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5.神域解放
79.無限回廊
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オレは"ラグナロク"が所有しているギルドルームに居た。
ギルドルームとは30万Gを支払う事で購入する事ができる部屋で、その中にはギルドメンバーや同盟ギルド以外は入る事ができない。
ギルドルームの中に倉庫や銀行、オークションなどの施設が整っている為基本的に準備はここで済ましている。
オレも有名になってから街に出るだけで声をかけられる事が多くなり、狩り以外は基本ギルドルームに引き篭もっている。
そして今日は神々の侵攻の前触れも無く、平穏な貴重な一日。
今日はリリー、サラ、鈴さん、佐山さんとオレの五人で行く所があり、今はその集合を待っている所だ。
まあ、まだその集合時間まで10分は有るんだが、特にやる事も無くてロビーにある階段に座りながらぼーっとしている。
そんなオレに声を掛けてくる女性の声。
「あ、樹もう居たんだ。おはよ」
「リリーおはよう」
一番に来たのはリリー。彼女はイギリス在住のモンクをしている女性だ。
時差があるので日本では既に夜なのだが、流石に最近は突っ込まなくなってきて相手に合わせるようになってきた。
リリーはそのままオレの隣へと腰を下ろす。
「そう言えば最近私もサラもRDOをプレイしてる人から声掛けられるようになっちゃってさー。対応ってどうしたら良いのかな?サラはそういうの上手なんだけど、聞いても適当に流すしか言わないし」
「いやー…オレもいつも困ってるんだよね。ゲーム内ならまだしも現実で無視は出来ないし。並木さんやサラのコミュ力が妬ましいよ」
「出来るだけ笑顔で対応してるけど、内心急いでるんだけど!って」
「あるある。でもオレは小心者だから、丁寧に相手しちゃうよ。だからオレは出来る限り外に出ないようにしてる」
「あー…でもそれは樹の環境だから出来る技だよね…。学生の私じゃどうしても出来ないや」
「あはは…そうかもね。そう言えばリリーは大学決まった?そもそもイギリスって受験は有るの?」
「うーん…もう少しで試験があるんだけど、いつも通りやれれば合格かな。ま、RDO関連でおまけ点が付くらしいから心配してないけど」
「…勉強しなくてRDOしてて大丈夫?」
「こう見えて意外と頭良いから大丈夫だよ。受ける所もランク落としたし。それでもダメだったら樹に養ってもらおうかな」
「…!?いやいや!変な冗談やめてくれ!勘違いするし!オレにそんな甲斐性も無いし!」
「…はあ。そこまで拒否されると自信無くして泣きたくなるなぁ」
「あ、いや、その、拒否した訳じゃ…って!絶対オレを揶揄ってるだろ!」
「あははっ!本当にダメだったらよろしくねー!」
「だから…!」
「はいはーい。ごめんねー二人さん。お邪魔するわー」
そう言ってオレとリリーの間に座ってきた女性。
リリーの幼なじみで同じくイギリス在住のサラだ。
「…サラが早いのは珍しいな」
「失礼ねーいつも通りじゃない」
「この間夜中遅くまで起きてて、起きれずに一時間も遅れたのは誰だ」
「そうそう。私が起こしに行ったんだから」
「あら、私みたいな美人とデート出来るなら何時間待っても良いじゃない」
「「あーはいはい」」
「リリーは前からだけど…最近樹がツッコミもしなくなったわ」
「いつも通り過ぎて慣れた」
「あんなに純粋だった樹が変わってお姉さん悲しいわ…」
「いや、同い年だろ……」
「ふっツッコんだわね樹。あなたの負けよ」
「はー。分かった…もうオレ負けで良いよ」
そんな下らない会話をしていだが、気付くと集合時間を過ぎていた。
「佐山さんと鈴さん遅いな」
「鈴さんはまだ実家なんだっけ?」
「そうそう。オレは無料だし施設の寮借りてるけどね」
鈴さんの家は東京の神奈川寄りで、オレ達が通う施設の有る横浜から遠くない。
その為鈴さんは実家から施設まで毎日通ってきている。
「えー?でも樹って今相当稼いでるじゃない。家かマンションでも買ったら?」
とサラ。
「いやいや流石に横浜にマンション買うだけの余裕は無い」
「へー…稼いでるのは否定しないんだ?」
とリリー。
「ま、それを言ったらリリーもお金も……「サラ!」
「えー?樹になら言っても良いんじゃない?」
「それは…いや、やっぱりダメ!」
(うーん?リリーは実は良い所のお嬢様とか…?)
「いやーすまん!遅れた!」
「お父さん何時まで練習してんのよ!!私まで遅れたじゃない!」
そう言いながら現れたのは佐山さんとその娘の鈴さん。
佐山さんは慌てつつも笑いながら、鈴さんは怒った表情でオレ達に近づいてくる。
「はあ…みんなゴメンね。お父さんが剣道の練習に熱が入っちゃって」
「いやー時間を見てなかった。申し訳ない。待たせたかな?」
「いえ、まだ十分も経ってないから大丈夫ですよ」
「あつはっは。そう言って貰えて助かる」
「…お父さん。時間は守ろうね?」
「…はい」
佐山さんが怒られて背中が小さく見える…。
ま、まあ。何にせよ五人が集合したので取り敢えずパーティーを組む。
「よし、じゃあ今日は予定通り!先延ばしにしてた無限回廊の完全踏破を目指します!」
無限回廊とはその名の通り無限に続くダンジョン…では無く100階層からなる塔型のダンジョンだ。
最大5人のパーティーで参加することができ、死んでもデスペナルティは発生しない。ただし挑戦は週に一回という制限がある。
そして無限回廊でしか入手出来ないアイテムや素材も多く、多くのプレイヤーは一獲千金を夢見て挑戦する。
また、この無限回廊は未だに踏破したプレイヤーは居ない。現在の最高記録はアメリカのリチャードさん達のパーティーで90階だ。
今までオレ達も何度も挑戦したのだが、タイミングが合わなかった事と神々の侵攻により途中で中断せざるを得ない状況等により踏破を断念して居た。
だが今回は入念にスケジュールを調整し、侵攻が来ない日を見極めた。そして今日の為に10万Gもする50階層スキップチケットまで買った!
「よし、じゃあ早速。無限回廊へ!」
「「「「おーっ!」」」」
今日オレ達は無限回廊の完全攻略を目指す。
ギルドルームとは30万Gを支払う事で購入する事ができる部屋で、その中にはギルドメンバーや同盟ギルド以外は入る事ができない。
ギルドルームの中に倉庫や銀行、オークションなどの施設が整っている為基本的に準備はここで済ましている。
オレも有名になってから街に出るだけで声をかけられる事が多くなり、狩り以外は基本ギルドルームに引き篭もっている。
そして今日は神々の侵攻の前触れも無く、平穏な貴重な一日。
今日はリリー、サラ、鈴さん、佐山さんとオレの五人で行く所があり、今はその集合を待っている所だ。
まあ、まだその集合時間まで10分は有るんだが、特にやる事も無くてロビーにある階段に座りながらぼーっとしている。
そんなオレに声を掛けてくる女性の声。
「あ、樹もう居たんだ。おはよ」
「リリーおはよう」
一番に来たのはリリー。彼女はイギリス在住のモンクをしている女性だ。
時差があるので日本では既に夜なのだが、流石に最近は突っ込まなくなってきて相手に合わせるようになってきた。
リリーはそのままオレの隣へと腰を下ろす。
「そう言えば最近私もサラもRDOをプレイしてる人から声掛けられるようになっちゃってさー。対応ってどうしたら良いのかな?サラはそういうの上手なんだけど、聞いても適当に流すしか言わないし」
「いやー…オレもいつも困ってるんだよね。ゲーム内ならまだしも現実で無視は出来ないし。並木さんやサラのコミュ力が妬ましいよ」
「出来るだけ笑顔で対応してるけど、内心急いでるんだけど!って」
「あるある。でもオレは小心者だから、丁寧に相手しちゃうよ。だからオレは出来る限り外に出ないようにしてる」
「あー…でもそれは樹の環境だから出来る技だよね…。学生の私じゃどうしても出来ないや」
「あはは…そうかもね。そう言えばリリーは大学決まった?そもそもイギリスって受験は有るの?」
「うーん…もう少しで試験があるんだけど、いつも通りやれれば合格かな。ま、RDO関連でおまけ点が付くらしいから心配してないけど」
「…勉強しなくてRDOしてて大丈夫?」
「こう見えて意外と頭良いから大丈夫だよ。受ける所もランク落としたし。それでもダメだったら樹に養ってもらおうかな」
「…!?いやいや!変な冗談やめてくれ!勘違いするし!オレにそんな甲斐性も無いし!」
「…はあ。そこまで拒否されると自信無くして泣きたくなるなぁ」
「あ、いや、その、拒否した訳じゃ…って!絶対オレを揶揄ってるだろ!」
「あははっ!本当にダメだったらよろしくねー!」
「だから…!」
「はいはーい。ごめんねー二人さん。お邪魔するわー」
そう言ってオレとリリーの間に座ってきた女性。
リリーの幼なじみで同じくイギリス在住のサラだ。
「…サラが早いのは珍しいな」
「失礼ねーいつも通りじゃない」
「この間夜中遅くまで起きてて、起きれずに一時間も遅れたのは誰だ」
「そうそう。私が起こしに行ったんだから」
「あら、私みたいな美人とデート出来るなら何時間待っても良いじゃない」
「「あーはいはい」」
「リリーは前からだけど…最近樹がツッコミもしなくなったわ」
「いつも通り過ぎて慣れた」
「あんなに純粋だった樹が変わってお姉さん悲しいわ…」
「いや、同い年だろ……」
「ふっツッコんだわね樹。あなたの負けよ」
「はー。分かった…もうオレ負けで良いよ」
そんな下らない会話をしていだが、気付くと集合時間を過ぎていた。
「佐山さんと鈴さん遅いな」
「鈴さんはまだ実家なんだっけ?」
「そうそう。オレは無料だし施設の寮借りてるけどね」
鈴さんの家は東京の神奈川寄りで、オレ達が通う施設の有る横浜から遠くない。
その為鈴さんは実家から施設まで毎日通ってきている。
「えー?でも樹って今相当稼いでるじゃない。家かマンションでも買ったら?」
とサラ。
「いやいや流石に横浜にマンション買うだけの余裕は無い」
「へー…稼いでるのは否定しないんだ?」
とリリー。
「ま、それを言ったらリリーもお金も……「サラ!」
「えー?樹になら言っても良いんじゃない?」
「それは…いや、やっぱりダメ!」
(うーん?リリーは実は良い所のお嬢様とか…?)
「いやーすまん!遅れた!」
「お父さん何時まで練習してんのよ!!私まで遅れたじゃない!」
そう言いながら現れたのは佐山さんとその娘の鈴さん。
佐山さんは慌てつつも笑いながら、鈴さんは怒った表情でオレ達に近づいてくる。
「はあ…みんなゴメンね。お父さんが剣道の練習に熱が入っちゃって」
「いやー時間を見てなかった。申し訳ない。待たせたかな?」
「いえ、まだ十分も経ってないから大丈夫ですよ」
「あつはっは。そう言って貰えて助かる」
「…お父さん。時間は守ろうね?」
「…はい」
佐山さんが怒られて背中が小さく見える…。
ま、まあ。何にせよ五人が集合したので取り敢えずパーティーを組む。
「よし、じゃあ今日は予定通り!先延ばしにしてた無限回廊の完全踏破を目指します!」
無限回廊とはその名の通り無限に続くダンジョン…では無く100階層からなる塔型のダンジョンだ。
最大5人のパーティーで参加することができ、死んでもデスペナルティは発生しない。ただし挑戦は週に一回という制限がある。
そして無限回廊でしか入手出来ないアイテムや素材も多く、多くのプレイヤーは一獲千金を夢見て挑戦する。
また、この無限回廊は未だに踏破したプレイヤーは居ない。現在の最高記録はアメリカのリチャードさん達のパーティーで90階だ。
今までオレ達も何度も挑戦したのだが、タイミングが合わなかった事と神々の侵攻により途中で中断せざるを得ない状況等により踏破を断念して居た。
だが今回は入念にスケジュールを調整し、侵攻が来ない日を見極めた。そして今日の為に10万Gもする50階層スキップチケットまで買った!
「よし、じゃあ早速。無限回廊へ!」
「「「「おーっ!」」」」
今日オレ達は無限回廊の完全攻略を目指す。
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