45 / 88
Eighth Chapter...7/26
探偵
しおりを挟む
「気を付けてね」
双太さんの言葉を背に、俺は診察室を出ていく。ちょうど受付の女性に用事を与えて別の場所に移動させてくれたところだったので、廊下には誰もいなかった。
そこまでして見送ってくれた双太さんには悪いが、俺は病院にまだ用がある。頼りたいのは双太さんだけではないのだ。
気配を探りながら、階段を登っていく。三階の病室。蟹田さんがいる個室だった。
「……お邪魔しますよっと」
「……おや?」
軽くノックをしてから入ると、感嘆詞にはそぐわず嬉しそうな表情の蟹田さんが俺を迎え入れた。
「珍しい客人だ」
「その反応じゃ、蟹田さんも状況は知ってるみたいっすね」
「こういう身だからこそ情報が早いのかもしれないよ。患者さんとの交流も深いわけだし」
「はあ、なるほど」
爺さん婆さんの井戸端会議に参加する蟹田さん、というイメージは何だか笑えてきてしまうが。
「けど、ビビらないんすか? 俺が永射を殺したかもしれないって噂でも流れてると思うんすけど」
「はは、君という人間は自分が思ってる以上に評価されているようだよ。心配の声ばっかり聞いてる。……嘘は下手そうだしね」
「ちぇっ、食えない人だな」
嘘が上手いという自信は確かに無いが、人から指摘されるとムカつくものだ。ただ、そういう蟹田さんの方はきっと嘘が上手いのに違いない。ただの入院患者がこんな振る舞いをするのにはやっぱり違和感があった。
そんな俺の疑念が顔に出てしまっていたのだろうか、蟹田さんはおかしそうに笑うと、
「とは言え、俺も嘘が得意な方じゃないからねえ」
「……猫被りなのは何となく気付いてますよ」
「酷い言い方だな」
蟹田さんはベッドから足を出し、縁に腰掛けるようにして俺と向き合う。目に濃く浮かぶ隈と細い体つき、そして入院患者用の服装という特徴は病人なのだが、特徴的だからこそそれは見せかけとして利用されているわけか。
「君に信頼されているということで、こちらも明かしておくことにしよう。実のところ俺は探偵みたいな真似事をやっていてね。この街で起きているであろう問題の調査に来ている」
「探偵……」
「ふ、余計に胡散臭くなっただろう。でも、そうとしか言いようがないんでねえ。もちろん、事件を解決する名探偵なんかじゃなく、仕事を頼まれて秘密を暴くような、現実的な探偵の方だよ」
フィクションに出てくる探偵は、確かに現実の職業とはズレはあるよなと思う。ある意味、蟹田さんはちゃんとした探偵ということだな。
つまりは胡散臭い、のだが。
「この街に、調査すべきことが?」
「ああ。そして恐らくはこの病院が糸口だと睨んでいる。元々病弱なのは本当で、牛牧さんとは治療の際に知り合ったのだけど、僥倖だったよ。そのときの伝手でここみ入院させてもらって、コソコソ調べ回っているという経緯さ」
「じゃあ、牛牧さんもその辺の事情は知ってるんすね」
「色々と助けてもらっているよ。あの人にしても、自分が建てた病院なのだから悪事に利用されていないかは心配なんだろう」
――経営が軌道に乗るまでは、彼らに任せるしかない。
牛牧さんの言葉が蘇る。あの人も、永射や貴獅に対して全面的に信頼を寄せていたわけでは決してなく、不信感のようなものはやはり、明確な根拠がなくとも抱いているのだ。
「具体的には、どんな調査内容なんすか?」
「今起きてる事件に関係するかもしれないと、虎牙くんは睨んでいるのかい」
「少なくとも、情報として得ておくに越したことはないと思うんでね」
「ま、賢明だろうね」
蟹田さんはふう、と一つ息を吐いて、
「調べているのは通信技術に関するものだ。ここで研究されているであろう内容に問題がないかどうかを、俺は見極めようとしてる」
「通信技術……」
それはつまり、電波塔に関するものなのか。
「一番特徴的なのは電波塔計画だけど、そこだけには留まらない。街全体で使われている、或いは使おうとしている技術全般が調査対象だ」
「そんな悪用される可能性とかがあるんすね?」
「うん……まあね」
少し歯切れが悪かったが、難しいことを話しても理解できないと察せられたのかもしれない。専門用語を並べ立てられても正直さっぱり分からないし、深くは突っ込まないが。
「もう長いこといますけど、成果は」
「ある程度。誰なのか、が今の問題……というところか」
「病院っていうと、久礼貴獅さんじゃないんすか?」
そうだったらいいのにという気持ちもありつつ名前を出したのだが、蟹田さんは緩々と首を振り、
「難しいのは、元凶を掴むことなんだ。例えば、それと知らずに違法なソフトを使うのは、いけないことだけれど避けるのは難しい。悪いものだという認識がないのだから。最も悪なのは、違法ソフトを広めた大元だ。つまりはそういう感じさ」
