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1.スタダ
15.ガンター戦
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さて生放送も終わったし、ゲームに全力を尽くそう。
上位プレイヤーに後れを取ってしまう。
急いでモンクギルドへ戻る。
アイシャさんに、ランクアップクエストのグールの牙を渡す。
「樹さん早い…えと、グールの牙20個。確かに確認しました!」
「…次はガンターさんの所へ行って、手合わせをして頂きます」
「分かりました。あ、その前に…グールについてなんですが……」
アイシャさんにグールの初見殺しについて説明し、ランクアップクエストを受ける人への注意を行なってもらうよう頼んだ。
グール「やあ!噛むね!」
「わ、分かりました。そんな危険な敵だとは、私も知りませんでした。確かにグールで怪我を負う方が多かったです。そういう理由だったんですね…。初見の方には、今後説明を行ないます」
アイシャさんは話を続ける。
「それとですが、モンク志望のプレイヤーが急に増えたんですよ。何ででしょうね?ここ一時間で、20名以上のプレイヤーが来ましたよ」
(…オレの影響かな?モンク普及に役立つなら良いさ。アイシャさんに言っても解らなさそうだけど)
「はは…何ででしょう、分かりませんね?まあ、これからモンクの志望の方がもっと増えると嬉しいですね」
「はい!モンクの方が増えて、私のきゅうりょ…コホン。モンクの良さがどんどん広がればいいと思います(ニコッ」
アイシャさん意外と黒い…?
笑顔が少し胡散臭く見えなくも…いやいや、そんなはずは。
何を言っている。かわいいは正義だ。それ以外に理由がいるか?
アイシャさんは可愛い。それで良いじゃないか。
「うん、可愛い」
「え、可愛い…?」
「あ、すいませんこちらの話です」
アイシャさんは不思議そうに首を傾げている。
そのまま挨拶をして、奥の部屋へ向かった。
部屋に入る前に音量を下げてから入室。
出迎えてくれたのはガンターさん。
つるぴかムキムキおっさん。推定40後半~50前半。
「失礼します。ガンターさん、中級モンクのランクアップクエストの件で来ました」
「おお樹殿!アイシャから聞いておるぞ早速訓練場へ行こう!」
ガンターさんはそう言いながら部屋から出て行こうとする。
ちょっと待て!焦りすぎだろう!
オレは慌てて呼び止める。
「ガンターさんちょっと待って!」
「待たん!教会騎士団の建物裏に訓練場がある!先に行ってるぞ!」
訓練所へ行くと、ガンターさんの姿が。
それとモンクギルドの職員だろうか。モンクの格好をした人が二人立っていた。
オレはガンターさんの前へと急ぐ。
「よし、早速始めよう!条件はワシに一発でも攻撃を当てられれば合格だ!尚受け流された攻撃はカウントされん!それと、ワシは攻撃を受けるだけで攻撃はしないし、スキルの使用は魔法を含めて全て使用して良い!」
「分かりました」
オレとガンターさんは適度に距離を取る。
そこでモンクの格好をした一人から開始の合図が出された。
「試験開始!」
試験が開始された。まずは様子を見る。
ガンターさんは左手を前に、右手は腰の方に構えている。
左手で受け流した後右手でパンチを繰り出す型、だろうか。
スピードアップを使用し、ガンターさんに一気に詰め寄る。
初弾に軽くジャブを入れたが、簡単に回避された。
一発当てればいいのだから…とパンチとキックでコンビネーションをする。
ほとんどがうまく回避される。回避しきれないものは手で受け流される。
「む、早いな…これは油断できん」
ガンターさんがそう呟くが手は緩めない。
コンビネーションを続けながら、狙う位置やタイミングをずらして攻撃を当てようとするが…当てることが出来ない。
苦し紛れに連打拳を放ったら、スキルについて熟知されているようで簡単にかわされた。
そこで一度距離を取った。
(これは、思ったよりも難しいな)
暫くやって分かったが、ガンターさんはかなり強い。
ステータスの差もあるだろうが、実戦経験や武術の熟練度もオレの遥か高いところに居る。
…というか、これ格闘経験無いプレイヤー当てれるの?
試験に違和感を感じつつも、奥の手を使う事にする。
暫くコンビネーションをした後、スキルである連打拳を放った。
連打拳の発動モーションを見たガンターさんは、それに応じた動きで最低限の回避行動をしようとする。
(ガンターさん甘いぜ!)
