。

「色々、僕は責任取るから。ね?」
「責任っていい加減に…うっ…んんっ……!」

急にカラスバに唇で口を塞がれてしまいロジェは驚くが、カラスバの胸を押すようにして腕で離し急いで距離を取る。

「やめてよ!まだ昼間だよ!」
「こんな山奥に人なんていないよ。ロジェくんは心配性だな」
「人がいるとかいないとかそういうことじゃないよ!カラスバくんはいっつもそうだ…!」

ロジェはカラスバに会った当初から辱めを受けている。こちらの言い分はまったく無視だ。ロジェは怒りが湧いてきてしまい、カラスバに文句を言わずにはいられない精神状態になったが、ふと視線を感じ見ると、少し離れた所に驚いた顔のウスマがいた。

「あっ…ウ、ウスマ…」
「やあ、ウスマくん。心配して戻ってきてくれたの?」

うろたえるロジェとは対象的に、カラスバはいつもと同じようにニコニコとウスマに声をかける。ロジェは先程のキスを見られてしないかと内心、焦っていた。

『どっ、どうしよう…さっきの見られてたら……』

ロジェは嫌な汗がじっとり吹き出るのを感じた。

「あー、うん…、思ったよりも採集場所に早くついたから、ロジェの荷物を持とうかと戻ってきたんだけど…その、お、俺はなんもみてないから大丈夫。二人のキスとか見てないから!」

完全にウスマに見られていて、ロジェはますます顔色が悪くなり、カラスバはニコニコとしていた。
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