「……なるほど」
仮に貴獅が技術を利用していたとして、その技術を流した大元がいる……と蟹田さんはみているようだ。その関係性からすると、怪しい人物には心当たりがあるのだが。
「永射がやたらと病院のことに関わってきてたと思うんですけど、その辺蟹田さんは怪しんでなかったんすかね?」
「無論、あの人も調査対象ではある。死後もね。いずれにせよ、これだと言える証拠は全然掴めていないから確定させようもないんだ」
犯人が中々尻尾を出さないゆえ、蟹田さんの入院生活も長期化している、と。最初から目的が調査なら、もう三年以上もここにいることになりそうだな。
「……しかし。ここしばらく、そして永射さんの死後から急速に、事態が動き出している気配があってね。できることならこの機に乗じて、目的を達成したいと考えているわけだが……」
そこで蟹田さんは、ちらと俺の目を見た。
「もしかして……」
「そう……ぶっちゃけてしまえば、俺は君を待ってたんだ。協力関係を結べそうな相手をね。どうだろう、君は潔白のために、俺は告発のために手を組んで調査する。そういう協定は」
……この事件は、蟹田さんにとっては好機だったのだ。長いこう着状態が崩れ、水面下であった何かが動き出した……彼からしてみれば、この機を逃す手はないに決まっている。おまけに協力者まで調達できるなら万々歳だと。
まさか、という疑惑も過ぎる。そのためにこそ、彼が事件を起こした可能性はないかと。しかし、病人ではないにせよこんな弱々しい体つきの蟹田さんが一人で犯罪を遂げそうには思えないし、協力者を仮定しても浮かんでくるのは牛牧さんくらいだ。そっちの方が信じられない。
ここは一つ、蟹田さんと手を取るべきかもしれない。そもそも、俺だって何か手掛かりをくれないかとここへ来たのだし。
「お互いのためになるんなら」
「ああ、きっとなるさ」
協定の証にと、差し出される手。握手というのはあまり好きではなかったが、俺はとりあえず、ぎこちなく彼の手を握った。
双太さんの言葉を背に、俺は診察室を出ていく。ちょうど受付の女性に用事を与えて別の場所に移動させてくれたところだったので、廊下には誰もいなかった。
そこまでして見送ってくれた双太さんには悪いが、俺は病院にまだ用がある。頼りたいのは双太さんだけではないのだ。
気配を探りながら、階段を登っていく。三階の病室。蟹田さんがいる個室だった。
「……お邪魔しますよっと」
「……おや?」
軽くノックをしてから入ると、感嘆詞にはそぐわず嬉しそうな表情の蟹田さんが俺を迎え入れた。
「珍しい客人だ」
「その反応じゃ、蟹田さんも状況は知ってるみたいっすね」
「こういう身だからこそ情報が早いのかもしれないよ。患者さんとの交流も深いわけだし」
「はあ、なるほど」
爺さん婆さんの井戸端会議に参加する蟹田さん、というイメージは何だか笑えてきてしまうが。
「けど、ビビらないんすか? 俺が永射を殺したかもしれないって噂でも流れてると思うんすけど」
「はは、君という人間は自分が思ってる以上に評価されているようだよ。心配の声ばっかり聞いてる。……嘘は下手そうだしね」
「ちぇっ、食えない人だな」
嘘が上手いという自信は確かに無いが、人から指摘されるとムカつくものだ。ただ、そういう蟹田さんの方はきっと嘘が上手いのに違いない。ただの入院患者がこんな振る舞いをするのにはやっぱり違和感があった。
そんな俺の疑念が顔に出てしまっていたのだろうか、蟹田さんはおかしそうに笑うと、
「とは言え、俺も嘘が得意な方じゃないからねえ」
「……猫被りなのは何となく気付いてますよ」
「酷い言い方だな」
蟹田さんはベッドから足を出し、縁に腰掛けるようにして俺と向き合う。目に濃く浮かぶ隈と細い体つき、そして入院患者用の服装という特徴は病人なのだが、特徴的だからこそそれは見せかけとして利用されているわけか。
「君に信頼されているということで、こちらも明かしておくことにしよう。実のところ俺は探偵みたいな真似事をやっていてね。この街で起きているであろう問題の調査に来ている」
「探偵……」
「ふ、余計に胡散臭くなっただろう。でも、そうとしか言いようがないんでねえ。もちろん、事件を解決する名探偵なんかじゃなく、仕事を頼まれて秘密を暴くような、現実的な探偵の方だよ」
フィクションに出てくる探偵は、確かに現実の職業とはズレはあるよなと思う。ある意味、蟹田さんはちゃんとした探偵ということだな。
つまりは胡散臭い、のだが。
「この街に、調査すべきことが?」
「ああ。そして恐らくはこの病院が糸口だと睨んでいる。元々病弱なのは本当で、牛牧さんとは治療の際に知り合ったのだけど、僥倖だったよ。そのときの伝手でここみ入院させてもらって、コソコソ調べ回っているという経緯さ」
「じゃあ、牛牧さんもその辺の事情は知ってるんすね」
「色々と助けてもらっているよ。あの人にしても、自分が建てた病院なのだから悪事に利用されていないかは心配なんだろう」
――経営が軌道に乗るまでは、彼らに任せるしかない。
牛牧さんの言葉が蘇る。あの人も、永射や貴獅に対して全面的に信頼を寄せていたわけでは決してなく、不信感のようなものはやはり、明確な根拠がなくとも抱いているのだ。
「具体的には、どんな調査内容なんすか?」
「今起きてる事件に関係するかもしれないと、虎牙くんは睨んでいるのかい」
「少なくとも、情報として得ておくに越したことはないと思うんでね」
「ま、賢明だろうね」
蟹田さんはふう、と一つ息を吐いて、
「調べているのは通信技術に関するものだ。ここで研究されているであろう内容に問題がないかどうかを、俺は見極めようとしてる」
「通信技術……」
それはつまり、電波塔に関するものなのか。
「一番特徴的なのは電波塔計画だけど、そこだけには留まらない。街全体で使われている、或いは使おうとしている技術全般が調査対象だ」
「そんな悪用される可能性とかがあるんすね?」
「うん……まあね」
少し歯切れが悪かったが、難しいことを話しても理解できないと察せられたのかもしれない。専門用語を並べ立てられても正直さっぱり分からないし、深くは突っ込まないが。
「もう長いこといますけど、成果は」
「ある程度。誰なのか、が今の問題……というところか」
「病院っていうと、久礼貴獅さんじゃないんすか?」
そうだったらいいのにという気持ちもありつつ名前を出したのだが、蟹田さんは緩々と首を振り、
「難しいのは、元凶を掴むことなんだ。例えば、それと知らずに違法なソフトを使うのは、いけないことだけれど避けるのは難しい。悪いものだという認識がないのだから。最も悪なのは、違法ソフトを広めた大元だ。つまりはそういう感じさ」
「……なるほど」
仮に貴獅が技術を利用していたとして、その技術を流した大元がいる……と蟹田さんはみているようだ。その関係性からすると、怪しい人物には心当たりがあるのだが。
「永射がやたらと病院のことに関わってきてたと思うんですけど、その辺蟹田さんは怪しんでなかったんすかね?」
「無論、あの人も調査対象ではある。死後もね。いずれにせよ、これだと言える証拠は全然掴めていないから確定させようもないんだ」
犯人が中々尻尾を出さないゆえ、蟹田さんの入院生活も長期化している、と。最初から目的が調査なら、もう三年以上もここにいることになりそうだな。
「……しかし。ここしばらく、そして永射さんの死後から急速に、事態が動き出している気配があってね。できることならこの機に乗じて、目的を達成したいと考えているわけだが……」
そこで蟹田さんは、ちらと俺の目を見た。
「もしかして……」
「そう……ぶっちゃけてしまえば、俺は君を待ってたんだ。協力関係を結べそうな相手をね。どうだろう、君は潔白のために、俺は告発のために手を組んで調査する。そういう協定は」
……この事件は、蟹田さんにとっては好機だったのだ。長いこう着状態が崩れ、水面下であった何かが動き出した……彼からしてみれば、この機を逃す手はないに決まっている。おまけに協力者まで調達できるなら万々歳だと。
まさか、という疑惑も過ぎる。そのためにこそ、彼が事件を起こした可能性はないかと。しかし、病人ではないにせよこんな弱々しい体つきの蟹田さんが一人で犯罪を遂げそうには思えないし、協力者を仮定しても浮かんでくるのは牛牧さんくらいだ。そっちの方が信じられない。
ここは一つ、蟹田さんと手を取るべきかもしれない。そもそも、俺だって何か手掛かりをくれないかとここへ来たのだし。
「お互いのためになるんなら」
「ああ、きっとなるさ」
協定の証にと、差し出される手。握手というのはあまり好きではなかったが、俺はとりあえず、ぎこちなく彼の手を握った。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
『忌み地・元霧原村の怪』
潮ノ海月
ホラー
とある年の五月の中旬、都会から来た転校生、神代渉が霧野川高校の教室に現れる。彼の洗練された姿に女子たちは興味を示し、一部の男子は不満を抱く。その中、主人公の森月和也は、渉の涼やかな笑顔の裏に冷たさを感じ、彼に違和感を感じた。
渉の編入から一週間が過ぎ、男子達も次第に渉を受け入れ、和也の友人の野風雄二も渉の魅力に引き込まれ、彼の友人となった。転校生騒ぎが終息しかけたある日の学校の昼休み、女子二人が『こっくりさん』で遊び始め、突然の悲鳴が教室に響く。そしてその翌日、同じクラスの女子、清水莉子が体調不良で休み、『こっくりさん』の祟りという噂が学校中に広まっていく。その次の日の放課後、莉子を心配したと斉藤凪紗は、彼女の友人である和也、雄二、凪沙、葵、渉の五人と共に莉子の家を訪れる。すると莉子の家は重苦しい雰囲気に包まれ、莉子の母親は憔悴した姿に変わっていた。その異変に気づいた渉と和也が莉子の部屋へ入ると、彼女は霊障によって変わり果てた姿に。しかし、彼女の霊障は始まりでしかなく、その後に起こる霊障、怪異。そして元霧原村に古くから伝わる因習、忌み地にまつわる闇、恐怖の怪異へと続く序章に過ぎなかった。
《主人公は月森和也(語り部)となります。転校生の神代渉はバディ訳の男子です》
【投稿開始後に1話と2話を改稿し、1話にまとめています。(内容の筋は変わっていません)】
ダブルの謎
KT
ミステリー
舞台は、港町横浜。ある1人の男が水死した状態で見つかった。しかし、その水死したはずの男を捜査1課刑事の正行は、目撃してしまう。ついに事件は誰も予想がつかない状況に発展していく。真犯人は一体誰で、何のために、、 読み出したら止まらない、迫力満点短編ミステリー
【恋愛ミステリ】エンケージ! ーChildren in the bird cageー
至堂文斗
ライト文芸
【完結済】
野生の鳥が多く生息する山奥の村、鴇村(ときむら)には、鳥に関する言い伝えがいくつか存在していた。
――つがいのトキを目にした恋人たちは、必ず結ばれる。
そんな恋愛を絡めた伝承は当たり前のように知られていて、村の少年少女たちは憧れを抱き。
――人は、死んだら鳥になる。
そんな死後の世界についての伝承もあり、鳥になって大空へ飛び立てるのだと信じる者も少なくなかった。
六月三日から始まる、この一週間の物語は。
そんな伝承に思いを馳せ、そして運命を狂わされていく、二組の少年少女たちと。
彼らの仲間たちや家族が紡ぎだす、甘く、優しく……そしてときには苦い。そんなお話。
※自作ADVの加筆修正版ノベライズとなります。
表紙は以下のフリー素材、フリーフォントをお借りしております。
http://sozai-natural.seesaa.net/category/10768587-1.html
http://www.fontna.com/blog/1706/
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
この満ち足りた匣庭の中で 二章―Moon of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
それこそが、赤い満月へと至るのだろうか――
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
更なる発展を掲げ、電波塔計画が進められ……そして二〇一二年の八月、地図から消えた街。
鬼の伝承に浸食されていく混沌の街で、再び二週間の物語は幕を開ける。
古くより伝えられてきた、赤い満月が昇るその夜まで。
オートマティスム、鬼封じの池、『八〇二』の数字。
ムーンスパロー、周波数帯、デリンジャー現象。
ブラッドムーン、潮汐力、盈虧院……。
ほら、また頭の中に響いてくる鬼の声。
逃れられない惨劇へ向けて、私たちはただ日々を重ねていく――。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
この欠け落ちた匣庭の中で 終章―Dream of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
ーーこれが、匣の中だったんだ。
二〇一八年の夏。廃墟となった満生台を訪れたのは二人の若者。
彼らもまた、かつてGHOSTの研究によって運命を弄ばれた者たちだった。
信号領域の研究が展開され、そして壊れたニュータウン。終焉を迎えた現実と、終焉を拒絶する仮想。
歪なる領域に足を踏み入れる二人は、果たして何か一つでも、その世界に救いを与えることが出来るだろうか。
幻想、幻影、エンケージ。
魂魄、領域、人類の進化。
802部隊、九命会、レッドアイ・オペレーション……。
さあ、あの光の先へと進んでいこう。たとえもう二度と時計の針が巻き戻らないとしても。
私たちの駆け抜けたあの日々は確かに満ち足りていたと、懐かしめるようになるはずだから。
【朗読の部屋】from 凛音
キルト
ミステリー
凛音の部屋へようこそ♪
眠れない貴方の為に毎晩、ちょっとした話を朗読するよ。
クスッやドキッを貴方へ。
youtubeにてフルボイス版も公開中です♪
https://www.youtube.com/watch?v=mtY1fq0sPDY&list=PLcNss9P7EyCSKS4-UdS-um1mSk1IJRLQ3
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる