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5.神域解放
80.無限回廊 2
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オレ、リリー、さら、佐山さん、鈴さんの五人は無限回廊の中へと転送される。
入り口の立て札には51階の文字。どうやら問題なく階層スキップチケットが使えたようだ。
「序盤は消耗品の温存を優先で。恐らく70階位から使わざるを得なくなるから」
オレの言葉にそれぞれが返事をする。
こうして指示を出してるオレも、実は80層までしか行ったことがない。その時は一階からだったので、残念ながら佐山さんの時間切れとなってしまった。
(だが今回はリチャードさんから90階までの情報も入手した…!)
オレは今回の攻略を少しでも楽にする為に81階から90階までの情報をリチャードさんから買った。
情報はとても大事だ。時にそれは大金にも繋がる。
……リチャードさんが要求した代金は、オレの所持していた神装備。お金で考えると大金だが、独占された攻略情報には変えられない。
だがリチャードさんに吹っ掛けられてたと分かったのは、手渡した後だった。
(何としてでも元を取らねば…!)
いつにも増して気合いが入る。神との戦い以外でこんなにやる気なのは初めてだ。
そんなオレを他のパーティーメンバーは不思議そうな目で見ている。
51階から59階までは普通のモンスターしか出ず、サラと佐山さんの範囲攻撃でサクサク攻略していく。
だが10の倍数の階にはランダムに強敵が出る。つまりこの60階でも厄介な敵が出る可能性が高い。
敵を確認する為オレが先行し、ゆっくりと先へ進む。
(相性の良い敵なら良いんだけど…)
そこに居たのは…3メートル以上有る緑の巨体と頭には金色に輝く大きな王冠。オークの王"オークキング"だった。
オレは待っている四人の元へと戻り作戦を伝える。
「敵はオークキングだった。蹴り技が得意だけど後方からの攻撃に弱かった筈だ。それと弱点は火。オレが囮するから、それぞれヘイト稼ぎ過ぎないよう攻撃。特にサラがヘイト取ると移動されて壊滅しかねないから気をつけて」
「了解。気をつけるわ」
「じゃあ行くよ」
オレは強化魔法を掛けてオークキングに向かう。10匹以上取り巻きのオークが居たが、オレに接近する前に佐山さんの範囲攻撃により屠られる。
オレはオークキングの軽快な足技を避けながら、攻撃を挟んでヘイトを稼ぐ。パーティーメンバーもオレの攻撃以上にダメージを与えないよう、調整しながら攻撃を行う。
確かに強敵だが、ヴァルキリーさんに比べたら遥かに弱い。
足が大きくて範囲はそこそこだが、一発の攻撃が遅すぎる。
(…そろそろか)
「"連打拳"、"粉砕拳"」
オレのスキル使用を合図に、パーティーメンバーが全力で攻撃を開始する。
リリーの足技や佐山さんの刀スキルがオークキングを怯ませ、そこを狙ったサラの火矢が頭にクリティカルヒットする。
オークキングは更に体勢を崩し、そこに後方から駆け寄った鈴さんの剣とオレの二撃目が追い討ちをかける。
すると…力を失い倒れ込む巨体。オークキングは瀕死時強化を使う前に体力を失い、粒子の光となって消失する。
オレ達は全員でハイタッチし、勝利を喜び合う。
「さて、ここの宝は何が出るか…」
オークキングを倒したことで部屋の中心に宝箱が出現する。
無限回廊の報酬はこうやって強敵を倒した際に入手することができる。尚…今回は50階までスキップしたため、その分の報酬は今回は入手出来ない。
「樹開けてよ。一番運良さそうだし。良い意味でも悪い意味でも」
「あーそれ分かる。運良くなきゃ、あれだけ神に遭遇出来ないわね」
リリーと鈴さんがオレを茶化してくる。
「いやいや。神に偶然遭遇するのは運悪いだろ…。実際死に掛けてるし。もしそれで運使ってたらオレの運は使い切ってる」
「結局良い方向になってるなら運は良いんじゃないか?」
「そうそう。ギリギリのタイミングで助けられたり、アイテムで助けられたり」
佐山さんとサラもかよ!
「まあ良いよ。じゃあ開けるよ」
オレは宝箱の蓋を開け、中を確認する。
「うーん……微妙かな?」
宝箱の中には紫色に輝く石。ミスリル鉱石だ。オレはそれを手に取りみんなに見せる。
「いやいや。数万Gするし大当たりだから」
とリリー。
「え、そう?最近金銭感覚おかしくなってるかな」
「今更?ポンと神の装備渡す時点でおかしいわよ…」
とサラ。
オレの金銭感覚は普通のつもりだったが、どうやらおかしくなってきているようだ。…考えを改めないとだな。
オレはミスリル鉱石をイベントリに仕舞う。
「よし、じゃあこの調子で行くか」
「60階がこんなあっさり行くとは思わなかったわ。でも、気を引き締めて行きましょう」
と鈴さん。
オレ達は更に上を目指し、無限回廊を登っていく。
入り口の立て札には51階の文字。どうやら問題なく階層スキップチケットが使えたようだ。
「序盤は消耗品の温存を優先で。恐らく70階位から使わざるを得なくなるから」
オレの言葉にそれぞれが返事をする。
こうして指示を出してるオレも、実は80層までしか行ったことがない。その時は一階からだったので、残念ながら佐山さんの時間切れとなってしまった。
(だが今回はリチャードさんから90階までの情報も入手した…!)
