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第一章 天空大陸の主
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「ちょっと、アルバート!???」
なにをしてーーいる、の?
その光はなに??
「あの天眼とやらを死ぬまで使っても消えないだけの魔素、魔力の源を渡しただけだ。
命をかけてしてくれたことだからな。それなりに例はしなければならん。
それと、これは祝いだ、バディムの血族の娘。
懐かしい、友のことを思い出した。
力の使い方を思い出すがいい」
今度は青い光にアリスティアが照らされる。
「なにーーこれ‥‥‥???」
膨大な知識、一族の知恵、歴史、そしてーー
「御先祖様の‥‥‥」
リアルエルムは懐かしむように言う。
「バディムの乱は正しくはなかったが、それでもあれは王としては良き王だった。
魔王を名乗るのが‥‥‥早すぎたな」
魔王!?
アリスティアの尾がまた膨らんでしぼんでいく。
「そんな、魔王の家系だったなんてー‥‥‥」
「何も魔王だからといって悪ではないだろう?
今でもまだ二十ほどはいるようだ、世界各地の地下にな?」
もう勘弁してください。
アリスティアは泣きそうになる。アルバートが大丈夫だよ、と抱き寄せてささやいてやると少しは落ち着いたようだがそれでも、彼女にはショックだったらしい。
「リアルエルムも魔王の一人だしねえ」
その一声が限界だったらしい。
アリスティアはふっと意識を失ったことを覚えている‥‥‥
「あ、あれっ‥‥‥アリスティア???」
リアルエルムはアルバート‥‥‥と、たしなめるようにため息をついた。
「お前は本当にその妻が大事なのか?
もう少し、思いやったらどうだ?
それに、その腰の剣だが‥‥‥」
え、あーこれだね。
アルバートが見たのはグレアム卿が渡してくれた神剣アージェスだった。
「それは命を対価にする剣だ。
バディムの首を跳ねた剣でもある。ラードリーが手放していたとはな‥‥‥」
使う時は、銀の月の神からでも力を借りないと、その妻を悲しませるぞ?
そうリアルエルムは言う。
アルバートが理由と聞いた時、彼は多くを語らなかった。
ただ、
「バディムとラードリーはほぼ、一日をかけて戦い、そして、ラードリーが勝った。
だが、ラードリーが死ぬことはなかった。
死んだのは‥‥‥今では数少ない、バゼスという魔族がいる。
千年を生きる空の民だ。ラードリーが愛したその一族の娘の命をその剣は吸った。
気を付けることだ‥‥‥」
さて、土産も渡したし、行きたい所へと送ってやろう。
どこへ行きたい?
そう、リアルエルム問いかけた。
アルバートはアリスティアを抱えると、決めていた一言を告げる。
「では、暗黒神ゲフェトが住まうという。
あの地下ダンジョンへ」
あっさりと言いのけた少年に、竜王は嘆息する。
本当にその妻を守れるのか、とも逆に心配になってしまう。
「お前はどこか田舎で静かに暮らすべきだろう‥‥‥入り口までは送ってやろう。
そこから先は二人で相談するがいい」
緑色の燐光に包まれて消えゆくアルバートに、竜王は朱い宝珠を投げつけて寄越した。
それはそのまま、アルバートの体内に入りこみ、消えて行く。
「最後の土産だ。
死ぬなよ、若き天眼使いーー」
リアルエルムのその言葉を最後に、アルバートとアリスティアは消えて行った。
我が魔石、力になればいいがなー‥‥‥
リアルエルムはそう呟き、海中に潜って消えて行った。
なにをしてーーいる、の?
その光はなに??
「あの天眼とやらを死ぬまで使っても消えないだけの魔素、魔力の源を渡しただけだ。
命をかけてしてくれたことだからな。それなりに例はしなければならん。
それと、これは祝いだ、バディムの血族の娘。
懐かしい、友のことを思い出した。
力の使い方を思い出すがいい」
今度は青い光にアリスティアが照らされる。
「なにーーこれ‥‥‥???」
膨大な知識、一族の知恵、歴史、そしてーー
「御先祖様の‥‥‥」
リアルエルムは懐かしむように言う。
「バディムの乱は正しくはなかったが、それでもあれは王としては良き王だった。
魔王を名乗るのが‥‥‥早すぎたな」
魔王!?
アリスティアの尾がまた膨らんでしぼんでいく。
「そんな、魔王の家系だったなんてー‥‥‥」
「何も魔王だからといって悪ではないだろう?
今でもまだ二十ほどはいるようだ、世界各地の地下にな?」
もう勘弁してください。
アリスティアは泣きそうになる。アルバートが大丈夫だよ、と抱き寄せてささやいてやると少しは落ち着いたようだがそれでも、彼女にはショックだったらしい。
「リアルエルムも魔王の一人だしねえ」
その一声が限界だったらしい。
アリスティアはふっと意識を失ったことを覚えている‥‥‥
「あ、あれっ‥‥‥アリスティア???」
リアルエルムはアルバート‥‥‥と、たしなめるようにため息をついた。
「お前は本当にその妻が大事なのか?
もう少し、思いやったらどうだ?
それに、その腰の剣だが‥‥‥」
え、あーこれだね。
アルバートが見たのはグレアム卿が渡してくれた神剣アージェスだった。
「それは命を対価にする剣だ。
バディムの首を跳ねた剣でもある。ラードリーが手放していたとはな‥‥‥」
使う時は、銀の月の神からでも力を借りないと、その妻を悲しませるぞ?
そうリアルエルムは言う。
アルバートが理由と聞いた時、彼は多くを語らなかった。
ただ、
「バディムとラードリーはほぼ、一日をかけて戦い、そして、ラードリーが勝った。
だが、ラードリーが死ぬことはなかった。
死んだのは‥‥‥今では数少ない、バゼスという魔族がいる。
千年を生きる空の民だ。ラードリーが愛したその一族の娘の命をその剣は吸った。
気を付けることだ‥‥‥」
さて、土産も渡したし、行きたい所へと送ってやろう。
どこへ行きたい?
そう、リアルエルム問いかけた。
アルバートはアリスティアを抱えると、決めていた一言を告げる。
「では、暗黒神ゲフェトが住まうという。
あの地下ダンジョンへ」
あっさりと言いのけた少年に、竜王は嘆息する。
本当にその妻を守れるのか、とも逆に心配になってしまう。
「お前はどこか田舎で静かに暮らすべきだろう‥‥‥入り口までは送ってやろう。
そこから先は二人で相談するがいい」
緑色の燐光に包まれて消えゆくアルバートに、竜王は朱い宝珠を投げつけて寄越した。
それはそのまま、アルバートの体内に入りこみ、消えて行く。
「最後の土産だ。
死ぬなよ、若き天眼使いーー」
リアルエルムのその言葉を最後に、アルバートとアリスティアは消えて行った。
我が魔石、力になればいいがなー‥‥‥
リアルエルムはそう呟き、海中に潜って消えて行った。
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