26 / 36
第二章 女神さまとモフモフ‥‥‥
神殺し、モフモフ神狼に陥落させられる‥‥‥
しおりを挟むさて、このモフモフ神狼。
どうにも納得がいかないみたい。
あの天空大陸を後にしてから何かにつけて、嫌そうな顔をしている。
弟の仇を討ててでも、また悲しみにくれる御主人様の側にいたいのかな?
神様の格がサターニアの方が上だから従いたい?
あの月を食べるフェンリルなのに?
自分の神族の王すらも食べたフェンリルなのに?
というか‥‥‥。
死神様は言ってたよね。
サターニアもダーシェやエストも同位の神だって。
それがサターニアからしたら、古いか新しいかで上下が決まるとしたら?
このモフモフ神狼。
ほぼ同じ時間を過ごして、更にタイムスリップする前はアース神族でいたわけだから。
もしかしたら、サターニアより年数多めに過ごしてたりして。
ならなんで僕なんてしてるんだろ。
まあ、命の恩人は理解できるけど。
それだけでこんな宇宙の果てまで来る?
神様って光並みの速度で動けたりするみたいだし。
うーん‥‥‥???
なんてことをあの、首と胴体を切断されながら考えてた。
かたき討ちしてどうこうはその後に考えたけどね。
なんとなーく、一度は引き離してみる必要があるような気がしたんだ。
彼も、地球には子供がいるそう言ってたし。
「ねーえ、モフモフ神狼。
話があるんだけどさーー」
あ、話なんか俺にはない、みたいにそっぽむきやがったコイツ。
へーいいよ、なら話さなきゃならないようにしてやろーー
「せっと。
はいよー、いけ!!!
モフモフ神狼っ!!!!」
どうせ、同じように飛ぶし相手の方が大きいし。
座り心地いいはずだよ。
だって、ずっとサターニア載せてたんだもん。
って、
「おおっと!?!?」
いきなり急ブレーキ!!!
「危ないじゃない!!!」
文句を言うと、口から炎出しながら唸られた。
「こっわ。
それじゃ、サターニアも引くわねー?」
お?
これは効いた感じ。
「ねー。
黙ってて従うだけで自分のこと何一つ出さずに後始末ばっかり。
御主人様にはその本心、気づいて貰えないなんて。
神様って可哀想。
ねえ、神狼フェンリル?」
わっ!?
いきなり吠えられた。これは耳にこだまするわーー
「何よ!!!?」
文句言ったら鼻息荒くしてまた走り出すし。
まあ、載せてくれてるからありがたいけど。
「ねーえ、フェンリル。
あんたのそういう寡黙なとこ嫌いじゃないよ、あたし。
オルブに良く似てる。男って感じでとっても好き。
あたしなんてどお?
別に獣でもいいよ? 多分、この身体はもう子宮まで焼けた鉄の棒入れられたから‥‥‥
子供は産めないけど。あんたの相手には慣れると思うよ?」
なんて頭の上に言ってささやいてやる。
そしたらさーひどいんだー。
「うわわわあ!?」
急ブレーキからの、あたしを加えてポーンって投げ捨てたの、こいつ。
せっかく、愛の告白したのに!!!
(それ以上、俺を愚弄するなら食べてやろうか?
オーディンのようにー‥‥‥)
うっわー怒ってる。
へーえ、フェンリルって怒るとこんな炎出すんだ。
初めて知った。
でもあたしはひるまない。
「食べたいの?
まあ、ここでもいいけど。
見られるのは慣れてるし。
でももう少し、そのーサイズを、ね?
小さくなって欲しい、かな?」
そう言いながら、服を脱いでやる。
ふん、これでもまだむくれるならやってみろ、モフモフ神狼
(はああ‥‥‥。
なぜお前といいあの方といい。
女の慎みを無くす)
あの方ってサターニアも恋愛脳なったら、まあ、そうだったね。
「別に?
あたしはしたいと思ったらするよ?
あんたは嫌いじゃない。それとも、人間の姿になれたりして?」
お?
固まったよ、モフモフ神狼君。
「あっれー?
フェンリルって、変身できたりするの???」
あれ、へ?
なに、それ、どゆこと???
なんで一つ吠えてから銀色の繭に‥‥‥???
「げっ!!!」
嘘でしょー。そんなのあり?
「お前たちは本当に、いつもいつもーー」
いやいやあり得ないから。
何よその姿。
どんだけ美男子‥‥‥うん、ハリウッドスター真っ青だよ。
北欧系の銀髪に青い瞳。
目の色が違うのが気になるけど。
サターニアも真っ青って言うか、あの子のタイプそのものじゃない。
「ね、ねえ、フェンリル?
それって誰かの姿を借りたの?」
もしかしたら、サターニアの弟かなー。
そう思って聞いてみた。
「違う。
これがわたしの本当と言えばおかしいが。
神としての人の姿はこれだ。獣としての姿があれだ。
どちらも同じだ。
で、サイズがどうしたと?
獣でもいい、その心が好きだ。そう先程、本音を話してくれたな、カイネ? ん?」
あ、あれ。
いや、それはそのー‥‥‥。
これはまずい。
からかったわけではないけど。
オルブみたいで好きなのは本当だけど。
「では、どうだ?
この姿は嫌いか?
獣と比べてどちらがいい?」
「あ、は、はい。
その、今の方がー好き、だよ」
あれ、何言ってんのあたし。
ちょっと待て!!
フェンリル、ふうんみたいな。
ある意味、サターニアも真っ青な意地悪な顔からーー
「そうか。
わたしもお前が、可愛いと思うぞ?」
そんな間近で真面目な顔で、しかも、可愛いとか。
もう何年も言われてない‥‥‥。
「そ、そんな。
うん、でもほら、あたしこんな、ね?
見た事あるでしょ? あのシェニアの時にーさ?
見てた、よね? 多分」
「見てはいない。
だが、話は聞いていた。あの距離なら、聞こえていた。が正しいがな。
そんな悪趣味はない。お前がわたしでいいと本当に言うなら、その身体も癒さなくてもいい。
そのままで、わたしは文句などない。
で、どうなんだ? この姿に文句がないなら、わたしの妻になるか?」
え、妻?
ものみたいに言わないの?
「つ、妻って。
だって、地球にいるじゃん。奥さん」
「あれは違う。わたしの子、それはこの肉体から分離した。
そういう意味だ。
まだ妻はいないがな。で、どうなのだ?
あそこまで言ってくれるなら、まさか、今更嘘だったんなど。
言わないよな???」
ちかいーちかいーーーー!!!
距離がちかすぎる!?
「も、もし冗談、とか言ったら?」
ほう、そうか。みたいな顔してフェンリルのやつ、
「ああ、なら妻が嫌ということか。
ならわたしのものになるか?
神だの人間だのそんな格式に引け目を感じるなら、わたしの側にいればいい。
愛する意味に変わりはない」
いや、それってまんま意味変わんないじゃん!!!
結婚するか、しないで過ごすかだけで‥‥‥。
あれー逃げ場がない。
「だってあんた、サターニアがいるでしょ?」
「あれは我が主だ。
そういう対象と見ては不敬というものだ。
お前が、さきほどのように言ってくれるなら文句はないがな?」
「ええっ、でもあれはーー」
「はい、だろう?」
あ、なんか逆らえない。
「‥‥‥はい」
なんで返事する!? あたし!!!?
こんな乙女な感覚、かなり久しぶりすぎて混乱する。
「では行こうか?
あの森などどうだ?
誰もいないで良かろう?」
「え、いきなり!?」
「お前が誘ったのだ。
今更、わたしに恥をかかせる気か?」
「だってー‥‥‥」
「返事は?」
「は、はい‥‥‥」
あーヤバい、陥落する!!!
「では目を瞑れ。
この場でもいい、もう我慢ができん」
強引すぎてーーもう無理、陥落‥‥‥
「バカめ」
へ?
「いったーーいっ!??!??」
目を開いたらモフモフ神狼なってて、小さい狼バージョンで思いっきりお尻噛まれた。
んで、人型にまた変身!?
なんて器用な、あ、でも近付かないで。
まだ、心が、揺れてる。
「いいか、カイネ」
「なによ、噛むことないじゃん」
「噛まれるようなことをするからだ」
「だって!!」
あ、ずるい。
そんなーー
「わたしはお前の言葉を疑ってはいない。
その思いもな。だが、お前には待ちたい男がいるだろう?
その影をわたしに乗せるのはやめろ。
相手に会い、それでだめなら」
「だめなら‥‥‥?」
あーまたー!!!
それはずるいよーーー
「その時は待っている。
それだけだ。サターニア様を好きかどうかと聞いたな?
それで言えば好きだ。だが、愛ではない。
主として尊敬し、敬愛している。
確かに‥‥‥あの後始末だけは、はあ‥‥‥。
だが、それも僕の役目。そこを間違えるな」
うううーーー何回目だよ、もうーー
するいーーー!!!
「ごめん、なさい」
「うむ、わかればいい。
ああ、それとな」
「へ?」
「わたしの妻になれば、自動的にサターニア様の僕だからな?
理解してくれるか?」
その、顔が、近い‥‥‥。
「そ、そんな、だって。
旦那様とサターニアがそうでも、あたしはー‥‥‥」
旦那様ってなんだあたし!!??
戻れ――!!!
「理解してくれるな?」
あーーまたあ。
反撃できない‥‥‥
「は、はいー」
ああ、言っちゃった。
そしたらフェンリル、サターニア以上の悪魔みたいな笑顔で言うんだもん!!!
「うん、じゃあ言質は取ったからな。
旦那様、とも言ったしな?」
「はっ!?」
「なんだ?
言えるよな?
言ったよな?? なあ、わたしのカイネ?」
あ、それ反則!
それ言われたらーー
「あ、うん‥‥‥旦那様」
うわーーこんなのあたしじゃない!!!
なんでこうなった!??
