47 / 85
2.そして少しずつ動き出す
46.高級料理店
しおりを挟む
※現実世界での話が数話続きます。
------
「はあああぁぁあ………」
視界が切り替わると、そこはプロテアの帰還場所。
オレはプロテアへ無事帰還出来たことを実感し、大きな息を吐く。
さて…ヴァルキリーさんから色々な情報を聞く事ができたが、現状だと何も答えは出ていない。
それに、この情報が本当にゲーム内の設定なのかどうかも分からない。
取り敢えず、今分かる情報を纏めてみよう。
RDOでは神々と人(プレイヤー)が争う事になっている。
そして神々が勝つと、神が現実世界に現れる。
その約束をしたという神々の上の存在については不明。
また、神々は既に裏工作を始めていて、プレイヤー側は圧倒的に不利な状況。
情報が全て本当だとすると…。
RDOで神とプレイヤーが戦い、その勝敗で神が勝った場合、現実世界に神が出現してしまう。
しかもその神は人に友好的では無く、現実の人々を襲う可能性が高い?
そしてこのルールを決めたのは、神でもプレイヤーでも無く更に上の存在であり、その存在は神を現実世界に作り出すだけの力を持っているという事になる。
最後にこのゲームは既に始まっているが、ルールを知っていて動いているのは神側のみで、プレイヤーは圧倒的に不利。どうするのコレ状態。
(神のよつな存在が現実に現れるとか、現実的に考えてあり得ないだろう……)
だが鵜呑みにすると、RDOプレイヤー達に現実世界の命運が掛かっているという事になる。
こんな事をにわかに信じられるわけが無い。
(ま、本当かどうかなんて、今の状態じゃ分からないか)
オレはリフレッシュする為、一回ログアウトする事にした。
------
そして現実世界。
ヘッドギアを外し時計を確認すると、午後0時を過ぎていた。
朝8時頃にログインしたはずなので、4時間ほどプレイしていたようだ。
(昼飯何食べようかな。うーん。気分転換に外でも良いかも)
流石に三日間もゲームを続けていると気分転換がしたくなった。
外食…と言っても牛丼チェーン店にいくことを決めて、服を着替えていると、そこに電話が鳴る。
相手はスポンサーの担当の大沼さん。
「もしもし、上野です」
「大沼です!上野君!ちょっと急用なんだ!今すぐに出れるかい!?」
大沼さんが随分と焦っているが、生放送の時の興奮とは少し違う。
何か大事件?
「ちょっと昼食がまだなので、食べてからでも良いですか?」
「そんなの僕が奢るからすぐ準備して!5分後に迎えにいくから!アパートの前で待ってて!」
「え、あ、はい」
…一方的に告げられ、一方的に電話を切られた。何なんだ。
というか5分後って急すぎるだろう。
オレは焦りながら着替えを終わらせ、寝癖だけ直して顔を洗う。
やばいもう五分経つぞ!
まあ内容は分からないが、気分転換がしたかったのは確かだ。
丁度いいから大沼さんにご馳走になろう。高い焼肉とかどうかなー。牛丼が焼肉にレベルアップだ!
ああ!時間だアパート前行かないと!
オレがアパートの前へ出ると、既に大沼さんの車が止まっていた。そのまま車の助手席に乗りシートベルトを締める。
今の時代では電動自動車が主となっている。
ガソリン車も一応売ってはいるが、大衆向けではなく一部の車好きの人が乗るもの。
尚空を飛ぶ車も実現出来たようでは有るが、車を浮かすエネルギーが大きすぎて燃費が非常に悪い。
現状では、一部の金持ちだけが趣味で乗っているようだ。
なので今回乗った大沼さんの車も、電動自動車だがちゃんとタイヤで地面を走る形。
ただバッテリー技術は非常に進歩しており、2時間弱の充電で500km以上走行可能だ。
後は自動運転機能がかなり優秀になった事だろうか、車での交通事故のニュースはほぼ見なくなった。ハンドルは基本的に持っているだけで、自動で目的地に向かってくれる。
オレはシートベルトを締めたあと大沼さんに話を聞く。
「急用って何でしょう?インタビューの件ですか?」
「それが今回は違うんだ。さっき急に社長から電話が掛かってきてね。かなりの大物が君を呼んでいるそうだ。…その人物があまりに大物過ぎて、僕自身もまだ混乱してるんだよ」
「大物?社長では無いんですよね?誰でしょう?」
「僕の口からは言う事ができない。…着けば分かるよ」
そう言うと大沼さんは口を紡ぐ。
大沼さんが数分車を走らせると、目的地に到着したようで車が自動で駐車場に止まる。
オレが車を降りると、目の前には看板が無い建物があった。
「あれ?ここは何の建物ですか?」
「ここは一見さんお断りで、超一流の高級料理店だ。来るのは大手の社長や会長か、政府の関係者。それも重要な会合や、接待で使われるほどの店だ。僕自身も聞いた事は有るけど…来た事、無い」
「ええ…。オレこんな格好なんですけど、大丈夫ですかね…?」
某大衆向け服屋フルコーデでしかもパーカーとか。追い返されたりしないよね…?
