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三章 中央区
対立する者達 17 酔っ払い
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「え……?この領域を、オレに……?」
戸惑う城悟に、俺は頷く。
「そうだ。城悟の悔いが残らないように好きなようにしてみろ。だが、一つだけ忠告しておく。全員をこの領域に入れた所で、待ってるのは崩壊だ。誰も魔石を取りに行かないんじゃ、食糧なんて手に入らないからな」
「それは確かに……」
「一晩考えてみてくれ。だが、明後日にはここを出るつもりだ。明日には決めて欲しい」
「お、おう……」
そう言うと、考え込む城悟。そこで、孝がニヤニヤしながら俺に話しかけてくる。
「まさか領域支配がこの為とは……もし城悟が女だったら、お前に惚れてただろうな」
「やめろよ気持ち悪い。考えたくも無い」
そんな話をしていると、いつの間にか早瀬と荻菜さんが立っていた。早瀬はいつの間にか酒を飲んでいたのか……顔が赤く染まり、満面の笑みを浮かべていた。
「えぇー?あの暁門さんがぁ、そぉんな気の利いたことが、出来るんですかぁー?私にはぁ、服を脱げとかぁ……言うのにぃ……なんにもなぁい!」
「な……っ!?」
酔った早瀬の発言に、周囲の視線が俺へと突き刺さる。
「……暁門?まさかお前……」
孝が真剣な表情で目を細め、俺を睨みつける。
「ちょ、ちょっと待て。誤解だ!俺は、早瀬の覚悟を確認するのに言っただけだ!」
「言ったのか……」
「そう言えば、外で言ってたわね……」
「あの時は驚いたのう……まさか、あの後……」
おい!一緒に居た爺さんが俺のフォローしなかったら誤解が解けるわけ無いだろうが!しかも思わせぶりな言い方は止めてくれ!
「その後には何も無い!荻菜さんなら、俺がそんな事を強要しないのは知ってるだろ!?」
「私には、だけどね?怪しいとは思ってたのよ。まさか暁門君が……」
荻菜さんもかなり酔っていて、完全にこの状況に悪ノリしている。爺さんはニヤニヤしながらこちらを見ていて、絶対にフォローしてくれなさそうだ。
孝は指で眼鏡を掛け直す。だが、その手が震えているのが分かる。
「そ、そうか……暁門の口調や雰囲気が変わったと思っていたが……まさか、そんな理由だったとは」
「領域の件で見直しかけたが……暁門、最低だな。見損なったぞ」
「だから違うんだって!俺は早瀬には手を出していない!」
俺の言葉に荻菜さんが反応する。
「碧ちゃん、には?もしかして……避難して来た子?そう言えば、美人な高校生が居たわねー?」
「えぇ……酷いですよぉ……わたしにも、やさしくしてくださいよぅ」
「ああ……もう良い!俺は休憩室で寝る!だから誰も近づくな!」
場の収拾がつかなくなり、俺は皆への説得を諦めた。誰も味方の居ない俺に出来るのは逃げる事だけ。朝になり酒が抜ければ、早瀬か荻菜さんが訂正してくれるだろう。
俺はそうして、その場から逃げるように立ち去った。
苦労して領域を支配したというのにこの仕打ちは何だ。俺が一体何をしたと言うんだ。
これも全て早瀬の発言のせいだ!くそっ早瀬め、明日から覚えてろよ……鉄パイプで戦わせてやるからな。
離れる俺の背に、まだ俺を責めるかのような声が聞こえる。俺はそれを聞き流し、職員用の表示が有る扉を開けた。
戸惑う城悟に、俺は頷く。
「そうだ。城悟の悔いが残らないように好きなようにしてみろ。だが、一つだけ忠告しておく。全員をこの領域に入れた所で、待ってるのは崩壊だ。誰も魔石を取りに行かないんじゃ、食糧なんて手に入らないからな」
「それは確かに……」
「一晩考えてみてくれ。だが、明後日にはここを出るつもりだ。明日には決めて欲しい」
「お、おう……」
そう言うと、考え込む城悟。そこで、孝がニヤニヤしながら俺に話しかけてくる。
「まさか領域支配がこの為とは……もし城悟が女だったら、お前に惚れてただろうな」
「やめろよ気持ち悪い。考えたくも無い」
そんな話をしていると、いつの間にか早瀬と荻菜さんが立っていた。早瀬はいつの間にか酒を飲んでいたのか……顔が赤く染まり、満面の笑みを浮かべていた。
「えぇー?あの暁門さんがぁ、そぉんな気の利いたことが、出来るんですかぁー?私にはぁ、服を脱げとかぁ……言うのにぃ……なんにもなぁい!」
「な……っ!?」
酔った早瀬の発言に、周囲の視線が俺へと突き刺さる。
「……暁門?まさかお前……」
孝が真剣な表情で目を細め、俺を睨みつける。
「ちょ、ちょっと待て。誤解だ!俺は、早瀬の覚悟を確認するのに言っただけだ!」
「言ったのか……」
「そう言えば、外で言ってたわね……」
「あの時は驚いたのう……まさか、あの後……」
おい!一緒に居た爺さんが俺のフォローしなかったら誤解が解けるわけ無いだろうが!しかも思わせぶりな言い方は止めてくれ!
「その後には何も無い!荻菜さんなら、俺がそんな事を強要しないのは知ってるだろ!?」
「私には、だけどね?怪しいとは思ってたのよ。まさか暁門君が……」
荻菜さんもかなり酔っていて、完全にこの状況に悪ノリしている。爺さんはニヤニヤしながらこちらを見ていて、絶対にフォローしてくれなさそうだ。
孝は指で眼鏡を掛け直す。だが、その手が震えているのが分かる。
「そ、そうか……暁門の口調や雰囲気が変わったと思っていたが……まさか、そんな理由だったとは」
「領域の件で見直しかけたが……暁門、最低だな。見損なったぞ」
「だから違うんだって!俺は早瀬には手を出していない!」
俺の言葉に荻菜さんが反応する。
「碧ちゃん、には?もしかして……避難して来た子?そう言えば、美人な高校生が居たわねー?」
「えぇ……酷いですよぉ……わたしにも、やさしくしてくださいよぅ」
「ああ……もう良い!俺は休憩室で寝る!だから誰も近づくな!」
場の収拾がつかなくなり、俺は皆への説得を諦めた。誰も味方の居ない俺に出来るのは逃げる事だけ。朝になり酒が抜ければ、早瀬か荻菜さんが訂正してくれるだろう。
俺はそうして、その場から逃げるように立ち去った。
苦労して領域を支配したというのにこの仕打ちは何だ。俺が一体何をしたと言うんだ。
これも全て早瀬の発言のせいだ!くそっ早瀬め、明日から覚えてろよ……鉄パイプで戦わせてやるからな。
離れる俺の背に、まだ俺を責めるかのような声が聞こえる。俺はそれを聞き流し、職員用の表示が有る扉を開けた。
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