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城内警備
初任務 弐
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「では私たちは奥で準備を…」
「団長!待ってください!ヒョヌンの姿がありません!」
「なにっ!あいつどこに行った…。」
どうやら誰か楽団の一人がいないようだ。しかし、そんなことに気をとられている場合ではない。自分の仕事は皆の命を守ることなのだから。そう考え直して、当たりに視線を巡らす。
「おや、どうかされたのですか?」
どうやら王子と来賓の一行は到着してしまったようだ。
「申し訳ありません!我々の到着が遅れてしまったのです。その上どうやら踊り手がいないようで…。」
団長が慌てて説明をする。
「いやはや、リョンヤン殿下。どうされますかな?」
異国の衣を纏った、来賓らしき者が、端整な顔立ちの青年に声をかける。どうやら彼がリョンヤン王子のようだ。
「踊り手がいなくとも、演奏はできるでしょう。彼が来るまでは演奏だけでお願いします。」
リョンヤン王子がそう言った時だった。ハヨンは何かの気配を察した。しかしそれが何かはわからない。
ハヨンがはっと我に返ったとき、ハヨンはリョンヤン王子の前に立ち、どこからか飛んできた矢を刀で弾き返した後だった。
「…!侵入者か!」
一瞬静まり返った後、辺りは騒然となる。
「どこからだ!」
「あの高さから見ると、地面から二間(約3m60㎝)以上の高さからいられたぞ!」
(ここ辺りで二間…。)
そのとき強風が吹き、ハヨンの目の端に映る大木に何かがひらりと動いた。周りの者もそれを見逃すはずがない。警備についたものが一斉に大木を取り囲んだ。しかし彼らが手にしている武器は槍や刀で、大木でも随分と上の方に居座る敵には届かない。かといって木登りをして上に行こうとすれば、殺されかねない。どうしたものかと皆が頭を抱えた。
(あれなら届くかな…。)
懐に入れて常に持ち歩いていた、ヨウから貰った四角い暗器にそっと触れる。時間を見つけては練習していたので、なんとか正確に投げることはできるようになった。しかし今回は的ではない。人間なので、弾き返すこともあるし、避けることもある。
ハヨンは目を閉じて集中した。
「すみません、危ないですよっ!」
と他の兵士に声をかけながら暗器を2つ続けて投げる。
1つ目は弾き返されたが、どうやら2つ目は反応が遅れたらしい。
「うっ」
と呻き声が聞こえた。そしてこのまま木の上に居座り続けるのも危険だと思ったらしい。木の上から飛び下り、一目散に駆けていく。手負いのはずなのになかなかの速度で走っていて、ハヨンは舌を巻いた。
「ヒョンジェ、ギュシャ、ウンユン、追いかけろ!奴は手負いだ。絶対に追い付け!」
「はい!」
三人が一斉に追いかけるなか、ここの警備隊の責任者であるガドンは避難させていた王子と来賓達に近づき、
「お怪我はありませんか。」
と尋ねた。
「ええ、私たちは無傷ですよ。彼女のおかげでね。」
リョンヤン王子がにっこりと笑うのを見て、ハヨンは役に立てた実感が沸き、嬉しくなる。
「しかし顔が少ししか見えなかったが、誰かあの者を知っている人はいませんか。」
リョンヤンの問に楽団の団長が決まり悪そうに手を挙げる。
「申し訳ありません、今の衣の色から判断すると、彼が踊り手のヒョヌンです。最近入ったばかりだったのですが、上手かったので今回初めて連れてきたのです。まさか彼がそんなことをするなんて…。」
「団長!待ってください!ヒョヌンの姿がありません!」
「なにっ!あいつどこに行った…。」
どうやら誰か楽団の一人がいないようだ。しかし、そんなことに気をとられている場合ではない。自分の仕事は皆の命を守ることなのだから。そう考え直して、当たりに視線を巡らす。
「おや、どうかされたのですか?」
どうやら王子と来賓の一行は到着してしまったようだ。
「申し訳ありません!我々の到着が遅れてしまったのです。その上どうやら踊り手がいないようで…。」
団長が慌てて説明をする。
「いやはや、リョンヤン殿下。どうされますかな?」
異国の衣を纏った、来賓らしき者が、端整な顔立ちの青年に声をかける。どうやら彼がリョンヤン王子のようだ。
「踊り手がいなくとも、演奏はできるでしょう。彼が来るまでは演奏だけでお願いします。」
リョンヤン王子がそう言った時だった。ハヨンは何かの気配を察した。しかしそれが何かはわからない。
ハヨンがはっと我に返ったとき、ハヨンはリョンヤン王子の前に立ち、どこからか飛んできた矢を刀で弾き返した後だった。
「…!侵入者か!」
一瞬静まり返った後、辺りは騒然となる。
「どこからだ!」
「あの高さから見ると、地面から二間(約3m60㎝)以上の高さからいられたぞ!」
(ここ辺りで二間…。)
そのとき強風が吹き、ハヨンの目の端に映る大木に何かがひらりと動いた。周りの者もそれを見逃すはずがない。警備についたものが一斉に大木を取り囲んだ。しかし彼らが手にしている武器は槍や刀で、大木でも随分と上の方に居座る敵には届かない。かといって木登りをして上に行こうとすれば、殺されかねない。どうしたものかと皆が頭を抱えた。
(あれなら届くかな…。)
懐に入れて常に持ち歩いていた、ヨウから貰った四角い暗器にそっと触れる。時間を見つけては練習していたので、なんとか正確に投げることはできるようになった。しかし今回は的ではない。人間なので、弾き返すこともあるし、避けることもある。
ハヨンは目を閉じて集中した。
「すみません、危ないですよっ!」
と他の兵士に声をかけながら暗器を2つ続けて投げる。
1つ目は弾き返されたが、どうやら2つ目は反応が遅れたらしい。
「うっ」
と呻き声が聞こえた。そしてこのまま木の上に居座り続けるのも危険だと思ったらしい。木の上から飛び下り、一目散に駆けていく。手負いのはずなのになかなかの速度で走っていて、ハヨンは舌を巻いた。
「ヒョンジェ、ギュシャ、ウンユン、追いかけろ!奴は手負いだ。絶対に追い付け!」
「はい!」
三人が一斉に追いかけるなか、ここの警備隊の責任者であるガドンは避難させていた王子と来賓達に近づき、
「お怪我はありませんか。」
と尋ねた。
「ええ、私たちは無傷ですよ。彼女のおかげでね。」
リョンヤン王子がにっこりと笑うのを見て、ハヨンは役に立てた実感が沸き、嬉しくなる。
「しかし顔が少ししか見えなかったが、誰かあの者を知っている人はいませんか。」
リョンヤンの問に楽団の団長が決まり悪そうに手を挙げる。
「申し訳ありません、今の衣の色から判断すると、彼が踊り手のヒョヌンです。最近入ったばかりだったのですが、上手かったので今回初めて連れてきたのです。まさか彼がそんなことをするなんて…。」
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