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Epilouge
遠野真澄の会合②
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「さて……着いたね」
仲間内でもよく利用している、大通りからは少し外れた落ち着いた雰囲気のレストラン。
広さも十分あるので、繁忙する時間帯でなければ大勢で来ても待たずに座れる穴場だった。
「っと、もう来てるみたいだ」
奥の方に目的の人物の姿を認めて、僕は店に入るとすぐそちらへ向かう。
店の主人とはもう顔見知りでよくこうしているので、特に咎められることもない。
「お待たせしちゃったね。こんにちは」
「あ……どうも、こんにちは。そんなに待ってないですよ、今来たところです」
赤みがかった髪色の少年。今年、無事に大学へ進学を果たしており、講義とアルバイトを上手く両立しながら順調なキャンパスライフを送っているようだ。……彼が、桜井令士くん。
彼の隣に座っているのは、黒髪ショートボブの小柄な少女。服装は独特で、そう……ゴシックロリータというのが近いのだろうか。真っ黒なドレスに身を包んでいて、首からは十字架のネックレスを下げていた。
「この子が何度か話してる亜耶ちゃんです。意外と人見知りでね……」
「それは言わなくていい、令士。……ええと、その。刀城亜耶と言う……よろしく頼む」
「こういう喋り方なんで、まあ気にせず」
刀城さんの喋り方は中性的というか、尊大な口ぶりをあえて意識しているかような感じを受ける。
後で聞いたところによると、彼女は中二病チックなところがあるらしく、オカルト趣味もそれが高じたものだったとか。
僕としてはこういう女の子は珍しくて好感を持てたし、明乃も何だか面白そうに彼女を見つめていた。
キャラクターが濃いことは、マイナスになることもあればプラスになることもある。本当にそれは、付き合う人次第だろう。
「私は光井明乃です。真澄さんと一緒で、三神院の方で起きた事件からGHOSTに関わっていくようになりました」
「おお……かの有名な伍横町幻想の関係者とこうして話せるとは……光栄だ」
「あはは……有名なのかな?」
「もちろんだとも! 今も好事家たちは時々話題にしているし、あれは私がオカルト現象の存在を確信した事件でもあって――」
「こら、亜耶ちゃん。そういうのはあんまり当事者の人に言うもんじゃない」
「あ――その、すまない」
桜井くんにたしなめられると、刀城さんは小動物のようにしょんぼりしてしまう。
彼女の手綱は何だかんだ桜井くんが握っているらしいな。
「ふふ、気にはしてないよ。むしろ亜耶ちゃんみたいに物怖じしないのは凄いなあ」
「まあ、この子の行動力にはいつも苦労してますから……」
そう言って、桜井くんは大きな溜息を吐く。
刀城さんが大胆に動き、桜井くんが慎重に対応する。その関係性はなるほど素敵な相棒だと言えよう。
互いの自己紹介で立ったままになっていたので、僕たちはとりあえず席に着くことにした。先にメニューを渡して料理を選んでもらい、後から僕たちも選んで注文する。こういうときも、刀城さんと桜井くんのやり取りは見ていて面白かった。
一人でいた時と結構印象が変わって見える。……僕も実際、そんなものなのかもしれない。
明乃といると、一人でいるよりも穏やかな気持ちになれている感じはするし。
「さて……まずはありがとう。二人のおかげで満生台の事件は無事に解決出来たよ。あの的確で迅速な情報が無ければ、信号領域は敵の手に落ちていたかもしれない」
「そうなったら、生き残っていた二人だけじゃなく、私も無事に戻れなかったかもしれない。命の恩人だね……ありがとう、令士くん、亜耶ちゃん」
「お役に立てて良かったです。自分たちは新参者でしたし、どうにか一つくらい貢献したいと思っていたんで」
「いやあ、大貢献だよ。君たちが協力してくれたのは本当に心強い」
少なくとも今回に関しては、他のメンバーよりも速く重要な情報を調べ上げてくれたし、破損データの修復も見事なものだった。彼自身が起点となって複数の方面から援護射撃がもらえる、というのが頼もしい。今回も、GHOSTの元研究員である牧場さんの調査と、刀城さんのプログラム関係の技術がピンポイントに刺さってくれたわけだし。
