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First Chapter...7/19
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「……くん。虎牙くん。どうしたんです、ぼーっとして」
「ん……」
知らないうちに、一瞬眠っちまったんだろうか。何故かまぶたがやたらと重くて、そして何故か目の前には若い女性の顔があった。
早乙女優亜。この人は病院に勤める看護師の一人だ。
俺だからまだいいものの、他の人だったら驚いて飛び退いてるくらいの近さに顔がある。全く、この人には羞恥心というものがないのか。
……まあ、それを言うなら人前でぼーっとしてしまった俺も俺だけど。
「すんません、最近眠りが浅いもんで」
「良くないですよー。いい歳したオトコノコなんですから」
「そのオトコノコに、そこまで顔近づけないでくれますかね」
「おっとっと、失礼」
早乙女さんは笑いながら体を引っ込める。微かに香水の匂いがした。
たまに思うが、この街にいるせいで婚期を逃してる人って多いだろうな。早乙女さんも、外の世界なら色々と誘われているだろうに。
と、取り留めのないことを考えているうち、俺はようやく今の状況を思い出す。
いやホント、寝るのが遅いとは言えどうして意識が飛んでしまったのやら。
「確か、病院の経営体制について聞いてたっすよね」
「虎牙くんの方から聞いてきたんですよ。こんな街で本当に儲かってるのかーって」
「ハハ、そうそう。そうだった」
早乙女さんが働いているこの病院は、満生総合医療センターという。人口二百数十人という街の規模にそぐわぬ、四階建ての馬鹿でかい病院だ。どういうわけかこの病院は、街の人たちに『満ち足りた暮らし』を提供するため、ほとんど慈善事業のような病院経営を行っている。
俺たちのような住民たちからすれば非常にありがたい公共機関なのだが、実際のところどういう思惑が働いているのか、勘繰らないわけではない。俺だけだろうか?
「ま、虎牙くんところの佐曽利さんとウチの貴獅さんはそりが合わないですもんねー」
また、早乙女さんは笑う。快活というか、調子の良い人だ。知り合い同士の仲の悪さを、そんな風に言えるのはある意味尊敬する。
早乙女さんの言う通り、俺の親代わりである佐曽利さんと、病院の実質的なトップである久礼貴獅さんはあまり仲がよろしくない。というのも、元々この病院は牛牧高成という爺さんが設立したもので、俺のオヤジは牛牧さんと仲良くやってたのだが、いつの間にやら実権が久礼貴獅という余所者に移ってしまったのだ。経営を巡って色々あったことは分かっていても、まだ納得はしかねているワケだ。
実のところ、今日病院に来た理由もそれに関係しているというか。今、俺の家ではオヤジと牛牧さんが仕事の話をしている。俺がいても鬱陶しいだろうということで、ここにやって来たのだ。
本当は、杜村双太という男に話し相手になってもらうつもりだった。彼もまた早乙女さんと同じく病院に勤める医師なのだが、何を考えているのか街の学校の教師としても働いており、無茶なワークライフを日々送っているのだ。
つまるところ、双太さんは俺が通う学校のセンセイ、なのだった。
「で、経営体制を知りたいと」
「暇なんでね。センセイも今は仕事中らしいし」
「私も仕事中なんですけど」
「とか言って、サボれるチャンスとか思ってるくせに」
「あれ、結構鋭いですね」
って、マジなのかよ。
「この病院には大口の出資者がいるというか。一応満生台の掲げる『満ち足りた暮らし』っていうスローガンを応援してくれてるところがあるんですよ」
「応援ねえー……」
早乙女さんや双太さんなんかは、賃金がもらえれば出所までは気にならないだろう。やってる仕事も街のためになるものであることは間違いないのだし。
俺みたいな捻くれ者だけが、善意を素直に受け取れないのだ。
まあ、それも昔よりは幾分マシにはなっているが。
「虎牙くんもここに来て良かったでしょ」
「そいつは否定しませんがね」
「うんうん。それこそが盈虧。悪いときもあれば良いときもあるってことです」
「その言い回しは、あんまり好かないな」
盈虧という言葉に、良い印象は無い。
それは灰色の日々を想起させる、遠き地の名前だった。
「確かに現状、儲けよりはコストの方がかかってるみたいですよ。でも、いずれは回収できると出資者さんも考えてますし、その辺はちゃんと将来への投資ってことです」
「はあ。早乙女さんに免じて、それで納得しときますよ」
「そうしてください。で、大人しく定期健診には来てくださいよ?」
「面倒なんだよ、変わんねえしさ」
「変わらないのだって、いいことなんですよ」
そう諭してくれる早乙女さんの表情は、看護師としてのそれだった。
……自分のことは、流石に自分が一番よく理解してるんだがな。
「俺は玄人や龍美みたいにマジメじゃないんでね。ま、気が向いたときには来ますよ」
「なるべく気が向くようにしてくださいね」
善処するようにはしよう。
「そうそう、龍美ちゃんはもうすぐ健診に来ますけど。あの子を待ってるわけじゃないんです?」
「ハハ、ないない。そっか、あいつ今日が健診の日だっけか」
言われてみれば、今日は真っ直ぐ帰らなきゃとか話してた気がする。あいつ、双太さんが好きだし健診も嫌いじゃないもんな。
全く、年上の男に憧れを持ち過ぎだ、あいつは。
「あいつも玄人も、特に健康面で問題はないんでしょ?」
「全然元気ですよ。満生台はああいう子たちに元気でいてもらわないといけないんですし」
「ああいう子たち、ね」
俺も、俺に構ってくれる友人たちも。
皆、それなりに辛い過去を経て、ここにいる。
個々の事情を詳しく聞いたことはなかったが。
その身に刻まれた痛ましい痕が、俺たちの共通点だった。
「満雀ちゃんはどうなんすか? あいつはちょっと調子良くなさそうですけど」
「ああ……満雀ちゃんはね、元気に振舞おうとはしてるみたいです。ただ、虎牙くんの言う通り体調は少し崩しちゃってて。貴獅さんも大事をとって、安静にさせたいって言ってましたよ」
「ふうん……あんまり時間はとれない感じなんすね」
「学校へは、今まで通りの方法で双太さんが連れてってくれますよ。あんまり虎牙くんたちに貸したりはできなくなりそうですけどね」
「りょーかい」
玄人はすぐに納得しそうだが、龍美は寂しいとか言いそうだ。
……って、何か龍美のことばっかり考えてる気がする。
「ま、流石にそろそろ邪魔になりそうなんで、俺は退散するとしますかね」
「帰ります? 確かに、もう五時前ですもんね」
「牛牧さんももう帰ってるだろうし」
仕事の話をしていたら、いつの間にか雑談になっていたというのもよくあるらしいが。あれから一時間くらい経つし、もう気を遣う必要もないだろう。
「まだ外は明るいですけど、気をつけてくださいよ? そもそも、一人で出歩けるのも凄いんですから」
「はいはい、重々承知してますよ」
早乙女さんだけでなく、色々な人に忠告されるのだが、俺はもうこの感覚に慣れきっている。確かに危ない場面は日常多々あるが、何とかならないわけじゃない。
たとえ世界が曖昧になろうとも、俺はちゃんと歩いていける。
……なんて、気障ったらしいことこの上ないが。
「つーわけで、付き合ってもらってありがとうございました。また気が向いたら」
「はい、できれば健診のときに気が向いてくださいね」
それを笑って受け流し、俺は別れの挨拶がわりに手をひらひらと振ると、早乙女さんと別れて病院を出た。そのとき多分だが、診察室へ入っていく龍美の後ろ姿が目に入った。
――あいつも大変だな。
定期健診は、予後に問題が無いかどうか観察するためのものでもある。病院側の判断で間隔は変わるが、俺たちは大体二週間から一ヶ月の間隔で健診を受けている。
俺たちは皆、何かが欠け落ちて。
この満生台で、その何かに代わるものを満たした。
「さて、と。ゆっくり帰るかね」
忠告を素直に聞いてというわけではないが。
情けなく転んでしまわないためにも、俺は家路をのんびりとしたペースで歩き始めるのだった。
「ん……」
知らないうちに、一瞬眠っちまったんだろうか。何故かまぶたがやたらと重くて、そして何故か目の前には若い女性の顔があった。
早乙女優亜。この人は病院に勤める看護師の一人だ。
俺だからまだいいものの、他の人だったら驚いて飛び退いてるくらいの近さに顔がある。全く、この人には羞恥心というものがないのか。
……まあ、それを言うなら人前でぼーっとしてしまった俺も俺だけど。
「すんません、最近眠りが浅いもんで」
「良くないですよー。いい歳したオトコノコなんですから」
「そのオトコノコに、そこまで顔近づけないでくれますかね」
「おっとっと、失礼」
早乙女さんは笑いながら体を引っ込める。微かに香水の匂いがした。
たまに思うが、この街にいるせいで婚期を逃してる人って多いだろうな。早乙女さんも、外の世界なら色々と誘われているだろうに。
と、取り留めのないことを考えているうち、俺はようやく今の状況を思い出す。
いやホント、寝るのが遅いとは言えどうして意識が飛んでしまったのやら。
「確か、病院の経営体制について聞いてたっすよね」
「虎牙くんの方から聞いてきたんですよ。こんな街で本当に儲かってるのかーって」
「ハハ、そうそう。そうだった」
早乙女さんが働いているこの病院は、満生総合医療センターという。人口二百数十人という街の規模にそぐわぬ、四階建ての馬鹿でかい病院だ。どういうわけかこの病院は、街の人たちに『満ち足りた暮らし』を提供するため、ほとんど慈善事業のような病院経営を行っている。
俺たちのような住民たちからすれば非常にありがたい公共機関なのだが、実際のところどういう思惑が働いているのか、勘繰らないわけではない。俺だけだろうか?
「ま、虎牙くんところの佐曽利さんとウチの貴獅さんはそりが合わないですもんねー」
また、早乙女さんは笑う。快活というか、調子の良い人だ。知り合い同士の仲の悪さを、そんな風に言えるのはある意味尊敬する。
早乙女さんの言う通り、俺の親代わりである佐曽利さんと、病院の実質的なトップである久礼貴獅さんはあまり仲がよろしくない。というのも、元々この病院は牛牧高成という爺さんが設立したもので、俺のオヤジは牛牧さんと仲良くやってたのだが、いつの間にやら実権が久礼貴獅という余所者に移ってしまったのだ。経営を巡って色々あったことは分かっていても、まだ納得はしかねているワケだ。
実のところ、今日病院に来た理由もそれに関係しているというか。今、俺の家ではオヤジと牛牧さんが仕事の話をしている。俺がいても鬱陶しいだろうということで、ここにやって来たのだ。
本当は、杜村双太という男に話し相手になってもらうつもりだった。彼もまた早乙女さんと同じく病院に勤める医師なのだが、何を考えているのか街の学校の教師としても働いており、無茶なワークライフを日々送っているのだ。
つまるところ、双太さんは俺が通う学校のセンセイ、なのだった。
「で、経営体制を知りたいと」
「暇なんでね。センセイも今は仕事中らしいし」
「私も仕事中なんですけど」
「とか言って、サボれるチャンスとか思ってるくせに」
「あれ、結構鋭いですね」
って、マジなのかよ。
「この病院には大口の出資者がいるというか。一応満生台の掲げる『満ち足りた暮らし』っていうスローガンを応援してくれてるところがあるんですよ」
「応援ねえー……」
早乙女さんや双太さんなんかは、賃金がもらえれば出所までは気にならないだろう。やってる仕事も街のためになるものであることは間違いないのだし。
俺みたいな捻くれ者だけが、善意を素直に受け取れないのだ。
まあ、それも昔よりは幾分マシにはなっているが。
「虎牙くんもここに来て良かったでしょ」
「そいつは否定しませんがね」
「うんうん。それこそが盈虧。悪いときもあれば良いときもあるってことです」
「その言い回しは、あんまり好かないな」
盈虧という言葉に、良い印象は無い。
それは灰色の日々を想起させる、遠き地の名前だった。
「確かに現状、儲けよりはコストの方がかかってるみたいですよ。でも、いずれは回収できると出資者さんも考えてますし、その辺はちゃんと将来への投資ってことです」
「はあ。早乙女さんに免じて、それで納得しときますよ」
「そうしてください。で、大人しく定期健診には来てくださいよ?」
「面倒なんだよ、変わんねえしさ」
「変わらないのだって、いいことなんですよ」
そう諭してくれる早乙女さんの表情は、看護師としてのそれだった。
……自分のことは、流石に自分が一番よく理解してるんだがな。
「俺は玄人や龍美みたいにマジメじゃないんでね。ま、気が向いたときには来ますよ」
「なるべく気が向くようにしてくださいね」
善処するようにはしよう。
「そうそう、龍美ちゃんはもうすぐ健診に来ますけど。あの子を待ってるわけじゃないんです?」
「ハハ、ないない。そっか、あいつ今日が健診の日だっけか」
言われてみれば、今日は真っ直ぐ帰らなきゃとか話してた気がする。あいつ、双太さんが好きだし健診も嫌いじゃないもんな。
全く、年上の男に憧れを持ち過ぎだ、あいつは。
「あいつも玄人も、特に健康面で問題はないんでしょ?」
「全然元気ですよ。満生台はああいう子たちに元気でいてもらわないといけないんですし」
「ああいう子たち、ね」
俺も、俺に構ってくれる友人たちも。
皆、それなりに辛い過去を経て、ここにいる。
個々の事情を詳しく聞いたことはなかったが。
その身に刻まれた痛ましい痕が、俺たちの共通点だった。
「満雀ちゃんはどうなんすか? あいつはちょっと調子良くなさそうですけど」
「ああ……満雀ちゃんはね、元気に振舞おうとはしてるみたいです。ただ、虎牙くんの言う通り体調は少し崩しちゃってて。貴獅さんも大事をとって、安静にさせたいって言ってましたよ」
「ふうん……あんまり時間はとれない感じなんすね」
「学校へは、今まで通りの方法で双太さんが連れてってくれますよ。あんまり虎牙くんたちに貸したりはできなくなりそうですけどね」
「りょーかい」
玄人はすぐに納得しそうだが、龍美は寂しいとか言いそうだ。
……って、何か龍美のことばっかり考えてる気がする。
「ま、流石にそろそろ邪魔になりそうなんで、俺は退散するとしますかね」
「帰ります? 確かに、もう五時前ですもんね」
「牛牧さんももう帰ってるだろうし」
仕事の話をしていたら、いつの間にか雑談になっていたというのもよくあるらしいが。あれから一時間くらい経つし、もう気を遣う必要もないだろう。
「まだ外は明るいですけど、気をつけてくださいよ? そもそも、一人で出歩けるのも凄いんですから」
「はいはい、重々承知してますよ」
早乙女さんだけでなく、色々な人に忠告されるのだが、俺はもうこの感覚に慣れきっている。確かに危ない場面は日常多々あるが、何とかならないわけじゃない。
たとえ世界が曖昧になろうとも、俺はちゃんと歩いていける。
……なんて、気障ったらしいことこの上ないが。
「つーわけで、付き合ってもらってありがとうございました。また気が向いたら」
「はい、できれば健診のときに気が向いてくださいね」
それを笑って受け流し、俺は別れの挨拶がわりに手をひらひらと振ると、早乙女さんと別れて病院を出た。そのとき多分だが、診察室へ入っていく龍美の後ろ姿が目に入った。
――あいつも大変だな。
定期健診は、予後に問題が無いかどうか観察するためのものでもある。病院側の判断で間隔は変わるが、俺たちは大体二週間から一ヶ月の間隔で健診を受けている。
俺たちは皆、何かが欠け落ちて。
この満生台で、その何かに代わるものを満たした。
「さて、と。ゆっくり帰るかね」
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