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1.スタダ
17.あぁ…悲哀の男と、幻想の洞窟よ、
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プロテアの東に行ったところに、中継都市アーミタルという都市がある。
そこでは、様々な町に行く為の船が出ているそうだ。
オレが確認しただけでも3つの町に便が出ているようで、今後拠点にするプレイヤーも多いのでは無いだろうか。
アーミタルは水上の都市といった見た目で、田舎の港町とプロテアを足して2で割った感じかな。
どこか懐かしさを感じれるが、活気も溢れる都市だ。
オレは今アーミタルで海底ダンジョンへ連れてってくれる船便を探しているのだが。
どうやら船便の定期船ではなく、個人の船で送ってくれるそうだ。
ダンジョンのある島には、冒険者は向かうがそこまで多くの人では無い。定期船を出すほどでは無いのかもしれない。
ただ、入り口のある島まではそう遠くないようで、アーミタルからでも海の先に島が見えていた。
港近くの船便を管轄しているアーミタル商会で、個人の船を紹介してもらえた。
ちなみに往復500gで、結構高い。
で…船に乗ること20分。ダンジョン入り口にある島へと到着した。
思ったより船の速度は速かったのだが、船の上に20分は流石に時間掛かりすぎだ。
ゲームなんだしカットしてくれ。
帰りに時間掛かるのも嫌なので、ホームストーンで帰る事を船乗りに伝えて500G渡した。
うーん…帰りも乗る場合、冒険者が帰ってくるまでの数時間待っているのだろうか?謎だ。
島の中央、ダンジョン入り口まで来た。
全く情報の無いダンジョンだから、消耗品と装備の確認は重点的に行なった。
ダンジョンに足を踏み入れると、中は幻想的な雰囲気の洞窟だった。
壁が青く淡い光を発しており、その光が壁や地面の水滴に反射し洞窟内全体が青く輝いて見える。
また…自身の手を近づけると、その手にも青い光が映る。
仮想世界なのにも関わらず、現実の世界よりも美しい光景。
そのあり得ない事実に、現実と錯覚してしまいそうになる。
この光景は、誰かと共有したい。
心からそう思った。
(ここでデートしたら、最高なんだろうけどね)
そんな願いがいつになったら叶うやら。
暫く見入っていると、プルルルというシステム音が鳴りはじめる。
フレンドコールの呼び出しを知らせるコール音だ。
…RDOを始めてからフレンドになった人物など一人しかいない。
/friendcall"リリー・ローズ・グリーン"
(まさかこのタイミングでコールが来るとは……)
VRゲームでは離席してた、という言い訳が通用しない。
離席イコール、ログアウトなのだから。
忙しくて出れなかった、なら通用するが…落ち着いたらかけ直すのがマナーだろう。
コール音が鳴り響く。
ここで変に意識をしてしまうのが、悲しいかな…非モテ男なのだよ。
よし、と覚悟を決める。
「フレンドコー…」
その途端、リリーからのフレンドコールの呼び出し音が途切れた。
悲しいかな…これが非モテ男のタイミングの悪さよ…。
落ち着け、このまますぐに出るのはタイミングがおかしい。
後五分…いや、10分待ったらかけ直そう。
うん、それが良い!我ながら名案だ!
皆までいうな!分かってる!
そこ!ヘタレっていうんじゃ無い!
そこでは、様々な町に行く為の船が出ているそうだ。
オレが確認しただけでも3つの町に便が出ているようで、今後拠点にするプレイヤーも多いのでは無いだろうか。
アーミタルは水上の都市といった見た目で、田舎の港町とプロテアを足して2で割った感じかな。
どこか懐かしさを感じれるが、活気も溢れる都市だ。
オレは今アーミタルで海底ダンジョンへ連れてってくれる船便を探しているのだが。
どうやら船便の定期船ではなく、個人の船で送ってくれるそうだ。
ダンジョンのある島には、冒険者は向かうがそこまで多くの人では無い。定期船を出すほどでは無いのかもしれない。
ただ、入り口のある島まではそう遠くないようで、アーミタルからでも海の先に島が見えていた。
港近くの船便を管轄しているアーミタル商会で、個人の船を紹介してもらえた。
ちなみに往復500gで、結構高い。
で…船に乗ること20分。ダンジョン入り口にある島へと到着した。
思ったより船の速度は速かったのだが、船の上に20分は流石に時間掛かりすぎだ。
ゲームなんだしカットしてくれ。
帰りに時間掛かるのも嫌なので、ホームストーンで帰る事を船乗りに伝えて500G渡した。
うーん…帰りも乗る場合、冒険者が帰ってくるまでの数時間待っているのだろうか?謎だ。
島の中央、ダンジョン入り口まで来た。
全く情報の無いダンジョンだから、消耗品と装備の確認は重点的に行なった。
ダンジョンに足を踏み入れると、中は幻想的な雰囲気の洞窟だった。
壁が青く淡い光を発しており、その光が壁や地面の水滴に反射し洞窟内全体が青く輝いて見える。
また…自身の手を近づけると、その手にも青い光が映る。
仮想世界なのにも関わらず、現実の世界よりも美しい光景。
そのあり得ない事実に、現実と錯覚してしまいそうになる。
この光景は、誰かと共有したい。
心からそう思った。
(ここでデートしたら、最高なんだろうけどね)
そんな願いがいつになったら叶うやら。
暫く見入っていると、プルルルというシステム音が鳴りはじめる。
フレンドコールの呼び出しを知らせるコール音だ。
…RDOを始めてからフレンドになった人物など一人しかいない。
/friendcall"リリー・ローズ・グリーン"
(まさかこのタイミングでコールが来るとは……)
VRゲームでは離席してた、という言い訳が通用しない。
離席イコール、ログアウトなのだから。
忙しくて出れなかった、なら通用するが…落ち着いたらかけ直すのがマナーだろう。
コール音が鳴り響く。
ここで変に意識をしてしまうのが、悲しいかな…非モテ男なのだよ。
よし、と覚悟を決める。
「フレンドコー…」
その途端、リリーからのフレンドコールの呼び出し音が途切れた。
悲しいかな…これが非モテ男のタイミングの悪さよ…。
落ち着け、このまますぐに出るのはタイミングがおかしい。
後五分…いや、10分待ったらかけ直そう。
うん、それが良い!我ながら名案だ!
皆までいうな!分かってる!
そこ!ヘタレっていうんじゃ無い!
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