そしたらニヤリって、ニヤリって!!?
「ふん、わたしの勝ちだな」
「へ?
えーーーーー!!!
やっぱり‥‥‥酷い。
本気だったのにーー」
「お前が言い出すからだろう?
駆け引きをしたから勝ったそういう意味だ」
「へ?
じゃあー‥‥‥」
「嘘は言ってないぞ?」
ぐうぅっ!!?
どれが本当なんだ。
わかんなくなってきた。
「で、なんであんなことを言いだしたんだ?
もう全部話したらどうだ?」
見抜かれてるしー‥‥‥。
「だって、あんたずっとサターニアに尽くしてるのに、あのバカ女神。
なんにも気づいてない。それで、本当にいいの?
主従なんて望んでないのあんたじゃないの?」
うーん。みたいな難しい顔するなあ、こいつ。
モフモフ神狼の時と仕草同じだわ。
「確かに、男女と言えば変だが。そんな気になる時も昔はあった。
しかしなあ、あれだけ‥‥‥。わからないか?」
あれ、この苦労顔もそのまんまモフモフ神狼だ。
あー‥‥‥もう、全部見てるからそういう仲越えてるんだ。
「じ、じゃあ、さっきのあたしを妻にってのは、やっぱり嘘じゃない。
心にはサターニアがいるじゃん!!」
ふん、なにを言うか見たいに顔が近い近い!!!
「お前にもいるだろう?
オルブ・ギータが。
それを越える男はいないだろう?
それを自分で理解しながら言うからだ」
「ぐぬ!!!
なら、あの話は嘘じゃない!?」
「誰だ?
旦那様などと言ったのは?」
ああああ、恥ずかしい!!
「言わせたんじゃん!!」
「もう一度、言わす自信はあるぞ?」
くっ! 勝てない自信なら‥‥‥ある。
「で、誰のものなんだ?」
また来るし!!!
もう言わない!
「ふん。知らない。
サターニアの部下なんて嫌だもん。
なるなら、あんたがサターニア越えなさいよ!」
「じゃあ、もし越えたらなんと言うのだ?」
ううう、本当に陥落しそう。
なんで、こんなモフモフ神狼にっ!!
「だ、旦那様‥‥‥」
何で言うの!!!あたし!!?
「わかればいい。
そうなるように努力はするがなー‥‥‥」
え、いまなんて。
どういう意味?
なんで、そんなことーー
「この話の本当の目的は大地母神だろ、カイネ?
違うか?
互いに子を持ったことのある身。
どう話をして彼女の気持ちを知るか。そうしたいから、連れてきたのだろう?」
「うー‥‥‥。なんでわかってるなら、あんなこと。
この身体に転生してから初めてだったのに。
それも四回もっ!?」
「これで五回目だな?
で、返事は?」
もおおお!!
またー‥‥‥
「うん‥‥‥そう。
サターニアはまだ家族がいないから。
夫を殺された相手に来られたらどう思うかは、ちょっと」
なんでそこで優しく撫でるのよ!!!
モフモフ神狼のクセに!!
「サターニア様はあれでも、多くの仲間を失っている。
そういう心は、誰でもあるものだ。そういう言い方はやめろ」
ううっ。なんかこれまでのいじめてきたの全部やり返されてる気分‥‥‥。
「ただー」
「ただ?、なによ、フェンリー」
え、なんか睨まれた。
あ、なんか言わす気だ!
「ちゃんと呼べ。
さっき、呼び方は教えたよな? カイネ?」
「うー‥‥‥いやだ。
まだ言いたくない。そっちも本気じゃないのわかってる」
「あれだけ、何回も言っておいてか?」
「もう、いいでしょ。
で、ただ、何よ」
ふん、まあこれくらいにしといてやるか、みたいな顔するし。
「連れて来なかったのは正解だ。
女神というのはとにかく、仲が悪い‥‥‥」
すっごい遠い目してる。
主従から男女に踏み切れない理由はこれか‥‥‥。
「なるほど‥‥‥」
「だから、お前は女神にはなるな。
聖女でなくても、神でなくても。
無限の命を得る方法はある。まあ、まずは大地母神だ。
ああ、それと」
へ? なによ、これ。
その右手に嵌めてた指輪が‥‥‥あたしの右手に。
「私物だ。誰かから貰ったわけではない。
その心にいる相手が駄目なときは待っている。
嘘は言ってないと言っただろ?」
ええええええーー!!?
嘘からでたまこと、になっちゃった??
「でも、サターニアの下はやだ」
「だから、それもわかっている」
「どういうことよ?」
「その時は暇を。つまり、主に去ることを告げるーー」
え、ちょっと。
なんでそんなことあたしに言うの?
なんで、こんなことばっかりするあたしに。
「もういいな?
いくぞ」
なんかもう、わかわかんない。
モフモフ神狼の背中に乗せられたまんま。
あたしは大地母神の大陸に着くまで混乱していた‥‥‥。
0
お気に入りに追加
113
あなたにおすすめの小説
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる