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11 採集実習①
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ロジェは魔術クラスの実地訓練の集合場所で持っていた荷物を落とした。
「おはようロジェくん。今日もよろしくね」
「なんでいるの?!カラスバくんが?!」
今日から魔術クラスで一週間程度、山の方に行き薬草や鉱石などの採集をする実習という名の課外授業がある。魔術クラスの生徒はグループごとに行動し、夜はキャンプをし泊りがけの実習となる。余程の理由がなければ不参加の生徒は単位が貰えないが、カラスバは特別扱いなので参加しなくても単位は問題ないはずだが―――。
「言ってなかった?僕も実習に参加するって。ロジェくんの班だよ」
「えっ?聞いてない。同じ班のウスマやフォックにも言わないと…」
「ウスマくん達には話をつけてあるよ。僕が参加するって言ったらありがたいことに喜んでくれたよ」
「…え?」
自分の知らないところでグループのウスマやフォックに話を通しているなんて知らなかった……と、ロジェは呆気に取られる。
「よろしくねロジェくん。」
眼鏡越しに満面の笑みで笑うカラスバに、ロジェは行く前からどっと疲れてしまった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
快晴で採集のために山へ行くには最適な天気だったが、ロジェはため息をつきたくなった。
「へー、ウスマくんもフォックくんもポーション屋の息子なんだね」
「そうそう、ロジェと俺とフォックで入学からずっとポーション屋の息子だから同じグループなんだ」
「魔術クラスはどうしてもそうなるよ。研究内容が被るとグループになるっていうか。俺達ポーション班は地味なんだよなあ……攻撃魔術ができる奴とか羨ましいよ。華々しいからな」
「こういう採集のやつは苦手って誰かがぼやいてたな。俺達は得意分野だな!」
「ははは、頼もしいかぎりだね」
まだ半日も経っていないのにもうカラスバはウスマとフォックと仲がよくなり話が弾んでいた。
『……カラスバくん、外面はいいからな……二人共、騙されてる……』
木々が生い茂り脇には名も知らない小さな花を咲かす雑草が生える山道を歩いていく。最初に採集する薬草はポーションを作るのに使う薬草が生えている群生地だ。
カラスバはウスマとフォックと話に花を咲かしていた。
「昔、親父に連れて行ってもらったことあるけど普段はポーション用の薬草は業者から買うからな」
「最近は群生地に行かなくても栽培できるように研究されているって聞いたけど、まだ実用化は無理なのかな?」
「まだかなりコストがかかるようですよ。カラスバくんは、そっちの研究も興味が?」
「僕は専門が違うからなあ。ロジェくんはどうかな?そういう研究、興味ある?」
黙って話を聞いていて急に話を振られてしまいロジェは驚いて言葉に詰まる。
「えー、あー、…僕は家の跡を継ぐ予定だから…研究とかは…」
「ロジェ、せっかくカラスバくんの助手やってるんだから自分も何か研究したらいいんじゃないか?」
「そうだよ、もったいないぞ?」
ウスマとフォックに言われてしまうが、人の気も知らないで…とロジェは思う。しかし二人にはカラスバとの関係を知られたくはなかったので口を噤むことにした。
「あー、そういえばロジェくんのお父さんが別に店継がなくてもいいって言ってたよ」
「え?」
カラスバがさらっと衝撃的なことを言う。驚くロジェを気にせずカラスバは言葉を続けた。
「前にロジェくんのお父さんに話を聞かせてもらったとき言ってたよ。僕の助手になるなら、研究の道に行かせてもいいかもなって。ロジェくん、お姉さんいるよね。お姉さんが婿を取って跡を継がせてもいいって」
「え…そんなこと聞いてない…」
「あれ?言ってなかった?」
ロジェは驚愕して言葉を失う。いつの間にそんな話を……ウスマとフォックに実習の班の話をつけていたりと、ロジェの知らぬところで話が進んでいて恐怖する。まるで、囲い込まれて逃げられないような……
「………」
「ロジェ、顔色悪いけど大丈夫か?」
「うん……だ、大丈夫……」
ウスマに心配されるほど、ロジェは自分がショックを受けているとわかった。
「日差しが意外に強いからな。ちょっと早いけど休もうか?」
「そうだね。無理は禁物だよね」
カラスバが後ろを歩くロジェに笑いかけるが、ロジェは笑うことができなかった。