「まあ、そう言ってくださるなら本望です。これで晴れて一員になれたかな、と」
「僕たちとしては、とっくにそのつもりだったんだけどね」
桜井くんと僕の邂逅は、遡ること一年。初夏の風が心地よい時分だった。
明乃の誕生日をお祝いしてから、だいたい一週間後。その明乃の元に一本の電話がかかってきた。
それは、三神院でお世話になったことのある伊吹という医師からだった。彼は定年退職間際であったが、まだあの病院に勤務しており、つい先日病院に奇妙な来訪者があったのだという。
曰く、三神院に意識不明のまま長期入院し、その後回復した少女を探している。もし伝えられる情報があれば何でも構わないので教えてほしい、と来訪者は言っていたそうだ。年齢は恐らくまだ十代の少年だった。
病院側としてはもちろん、過去のことであっても患者のプライバシーは答えられないとしか返答できなかった。少年は残念そうにしていたが、最後に一言、とある事件に関連して是非一度会いたかったのだ、と呟き、メールアドレスの書かれた紙だけは置いて立ち去ったとのことだった。
関係性の判然としない来訪者があった場合、病院としては患者の身辺に危険が及ぶ可能性もあるので、その事実だけは本人に伝えることとしていた。今回伊吹医師が電話をしてきたのもそういう理由が一つで、もう半分は彼の長年の勘が、これは連絡をした方が良さそうだと感じたからだったそうだ。実際、その勘は正しかった。
明乃から電話を代わり、伊吹医師から詳細を聞き出して、僕はそのメールアドレスに連絡をしてみることにした。一度会って話がしたい……と。明乃でなく僕が赴いたのは、危険がないとは限らなかったからだ。罠の可能性は低かったが、若い少年でもGHOSTの構成員じゃないとは言い切れないのだから。
そして、僕は桜井くんとの出会いを果たした。それと同時に、彼の驚くべき過去も知ることになったのである。
「しかし、僕たちを知った経緯があまりにも特殊で、最初に話を聞いたときは驚くしかなかったよ……よくぞまあ、鈴音町の事件を解決出来たものだね」
「前にも言いましたけど、あれは解決されるべくあった事件でしたから。そうだな……ある意味では今回の信号領域と似てるのかもしれません」
「私も後になってから聞き出して、驚かされたものだ。よもや私を含めた多くの知人が事件に巻き込まれていたとは」
「実は、他の誰にも言わないつもりだったんですけどね。この子がしつこかったんで……」
「ふん、言わなかった令士が悪い」
二人で話しているとコントのようになるところは、満也くんと東菜ちゃんに通ずるところがある気がする。
今もそうだし、これからも笑わせてくれそうだな、なんて思う。
料理が運ばれてきたので、僕たちはいただきますと合掌して食べ始める。刀城さんがこれは奢りかと改めて確認し、桜井くんが直球で聞くなと注意する一幕も面白かった。凄く嬉しそうだったので、奢り甲斐がある。この子、感情表現が意外と豊かだな。
それからしばらくは、食事をちゃんと楽しんでほしいこともあり、雑談に終始した。互いの仲間、友人について話すのも有意義で、特に西条創平くんと妹の萌絵香ちゃんの話については、桜井くんも愉快そうに色々とエピソードを語ってくれた。
一方、刀城さんはこの話題について自分からはあまり話さない。どうしてなのかと少し疑問に思っていたのだが、それを敏感に――よく気付いたなと思えるほど――察知した桜井くんは、
「いやあ、美味しかったです。……まあ、友人関係について話すのは俺ばっかりになっちゃいましたけど、亜耶ちゃんの方は、事件に大きく関わってしまいましたから」
「……ああ、そうか」
鈴音町で起きていた一連の事件……むしろ事象と言った方がいいのだろうか。
それが終わりを迎えるには、どうしても犠牲が必要だった。
刀城さんが友人について話せないということは、そういうことなのだ。
「寂しくはないぞ。私には令士がいるからな」
「……亜耶ちゃん、ナチュラルにこういうこと言うからなあ……」
桜井くんは、反応に困って頭を掻く。
刀城さんは真面目な顔をして言っているあたり、恋愛じゃなく友情として、という感はあるのだが。
