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第五章 アリアと闇の妖精たち
妖精王女の本心
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「女王陛下、いかがなさいますか」
「ラスア、あなたとリクウスに任せるわ。先に行き、妖精王に御挨拶を」
「……は? しかし、陛下は」
呼び寄せている眷属がいる。
まだやって来ない理由はなんとなく思い浮かぶし、そうだとすると上には親しい者同士で会話をして貰った方がいい。
失礼なことを承知で言うならば森の妖精王に対して、私は彼と会うことをあまり重要だと思っていないの。
大森林に住む臣民を見放して、属国の一つ、ダークエルフの王国を見殺しにした。
その事実はあまりにも大きくて、同じ王としては許せないもの何か感じてしまう。
「お前とリクウス宰相。それにロア様にも同行を願えばいいわ」
「ロア様、ですか? それこそ彼女には陛下のそばにいてもらった方が良いのでは?」
「大きな戦力としてはそうかもしれない。でもあなた達を妖精王のもとに派遣する場合、あのお方がいらっしゃってくれた方がよほど生還率が高まるわ」
「それは確かにおっしゃるとおりです」
わたしの意図を汲み取ってくれたのか書記官はそれ以上何も言わず、実体を持たない水の精霊の眷属だけを残して宰相たちとともに異界への穴を潜って行った。
「さてあなたたちのことねー」
さっきからずっと泣き止まないライシャの肩がそれを聞いてピクり、と震えだす。
侍女のエステラも同じく、妖精界に連れて行ってもらえなかったことを不思議に思っているようだった。
別にこちらには彼女たちを罰したり、虐めたりする気はないのだから、そろそろ信用して欲しいものだけれど。
迫害を受けた民の心をつかむには時間が足りないというか……いきなり助けてくれと願い出て、その二日後に軍隊まででてきたら、それはどこか怪しむのも普通かもしれない。
「どうすればいいのかしら」
戻って来た眷属たちが新たな情報とともに、嬉しくないお知らせをたくさん詰め込んでやってくる。
そのうちいくつかは、さっきのなぜ船が動き出したか、にちなんだことで。
それよりも大問題なのは人間の王国、レブナスが魔族であるアルフライラの蒼い狼の獣人たちよりもどうやら、上に見えるような行動をしているということで。
「わっ、私達をどのように……なさいますか」
「どのようにって、仲間を助けて欲しい。が、あなたの望みでは、ライシャ? その前に確認だけど、身の振り方はどうするか決めたか聞いておきましょうか」
「今ここで、ですか?」
「何か不都合でも? 意志を介せる人のような姿を持つのは私と他数名。部下にしても眷属を含め二十もいないこの場所で女王を討てばそれはそれで名が挙がるとは思いますけど。できるのならば」
「……そんな」
先遣隊とは名ばかりながら、全体でも兵士を百は連れてこなかった。
魔王に匹敵する存在は、ロア様、リクウス、わたしと三者もいて。
そこにエバーグリーンとイフリートさんが加われば、この戦地に置ける戦力図はあっという間に塗り替わる。
例え妖精王様が古代神に連なる存在であっても、そこはあまり大差ない。
まあ、河の中の二柱の神とアルフライラの魔王、それに今回は関与を強く否定しているハイエルンの竜王、あとは……人間の勇者とか聖女とかでてきたら、それはそれで困る。
非常に困る。
いまのわたしだけでは、到底太刀打ちできない。
そうなると、援軍が一気に捕虜へと逆戻りだ。
そうならないように眷属どもを呼び寄せてるんだけど……来ないなあ。
なんてぼやいていたら、ライシャが膝をついた。続いてそれを見倣ってエステラも。
不思議な話だけど、灰色と緑と青しかないこの世界に彼女たちのチョコレート色の肌はとても映えていて、真っ白な肌の私よりもよほど綺麗で。
闇に属する薄汚い妖精という世間のイメージは、黒曜石のようにきらめきながら存在感を放つ彼女たちに対して嫉妬した妖精族の考えた悪い噂なのかもしれないと、ふと考えてしまった。
「戻らせて頂きました。そのことについては大変感謝しております。しかし、ここまで戻った以上まだ父上に全ておすがりするということも……お察しください、女王陛下」
「お察しください」
ふーん。
つまるとこ戻るに戻れなかったけど故郷に戻ってみたら国は滅んでいてもう跡形もなく。
今更、国家の再興を考えるには被害が激しくて、と。
国を作ることを考えるより、妖精界に戻った方が何もかも正しいかもしれないと。
そういう判断ですかー。
まあ、それも一つの判断だからわたしは悪くないと思ってしまう。
決めるのは彼女たちだし。
ただそれをすると、ここから先の庇護はおろか、誰のどこにいるどんな神からも救いの手は差し伸べられないとそういうことで。
聞いてみるかなあ。
「ねえ、それはそうしたいなら止めません。それよりも、ルイはどうしてあなた達を支配しようとしたの」
「支配というかそれはその」
「より、条件が良い方を選ぼうとしたというか」
「妖精王の部下だというプライドと、私の。このライシャの身分を慮ってくれたといいますか……」
へえ。
殺されそうな目にあっていながら、他の神々達からも多分、幾度かは微力ながらの援助をしようって話だってあったはずなのに。
それを全て断って、北の大陸の果てにまで行かされたのに?
あんな道具で支配されそうになってまでまだ彼を庇う?
いやいやいや、どこまで善人なんですかライシャ。
さすがにあなたが嘘をついていることはよくわかりますよ。
と、わたしは心の中で舌を出してやる。
このダークエルフたちのために、散々、面倒くさい手続きなどを行った……数時間だけの庶務だったけど。まあ、そんな恨み言も幾分か混じりながら、わたしは言葉に毒を含めて言ってやる。
「そうですか。身を守った……と、いうよりはあまりにも好みではない男性から支配を受けていた。それなのにようやく抜けてでれた。だからもう自由に生きることにした。今更、たかだか元人間の精霊女王に未練などないということですか」
「……なにが言いたいのですか」
「いえいえ。あの老人が捕まってから私は彼と一切接触していませんし、これまでのことを知りたいとも思いません。ただあれですね、普通の男性というものはあそこまでするとは思いませんが。彼にしてみればようやく手にした王族に入るチャンス。だけどその相手となった妻は、もしくは妻となるべき女性はあまりにも幼く、わがままで自分勝手。一族のことなど特に考えもせず救いを与えてくれる相手であれば誰にでも、お願いしますと言いそうな顔をしているし」
「なっ!」
「おまけにルイは、あの老人は、ダークエルフの一族の中でもそれなりに地位のある方だったのでは? 例えば、妖精界に住む妖精王の王女と、現世に住むダークエルフの王。もしくはそれに連なる存在。これならば、正常に疎い王女とともにたびをするなかで、自分が信仰する妖精王に相応しい身分の、援軍をだせる相手が見つかるまで、世界中さまざまを渡り歩い落たしてもおかしくはないでしょうね。彼らの寿命はとても長いし、あなたの寿命もとても長い。この辺りは元人間のわたしの基準だと、とても短い時間のものになるので、なかなか思い至りませんでした」
「……どこまで何をご存知なのですか!」
「別に? 何もご存知ではありません。ただあなたが望まない婚約者? もしくは夫から解放された喜びの涙を、彼の現世における王国の仲間たちが死んだ涙へと感情を変化させることができるくらいには、ライシャ様」
「……」
ダークエルフの王女は本心を言い当てられたからか、黙り込んでしまう。
侍女の方も同じくだけど、こちらはどうなんだろう。
もしかしたら、妖精界なんていったことすらない、ルイの臣下だという可能性もある。
一族は滅んで本当に悲しんでいるのは、彼女、エステラだけかもしれないと思うと、どうにも悲しいものがあった。
「ラスア、あなたとリクウスに任せるわ。先に行き、妖精王に御挨拶を」
「……は? しかし、陛下は」
呼び寄せている眷属がいる。
まだやって来ない理由はなんとなく思い浮かぶし、そうだとすると上には親しい者同士で会話をして貰った方がいい。
失礼なことを承知で言うならば森の妖精王に対して、私は彼と会うことをあまり重要だと思っていないの。
大森林に住む臣民を見放して、属国の一つ、ダークエルフの王国を見殺しにした。
その事実はあまりにも大きくて、同じ王としては許せないもの何か感じてしまう。
「お前とリクウス宰相。それにロア様にも同行を願えばいいわ」
「ロア様、ですか? それこそ彼女には陛下のそばにいてもらった方が良いのでは?」
「大きな戦力としてはそうかもしれない。でもあなた達を妖精王のもとに派遣する場合、あのお方がいらっしゃってくれた方がよほど生還率が高まるわ」
「それは確かにおっしゃるとおりです」
わたしの意図を汲み取ってくれたのか書記官はそれ以上何も言わず、実体を持たない水の精霊の眷属だけを残して宰相たちとともに異界への穴を潜って行った。
「さてあなたたちのことねー」
さっきからずっと泣き止まないライシャの肩がそれを聞いてピクり、と震えだす。
侍女のエステラも同じく、妖精界に連れて行ってもらえなかったことを不思議に思っているようだった。
別にこちらには彼女たちを罰したり、虐めたりする気はないのだから、そろそろ信用して欲しいものだけれど。
迫害を受けた民の心をつかむには時間が足りないというか……いきなり助けてくれと願い出て、その二日後に軍隊まででてきたら、それはどこか怪しむのも普通かもしれない。
「どうすればいいのかしら」
戻って来た眷属たちが新たな情報とともに、嬉しくないお知らせをたくさん詰め込んでやってくる。
そのうちいくつかは、さっきのなぜ船が動き出したか、にちなんだことで。
それよりも大問題なのは人間の王国、レブナスが魔族であるアルフライラの蒼い狼の獣人たちよりもどうやら、上に見えるような行動をしているということで。
「わっ、私達をどのように……なさいますか」
「どのようにって、仲間を助けて欲しい。が、あなたの望みでは、ライシャ? その前に確認だけど、身の振り方はどうするか決めたか聞いておきましょうか」
「今ここで、ですか?」
「何か不都合でも? 意志を介せる人のような姿を持つのは私と他数名。部下にしても眷属を含め二十もいないこの場所で女王を討てばそれはそれで名が挙がるとは思いますけど。できるのならば」
「……そんな」
先遣隊とは名ばかりながら、全体でも兵士を百は連れてこなかった。
魔王に匹敵する存在は、ロア様、リクウス、わたしと三者もいて。
そこにエバーグリーンとイフリートさんが加われば、この戦地に置ける戦力図はあっという間に塗り替わる。
例え妖精王様が古代神に連なる存在であっても、そこはあまり大差ない。
まあ、河の中の二柱の神とアルフライラの魔王、それに今回は関与を強く否定しているハイエルンの竜王、あとは……人間の勇者とか聖女とかでてきたら、それはそれで困る。
非常に困る。
いまのわたしだけでは、到底太刀打ちできない。
そうなると、援軍が一気に捕虜へと逆戻りだ。
そうならないように眷属どもを呼び寄せてるんだけど……来ないなあ。
なんてぼやいていたら、ライシャが膝をついた。続いてそれを見倣ってエステラも。
不思議な話だけど、灰色と緑と青しかないこの世界に彼女たちのチョコレート色の肌はとても映えていて、真っ白な肌の私よりもよほど綺麗で。
闇に属する薄汚い妖精という世間のイメージは、黒曜石のようにきらめきながら存在感を放つ彼女たちに対して嫉妬した妖精族の考えた悪い噂なのかもしれないと、ふと考えてしまった。
「戻らせて頂きました。そのことについては大変感謝しております。しかし、ここまで戻った以上まだ父上に全ておすがりするということも……お察しください、女王陛下」
「お察しください」
ふーん。
つまるとこ戻るに戻れなかったけど故郷に戻ってみたら国は滅んでいてもう跡形もなく。
今更、国家の再興を考えるには被害が激しくて、と。
国を作ることを考えるより、妖精界に戻った方が何もかも正しいかもしれないと。
そういう判断ですかー。
まあ、それも一つの判断だからわたしは悪くないと思ってしまう。
決めるのは彼女たちだし。
ただそれをすると、ここから先の庇護はおろか、誰のどこにいるどんな神からも救いの手は差し伸べられないとそういうことで。
聞いてみるかなあ。
「ねえ、それはそうしたいなら止めません。それよりも、ルイはどうしてあなた達を支配しようとしたの」
「支配というかそれはその」
「より、条件が良い方を選ぼうとしたというか」
「妖精王の部下だというプライドと、私の。このライシャの身分を慮ってくれたといいますか……」
へえ。
殺されそうな目にあっていながら、他の神々達からも多分、幾度かは微力ながらの援助をしようって話だってあったはずなのに。
それを全て断って、北の大陸の果てにまで行かされたのに?
あんな道具で支配されそうになってまでまだ彼を庇う?
いやいやいや、どこまで善人なんですかライシャ。
さすがにあなたが嘘をついていることはよくわかりますよ。
と、わたしは心の中で舌を出してやる。
このダークエルフたちのために、散々、面倒くさい手続きなどを行った……数時間だけの庶務だったけど。まあ、そんな恨み言も幾分か混じりながら、わたしは言葉に毒を含めて言ってやる。
「そうですか。身を守った……と、いうよりはあまりにも好みではない男性から支配を受けていた。それなのにようやく抜けてでれた。だからもう自由に生きることにした。今更、たかだか元人間の精霊女王に未練などないということですか」
「……なにが言いたいのですか」
「いえいえ。あの老人が捕まってから私は彼と一切接触していませんし、これまでのことを知りたいとも思いません。ただあれですね、普通の男性というものはあそこまでするとは思いませんが。彼にしてみればようやく手にした王族に入るチャンス。だけどその相手となった妻は、もしくは妻となるべき女性はあまりにも幼く、わがままで自分勝手。一族のことなど特に考えもせず救いを与えてくれる相手であれば誰にでも、お願いしますと言いそうな顔をしているし」
「なっ!」
「おまけにルイは、あの老人は、ダークエルフの一族の中でもそれなりに地位のある方だったのでは? 例えば、妖精界に住む妖精王の王女と、現世に住むダークエルフの王。もしくはそれに連なる存在。これならば、正常に疎い王女とともにたびをするなかで、自分が信仰する妖精王に相応しい身分の、援軍をだせる相手が見つかるまで、世界中さまざまを渡り歩い落たしてもおかしくはないでしょうね。彼らの寿命はとても長いし、あなたの寿命もとても長い。この辺りは元人間のわたしの基準だと、とても短い時間のものになるので、なかなか思い至りませんでした」
「……どこまで何をご存知なのですか!」
「別に? 何もご存知ではありません。ただあなたが望まない婚約者? もしくは夫から解放された喜びの涙を、彼の現世における王国の仲間たちが死んだ涙へと感情を変化させることができるくらいには、ライシャ様」
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