+++++++++++++++++++++++++++
群生地についた時は他の班はまだ来ておらずロジェ達が一番乗りのようだった。
「わー!たくさん生えてるね!」
「たくさん生えてても、いいやつを見極めて採取するんだよ…」
「地味な作業だから大変なんだよな」
群生地を見たのは初めてのカラスバは感動しているが、ロジェやウスマやフォックは連れてこられたことがあるので、見慣れた風景である。
「ロジェくん、僕、初めてだから教えて」
「ええ…」
「そうだな、ロジェはカラスバくんについて教えてあげて。俺らはさっさと採取していくからよろしく」
ウスマとフォックはそういって薬草の群生地に入り採取を始めた。ロジェはニコニコとしているカラスバのお守りにされたようだった。いつもと変わらない…とロジェは思った。
「ロジェくん、この草はどう?」
「それはまだ取るのは早いから、こっちのほうがいいかな。葉っぱの上から3枚目まで黄緑色みたいな色だったらそこで切るのがいいよ。色が濃い緑だとすでに葉が固いから使えないんだ」
「なるほどね。為になるよロジェくん!」
「それはどうも……」
楽しそうに薬草を採取していくカラスバに対して、実習でもカラスバからは逃げられないのか……とロジェは諦めた気持ちで自分も薬草の採取を始めた。
++++++++++++++++++++++++++++++
野宿用の簡易テントを作り、用意していた食事を食べながらもカラスバはずっとウスマとフォックと話していた。
「カラスバくんって面白いね。クールな感じで近寄りがたかったけど、かなり気さくで喋るんだね」
「ハハハ、ありがとう。兄にお前のお喋りはうるさい落ち着けって言われるんだ」
そんな3人の話に入らず聞き役に徹して作った料理を食べている。持ってきた乾燥野菜や肉を煮込んだだけのスープだが、思ったよりは美味しいとロジェは思いながら食べていた。
「ロジェもよかったな。カラスバくんの助手になれて」
「そうだなカラスバくんなら任せられるよロジェを」
ウスマとフォックがいきなりロジェのことを言い出して、ロジェは驚いてしまう。任せられるとはどういうことなんだ。
「正直、ロジェの元彼氏の騎士クラスの奴はロジェは合わないと思ってたんだ。カラスバくんならいいよな」
「あっ、俺もそう思う」
「そんな、二人に言われると僕、照れるなあ」
「ちょ、ちょっと待って!僕は別にまだ別れてな…」
ロジェの前に空の皿をカラスバは差し出し
「お代わりしていい?美味しいよねロジェくんの作ったスープ」
と言われてしまい、ロジェは皿を受け取り大人しく盛り付ける。
タイミング悪く言えなかった…とロジェは思うが、ウスマとフォックはカラスバとすっかり仲良くなり、自分に薦めてくる始末だ。マクシムのことはまだ好きだと言っても反対されるのが目に見えている。
『カラスバくんとは確かに…関係を…持っているけど、マクシムとはまだ別れてない…それに僕は彼のことがまだ…』
ロジェの気持ちのように夕闇が深くなる。月明かりが出ない今夜は更に暗くなりそうだな、明日に備えて早く寝るかとウスマとフォックが話していた。
+++++++++++++++++++++++++++++
食事が終わるとウスマとフォックは倒れるようにその場に寝てしまった。
「ウスマ?フォック?」
「よっぽど疲れてたのかな?」
カラスバは寝ているウスマとフォックの身体を引きずってテントに入れると何処から出したのか毛布を二人にかける。
「ちょっと、どういうことだよ?!」
「収納魔術。使えるの内緒だよ」
「違うよ!ウスマとフォックのことだよ!何したの!」
「疲れてたんじゃないかな?」
あからさまにカラスバが何かしたとしか思えないがしらばっくれて答えない。腹がたったロジェはカラスバに食って掛かろうとするがするりとかわされて、後ろから抱きしめられてしまう。
「ちょっと、何するんだ!?離して!」
「んーと、ナニするんだよ」
「なっ…?!」
息がかかる距離でふざけたことを言われてロジェはカッとなるものの、後ろから口を塞がれてしまうが抵抗する。
「もう!なんだよ!こんな時まで盛って!最低だな!俺は奴隷じゃない!」
「僕の性奴隷になるっていったのロジェくんだよ。覚えてないの」
「はぁ?!そんなこと言ってな…ひううっっ…」
服の上から指で股関を撫でられてしまいロジェは声を上げてしまう。
「あんまり声が大きいと二人共起きちゃうかも」
「やっぱり、カラスバくんのせいじゃないか…やっ…服を脱がすなぁっ…」
