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2.少年と不運の少女
幸運少年と大企業 交戦 4
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戦場に金属同士がぶつかり合う音が響き続ける。
早川さんが槍で攻撃しそれを僕が弾く。それを何度繰り返したか分からない。
早川さんは頭や胸を避けてくれているようだが、手足を中心に様々な箇所を狙ってくる。僕はそれらを防御するのに精一杯でとても反撃できる暇がないし、無理に反撃しようにも剣と槍の射程の差から攻撃が届きそうにも無い。
攻防を続けながら早川さんが話しかけて来る。
「いや……君の年齢でこれ程とは末恐ろしいね。レベルはいくつなんだ?」
「……年相応じゃないですか」
「はあ、羨ましい。どれほどの才能を持っているのやら」
「……」
僕はその言葉に少し苛立ってしまい、少し荒く槍を弾く。
「ん?なんだ?」
「……それ、僕が一番気にしてる事なんで言わないで貰えますか」
僕の言葉を早川さんは理解出来ないようで首を傾げる。
……いけない。こんな事で動揺してちゃ、まだまだだ。
僕は深く息を吐いて自分を落ち着かせる。
「よく分からないが、ワケアリか」
「さあ、どうでしょう——」
僕から初めて攻撃を仕掛ける。
利き足で強く踏み込み、出来るだけ早川さんの懐奥を目指す。
早川さんは槍を横薙ぎに払って僕に攻撃してくる。
僕はそれを右手に持った聖剣で受けて勢いを殺し、もう一歩距離を詰める。
そこで——奥の手を発動する。
来い!
そう思うだけで右手に有った聖剣が左手に移動する。
右手に槍が当たるが、勢いは無く痛みはそれほどでも無い。
「な……ッ!!」
早川さんは突然左手に移動した剣に驚いた表情を見せる。
僕はそのまま左手で聖剣を、振るう——が。
早川さんは瞬時に後ろへと跳躍し、聖剣の直撃を回避する。
結果、聖剣の先は胸当てを傷付けるだけで終わり、早川さんはそのまま距離を取る。
「——これは驚いた。まるで手品だ」
早川さんはミスリルの胸当ての傷を確認する。そこには大きな一本の傷が入っている。
「ミスリルをこれだけ傷付けるとは……普通の鋼鉄に見えるけどその剣、レジェンドレア以上かな?」
完全に不意をついたつもりだったが、うまく回避されてしまった。これも経験からくる反射的な防衛技術だろうか。
「それも秘密です」
「まあそれで良い。何となくだが君の事が分かってきた」
早川さんは肩を槍でポンポン叩きながら話す。
「俺達がだいぶ楽しんでる間に……向こうはもう終ってるな」
その言葉にグンセさん達の様子を伺うと、既に警備部隊で立っている人員は居なかった。
グンセさんが石に座り、その横にシル爺が立ってこちらの成り行きを見守っている。
「早川!!どうなっている!!」
その様子を見て青ざめている、夜叉神さんの怒号が飛ぶ。
「そうは言われましても、完全に実力差があり過ぎますって。この三人とやり合うなら軍隊一つ持って来ないと駄目じゃ無いですかい?」
「そ、そんな訳が無い!!警備部隊には高い金を払っているんだ!!それ相応の仕事をしろ!!」
「……はあ、夜叉神本部長。DHを舐めすぎですよ。ゴールドランクの中でも天と地の差が有るのに、そこのグンセさんはミスリルランクだ。そんなの子供と大人の戦いになりますって」
「だ、だが君も止めはしなかっただろうが!!」
「止めませんでしたが、勝てるとは言ってないですよ。どうせ止めても無駄でしょう」
