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第四章 魔族と死霊術師
シェナとイオリ
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「なあ、教えてくれないか、シェナ姫??」
「姫? 本当にそう思うの?」 奴隷じゃなく??」
「思う、思うよ。奴隷じゃなく。俺の所有物とかでもなく。お姫様だって」
「……怪しい。自分に都合のいい時だけ、そう言う。オスは本当に嫌い!」
「はあ……。嫌いでもいい。俺に魔力があることも、どうせ噛んでいる間に毒を仕掛けたかどうかはわからんが嘘を言っているかどうかの確認くらいしたんだろ? こうやって話している間もそうだ。ずっとその片耳に鼻に尻尾が警戒する様に動いているぞ??」
「それは関係ない……」
ほら、これだ。
根が素直というか、単純にだましあいに慣れてないんだろうな。
ロアという氏族そのものの傾向なのか、蒼狼族の気質なのか。
それともシェナが抜けているだけかもしれない。
まあ、自分を名前で呼ぶ姫様だ。
世間知らずなのは間違いない。
「なあ、シェナ? お前もしかして……ほかの誰かの身代わりに売られたんじゃないのか?」
ストンっと尾が地面に落ちる。
ああ、わかりやすい。
「弟か妹か? それとも姉か?」
「……アーチャーは関係ない」
「あ、そう。ところで知ってるか? ロブって名前の魔狼がいる。灰狼族の子孫でな。同じく牙に毒を持って狩りをするらしい。だが、魔獣だ。魔族じゃない。それでも人は死ぬ」
「何を? だからなに??」
「シェナは蒼狼族のお姫様。それも純粋な魔族に近い? いや、魔石が二個あれば魔族だ。それも古い魔族。その毒の威力はロブの比じゃない。つまり、俺は死ぬ――」
「あっ!?」
そう言いかけてアーチャーは腰かけていた岩の上から地面へと倒れこんだ。
演技には見えないくらい、受け身を取るひまもなく死霊術師は意識を失って倒れていた。
シェナが慌てて駆け寄るとその呼吸すら荒く、体温は一気に冷え込んでいく。
「嘘っ!? そんな……人間がそんなに弱いなんてっ!!??」
解毒、解毒をしなきゃ。
でも目の焦点が合わない、腕の感覚た足りない、耳がキーンと鳴っていて細かいことがわからない。
焦りが募るなか、アーチャーの肉体はどんどん冷たくなっていき、見える皮膚のそこかしこに紫色の斑点が浮き上がってくる。
死が近い――
そう悟ったら、シェナにできることは一つしかなかった。
自分の中で失った感覚を補填し、補助してくれている彼女だ。
風の精霊と親からは聞かされている彼女に、シェナは祈り懇願して、お出ましを願うかなかった。
「ラーディアナ、彼を助けて……」
しかし、彼女はシェナの脳裏に顔を浮かばせると、その必要はないと首を振って教えた。
「え、でも!?」
「ラーディアナ、か。なるほど。納得した」
「ええ、なんで?? なんで……平気?」
地面にしゃがみ込み、その太ももに頭を載せていたアーチャーの声が上がってくる。
まるで何もなかったかのように平然としながら、シェナを見上げている彼を見て、シェナは騙されたと悟ったが全てはもう、遅い。
慌てて飛びのこうとしつつ、その顔めがけてはやした爪先を振り落とそうとしたがその抵抗はあえなく防がれてしまう。
アーチャーがにやりと笑った笑顔が悪魔のようで、シェナは小さく悲鳴をあげていた。
「いやだ!! 尻尾を離して、返して、この卑怯者!!」
「あーはいはい。毒をしこんで仕留めようとしておいてよく言うよな、まったく。動くなよ? 動いたらこの尾、根元から切り取るからな??」
無慈悲な宣言に、狼姫はびくっと身体を震わすとかたまってしまう。
それほどに大事なのかね、これ?