「呼ばれているんだから、だ、大丈夫だよ。じゃ、じゃあ行こうか…」
大沼さんの緊張が伝わり、オレも緊張が増してくる。
大沼さんはたどたどしい足取りで店の扉を開き、中へ入る。
後ろをついて行くオレもビクビクしていて緊張が止まらない。
この店の中には、一体誰が待っているのだろうか…。
------
「はあああぁぁあ………」
視界が切り替わると、そこはプロテアの帰還場所。
オレはプロテアへ無事帰還出来たことを実感し、大きな息を吐く。
さて…ヴァルキリーさんから色々な情報を聞く事ができたが、現状だと何も答えは出ていない。
それに、この情報が本当にゲーム内の設定なのかどうかも分からない。
取り敢えず、今分かる情報を纏めてみよう。
RDOでは神々と人(プレイヤー)が争う事になっている。
そして神々が勝つと、神が現実世界に現れる。
その約束をしたという神々の上の存在については不明。
また、神々は既に裏工作を始めていて、プレイヤー側は圧倒的に不利な状況。
情報が全て本当だとすると…。
RDOで神とプレイヤーが戦い、その勝敗で神が勝った場合、現実世界に神が出現してしまう。
しかもその神は人に友好的では無く、現実の人々を襲う可能性が高い?
そしてこのルールを決めたのは、神でもプレイヤーでも無く更に上の存在であり、その存在は神を現実世界に作り出すだけの力を持っているという事になる。
最後にこのゲームは既に始まっているが、ルールを知っていて動いているのは神側のみで、プレイヤーは圧倒的に不利。どうするのコレ状態。
(神のよつな存在が現実に現れるとか、現実的に考えてあり得ないだろう……)
だが鵜呑みにすると、RDOプレイヤー達に現実世界の命運が掛かっているという事になる。
こんな事をにわかに信じられるわけが無い。
(ま、本当かどうかなんて、今の状態じゃ分からないか)
オレはリフレッシュする為、一回ログアウトする事にした。
------
そして現実世界。
ヘッドギアを外し時計を確認すると、午後0時を過ぎていた。
朝8時頃にログインしたはずなので、4時間ほどプレイしていたようだ。
(昼飯何食べようかな。うーん。気分転換に外でも良いかも)
流石に三日間もゲームを続けていると気分転換がしたくなった。
外食…と言っても牛丼チェーン店にいくことを決めて、服を着替えていると、そこに電話が鳴る。
相手はスポンサーの担当の大沼さん。
「もしもし、上野です」
「大沼です!上野君!ちょっと急用なんだ!今すぐに出れるかい!?」
大沼さんが随分と焦っているが、生放送の時の興奮とは少し違う。
何か大事件?
「ちょっと昼食がまだなので、食べてからでも良いですか?」
「そんなの僕が奢るからすぐ準備して!5分後に迎えにいくから!アパートの前で待ってて!」
「え、あ、はい」
…一方的に告げられ、一方的に電話を切られた。何なんだ。
というか5分後って急すぎるだろう。
オレは焦りながら着替えを終わらせ、寝癖だけ直して顔を洗う。
やばいもう五分経つぞ!
まあ内容は分からないが、気分転換がしたかったのは確かだ。
丁度いいから大沼さんにご馳走になろう。高い焼肉とかどうかなー。牛丼が焼肉にレベルアップだ!
