VRMMOを始めただけなのに、何故世界の危機に巻き込まれたのだろうか?

飛楽ゆらる

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2.そして少しずつ動き出す

51.自分に今出来ることを。

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「さて並木さんこんな事になりましたけど、どんな風に動いていきますか?生放送や動画でプレイヤーに呼びかけをしていくのは前提として…」

「うーん。僕の考えだと、上野君は神と戦う事だけに集中した方が良いんじゃないかな?僕や他プレイヤーじゃ、神と戦えるレベルになるには時間が掛かると思う。けれど…上野君は既に神と戦える可能性が見えている。その可能性を他の事で潰してしまうのは、勿体無いと思うんだよ」

並木さんは続ける。

「後は神に戦う戦力を育てる為には、装備や資金をうまく活用する為の組織が必要だね。有力な人材に集中して資金や経験値を費やす。それでなんどけど、上野君は神を量で押し切れると思うかい?」

「…それは難しいですね。神と戦うには最低限の強さを持つプレイヤーでないと、範囲攻撃で即死でしょう。量よりは質が大事です」

「だろうね。僕もそう思うよ。なら、僕がギルドを作って人材を集めよう。そこでギルドメンバーの資産を一部ギルドで管理していき、有力なプレイヤーを優先的に強化していく。そしてギルドメンバーの条件は、この方針を容認してくれる人で、信頼のできるプレイヤーかな。勿論そのギルドには上野君にも入って貰うよ。君が入る事でギルドの影響力も、戦力としても大きなプラスになるから」

「す、凄い…。この急な話にそこまで考えたんですか。そして、オレの力が少しでも役に立つなら、是非ギルドに参加させて下さい」

「良かった。ではギルドに関してはそうしていこう。メンバーに関しては僕の社員数人は確定で加入させるかな。追加販売で知り合いも増えるからそこも頼んでみよう。後は実際にギルド運営しながら方針を決めていこうか。上野君も思ったことをどんどん言ってね」

「分かりました。オレの方でも信頼できそうなプレイヤーを探してみます。とは言っても知り合い自体が少ないので、あまり力にはなれませんが…」

「出来る範囲で良いから、上野君はレベリングに集中してよ。ギルドのトッププレイヤーが、強ければ強い程ギルドメンバーのモチベーションに大きく影響するからね。それとギルド名なんだけれど」

「ギルド名は並木さんにお任せしますよ」

「じゃあ、神話からとって”ラグナロク”はどうだろう。神との戦いに負ければ、世界が終わるかもしれないし。ピッタリじゃない?」

「はは。ラグナロクになったら黄昏どころじゃ無いですけどね。でも名前はピッタリだと思います」

オレは笑いながら言葉を返す。

その後連絡先を交換し、食事を終えて帰宅した。
間宮防衛大臣は会話についていけず、…任せたぞ。と言って途中退室した。
日本政府からの支援については後日だそうだ。


------

そして、帰宅したオレは頭の中を整理する。
予想外の事が有り過ぎて、頭の中はぐちゃぐちゃだ。

神がどのような手で攻めてくるのか。
プレイヤーが神とどこまで戦えるか。
分からないことだらけだが、神々に勝つという目標に向かって動いていくしかない。

そして、神の上にいる存在とは何なのか。
気になって仕方が無いが、現状では政府からも運営からも聞く事ができないだろう。

あと、トムさんの話を聞いていて思ったのは…RDOでの戦いは人とその存在の、第一戦に過ぎないんじゃないだろうか。
現実世界に神を作れる存在が、ゲームでの戦いだけで満足するとは到底思えない。

もし…もしも現実世界での戦いに発展したらのなら…人間は無力だ。
ゲームのステータスやスキルなんてものは存在しない。
待っているのは、力を持つものの一方的な蹂躙。

だが…RDOでの戦いであればオレも微力ながら協力できる。
そしてこの戦いを乗り越えられれば、あの時から立ち止まっていたオレも…一歩先に進める。そんな気がするんだ。

だから・・・

「全て流れのまま過ごし、逃げるだけの人生は……今この時で終わりにしよう」

------

二章 そして全てが動き出す END


------

(筆者コメントです)

これで二章は終わりとなります。

一章が盛り上がりに欠けているのが否めないですが。
ここまでの二章も合わせて楽しんでいただければ嬉しいです。

そして現時点(2020.04.03)でお気に入り 8件です。
本当にありがとうございます。

改稿前の作品がお気に入り160件で遠く及ばないですが。
それを目標にして日々更新しています。

そしてお気に入りが1つ増えただけで喜んで、ニヤけたりモチベーションになったりしています。

もし、この作品を楽しめていただけた読者の方。
お手数ですが、お気に入り登録をよろしくお願いします。

そして最後にここまで読んでいただき、本当に有難うございます。
視点描写、戦闘シーン、他キャラクターの影の薄さ…そしに拙い文章ですが。
これからも読んで頂けるよう努力して参ります。

じゃ!次行こう!
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