オレは今回の攻略を少しでも楽にする為に81階から90階までの情報をリチャードさんから買った。
情報はとても大事だ。時にそれは大金にも繋がる。
……リチャードさんが要求した代金は、オレの所持していた神装備。お金で考えると大金だが、独占された攻略情報には変えられない。
だがリチャードさんに吹っ掛けられてたと分かったのは、手渡した後だった。
(何としてでも元を取らねば…!)
いつにも増して気合いが入る。神との戦い以外でこんなにやる気なのは初めてだ。
そんなオレを他のパーティーメンバーは不思議そうな目で見ている。
51階から59階までは普通のモンスターしか出ず、サラと佐山さんの範囲攻撃でサクサク攻略していく。
だが10の倍数の階にはランダムに強敵が出る。つまりこの60階でも厄介な敵が出る可能性が高い。
敵を確認する為オレが先行し、ゆっくりと先へ進む。
(相性の良い敵なら良いんだけど…)
そこに居たのは…3メートル以上有る緑の巨体と頭には金色に輝く大きな王冠。オークの王"オークキング"だった。
オレは待っている四人の元へと戻り作戦を伝える。
「敵はオークキングだった。蹴り技が得意だけど後方からの攻撃に弱かった筈だ。それと弱点は火。オレが囮するから、それぞれヘイト稼ぎ過ぎないよう攻撃。特にサラがヘイト取ると移動されて壊滅しかねないから気をつけて」
「了解。気をつけるわ」
「じゃあ行くよ」
オレは強化魔法を掛けてオークキングに向かう。10匹以上取り巻きのオークが居たが、オレに接近する前に佐山さんの範囲攻撃により屠られる。
オレはオークキングの軽快な足技を避けながら、攻撃を挟んでヘイトを稼ぐ。パーティーメンバーもオレの攻撃以上にダメージを与えないよう、調整しながら攻撃を行う。
確かに強敵だが、ヴァルキリーさんに比べたら遥かに弱い。
足が大きくて範囲はそこそこだが、一発の攻撃が遅すぎる。
(…そろそろか)
「"連打拳"、"粉砕拳"」
オレのスキル使用を合図に、パーティーメンバーが全力で攻撃を開始する。
リリーの足技や佐山さんの刀スキルがオークキングを怯ませ、そこを狙ったサラの火矢が頭にクリティカルヒットする。
オークキングは更に体勢を崩し、そこに後方から駆け寄った鈴さんの剣とオレの二撃目が追い討ちをかける。
すると…力を失い倒れ込む巨体。オークキングは瀕死時強化を使う前に体力を失い、粒子の光となって消失する。
オレ達は全員でハイタッチし、勝利を喜び合う。
「さて、ここの宝は何が出るか…」
オークキングを倒したことで部屋の中心に宝箱が出現する。
無限回廊の報酬はこうやって強敵を倒した際に入手することができる。尚…今回は50階までスキップしたため、その分の報酬は今回は入手出来ない。
「樹開けてよ。一番運良さそうだし。良い意味でも悪い意味でも」
「あーそれ分かる。運良くなきゃ、あれだけ神に遭遇出来ないわね」
リリーと鈴さんがオレを茶化してくる。
「いやいや。神に偶然遭遇するのは運悪いだろ…。実際死に掛けてるし。もしそれで運使ってたらオレの運は使い切ってる」
「結局良い方向になってるなら運は良いんじゃないか?」
「そうそう。ギリギリのタイミングで助けられたり、アイテムで助けられたり」
佐山さんとサラもかよ!
「まあ良いよ。じゃあ開けるよ」
オレは宝箱の蓋を開け、中を確認する。
「うーん……微妙かな?」
宝箱の中には紫色に輝く石。ミスリル鉱石だ。オレはそれを手に取りみんなに見せる。
「いやいや。数万Gするし大当たりだから」
とリリー。
「え、そう?最近金銭感覚おかしくなってるかな」
「今更?ポンと神の装備渡す時点でおかしいわよ…」
とサラ。
オレの金銭感覚は普通のつもりだったが、どうやらおかしくなってきているようだ。…考えを改めないとだな。
オレはミスリル鉱石をイベントリに仕舞う。
「よし、じゃあこの調子で行くか」
「60階がこんなあっさり行くとは思わなかったわ。でも、気を引き締めて行きましょう」
と鈴さん。
オレ達は更に上を目指し、無限回廊を登っていく。
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