「キスだけで勃起してるじゃん」
「ああっ…言うなあ…んんっ…」
屹立したペニスを手で擦られてしまいロジェは小さい喘ぎ声をあげてしまう。ウスマ達が寝ているテント内で行為に及ぶ恥辱に顔を赤らめつつもカラスバの手により嫌でも興奮を引き出されてしまう。
「んっ…お願い…やめて…」
「ん?その割に腰がもぞもぞ動いてるけど?本当はやめてほしくないんでしょ」
「ちっ違う…んっ……あぁっ…」
ロジェが否定するとわざと強く擦られてしまい声が上がってしまう。
「正直に言って?」
「あっ……気持ちいい……」
「よく言えたね。性欲処理兼性奴隷のロジェくん」
「っ……」
違うと言いたいが性的興奮を引き出されてしまいカラスバになすがままにされてしまう。そのまま、ウスマとフォックが寝ている横でカラスバから伸し掛かられて愛撫を受けてしまう。ロジェは二人が寝ているとは言え起きないか気が気ではなかったが、劣情を催した身体は蕩けていくだけだった。
「ロジェくん、乳首も勃起していやらしい。そんなに吸われたいの」
「ああっ…だめ…そこは感じすぎて…やああっ…」
胸の敏感になっている先端を吸われて顎を仰け反らせてしまう。拒否したいのに身体は悦んでカラスバを受けいれてしまう事実にロジェは悔しくて涙が溢れた。
「ロジェくんのここは開発したかいがあって、乳輪がいやらしく膨らんで女の子みたいになってるよ。本当にいやらしいね…」
「やっ…やだ…そんなこと言わないで…あんっ…」
「今日は乳首でイッてみて」
「やあああっ…!だめぇっれ」
執拗に舌で舐られ吸われて指で刺激を受けてロジェはカラスバの言うがままにイッてしまう。散々嬲られた両乳首は唾液でヌメ光り誘っているようだった。
「もう許して…ウスマとフォックがいるのに…」
「ふふふ、今日はロジェくんが僕の性奴隷って自覚するように気持ちよくしてあげるつもりだからね」
カラスバはロジェの耳元に吐息がかかる距離で話しかける。
「最近、催眠魔術っていうの知ったんだけど」
「催眠魔術…?」
「ふふふ、エッチなことに使う都合のいい魔術だよ」
ロジェは聞いて嫌な予感しかしなかった。
「え…僕にかけるの…?」
これ以上の辱めをされるのかと思うとロジェは恐ろしくなり裸身を強張らせるとカラスバは笑顔で応える。
「君にかけないよ。対象は寝てる二人だよ。もう起きてるかな?」
「……まさか……」
「おはようロジェくん。今日もよろしくね」
「なんでいるの?!カラスバくんが?!」
今日から魔術クラスで一週間程度、山の方に行き薬草や鉱石などの採集をする実習という名の課外授業がある。魔術クラスの生徒はグループごとに行動し、夜はキャンプをし泊りがけの実習となる。余程の理由がなければ不参加の生徒は単位が貰えないが、カラスバは特別扱いなので参加しなくても単位は問題ないはずだが―――。
「言ってなかった?僕も実習に参加するって。ロジェくんの班だよ」
「えっ?聞いてない。同じ班のウスマやフォックにも言わないと…」
「ウスマくん達には話をつけてあるよ。僕が参加するって言ったらありがたいことに喜んでくれたよ」
「…え?」
自分の知らないところでグループのウスマやフォックに話を通しているなんて知らなかった……と、ロジェは呆気に取られる。
「よろしくねロジェくん。」
眼鏡越しに満面の笑みで笑うカラスバに、ロジェは行く前からどっと疲れてしまった。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++
快晴で採集のために山へ行くには最適な天気だったが、ロジェはため息をつきたくなった。
「へー、ウスマくんもフォックくんもポーション屋の息子なんだね」
「そうそう、ロジェと俺とフォックで入学からずっとポーション屋の息子だから同じグループなんだ」
「魔術クラスはどうしてもそうなるよ。研究内容が被るとグループになるっていうか。俺達ポーション班は地味なんだよなあ……攻撃魔術ができる奴とか羨ましいよ。華々しいからな」
「こういう採集のやつは苦手って誰かがぼやいてたな。俺達は得意分野だな!」
「ははは、頼もしいかぎりだね」
まだ半日も経っていないのにもうカラスバはウスマとフォックと仲がよくなり話が弾んでいた。
『……カラスバくん、外面はいいからな……二人共、騙されてる……』
木々が生い茂り脇には名も知らない小さな花を咲かす雑草が生える山道を歩いていく。最初に採集する薬草はポーションを作るのに使う薬草が生えている群生地だ。
カラスバはウスマとフォックと話に花を咲かしていた。
