理不尽な理由で毎夜夫に浮気されていると思っていた新婦ですが、訳あって彼をのんびりと待つことになりました。真実の愛を下さいね、愛しの旦那様?

 レザルタス侯爵夫妻は結婚してまだ半年目。
 それなのに、夫は毎夜、毎夜。
 当たり前のように風俗街で遊んで遊んで遊び倒し、まともに家に帰った試しがない。
 しまいについたあだ名が『居残り侯爵』、だ。

「今夜もまた居残りなのね、あの人‥‥‥」

 そうぼやく侯爵夫人が可哀想だと、侯爵家では使用人たちが涙する。
 だけど、不思議なことに妻の愛は覚めることがない。

 夫が飲み食いした代金の請求書が屋敷に届けられるたびに、妻はお金をもって夫を迎えにいくのだった。

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