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あなたが恋に落ちるまで
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「それ、自分の仕事じゃないでしょ。君は総務部であってレストラン事業部じゃない」
「………」
夏帆はぽかんと口を開け、間抜けな顔で俺を見ている。
「それとも、総務部は新店舗のデザインに口を出せるほどの力でもあるの?」
「………」
「君が頼まれたわけでもないのにそこまで考える必要はないんじゃない? 余計なお世話かもよ」
止まらない。傷つける言葉が止まらない。
「椎名さん……?」
夏帆は不安と恐怖が混ざった目で俺を見る。
「さっき食堂で聞いてらしたんですね……別に気を遣ってるつもりはなくて……ただ横山さんの役に立つかなって」
俺から目を逸らして下を向いてしまった。
「確かにカタログを貰ってきてって頼まれたわけじゃないんです。私が口出すつもりもなくて……ただ横山さんが必要なときにすぐに渡せたらって……」
あの男の名を2回も聞かされていい気はしない。
「ごめんなさい、急に無理言って……」
意味なく怒っているのは俺の方なのに、夏帆が申し訳なさそうに謝る。
こんな空気にしたかったわけじゃない。ただ俺のくだらない嫉妬をぶつけてしまっただけだ。
「夏帆ちゃんさ、何でも自分がやってあげようなんて思わなくていいんだ」
「え?」
「優しさに付け込んで利用するやつだっているんだから。この間の中田みたいに」
「中田さん?」
「はっきり断らないのをいいことに、ぐいぐい君を連れてくんだ」
「そんな……こと……」
「さっきだって、ちょっと料理を褒められたくらいで浮かれちゃだめだよ。下心があったらどうするの」
少しでも優しくしたら君はすぐに落ちそうで。
「前にも言ったけど、夏帆ちゃんみたいな子は簡単に利用できるんだから」
惚れさせたら何でもやってくれる気がしてしまう。俺以外の男にそんな隙見せんなよ。
「どうして……またそんなこと言うんですか?」
夏帆は今にも泣きそうだ。
「椎名さんは私のことが嫌いなんですか?」
「は?」
「いっつも私に嫌なことばかり言う……理解できないことを言う……からかって楽しんでる……」
「自分が嫌われてると思うの?」
「椎名さんみたく輝いてる人は、地味でブスな私なんてストレス発散相手って程度にしか思わないから……」
何でそうなるのだ。卑屈にも程がある。
俺が輝いてるだって? そうさせてくれたのは誰だと思ってる。輝いてるのは俺よりも……。
「椎名さんを忘れたままだから、何度も意地悪なことを言うんですか?」
「………」
「どこで会ったんですか? バイト先ですか? 学校ですか?」
「………」
「私が嫌いってはっきり言ってくれたら、辛い言葉を言われても少しは受け流せるのに……」
俺は夏帆に辛い思いをさせていたのか。嫌われてるのは俺の方じゃないか。
「嫌い」と、そう言えば君が楽になるのなら……。
「嫌い……じゃない」
「そうですか……え?」
言えるわけないだろう。嫌いだなんて嘘はつけない。
「嫌いなわけない。夏帆ちゃんが好きだよ」
俺の告白に夏帆は目を真ん丸に見開いた。
言ってしまった。ゆっくり攻めると決めたばかりなのに。
「そうやって……からかわないでください……」