連打拳が来るタイミングで、何故かオレの右ストレートがガンターさんに直撃。その衝撃によりガンターさんが後ろへ後ずさる。
(ちっ…これでもガードされたか)
「なっ、何をした!?」
ガンターさんが驚きめを見開く。
オレがしたのは、スキルキャンセルという技術だ。
スキルの発動モーションを見せ、相手がそのスキルに応じた対応をする瞬間にキャンセル。
そして全く違う攻撃を放つ。
相手は予想外の攻撃に虚をつかれ、ガードを崩す事ができる。
ゲームによってはスキルをジャンプでキャンセルするジャンプキャンセルや、アイテムを使うことで攻撃モーションをキャンセルする、等の技法があった。
主に対人戦があるゲームで使われていて、プレイヤー相手に使用する技なのだが。
まさかNPC相手に使うとは思わなかった。
「連打拳をキャンセルして、ガードを崩すつもりだったんですが。どんな反射神経してるんですか…」
奥の手を使ってダメだったが、次を考えながら構えなおす。
(次は何するか…)
するとガンターさんが構を解く。
「はっはっは!樹殿もう良い!合格だ!お見事!」
ガンターは嬉しそうに笑いながらそう言った。
「下級、中級モンクでワシに一撃を与えたのは樹殿が初めてだ!素晴らしい!キャンセルと言ったか?あれは素晴らしいな!」
周りを見るとモンクギルド職員であろう二人も頷いていた。
「…一撃当てるのが条件というのは嘘で、実力を見る為でしたか」
「そうだ!騙して悪かったが、元々攻撃を当てれるとは思っとらんかった!本来は実力を見極めるだけだ!」
試験で感じた違和感の答えを聞き納得する。
その後、ガンターさんに肩を叩かれながら褒められた。かなり痛い。
「いやはや、今後が楽しみだ!上級になった時には、実戦方式でやろう!ワシも本気だすぞ!」
…出来れば勘弁して欲しい。正直、勝てる気がしない。
ガンターさんのLvを聞いたら、90を超えているらしい。そりゃ強い。
ガンターさんは笑いながら、満足そうにモンクギルドへと戻っていった。
そのままモンクギルドに行き、アイシャさんに報告。
中級モンクのランクアップに関する書類にサインした。
「樹さんおめでとうございます。これで中級モンクとして認められました」
アイシャさんが微笑んで祝ってくれると、疲れが吹っ飛びますわ。
さて、これでやっと中級モンクだ。
MMOでいえばここがスタートラインだろうか。
オレは気を引き締める。
上位プレイヤーに後れを取ってしまう。
急いでモンクギルドへ戻る。
アイシャさんに、ランクアップクエストのグールの牙を渡す。
「樹さん早い…えと、グールの牙20個。確かに確認しました!」
「…次はガンターさんの所へ行って、手合わせをして頂きます」
「分かりました。あ、その前に…グールについてなんですが……」
アイシャさんにグールの初見殺しについて説明し、ランクアップクエストを受ける人への注意を行なってもらうよう頼んだ。
グール「やあ!噛むね!」
「わ、分かりました。そんな危険な敵だとは、私も知りませんでした。確かにグールで怪我を負う方が多かったです。そういう理由だったんですね…。初見の方には、今後説明を行ないます」
アイシャさんは話を続ける。
「それとですが、モンク志望のプレイヤーが急に増えたんですよ。何ででしょうね?ここ一時間で、20名以上のプレイヤーが来ましたよ」
(…オレの影響かな?モンク普及に役立つなら良いさ。アイシャさんに言っても解らなさそうだけど)
「はは…何ででしょう、分かりませんね?まあ、これからモンクの志望の方がもっと増えると嬉しいですね」
「はい!モンクの方が増えて、私のきゅうりょ…コホン。モンクの良さがどんどん広がればいいと思います(ニコッ」
アイシャさん意外と黒い…?
笑顔が少し胡散臭く見えなくも…いやいや、そんなはずは。
何を言っている。かわいいは正義だ。それ以外に理由がいるか?
アイシャさんは可愛い。それで良いじゃないか。
「うん、可愛い」
「え、可愛い…?」
「あ、すいませんこちらの話です」
アイシャさんは不思議そうに首を傾げている。
そのまま挨拶をして、奥の部屋へ向かった。
部屋に入る前に音量を下げてから入室。
出迎えてくれたのはガンターさん。
つるぴかムキムキおっさん。推定40後半~50前半。
「失礼します。ガンターさん、中級モンクのランクアップクエストの件で来ました」
「おお樹殿!アイシャから聞いておるぞ早速訓練場へ行こう!」
ガンターさんはそう言いながら部屋から出て行こうとする。
ちょっと待て!焦りすぎだろう!
オレは慌てて呼び止める。
「ガンターさんちょっと待って!」
「待たん!教会騎士団の建物裏に訓練場がある!先に行ってるぞ!」
訓練所へ行くと、ガンターさんの姿が。
それとモンクギルドの職員だろうか。モンクの格好をした人が二人立っていた。
オレはガンターさんの前へと急ぐ。
「よし、早速始めよう!条件はワシに一発でも攻撃を当てられれば合格だ!尚受け流された攻撃はカウントされん!それと、ワシは攻撃を受けるだけで攻撃はしないし、スキルの使用は魔法を含めて全て使用して良い!」
「分かりました」
オレとガンターさんは適度に距離を取る。
そこでモンクの格好をした一人から開始の合図が出された。
「試験開始!」
試験が開始された。まずは様子を見る。
ガンターさんは左手を前に、右手は腰の方に構えている。
左手で受け流した後右手でパンチを繰り出す型、だろうか。
スピードアップを使用し、ガンターさんに一気に詰め寄る。
初弾に軽くジャブを入れたが、簡単に回避された。
一発当てればいいのだから…とパンチとキックでコンビネーションをする。
ほとんどがうまく回避される。回避しきれないものは手で受け流される。
「む、早いな…これは油断できん」
ガンターさんがそう呟くが手は緩めない。
コンビネーションを続けながら、狙う位置やタイミングをずらして攻撃を当てようとするが…当てることが出来ない。
苦し紛れに連打拳を放ったら、スキルについて熟知されているようで簡単にかわされた。
そこで一度距離を取った。
(これは、思ったよりも難しいな)
暫くやって分かったが、ガンターさんはかなり強い。
ステータスの差もあるだろうが、実戦経験や武術の熟練度もオレの遥か高いところに居る。
…というか、これ格闘経験無いプレイヤー当てれるの?
試験に違和感を感じつつも、奥の手を使う事にする。
暫くコンビネーションをした後、スキルである連打拳を放った。
連打拳の発動モーションを見たガンターさんは、それに応じた動きで最低限の回避行動をしようとする。
(ガンターさん甘いぜ!)
連打拳が来るタイミングで、何故かオレの右ストレートがガンターさんに直撃。その衝撃によりガンターさんが後ろへ後ずさる。
(ちっ…これでもガードされたか)
「なっ、何をした!?」
ガンターさんが驚きめを見開く。
オレがしたのは、スキルキャンセルという技術だ。
スキルの発動モーションを見せ、相手がそのスキルに応じた対応をする瞬間にキャンセル。
そして全く違う攻撃を放つ。
相手は予想外の攻撃に虚をつかれ、ガードを崩す事ができる。
ゲームによってはスキルをジャンプでキャンセルするジャンプキャンセルや、アイテムを使うことで攻撃モーションをキャンセルする、等の技法があった。
主に対人戦があるゲームで使われていて、プレイヤー相手に使用する技なのだが。
まさかNPC相手に使うとは思わなかった。
「連打拳をキャンセルして、ガードを崩すつもりだったんですが。どんな反射神経してるんですか…」
奥の手を使ってダメだったが、次を考えながら構えなおす。
(次は何するか…)
するとガンターさんが構を解く。
「はっはっは!樹殿もう良い!合格だ!お見事!」
ガンターは嬉しそうに笑いながらそう言った。
「下級、中級モンクでワシに一撃を与えたのは樹殿が初めてだ!素晴らしい!キャンセルと言ったか?あれは素晴らしいな!」
周りを見るとモンクギルド職員であろう二人も頷いていた。
「…一撃当てるのが条件というのは嘘で、実力を見る為でしたか」
「そうだ!騙して悪かったが、元々攻撃を当てれるとは思っとらんかった!本来は実力を見極めるだけだ!」
試験で感じた違和感の答えを聞き納得する。
その後、ガンターさんに肩を叩かれながら褒められた。かなり痛い。
「いやはや、今後が楽しみだ!上級になった時には、実戦方式でやろう!ワシも本気だすぞ!」
…出来れば勘弁して欲しい。正直、勝てる気がしない。
ガンターさんのLvを聞いたら、90を超えているらしい。そりゃ強い。
ガンターさんは笑いながら、満足そうにモンクギルドへと戻っていった。
そのままモンクギルドに行き、アイシャさんに報告。
中級モンクのランクアップに関する書類にサインした。
「樹さんおめでとうございます。これで中級モンクとして認められました」
アイシャさんが微笑んで祝ってくれると、疲れが吹っ飛びますわ。
さて、これでやっと中級モンクだ。
MMOでいえばここがスタートラインだろうか。
オレは気を引き締める。
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