早川さんの一言に夜叉神さんが怒りをむき出しにする。
「クソッ!」
「あ、あのー……」
僕は恐る恐る早川さんに話し掛ける。
「ああ、悪いが君との戦いはこれで終わりだ。警備部隊は負けを認めて撤退する。——本当にすまなかった」
早川さんは槍をマジックバッグに仕舞ってから僕に頭を下げ、警備部隊の人達の方へと歩いていく。
僕はグンセさんに近寄る。
「これで終わりですかね?」
「だろうな。これでJHWも俺達の要求を飲むしか無くなった訳だ」
「ホッホッホ。少々拍子抜けですな」
「僕は割と必死だったんですけど……」
僕の言葉にグンセさんが腰を上げて頭にポンと手を乗せる。
「ま、ムノもいい経験になったんじゃねえのか?何にせよ怪我もなく終われたんだ、それを喜べよ」
「はあ、そうします。それじゃあ後は……」
僕とグンセさんは、地面に手を着き項垂れる夜叉神さんに目を向ける。
「ヒメさんの件含めて、夜叉神さんと話し合いですかね」
「まあ、思ってたのと違う結末にはなっちまったが……頃合いだろう」
グンセさんがシル爺に目配せをすると、シル爺は頷き車に向かって歩き始める。
僕はそれをじっと見つめていた。
——だがその時。
「……ふざけるな。これで終わっていい訳がない」
夜叉神さんがポツリと呟く。
「私の全てが、こんな形で終わっていい訳が無い!!」
そのまま地面を素手で殴りつける。
その様子を見た早川さんが夜叉神さんに声を掛ける。
「夜叉神本部長。もうやめにしましょうや。彼らも別にJHW全てを潰すつもりじゃあ——」
「黙れ!ただの警備部隊の貴様に何が分かる!もう良い私のすべてを賭けてお前らを潰してやる……ッ!!」
夜叉神さんは僕達を睨み付けた後、急いで大型トラックの方へと走っていく。
「夜叉神さんやめろ!本当にアレ使うつもりかよ!!」
早川さんが慌てて夜叉神さんを追いかける。
僕達は突然の事に唖然として、その成り行きを見ている事しか出来なかった。
ドゴオォッッ
——その直後に鳴り響く爆音と飛び散るトラックの破片。
「——クソッ!」
そして爆風に飛ばされた早川さんが叫びながら見つめる、その先。
トラックのあった、火の上がる中心には——3m以上は有りそうな黒紫の金属鎧が佇んでいた。
それを見た僕は反射的に呟く。
「何あれ?……ロボ?」
早川さんが槍で攻撃しそれを僕が弾く。それを何度繰り返したか分からない。
早川さんは頭や胸を避けてくれているようだが、手足を中心に様々な箇所を狙ってくる。僕はそれらを防御するのに精一杯でとても反撃できる暇がないし、無理に反撃しようにも剣と槍の射程の差から攻撃が届きそうにも無い。
攻防を続けながら早川さんが話しかけて来る。
「いや……君の年齢でこれ程とは末恐ろしいね。レベルはいくつなんだ?」
「……年相応じゃないですか」
「はあ、羨ましい。どれほどの才能を持っているのやら」
「……」
僕はその言葉に少し苛立ってしまい、少し荒く槍を弾く。
「ん?なんだ?」
「……それ、僕が一番気にしてる事なんで言わないで貰えますか」
僕の言葉を早川さんは理解出来ないようで首を傾げる。
……いけない。こんな事で動揺してちゃ、まだまだだ。
僕は深く息を吐いて自分を落ち着かせる。
「よく分からないが、ワケアリか」
「さあ、どうでしょう——」
僕から初めて攻撃を仕掛ける。
利き足で強く踏み込み、出来るだけ早川さんの懐奥を目指す。
早川さんは槍を横薙ぎに払って僕に攻撃してくる。
僕はそれを右手に持った聖剣で受けて勢いを殺し、もう一歩距離を詰める。
そこで——奥の手を発動する。
来い!
そう思うだけで右手に有った聖剣が左手に移動する。
右手に槍が当たるが、勢いは無く痛みはそれほどでも無い。
「な……ッ!!」
早川さんは突然左手に移動した剣に驚いた表情を見せる。
僕はそのまま左手で聖剣を、振るう——が。
早川さんは瞬時に後ろへと跳躍し、聖剣の直撃を回避する。
結果、聖剣の先は胸当てを傷付けるだけで終わり、早川さんはそのまま距離を取る。
「——これは驚いた。まるで手品だ」
早川さんはミスリルの胸当ての傷を確認する。そこには大きな一本の傷が入っている。
「ミスリルをこれだけ傷付けるとは……普通の鋼鉄に見えるけどその剣、レジェンドレア以上かな?」
完全に不意をついたつもりだったが、うまく回避されてしまった。これも経験からくる反射的な防衛技術だろうか。
「それも秘密です」
「まあそれで良い。何となくだが君の事が分かってきた」
早川さんは肩を槍でポンポン叩きながら話す。
「俺達がだいぶ楽しんでる間に……向こうはもう終ってるな」
その言葉にグンセさん達の様子を伺うと、既に警備部隊で立っている人員は居なかった。
グンセさんが石に座り、その横にシル爺が立ってこちらの成り行きを見守っている。
「早川!!どうなっている!!」
その様子を見て青ざめている、夜叉神さんの怒号が飛ぶ。
「そうは言われましても、完全に実力差があり過ぎますって。この三人とやり合うなら軍隊一つ持って来ないと駄目じゃ無いですかい?」
「そ、そんな訳が無い!!警備部隊には高い金を払っているんだ!!それ相応の仕事をしろ!!」
「……はあ、夜叉神本部長。DHを舐めすぎですよ。ゴールドランクの中でも天と地の差が有るのに、そこのグンセさんはミスリルランクだ。そんなの子供と大人の戦いになりますって」
「だ、だが君も止めはしなかっただろうが!!」
「止めませんでしたが、勝てるとは言ってないですよ。どうせ止めても無駄でしょう」
早川さんの一言に夜叉神さんが怒りをむき出しにする。
「クソッ!」
「あ、あのー……」
僕は恐る恐る早川さんに話し掛ける。
「ああ、悪いが君との戦いはこれで終わりだ。警備部隊は負けを認めて撤退する。——本当にすまなかった」
早川さんは槍をマジックバッグに仕舞ってから僕に頭を下げ、警備部隊の人達の方へと歩いていく。
僕はグンセさんに近寄る。
「これで終わりですかね?」
「だろうな。これでJHWも俺達の要求を飲むしか無くなった訳だ」
「ホッホッホ。少々拍子抜けですな」
「僕は割と必死だったんですけど……」
僕の言葉にグンセさんが腰を上げて頭にポンと手を乗せる。
「ま、ムノもいい経験になったんじゃねえのか?何にせよ怪我もなく終われたんだ、それを喜べよ」
「はあ、そうします。それじゃあ後は……」
僕とグンセさんは、地面に手を着き項垂れる夜叉神さんに目を向ける。
「ヒメさんの件含めて、夜叉神さんと話し合いですかね」
「まあ、思ってたのと違う結末にはなっちまったが……頃合いだろう」
グンセさんがシル爺に目配せをすると、シル爺は頷き車に向かって歩き始める。
僕はそれをじっと見つめていた。
——だがその時。
「……ふざけるな。これで終わっていい訳がない」
夜叉神さんがポツリと呟く。
「私の全てが、こんな形で終わっていい訳が無い!!」
そのまま地面を素手で殴りつける。
その様子を見た早川さんが夜叉神さんに声を掛ける。
「夜叉神本部長。もうやめにしましょうや。彼らも別にJHW全てを潰すつもりじゃあ——」
「黙れ!ただの警備部隊の貴様に何が分かる!もう良い私のすべてを賭けてお前らを潰してやる……ッ!!」
夜叉神さんは僕達を睨み付けた後、急いで大型トラックの方へと走っていく。
「夜叉神さんやめろ!本当にアレ使うつもりかよ!!」
早川さんが慌てて夜叉神さんを追いかける。
僕達は突然の事に唖然として、その成り行きを見ている事しか出来なかった。
ドゴオォッッ
——その直後に鳴り響く爆音と飛び散るトラックの破片。
「——クソッ!」
そして爆風に飛ばされた早川さんが叫びながら見つめる、その先。
トラックのあった、火の上がる中心には——3m以上は有りそうな黒紫の金属鎧が佇んでいた。
それを見た僕は反射的に呟く。
「何あれ?……ロボ?」
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