ま、一度無くしたらまた生えてくる類のものでもなさそうだし。
人質ならぬ、尻尾質。
絵にならない光景だ。
アーチャーはシェナを組み伏せると、その首に今度は本当の奴隷用の首輪を巻き付けた。
魔法を制御し、逃亡を防ぐ、そして主人に逆らおうとすれば締まり抵抗を無意味にするそれは、シェナからわが身を守るには最高のアイテムだった。
「ま、これでいい。さて、と。シェナ? それとも別に名前があるのか? そのシェナってのは誰のものだ??」
「アーチャーにはかんけーっ、ぐっ……」
「あ、言い忘れた。俺の命令に反したら締まるぞそれ。大人しく話すことをお勧めするな」
顔を真っ赤にしてそれから逃れようとするが、元奴隷だっただけに無意味だと理解するのも早い。
耳も尻尾もへなへなと伏せてしまい、どこから見ても負け犬になった狼姫がそこにいた。
「姉上様。はあ……もう、いい。ちゃんと話す。嘘は嫌い。シェナは姉上様の名前。本当はイオリ。イオリ・レム。でも、姉上様はシェナ・ロア。レムは……姫にはつかない」
「ほう。で、なんでそのイオリはシェナのふりをしたんだ??」
「税金の代わりに……」
シェナことイオリの会話はつたなく、まとめるとこうだった。
今年の領主からの税金は高く、とても払えない額だった。
そのために、ロア族は用意した金貨などとともに、領主へとその姫を差し出した。
奴隷などではなく、きちんとした側室として。
その意味では、姉のシェナが前領主のもとにきちんと輿入れしていれば、蒼狼族の地位は向上し、その中でロアの地位も待遇もよくなるはずだった。
ところが、領主が交代することになり、彼はなんと側室になる予定だったシェナとその供としてついていったイオリを、待ち合わせの場所であるパルドで代理人に任せ奴隷に売り飛ばしたのだという。
自国の姫を奴隷にするわけにはいかないと、従者であるイオリがその身代わりになり、そして今ここにいる。
そういうことらしい。
「で? そのシェナ姫はどこに行ったんだ??」
「……姉上様はもう戻ったはず。シェナとほかの子たちがあそこにいたから……」
「ああ、あの赤と銀色の獣人か。つまり、従者を身代わりして自分は助かったってことか? だから、そんなに幼い会話しかできないのか? 本当は何歳なんだ??」
「……十歳」
「はあ……そうか。そんなに子供なら、ま、怒るわけにもいかないな……」
子供相手にこんな首輪で脅す俺もとんだ悪人だ。
こっちに来いと手を引き寄せて首輪を外してやると、意外とイオリは大人しくなった。
借りてきた猫みたいだな。
あの気性の荒さは感心しないが、子供だ。
仕方ない。アーチャーは怒りの矛先を収めることにした。
地面にあぐらをかき、その上に座らせると元シェナこと、イオリは恥ずかしそうにうつむいてしまう。
どうして最初からこうなってくれなかったのか。
アーチャーは大きなため息をついていた。
「姫? 本当にそう思うの?」 奴隷じゃなく??」
「思う、思うよ。奴隷じゃなく。俺の所有物とかでもなく。お姫様だって」
「……怪しい。自分に都合のいい時だけ、そう言う。オスは本当に嫌い!」
「はあ……。嫌いでもいい。俺に魔力があることも、どうせ噛んでいる間に毒を仕掛けたかどうかはわからんが嘘を言っているかどうかの確認くらいしたんだろ? こうやって話している間もそうだ。ずっとその片耳に鼻に尻尾が警戒する様に動いているぞ??」
「それは関係ない……」
ほら、これだ。
根が素直というか、単純にだましあいに慣れてないんだろうな。
ロアという氏族そのものの傾向なのか、蒼狼族の気質なのか。
それともシェナが抜けているだけかもしれない。
まあ、自分を名前で呼ぶ姫様だ。
世間知らずなのは間違いない。
「なあ、シェナ? お前もしかして……ほかの誰かの身代わりに売られたんじゃないのか?」
ストンっと尾が地面に落ちる。
ああ、わかりやすい。
「弟か妹か? それとも姉か?」
「……アーチャーは関係ない」
「あ、そう。ところで知ってるか? ロブって名前の魔狼がいる。灰狼族の子孫でな。同じく牙に毒を持って狩りをするらしい。だが、魔獣だ。魔族じゃない。それでも人は死ぬ」
「何を? だからなに??」
「シェナは蒼狼族のお姫様。それも純粋な魔族に近い? いや、魔石が二個あれば魔族だ。それも古い魔族。その毒の威力はロブの比じゃない。つまり、俺は死ぬ――」
「あっ!?」
そう言いかけてアーチャーは腰かけていた岩の上から地面へと倒れこんだ。
演技には見えないくらい、受け身を取るひまもなく死霊術師は意識を失って倒れていた。