不機嫌そうに目を伏せる。夏帆の反応に俺は焦った。
「今のからかってると思うわけ?」
「男慣れしてない私にそう言えば簡単にヤれると思ってないですか?」
「は? なにそれ意味不明」
「私みたいな女はホテルに連れ込むのも簡単なんですよね? 椎名さんがそう言いました」
確かに言った。合コンの時も今も。
「俺が体目当てだと思ってるんだ?」
「………」
なんてめんどくさい女だ。真剣に告っても、卑屈すぎて気持ちを受け取るどころか信じてもらえない。
「別に体から始めてもいいんだけど」
気持ちを信じてもらえないなら、先に体を手に入れるまでだ。後からいくらでも俺に惚れさせる自信はあるのだから。
夏帆との距離を詰め、顔を近づけた。何度もそうしてきた。今度は本気で唇を奪うつもりだった。
「や、やめてください!」
夏帆は叫ぶと俺の横をすり抜け倉庫のドアへ走った。
それを追えなかった。拒否された衝撃が強すぎて。
ドアから勢いよく出ていった夏帆は戻ってくることはなかった。
「地味女うぜー……」
俺は誰もいなくなった倉庫にしゃがみこんだ。
夏帆を前にすると、焦って手を出したくなる自分が憎い。大抵の女は俺が迫れば落ちるのに、あの恋愛初心者には怯えさせるだけなのだ。
3年前と同じだ。そして初めてだ。女に本気になったのも、狙った女に逃げられたのも。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
休日は久しぶりに買い物しようと電車で1時間半かけてショッピングモールに来た。
気分転換しないと椎名さんのことを考えてしまうから。今日はたくさん服を買って、おしゃれなカフェでランチするのだ。
新しい服を買って気持ちが満たされた時、ふと目の前を通った男の人に目がいった。
着ている紺色のTシャツの背中には、見慣れた会社のロゴと社名がプリントされていた。
見た瞬間怖くて足が止まってしまった。
もしかして椎名さん……? 今は絶対に会いたくないのにどうしてここに?
男の人は鮮やかな色で溢れた花屋の前で止まり、店員さんと話始めた。
落ち着いてよく見ると確かにアサカグリーンの社員のようだが、男の人は椎名さんとは全然似ていない別人だった。
人違いして……馬鹿みたい。
本気で椎名さんだと思って焦ってしまった。
花屋の看板を見るとアサカグリーンのロゴが入っている。ではここが店舗の一つなのだろう。
休日まであの人のことを考えてしまう。それほど強烈な出来事だった。
一体私が椎名さんに何をしたというのだろう。普通に話をしていたつもりだった。あの時の椎名さんはとても不機嫌で、これまで以上に不可解な行動をとった。合コンの夜の中田さんを思い出させる強引さが怖かった。
これから仕事で付き合う上で、どう接していったらいいか困ってしまう。
初めて男の人に好きだと言われた。でも嬉しいとは思わなかった。そんなの絶対嘘に決まってる。椎名さんほどかっこいい人は私なんて眼中にないはずだもん。もっと綺麗で素敵な女性しか相手にしないだろうから。
私はアサカグリーンの花屋に向かって歩き出した。
気を遣ってるわけじゃない。私の仕事でもない。それでも横山さんの役にたつなら……。
「あの、すみません」
花屋の店員とロゴ入りTシャツを着た社員さんが同時に私を見た。
「こちらの会社の装飾のカタログってありますか?」
あれ? これおかしくない?
食品開発部から上がってきた業者への発注書のコピーと、納品書の金額が合わない。
私は受話器を取って内線をかける。
プープープープープープー………
出ない。食品開発部は社内にいるのにいつも内線を無視しがちなのだ。
私は丹羽さんに調理室に行く旨を伝えると急いでエレベーターに乗った。
締め日が迫って忙しいのに無駄な時間を取らせないでほしいよ……。
「失礼します」
観音開きのドアを通って調理室に入った。
「すみません」
「あれ、北川さんじゃん」
調理台の前には食品開発部の主任と、なぜか横山さんがいた。私を見ると笑顔を向けてくれる。
好きだと自覚したばかりで今まで以上に横山さんと会うのが緊張してしまう。
「お疲れ様です」
「今日はどうしたの?」
横山さんは少し首をかしげ、私のことを気にかけてくれる。気にかけてくれると勝手に思う私は我ながらポジティブになったかな。
「あの、主任に確認したいことが」
「何?」
柔和な横山さんとは違い、クールな食品開発部主任は無表情で私の言葉を待っている。
「………」
夏帆はぽかんと口を開け、間抜けな顔で俺を見ている。
「それとも、総務部は新店舗のデザインに口を出せるほどの力でもあるの?」
「………」
「君が頼まれたわけでもないのにそこまで考える必要はないんじゃない? 余計なお世話かもよ」
止まらない。傷つける言葉が止まらない。
「椎名さん……?」
夏帆は不安と恐怖が混ざった目で俺を見る。
「さっき食堂で聞いてらしたんですね……別に気を遣ってるつもりはなくて……ただ横山さんの役に立つかなって」
俺から目を逸らして下を向いてしまった。
「確かにカタログを貰ってきてって頼まれたわけじゃないんです。私が口出すつもりもなくて……ただ横山さんが必要なときにすぐに渡せたらって……」
あの男の名を2回も聞かされていい気はしない。
「ごめんなさい、急に無理言って……」
意味なく怒っているのは俺の方なのに、夏帆が申し訳なさそうに謝る。
こんな空気にしたかったわけじゃない。ただ俺のくだらない嫉妬をぶつけてしまっただけだ。
「夏帆ちゃんさ、何でも自分がやってあげようなんて思わなくていいんだ」
「え?」
「優しさに付け込んで利用するやつだっているんだから。この間の中田みたいに」
「中田さん?」
「はっきり断らないのをいいことに、ぐいぐい君を連れてくんだ」
「そんな……こと……」
「さっきだって、ちょっと料理を褒められたくらいで浮かれちゃだめだよ。下心があったらどうするの」
少しでも優しくしたら君はすぐに落ちそうで。
「前にも言ったけど、夏帆ちゃんみたいな子は簡単に利用できるんだから」
惚れさせたら何でもやってくれる気がしてしまう。俺以外の男にそんな隙見せんなよ。
「どうして……またそんなこと言うんですか?」
夏帆は今にも泣きそうだ。
「椎名さんは私のことが嫌いなんですか?」
「は?」
「いっつも私に嫌なことばかり言う……理解できないことを言う……からかって楽しんでる……」
「自分が嫌われてると思うの?」
「椎名さんみたく輝いてる人は、地味でブスな私なんてストレス発散相手って程度にしか思わないから……」
何でそうなるのだ。卑屈にも程がある。
俺が輝いてるだって? そうさせてくれたのは誰だと思ってる。輝いてるのは俺よりも……。
「椎名さんを忘れたままだから、何度も意地悪なことを言うんですか?」
「………」
「どこで会ったんですか? バイト先ですか? 学校ですか?」
「………」
「私が嫌いってはっきり言ってくれたら、辛い言葉を言われても少しは受け流せるのに……」
俺は夏帆に辛い思いをさせていたのか。嫌われてるのは俺の方じゃないか。
「嫌い」と、そう言えば君が楽になるのなら……。
「嫌い……じゃない」
「そうですか……え?」
言えるわけないだろう。嫌いだなんて嘘はつけない。
「嫌いなわけない。夏帆ちゃんが好きだよ」
俺の告白に夏帆は目を真ん丸に見開いた。
言ってしまった。ゆっくり攻めると決めたばかりなのに。
「そうやって……からかわないでください……」
不機嫌そうに目を伏せる。夏帆の反応に俺は焦った。
「今のからかってると思うわけ?」
「男慣れしてない私にそう言えば簡単にヤれると思ってないですか?」
「は? なにそれ意味不明」
「私みたいな女はホテルに連れ込むのも簡単なんですよね? 椎名さんがそう言いました」
確かに言った。合コンの時も今も。
「俺が体目当てだと思ってるんだ?」
「………」
なんてめんどくさい女だ。真剣に告っても、卑屈すぎて気持ちを受け取るどころか信じてもらえない。
「別に体から始めてもいいんだけど」
気持ちを信じてもらえないなら、先に体を手に入れるまでだ。後からいくらでも俺に惚れさせる自信はあるのだから。
夏帆との距離を詰め、顔を近づけた。何度もそうしてきた。今度は本気で唇を奪うつもりだった。
「や、やめてください!」
夏帆は叫ぶと俺の横をすり抜け倉庫のドアへ走った。
それを追えなかった。拒否された衝撃が強すぎて。
ドアから勢いよく出ていった夏帆は戻ってくることはなかった。
「地味女うぜー……」
俺は誰もいなくなった倉庫にしゃがみこんだ。
夏帆を前にすると、焦って手を出したくなる自分が憎い。大抵の女は俺が迫れば落ちるのに、あの恋愛初心者には怯えさせるだけなのだ。
3年前と同じだ。そして初めてだ。女に本気になったのも、狙った女に逃げられたのも。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
休日は久しぶりに買い物しようと電車で1時間半かけてショッピングモールに来た。
気分転換しないと椎名さんのことを考えてしまうから。今日はたくさん服を買って、おしゃれなカフェでランチするのだ。
新しい服を買って気持ちが満たされた時、ふと目の前を通った男の人に目がいった。
着ている紺色のTシャツの背中には、見慣れた会社のロゴと社名がプリントされていた。
見た瞬間怖くて足が止まってしまった。
もしかして椎名さん……? 今は絶対に会いたくないのにどうしてここに?
男の人は鮮やかな色で溢れた花屋の前で止まり、店員さんと話始めた。
落ち着いてよく見ると確かにアサカグリーンの社員のようだが、男の人は椎名さんとは全然似ていない別人だった。
人違いして……馬鹿みたい。
本気で椎名さんだと思って焦ってしまった。
花屋の看板を見るとアサカグリーンのロゴが入っている。ではここが店舗の一つなのだろう。
休日まであの人のことを考えてしまう。それほど強烈な出来事だった。
一体私が椎名さんに何をしたというのだろう。普通に話をしていたつもりだった。あの時の椎名さんはとても不機嫌で、これまで以上に不可解な行動をとった。合コンの夜の中田さんを思い出させる強引さが怖かった。
これから仕事で付き合う上で、どう接していったらいいか困ってしまう。
初めて男の人に好きだと言われた。でも嬉しいとは思わなかった。そんなの絶対嘘に決まってる。椎名さんほどかっこいい人は私なんて眼中にないはずだもん。もっと綺麗で素敵な女性しか相手にしないだろうから。
私はアサカグリーンの花屋に向かって歩き出した。
気を遣ってるわけじゃない。私の仕事でもない。それでも横山さんの役にたつなら……。
「あの、すみません」
花屋の店員とロゴ入りTシャツを着た社員さんが同時に私を見た。
「こちらの会社の装飾のカタログってありますか?」
あれ? これおかしくない?
食品開発部から上がってきた業者への発注書のコピーと、納品書の金額が合わない。
私は受話器を取って内線をかける。
プープープープープープー………
出ない。食品開発部は社内にいるのにいつも内線を無視しがちなのだ。
私は丹羽さんに調理室に行く旨を伝えると急いでエレベーターに乗った。
締め日が迫って忙しいのに無駄な時間を取らせないでほしいよ……。
「失礼します」
観音開きのドアを通って調理室に入った。
「すみません」
「あれ、北川さんじゃん」
調理台の前には食品開発部の主任と、なぜか横山さんがいた。私を見ると笑顔を向けてくれる。
好きだと自覚したばかりで今まで以上に横山さんと会うのが緊張してしまう。
「お疲れ様です」
「今日はどうしたの?」
横山さんは少し首をかしげ、私のことを気にかけてくれる。気にかけてくれると勝手に思う私は我ながらポジティブになったかな。
「あの、主任に確認したいことが」
「何?」
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