どうしてか、それもまた彼女が意図してそう思わせているような、案外強かなところがあるんじゃないかという穿った見方もしてしまった。
仲間内でもよく利用している、大通りからは少し外れた落ち着いた雰囲気のレストラン。
広さも十分あるので、繁忙する時間帯でなければ大勢で来ても待たずに座れる穴場だった。
「っと、もう来てるみたいだ」
奥の方に目的の人物の姿を認めて、僕は店に入るとすぐそちらへ向かう。
店の主人とはもう顔見知りでよくこうしているので、特に咎められることもない。
「お待たせしちゃったね。こんにちは」
「あ……どうも、こんにちは。そんなに待ってないですよ、今来たところです」
赤みがかった髪色の少年。今年、無事に大学へ進学を果たしており、講義とアルバイトを上手く両立しながら順調なキャンパスライフを送っているようだ。……彼が、桜井令士くん。
彼の隣に座っているのは、黒髪ショートボブの小柄な少女。服装は独特で、そう……ゴシックロリータというのが近いのだろうか。真っ黒なドレスに身を包んでいて、首からは十字架のネックレスを下げていた。
「この子が何度か話してる亜耶ちゃんです。意外と人見知りでね……」
「それは言わなくていい、令士。……ええと、その。刀城亜耶と言う……よろしく頼む」
「こういう喋り方なんで、まあ気にせず」
刀城さんの喋り方は中性的というか、尊大な口ぶりをあえて意識しているかような感じを受ける。
後で聞いたところによると、彼女は中二病チックなところがあるらしく、オカルト趣味もそれが高じたものだったとか。
僕としてはこういう女の子は珍しくて好感を持てたし、明乃も何だか面白そうに彼女を見つめていた。
キャラクターが濃いことは、マイナスになることもあればプラスになることもある。本当にそれは、付き合う人次第だろう。
「私は光井明乃です。真澄さんと一緒で、三神院の方で起きた事件からGHOSTに関わっていくようになりました」
「おお……かの有名な伍横町幻想の関係者とこうして話せるとは……光栄だ」
「あはは……有名なのかな?」
「もちろんだとも! 今も好事家たちは時々話題にしているし、あれは私がオカルト現象の存在を確信した事件でもあって――」
「こら、亜耶ちゃん。そういうのはあんまり当事者の人に言うもんじゃない」
「あ――その、すまない」
桜井くんにたしなめられると、刀城さんは小動物のようにしょんぼりしてしまう。
彼女の手綱は何だかんだ桜井くんが握っているらしいな。
「ふふ、気にはしてないよ。むしろ亜耶ちゃんみたいに物怖じしないのは凄いなあ」
「まあ、この子の行動力にはいつも苦労してますから……」
そう言って、桜井くんは大きな溜息を吐く。
刀城さんが大胆に動き、桜井くんが慎重に対応する。その関係性はなるほど素敵な相棒だと言えよう。
互いの自己紹介で立ったままになっていたので、僕たちはとりあえず席に着くことにした。先にメニューを渡して料理を選んでもらい、後から僕たちも選んで注文する。こういうときも、刀城さんと桜井くんのやり取りは見ていて面白かった。
一人でいた時と結構印象が変わって見える。……僕も実際、そんなものなのかもしれない。
明乃といると、一人でいるよりも穏やかな気持ちになれている感じはするし。
「さて……まずはありがとう。二人のおかげで満生台の事件は無事に解決出来たよ。あの的確で迅速な情報が無ければ、信号領域は敵の手に落ちていたかもしれない」
「そうなったら、生き残っていた二人だけじゃなく、私も無事に戻れなかったかもしれない。命の恩人だね……ありがとう、令士くん、亜耶ちゃん」
「お役に立てて良かったです。自分たちは新参者でしたし、どうにか一つくらい貢献したいと思っていたんで」
「いやあ、大貢献だよ。君たちが協力してくれたのは本当に心強い」
少なくとも今回に関しては、他のメンバーよりも速く重要な情報を調べ上げてくれたし、破損データの修復も見事なものだった。彼自身が起点となって複数の方面から援護射撃がもらえる、というのが頼もしい。今回も、GHOSTの元研究員である牧場さんの調査と、刀城さんのプログラム関係の技術がピンポイントに刺さってくれたわけだし。
「まあ、そう言ってくださるなら本望です。これで晴れて一員になれたかな、と」
「僕たちとしては、とっくにそのつもりだったんだけどね」