シェナが慌てて駆け寄るとその呼吸すら荒く、体温は一気に冷え込んでいく。
「嘘っ!? そんな……人間がそんなに弱いなんてっ!!??」
解毒、解毒をしなきゃ。
でも目の焦点が合わない、腕の感覚た足りない、耳がキーンと鳴っていて細かいことがわからない。
焦りが募るなか、アーチャーの肉体はどんどん冷たくなっていき、見える皮膚のそこかしこに紫色の斑点が浮き上がってくる。
死が近い――
そう悟ったら、シェナにできることは一つしかなかった。
自分の中で失った感覚を補填し、補助してくれている彼女だ。
風の精霊と親からは聞かされている彼女に、シェナは祈り懇願して、お出ましを願うかなかった。
「ラーディアナ、彼を助けて……」
しかし、彼女はシェナの脳裏に顔を浮かばせると、その必要はないと首を振って教えた。
「え、でも!?」
「ラーディアナ、か。なるほど。納得した」
「ええ、なんで?? なんで……平気?」
地面にしゃがみ込み、その太ももに頭を載せていたアーチャーの声が上がってくる。
まるで何もなかったかのように平然としながら、シェナを見上げている彼を見て、シェナは騙されたと悟ったが全てはもう、遅い。
慌てて飛びのこうとしつつ、その顔めがけてはやした爪先を振り落とそうとしたがその抵抗はあえなく防がれてしまう。
アーチャーがにやりと笑った笑顔が悪魔のようで、シェナは小さく悲鳴をあげていた。
「いやだ!! 尻尾を離して、返して、この卑怯者!!」
「あーはいはい。毒をしこんで仕留めようとしておいてよく言うよな、まったく。動くなよ? 動いたらこの尾、根元から切り取るからな??」
無慈悲な宣言に、狼姫はびくっと身体を震わすとかたまってしまう。
それほどに大事なのかね、これ?
ま、一度無くしたらまた生えてくる類のものでもなさそうだし。
人質ならぬ、尻尾質。
絵にならない光景だ。
アーチャーはシェナを組み伏せると、その首に今度は本当の奴隷用の首輪を巻き付けた。
魔法を制御し、逃亡を防ぐ、そして主人に逆らおうとすれば締まり抵抗を無意味にするそれは、シェナからわが身を守るには最高のアイテムだった。
「ま、これでいい。さて、と。シェナ? それとも別に名前があるのか? そのシェナってのは誰のものだ??」
「アーチャーにはかんけーっ、ぐっ……」
「あ、言い忘れた。俺の命令に反したら締まるぞそれ。大人しく話すことをお勧めするな」
顔を真っ赤にしてそれから逃れようとするが、元奴隷だっただけに無意味だと理解するのも早い。
耳も尻尾もへなへなと伏せてしまい、どこから見ても負け犬になった狼姫がそこにいた。
「姉上様。はあ……もう、いい。ちゃんと話す。嘘は嫌い。シェナは姉上様の名前。本当はイオリ。イオリ・レム。でも、姉上様はシェナ・ロア。レムは……姫にはつかない」
「ほう。で、なんでそのイオリはシェナのふりをしたんだ??」
「税金の代わりに……」
シェナことイオリの会話はつたなく、まとめるとこうだった。
今年の領主からの税金は高く、とても払えない額だった。
そのために、ロア族は用意した金貨などとともに、領主へとその姫を差し出した。
奴隷などではなく、きちんとした側室として。
その意味では、姉のシェナが前領主のもとにきちんと輿入れしていれば、蒼狼族の地位は向上し、その中でロアの地位も待遇もよくなるはずだった。
ところが、領主が交代することになり、彼はなんと側室になる予定だったシェナとその供としてついていったイオリを、待ち合わせの場所であるパルドで代理人に任せ奴隷に売り飛ばしたのだという。
自国の姫を奴隷にするわけにはいかないと、従者であるイオリがその身代わりになり、そして今ここにいる。
そういうことらしい。
「で? そのシェナ姫はどこに行ったんだ??」
「……姉上様はもう戻ったはず。シェナとほかの子たちがあそこにいたから……」
「ああ、あの赤と銀色の獣人か。つまり、従者を身代わりして自分は助かったってことか? だから、そんなに幼い会話しかできないのか? 本当は何歳なんだ??」
「……十歳」
「はあ……そうか。そんなに子供なら、ま、怒るわけにもいかないな……」
子供相手にこんな首輪で脅す俺もとんだ悪人だ。
こっちに来いと手を引き寄せて首輪を外してやると、意外とイオリは大人しくなった。
借りてきた猫みたいだな。
あの気性の荒さは感心しないが、子供だ。
仕方ない。アーチャーは怒りの矛先を収めることにした。
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