「昔、親父に連れて行ってもらったことあるけど普段はポーション用の薬草は業者から買うからな」
「最近は群生地に行かなくても栽培できるように研究されているって聞いたけど、まだ実用化は無理なのかな?」
「まだかなりコストがかかるようですよ。カラスバくんは、そっちの研究も興味が?」
「僕は専門が違うからなあ。ロジェくんはどうかな?そういう研究、興味ある?」
黙って話を聞いていて急に話を振られてしまいロジェは驚いて言葉に詰まる。
「えー、あー、…僕は家の跡を継ぐ予定だから…研究とかは…」
「ロジェ、せっかくカラスバくんの助手やってるんだから自分も何か研究したらいいんじゃないか?」
「そうだよ、もったいないぞ?」
ウスマとフォックに言われてしまうが、人の気も知らないで…とロジェは思う。しかし二人にはカラスバとの関係を知られたくはなかったので口を噤むことにした。
「あー、そういえばロジェくんのお父さんが別に店継がなくてもいいって言ってたよ」
「え?」
カラスバがさらっと衝撃的なことを言う。驚くロジェを気にせずカラスバは言葉を続けた。
「前にロジェくんのお父さんに話を聞かせてもらったとき言ってたよ。僕の助手になるなら、研究の道に行かせてもいいかもなって。ロジェくん、お姉さんいるよね。お姉さんが婿を取って跡を継がせてもいいって」
「え…そんなこと聞いてない…」
「あれ?言ってなかった?」
ロジェは驚愕して言葉を失う。いつの間にそんな話を……ウスマとフォックに実習の班の話をつけていたりと、ロジェの知らぬところで話が進んでいて恐怖する。まるで、囲い込まれて逃げられないような……
「………」
「ロジェ、顔色悪いけど大丈夫か?」
「うん……だ、大丈夫……」
ウスマに心配されるほど、ロジェは自分がショックを受けているとわかった。
「日差しが意外に強いからな。ちょっと早いけど休もうか?」
「そうだね。無理は禁物だよね」
カラスバが後ろを歩くロジェに笑いかけるが、ロジェは笑うことができなかった。
+++++++++++++++++++++++++++
群生地についた時は他の班はまだ来ておらずロジェ達が一番乗りのようだった。
「わー!たくさん生えてるね!」
「たくさん生えてても、いいやつを見極めて採取するんだよ…」
「地味な作業だから大変なんだよな」
群生地を見たのは初めてのカラスバは感動しているが、ロジェやウスマやフォックは連れてこられたことがあるので、見慣れた風景である。
「ロジェくん、僕、初めてだから教えて」
「ええ…」
「そうだな、ロジェはカラスバくんについて教えてあげて。俺らはさっさと採取していくからよろしく」
ウスマとフォックはそういって薬草の群生地に入り採取を始めた。ロジェはニコニコとしているカラスバのお守りにされたようだった。いつもと変わらない…とロジェは思った。
「ロジェくん、この草はどう?」
「それはまだ取るのは早いから、こっちのほうがいいかな。葉っぱの上から3枚目まで黄緑色みたいな色だったらそこで切るのがいいよ。色が濃い緑だとすでに葉が固いから使えないんだ」
「なるほどね。為になるよロジェくん!」
「それはどうも……」
楽しそうに薬草を採取していくカラスバに対して、実習でもカラスバからは逃げられないのか……とロジェは諦めた気持ちで自分も薬草の採取を始めた。
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野宿用の簡易テントを作り、用意していた食事を食べながらもカラスバはずっとウスマとフォックと話していた。
「カラスバくんって面白いね。クールな感じで近寄りがたかったけど、かなり気さくで喋るんだね」
「ハハハ、ありがとう。兄にお前のお喋りはうるさい落ち着けって言われるんだ」
そんな3人の話に入らず聞き役に徹して作った料理を食べている。持ってきた乾燥野菜や肉を煮込んだだけのスープだが、思ったよりは美味しいとロジェは思いながら食べていた。
「ロジェもよかったな。カラスバくんの助手になれて」
「そうだなカラスバくんなら任せられるよロジェを」
ウスマとフォックがいきなりロジェのことを言い出して、ロジェは驚いてしまう。任せられるとはどういうことなんだ。
「正直、ロジェの元彼氏の騎士クラスの奴はロジェは合わないと思ってたんだ。カラスバくんならいいよな」
「あっ、俺もそう思う」
「そんな、二人に言われると僕、照れるなあ」
「ちょ、ちょっと待って!僕は別にまだ別れてな…」
ロジェの前に空の皿をカラスバは差し出し
「お代わりしていい?美味しいよねロジェくんの作ったスープ」
と言われてしまい、ロジェは皿を受け取り大人しく盛り付ける。
タイミング悪く言えなかった…とロジェは思うが、ウスマとフォックはカラスバとすっかり仲良くなり、自分に薦めてくる始末だ。マクシムのことはまだ好きだと言っても反対されるのが目に見えている。
『カラスバくんとは確かに…関係を…持っているけど、マクシムとはまだ別れてない…それに僕は彼のことがまだ…』
ロジェの気持ちのように夕闇が深くなる。月明かりが出ない今夜は更に暗くなりそうだな、明日に備えて早く寝るかとウスマとフォックが話していた。
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食事が終わるとウスマとフォックは倒れるようにその場に寝てしまった。
「ウスマ?フォック?」
「よっぽど疲れてたのかな?」
カラスバは寝ているウスマとフォックの身体を引きずってテントに入れると何処から出したのか毛布を二人にかける。
「ちょっと、どういうことだよ?!」
「収納魔術。使えるの内緒だよ」
「違うよ!ウスマとフォックのことだよ!何したの!」
「疲れてたんじゃないかな?」
あからさまにカラスバが何かしたとしか思えないがしらばっくれて答えない。腹がたったロジェはカラスバに食って掛かろうとするがするりとかわされて、後ろから抱きしめられてしまう。
「ちょっと、何するんだ!?離して!」
「んーと、ナニするんだよ」
「なっ…?!」
息がかかる距離でふざけたことを言われてロジェはカッとなるものの、後ろから口を塞がれてしまうが抵抗する。
「もう!なんだよ!こんな時まで盛って!最低だな!俺は奴隷じゃない!」
「僕の性奴隷になるっていったのロジェくんだよ。覚えてないの」
「はぁ?!そんなこと言ってな…ひううっっ…」
服の上から指で股関を撫でられてしまいロジェは声を上げてしまう。
「あんまり声が大きいと二人共起きちゃうかも」
「やっぱり、カラスバくんのせいじゃないか…やっ…服を脱がすなぁっ…」
「キスだけで勃起してるじゃん」
「ああっ…言うなあ…んんっ…」
屹立したペニスを手で擦られてしまいロジェは小さい喘ぎ声をあげてしまう。ウスマ達が寝ているテント内で行為に及ぶ恥辱に顔を赤らめつつもカラスバの手により嫌でも興奮を引き出されてしまう。
「んっ…お願い…やめて…」
「ん?その割に腰がもぞもぞ動いてるけど?本当はやめてほしくないんでしょ」
「ちっ違う…んっ……あぁっ…」
ロジェが否定するとわざと強く擦られてしまい声が上がってしまう。
「正直に言って?」
「あっ……気持ちいい……」
「よく言えたね。性欲処理兼性奴隷のロジェくん」
「っ……」
違うと言いたいが性的興奮を引き出されてしまいカラスバになすがままにされてしまう。そのまま、ウスマとフォックが寝ている横でカラスバから伸し掛かられて愛撫を受けてしまう。ロジェは二人が寝ているとは言え起きないか気が気ではなかったが、劣情を催した身体は蕩けていくだけだった。
「ロジェくん、乳首も勃起していやらしい。そんなに吸われたいの」
「ああっ…だめ…そこは感じすぎて…やああっ…」
胸の敏感になっている先端を吸われて顎を仰け反らせてしまう。拒否したいのに身体は悦んでカラスバを受けいれてしまう事実にロジェは悔しくて涙が溢れた。
「ロジェくんのここは開発したかいがあって、乳輪がいやらしく膨らんで女の子みたいになってるよ。本当にいやらしいね…」
「やっ…やだ…そんなこと言わないで…あんっ…」
「今日は乳首でイッてみて」
「やあああっ…!だめぇっれ」
執拗に舌で舐られ吸われて指で刺激を受けてロジェはカラスバの言うがままにイッてしまう。散々嬲られた両乳首は唾液でヌメ光り誘っているようだった。
「もう許して…ウスマとフォックがいるのに…」
「ふふふ、今日はロジェくんが僕の性奴隷って自覚するように気持ちよくしてあげるつもりだからね」
カラスバはロジェの耳元に吐息がかかる距離で話しかける。
「最近、催眠魔術っていうの知ったんだけど」
「催眠魔術…?」
「ふふふ、エッチなことに使う都合のいい魔術だよ」
ロジェは聞いて嫌な予感しかしなかった。
「え…僕にかけるの…?」
これ以上の辱めをされるのかと思うとロジェは恐ろしくなり裸身を強張らせるとカラスバは笑顔で応える。
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