家族の絆? では、大広間に参りましょう旦那様。

 いつの時代からか、城では大広間に人が集まらなくなった。
 暖炉や水道の技術の発達で、貴族は各自の部屋で食事を取るようになったからだ。
 ある大司教は王に警告した。これでは秘密主義が横行します。
 家は、家として機能しなくなるでしょう、と。
 ある日、レーゼン侯爵令嬢アリスは第二王子から婚約を受ける。
 与えられた屋敷で、いつか会える主人を待つ生活。
 ようやくやってきた主との家族の絆を確かめようとアリスは手製の料理などを用意して主を大広間へと案内するがー

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