ああ!時間だアパート前行かないと!
オレがアパートの前へ出ると、既に大沼さんの車が止まっていた。そのまま車の助手席に乗りシートベルトを締める。
今の時代では電動自動車が主となっている。
ガソリン車も一応売ってはいるが、大衆向けではなく一部の車好きの人が乗るもの。
尚空を飛ぶ車も実現出来たようでは有るが、車を浮かすエネルギーが大きすぎて燃費が非常に悪い。
現状では、一部の金持ちだけが趣味で乗っているようだ。
なので今回乗った大沼さんの車も、電動自動車だがちゃんとタイヤで地面を走る形。
ただバッテリー技術は非常に進歩しており、2時間弱の充電で500km以上走行可能だ。
後は自動運転機能がかなり優秀になった事だろうか、車での交通事故のニュースはほぼ見なくなった。ハンドルは基本的に持っているだけで、自動で目的地に向かってくれる。
オレはシートベルトを締めたあと大沼さんに話を聞く。
「急用って何でしょう?インタビューの件ですか?」
「それが今回は違うんだ。さっき急に社長から電話が掛かってきてね。かなりの大物が君を呼んでいるそうだ。…その人物があまりに大物過ぎて、僕自身もまだ混乱してるんだよ」
「大物?社長では無いんですよね?誰でしょう?」
「僕の口からは言う事ができない。…着けば分かるよ」
そう言うと大沼さんは口を紡ぐ。
大沼さんが数分車を走らせると、目的地に到着したようで車が自動で駐車場に止まる。
オレが車を降りると、目の前には看板が無い建物があった。
「あれ?ここは何の建物ですか?」
「ここは一見さんお断りで、超一流の高級料理店だ。来るのは大手の社長や会長か、政府の関係者。それも重要な会合や、接待で使われるほどの店だ。僕自身も聞いた事は有るけど…来た事、無い」
「ええ…。オレこんな格好なんですけど、大丈夫ですかね…?」
某大衆向け服屋フルコーデでしかもパーカーとか。追い返されたりしないよね…?
「呼ばれているんだから、だ、大丈夫だよ。じゃ、じゃあ行こうか…」
大沼さんの緊張が伝わり、オレも緊張が増してくる。
大沼さんはたどたどしい足取りで店の扉を開き、中へ入る。
後ろをついて行くオレもビクビクしていて緊張が止まらない。
この店の中には、一体誰が待っているのだろうか…。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)
あおっち
SF
脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。
その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。
その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。
そして紛争の火種は地球へ。
その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。
近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。
第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。
ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。
第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。
ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。
彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。
本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。
是非、ご覧あれ。
※加筆や修正が予告なしにあります。

ユニーク職業最弱だと思われてたテイマーが最強だったと知れ渡ってしまったので、多くの人に注目&推しにされるのなぜ?
水まんじゅう
SF
懸賞で、たまたま当たったゲーム「君と紡ぐ世界」でユニーク職業を引き当ててしまった、和泉吉江。 そしてゲームをプイイし、決まった職業がユニーク職業最弱のテイマーという職業だ。ユニーク最弱と罵られながらも、仲間とテイムした魔物たちと強くなっていき罵ったやつらを見返していく物語
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

VRMMO~鍛治師で最強になってみた!?
ナイム
ファンタジー
ある日、友人から進められ最新フルダイブゲーム『アンリミテッド・ワールド』を始めた進藤 渚
そんな彼が友人たちや、ゲーム内で知り合った人たちと協力しながら自由気ままに過ごしていると…気がつくと最強と呼ばれるうちの一人になっていた!?

神速の冒険者〜ステータス素早さ全振りで無双する〜
FREE
ファンタジー
Glavo kaj Magio
通称、【GKM】
これは日本が初めて開発したフルダイブ型のVRMMORPGだ。
世界最大規模の世界、正確な動作、どれを取ってもトップレベルのゲームである。
その中でも圧倒的人気な理由がステータスを自分で決めれるところだ。
この物語の主人公[速水 光]は陸上部のエースだったが車との交通事故により引退を余儀なくされる。
その時このゲームと出会い、ステータスがモノを言うこの世界で【素早さ】に全てのポイントを使うことを決心する…

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる