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第三章 薄幸の兄妹たち
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「なぜ、魔族は消えたのか。
その理由はその剣にある。まあ、地下の宝物庫からな。拝借してきた」
「そんな、拝借ってーー」
グレアム卿はいたずらがばれたかのように笑い言う。
「アシュリーには聖剣シュバイエを渡してある。
まあ、喋るからなああの聖剣。うるさいんだ。
僕も静かになると思うと心が楽になる」
聖剣が自我を持つ!?
そんな驚くことをこのグレアム卿はあっさりと話すから呆れてしまう。
「剣聖シュバイエ卿が数万の魔族相手に勝てたのは、ただ覇道を知っていたからだ。
それは君も知っているだろ?」
その額のさ?
自分の額を指差すグレアム卿は笑顔の中に冷たい視線を持っていた。
「いつから‥‥‥?」
「もう長いなあ。
学院で知ってるのは数少ない‥‥‥講師や学院長かな。
みんな、見ていたよ。
君がそれをどう使うのかを。
結果としてルケードの暗殺は未遂に終わり、聖女はまた次代まで長引くが平原の共同管理権で戦争は回避される。
学院ができるのはここまでだ。
いいかな?
アルバート殿下?」
全部、お見通しでしたか。
たまらないなあ、もう。
僕はずっと道化師なんだから。
アルバートは悲しそうに言う。
「そうでもないぞ?
アシュリーは稀代の剣士になる。
あと数年すればイゼアと互角に戦うだろう。
そうなればシェスも安泰だ。
あとは王を誰にするか、だな?」
先生ー‥‥‥もう時間が、ね。
そうアルバートは悲しそうに言う。
「そこまで長くはないんですよ。
弟に残せるものだけで精一杯です」
「竜使いは短命だった。
そうだったな‥‥‥ああ、そのアージェスだがな。
アクバー陥落の才、英雄ラードリーが魔王を名乗った灰狼王バディムを討ち取った神剣だ。
本来なら、使う者の命を奪う剣だが、あいにくその剣の本来の持ち主である武神ラルフィンは‥‥‥。
数世紀前に滅ぼされてな。
天眼があれば、力の作用も可能かもな?
ではー‥‥‥な」
「そんな言いたいことだけ言って消えるんですから‥‥‥ひどいなあ」
それなら、天眼が無くても使えるじゃないですか。
目の前にある食材をどう調理すればいいかを教える、理王の瞳。
あれは、どんなものの使い方も教えるんだから。
誰も、その深い利用方法に気づいてないだけで。
「さて。
悪の華、か」
どうすれば、ルシアードが王にふさわしくなってくれるだろう?
あの宵闇の魔眼に頼り過ぎたか?
それとも、元から心が腐ってたか?
「弟よ、どうすればいいのかな?
なあ、ルシアード?」
やはりルシアードはその場にいた。
エンバス卿は気づいていたのだろうか?
アシュリーがシェス王国の兵力を担えると。
メアリージュンは聖女になれないと。
ルケードの暗殺があったことは知っていたのか?
聞きたいことは山ほどある。
ルシアード。
僕は王にはなれないんだ。
ルシアード‥‥‥
その理由はその剣にある。まあ、地下の宝物庫からな。拝借してきた」
「そんな、拝借ってーー」
グレアム卿はいたずらがばれたかのように笑い言う。
「アシュリーには聖剣シュバイエを渡してある。
まあ、喋るからなああの聖剣。うるさいんだ。
僕も静かになると思うと心が楽になる」
聖剣が自我を持つ!?
そんな驚くことをこのグレアム卿はあっさりと話すから呆れてしまう。
「剣聖シュバイエ卿が数万の魔族相手に勝てたのは、ただ覇道を知っていたからだ。
それは君も知っているだろ?」
その額のさ?
自分の額を指差すグレアム卿は笑顔の中に冷たい視線を持っていた。
「いつから‥‥‥?」
「もう長いなあ。
学院で知ってるのは数少ない‥‥‥講師や学院長かな。
みんな、見ていたよ。
君がそれをどう使うのかを。
結果としてルケードの暗殺は未遂に終わり、聖女はまた次代まで長引くが平原の共同管理権で戦争は回避される。
学院ができるのはここまでだ。
いいかな?
アルバート殿下?」
全部、お見通しでしたか。
たまらないなあ、もう。
僕はずっと道化師なんだから。
アルバートは悲しそうに言う。
「そうでもないぞ?
アシュリーは稀代の剣士になる。
あと数年すればイゼアと互角に戦うだろう。
そうなればシェスも安泰だ。
あとは王を誰にするか、だな?」
先生ー‥‥‥もう時間が、ね。
そうアルバートは悲しそうに言う。
「そこまで長くはないんですよ。
弟に残せるものだけで精一杯です」
「竜使いは短命だった。
そうだったな‥‥‥ああ、そのアージェスだがな。
アクバー陥落の才、英雄ラードリーが魔王を名乗った灰狼王バディムを討ち取った神剣だ。
本来なら、使う者の命を奪う剣だが、あいにくその剣の本来の持ち主である武神ラルフィンは‥‥‥。
数世紀前に滅ぼされてな。
天眼があれば、力の作用も可能かもな?
ではー‥‥‥な」
「そんな言いたいことだけ言って消えるんですから‥‥‥ひどいなあ」
それなら、天眼が無くても使えるじゃないですか。
目の前にある食材をどう調理すればいいかを教える、理王の瞳。
あれは、どんなものの使い方も教えるんだから。
誰も、その深い利用方法に気づいてないだけで。
「さて。
悪の華、か」
どうすれば、ルシアードが王にふさわしくなってくれるだろう?
あの宵闇の魔眼に頼り過ぎたか?
それとも、元から心が腐ってたか?
「弟よ、どうすればいいのかな?
なあ、ルシアード?」
やはりルシアードはその場にいた。
エンバス卿は気づいていたのだろうか?
アシュリーがシェス王国の兵力を担えると。
メアリージュンは聖女になれないと。
ルケードの暗殺があったことは知っていたのか?
聞きたいことは山ほどある。
ルシアード。
僕は王にはなれないんだ。
ルシアード‥‥‥
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