桜井くんと僕の邂逅は、遡ること一年。初夏の風が心地よい時分だった。
明乃の誕生日をお祝いしてから、だいたい一週間後。その明乃の元に一本の電話がかかってきた。
それは、三神院でお世話になったことのある伊吹という医師からだった。彼は定年退職間際であったが、まだあの病院に勤務しており、つい先日病院に奇妙な来訪者があったのだという。
曰く、三神院に意識不明のまま長期入院し、その後回復した少女を探している。もし伝えられる情報があれば何でも構わないので教えてほしい、と来訪者は言っていたそうだ。年齢は恐らくまだ十代の少年だった。
病院側としてはもちろん、過去のことであっても患者のプライバシーは答えられないとしか返答できなかった。少年は残念そうにしていたが、最後に一言、とある事件に関連して是非一度会いたかったのだ、と呟き、メールアドレスの書かれた紙だけは置いて立ち去ったとのことだった。
関係性の判然としない来訪者があった場合、病院としては患者の身辺に危険が及ぶ可能性もあるので、その事実だけは本人に伝えることとしていた。今回伊吹医師が電話をしてきたのもそういう理由が一つで、もう半分は彼の長年の勘が、これは連絡をした方が良さそうだと感じたからだったそうだ。実際、その勘は正しかった。
明乃から電話を代わり、伊吹医師から詳細を聞き出して、僕はそのメールアドレスに連絡をしてみることにした。一度会って話がしたい……と。明乃でなく僕が赴いたのは、危険がないとは限らなかったからだ。罠の可能性は低かったが、若い少年でもGHOSTの構成員じゃないとは言い切れないのだから。
そして、僕は桜井くんとの出会いを果たした。それと同時に、彼の驚くべき過去も知ることになったのである。
「しかし、僕たちを知った経緯があまりにも特殊で、最初に話を聞いたときは驚くしかなかったよ……よくぞまあ、鈴音町の事件を解決出来たものだね」
「前にも言いましたけど、あれは解決されるべくあった事件でしたから。そうだな……ある意味では今回の信号領域と似てるのかもしれません」
「私も後になってから聞き出して、驚かされたものだ。よもや私を含めた多くの知人が事件に巻き込まれていたとは」
「実は、他の誰にも言わないつもりだったんですけどね。この子がしつこかったんで……」
「ふん、言わなかった令士が悪い」
二人で話しているとコントのようになるところは、満也くんと東菜ちゃんに通ずるところがある気がする。
今もそうだし、これからも笑わせてくれそうだな、なんて思う。
料理が運ばれてきたので、僕たちはいただきますと合掌して食べ始める。刀城さんがこれは奢りかと改めて確認し、桜井くんが直球で聞くなと注意する一幕も面白かった。凄く嬉しそうだったので、奢り甲斐がある。この子、感情表現が意外と豊かだな。
それからしばらくは、食事をちゃんと楽しんでほしいこともあり、雑談に終始した。互いの仲間、友人について話すのも有意義で、特に西条創平くんと妹の萌絵香ちゃんの話については、桜井くんも愉快そうに色々とエピソードを語ってくれた。
一方、刀城さんはこの話題について自分からはあまり話さない。どうしてなのかと少し疑問に思っていたのだが、それを敏感に――よく気付いたなと思えるほど――察知した桜井くんは、
「いやあ、美味しかったです。……まあ、友人関係について話すのは俺ばっかりになっちゃいましたけど、亜耶ちゃんの方は、事件に大きく関わってしまいましたから」
「……ああ、そうか」
鈴音町で起きていた一連の事件……むしろ事象と言った方がいいのだろうか。
それが終わりを迎えるには、どうしても犠牲が必要だった。
刀城さんが友人について話せないということは、そういうことなのだ。
「寂しくはないぞ。私には令士がいるからな」
「……亜耶ちゃん、ナチュラルにこういうこと言うからなあ……」
桜井くんは、反応に困って頭を掻く。
刀城さんは真面目な顔をして言っているあたり、恋愛じゃなく友情として、という感はあるのだが。
どうしてか、それもまた彼女が意図してそう思わせているような、案外強かなところがあるんじゃないかという穿った見方もしてしまった。
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