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究明編
過去の協力者たち
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「しかし、永射氏は一番目の事件で殺害されてしまったんですよね? 彼が最後まで生きていたとしたら、最も疑わしい人物だと推定していたんですが……」
杜村の仮説に、真澄はそう言葉を返した。
杜村もその返答は予想していたようで、肯定を示すように頷く。
「最重要容疑者が最初の事件で亡くなっている……何とも頭の痛い話だ。彼がWAWプログラムを横取りして計画を書き換えた、ということなら全ては簡単だったのに」
その口ぶりからするに、杜村は永射に対してあまり好感を持っていなかったのだろうと真澄は考える。
彼だけでなく、他の多くの人からも批判的に見られていたのだろう。恐らくは、かなり高慢で不遜な人物だったのだ。
「例えば、彼の死が偽装だったということは? それとも肉体の死後に事件へ関与していたとか」
「永射さんの遺体に関しては病院で確認をとっているし、本人が死亡したことに間違いはないよ。それから、後者はなるほど君たちらしい仮説ではあるけれど、不可能だろうね。信号領域は八月二日の夜九時、装置の起動とともに構築されたわけだから」
肉体が死しても魂魄として存在する。真澄たちにとっては最早当然の摂理であるが、それでも魂魄が現世に影響を与えるには特殊な条件が必要だ。少なくとも、信号領域が出来上がっていない段階で永射の魂魄が殺人に関与し、WAWプログラムを乗っ取るということは難しいだろう。
「加えて、ミステリでたまにあるような時限式の殺人というのも無理だろう。優亜ちゃんも貴獅さんも、直接的な暴力によってその命を奪われているわけだからね」
「ですね。永射氏の犯人説はひとまず無しとするしかなさそうだ」
真澄は小さく溜め息を吐く。
「……ただ、人体への干渉を行うという別計画の存在についてはあったとみてもいいと思います」
「となると、永射さんが進めていたそれを更に犯人が奪ったか、或いは」
「そもそも真犯人だけが進めていた計画だったか……」
真澄の言葉が真なら、永射という人物はある意味スケープゴートのように機能していたことになる。
それが真犯人の狙いだったとすれば、街の実権者として大手を振っていた永射は非常に哀れな人間だったわけだが。
「当時の子どもたちが戦時中のことを調べ上げたと言ってましたが、そこからこの別計画の存在に至ったりは?」
「さっきも名前を出したけれど、多分龍美ちゃんはその方面でかなり真実に近づいていたと思う。オカルトに興味を持っていた彼女なりの調べ方で、始めは月の満ち欠けを切り口にしていたな」
「いわゆるバイオタイド理論、というものですか」
杜村は頷き、知っているなんて意外だと口にした。
「そういう話を所詮オカルトだと切り捨てられない世界にいますから。……月の満ち欠けが人体へ影響を及ぼす。ルナティックなんて言葉も出てきていたのでは?」
「まさしく。ちょうど彼女に協力していたらしい八木優さんは、あの観測所で天体の研究もしていたそうでね。彼の知識も幾らか仕入れたんだろう」
「八木優さん……か」
真澄も明乃も、この街に暮らしていた主要な人物の名前は杜村に説明してもらい頭の中に入れている。
その中で、情報が少なかったのが蟹田郁也ともう一人、八木優その人なのだった。
「思えば、不思議なことに外部からやって来た二人がそれぞれ子どもたちの調査に協力しているんですね。人柄として、それくらい信用に足る人物だったんでしょうか」
「蟹田さんはまあ、誰とでも気さくに話せるような人だったとは思う。ただ、その中でも自分の話題は上手く避けるというか。虎牙くんはちょっとスレた子だったから、蟹田さんの怪しさにむしろ惹かれていったのかな。保護者の佐曽利さんが牛牧さんと懇意にしていて、そこからの繋がりもあるしね。
それから、八木さんの方は人に聞けば全員が優しい人だと答えるくらいには良い性格をしていたと思う。とても理知的だったし、そんな人がどうしてこの街に一人やって来たんだろうと首を傾げるほどにね」
どちらも、少なくとも表向きは良い人柄だったらしい。その裏に、秘めた何かがあるにせよ、無いにせよ。
「……後になって判明したことだけれど、蟹田さんはGHOSTについて調べていたようだ。一度、貴獅さんが虎牙くんを軟禁する事態に発展してね……彼は蟹田さんの協力を得て脱走したんだけど、その折に貴獅さんは蟹田さんのことに気付いたんだ」
「軟禁、ですか。穏やかじゃない……なんて、連続殺人が起きた中で言うのも変かもしれませんが」
「とっくに手段は選ばなくなっていたからね、貴獅さんは」
杜村はそう言って苦笑する。
「それでも、最優先はWAWプログラムの成就だ。八月二日の装置起動を邪魔されない限りは泳がせておくと、貴獅さんはそういう判断をしていた。確か……見ているものが違うとも言っていたな」
「見ているものが違う……?」
その言葉の真意は何だろう。蟹田の調査が的外れなものであると言いたかったのか、或いは蟹田の目的が自身の計画を阻止することとは別だったのか。
真澄の単なる勘ではあったが、どちらかと言えば後者のような印象は受けた。
「もしかすると、それが街で水面下に進んでいたもう一つの計画だった……?」
「……どうだろうか。確かに、無いとは言い切れないな」
杜村も、真澄の意見は一考の余地があるとみたようだ。
「君のおかげで、点だけが無数にあったのを線で繋げるようになった気がするよ」
「その線が出鱈目でなければいいんですがね」
実際、確信も確証もないことが多い。何年も前の、自身が関わっていない事件の解明というのはやはり大きな壁があるものだ。
空想上の安楽椅子探偵とは、どれほどの天才なのやら。
「蟹田さんが掴んでいた情報なんかが残っていたりは?」
「申し訳ないけれど、何も残っていなくてね。病室を確認したことはあるんだけれど、彼が持っていたメモ帳などは無くなっていた。彼が持ち出したのか、それとも」
「誰かが処分したのか、ですね……」
杜村は頷く。
「そして、病人としてここにいた彼が、病室で遺体として発見されていない以上、最終日に何らかの行動をとっていたのは間違いない」
「……そうですね。地震と津波は装置稼働の後に起きているから、逃げ出すことは出来ない……」
八月二日、夜九時の時点で病室にいたのなら、蟹田さんの魂魄はそのまま信号領域に取り込まれているはずだ。遺体が病室になかったということは、その時彼が外に出ていた証左になる。
杜村は事故後、警察等の捜査よりも前に周囲の様子を確認したそうなので、蟹田の不在は確定事項としていいだろう。
「全てが飲み込まれ、流されてしまっているというのが本当に悔やまれるところですね」
「それがGHOSTの恐ろしさ……と言うしかないかな」
「やはり、災害自体についても組織が引き起こしたものだったと?」
「あくまでも誘発を期待する程度のことしか出来なかったと思うし、きっと次善策も講じていたんだろうけど……結果的に目論見通り地震と津波は発生した。だから、それをもって組織はWAWプログラムを幕引きとしたんだろうね」
人工地震を引き起こせるかどうかについては、現代でも明確な結論は出ていない。しばしば陰謀論のネタにされることもあるようなシロモノだ。
ただ、絶対ではなくともそれを引き起こす確率を高める程度のことは、技術によって可能なのかもしれない。殊更に、満生台は過去より地震の頻発する地域であったし、そのプレートを外側から揺さぶることによって地震を誘発する……電磁波を利用していたGHOSTだからこそ、そんな馬鹿げた手段に出られたのだろう。
「大金を積み上げて築いた城を、たった一瞬で消し去る……全く、理解出来ない組織だ」
「あれだけの設備を構築して、沢山の命を救って、笑顔を取り戻したっていうのにね」
そこまでで終わっていれば、まさしくそれは慈善事業だったのだろうが……GHOSTがそこで留まるわけもなく。
「……感傷的になってしまいますけど、話を戻さないと。僕としては、蟹田さんの素性や動向はもっと詳しく知りたくなります。八木さんについても情報が少ない」
「そうだね。まあ、当時僕もある程度調べてはみたけれど有益な情報はなかった。リサーチ力がないだけかもしれないから、そういうのも真澄くん達の力に期待したいけれど」
「収穫があるかどうかは分かりませんが、仲間に頼んでおきますかね」
そう言い、真澄はスマートフォンを取り出して仲間へのメッセージを打ち込んでいく。
画面を消灯させ、スマートフォンを再びポケットの中に入れると、
「……さてと。じゃあ、また映像を見る作業に戻るとします。途中、気になったことは聞いても構わないですよね」
「ああ、いつでも遠慮なく。新しい疑問が出てくるのは歓迎だ」
真澄は頷き、映像の再生ボタンを押し込む。
そして再び、無数のモニタに二〇一二年の営みが映し出されていくのだった。
杜村の仮説に、真澄はそう言葉を返した。
杜村もその返答は予想していたようで、肯定を示すように頷く。
「最重要容疑者が最初の事件で亡くなっている……何とも頭の痛い話だ。彼がWAWプログラムを横取りして計画を書き換えた、ということなら全ては簡単だったのに」
その口ぶりからするに、杜村は永射に対してあまり好感を持っていなかったのだろうと真澄は考える。
彼だけでなく、他の多くの人からも批判的に見られていたのだろう。恐らくは、かなり高慢で不遜な人物だったのだ。
「例えば、彼の死が偽装だったということは? それとも肉体の死後に事件へ関与していたとか」
「永射さんの遺体に関しては病院で確認をとっているし、本人が死亡したことに間違いはないよ。それから、後者はなるほど君たちらしい仮説ではあるけれど、不可能だろうね。信号領域は八月二日の夜九時、装置の起動とともに構築されたわけだから」
肉体が死しても魂魄として存在する。真澄たちにとっては最早当然の摂理であるが、それでも魂魄が現世に影響を与えるには特殊な条件が必要だ。少なくとも、信号領域が出来上がっていない段階で永射の魂魄が殺人に関与し、WAWプログラムを乗っ取るということは難しいだろう。
「加えて、ミステリでたまにあるような時限式の殺人というのも無理だろう。優亜ちゃんも貴獅さんも、直接的な暴力によってその命を奪われているわけだからね」
「ですね。永射氏の犯人説はひとまず無しとするしかなさそうだ」
真澄は小さく溜め息を吐く。
「……ただ、人体への干渉を行うという別計画の存在についてはあったとみてもいいと思います」
「となると、永射さんが進めていたそれを更に犯人が奪ったか、或いは」
「そもそも真犯人だけが進めていた計画だったか……」
真澄の言葉が真なら、永射という人物はある意味スケープゴートのように機能していたことになる。
それが真犯人の狙いだったとすれば、街の実権者として大手を振っていた永射は非常に哀れな人間だったわけだが。
「当時の子どもたちが戦時中のことを調べ上げたと言ってましたが、そこからこの別計画の存在に至ったりは?」
「さっきも名前を出したけれど、多分龍美ちゃんはその方面でかなり真実に近づいていたと思う。オカルトに興味を持っていた彼女なりの調べ方で、始めは月の満ち欠けを切り口にしていたな」
「いわゆるバイオタイド理論、というものですか」
杜村は頷き、知っているなんて意外だと口にした。
「そういう話を所詮オカルトだと切り捨てられない世界にいますから。……月の満ち欠けが人体へ影響を及ぼす。ルナティックなんて言葉も出てきていたのでは?」
「まさしく。ちょうど彼女に協力していたらしい八木優さんは、あの観測所で天体の研究もしていたそうでね。彼の知識も幾らか仕入れたんだろう」
「八木優さん……か」
真澄も明乃も、この街に暮らしていた主要な人物の名前は杜村に説明してもらい頭の中に入れている。
その中で、情報が少なかったのが蟹田郁也ともう一人、八木優その人なのだった。
「思えば、不思議なことに外部からやって来た二人がそれぞれ子どもたちの調査に協力しているんですね。人柄として、それくらい信用に足る人物だったんでしょうか」
「蟹田さんはまあ、誰とでも気さくに話せるような人だったとは思う。ただ、その中でも自分の話題は上手く避けるというか。虎牙くんはちょっとスレた子だったから、蟹田さんの怪しさにむしろ惹かれていったのかな。保護者の佐曽利さんが牛牧さんと懇意にしていて、そこからの繋がりもあるしね。
それから、八木さんの方は人に聞けば全員が優しい人だと答えるくらいには良い性格をしていたと思う。とても理知的だったし、そんな人がどうしてこの街に一人やって来たんだろうと首を傾げるほどにね」
どちらも、少なくとも表向きは良い人柄だったらしい。その裏に、秘めた何かがあるにせよ、無いにせよ。
「……後になって判明したことだけれど、蟹田さんはGHOSTについて調べていたようだ。一度、貴獅さんが虎牙くんを軟禁する事態に発展してね……彼は蟹田さんの協力を得て脱走したんだけど、その折に貴獅さんは蟹田さんのことに気付いたんだ」
「軟禁、ですか。穏やかじゃない……なんて、連続殺人が起きた中で言うのも変かもしれませんが」
「とっくに手段は選ばなくなっていたからね、貴獅さんは」
杜村はそう言って苦笑する。
「それでも、最優先はWAWプログラムの成就だ。八月二日の装置起動を邪魔されない限りは泳がせておくと、貴獅さんはそういう判断をしていた。確か……見ているものが違うとも言っていたな」
「見ているものが違う……?」
その言葉の真意は何だろう。蟹田の調査が的外れなものであると言いたかったのか、或いは蟹田の目的が自身の計画を阻止することとは別だったのか。
真澄の単なる勘ではあったが、どちらかと言えば後者のような印象は受けた。
「もしかすると、それが街で水面下に進んでいたもう一つの計画だった……?」
「……どうだろうか。確かに、無いとは言い切れないな」
杜村も、真澄の意見は一考の余地があるとみたようだ。
「君のおかげで、点だけが無数にあったのを線で繋げるようになった気がするよ」
「その線が出鱈目でなければいいんですがね」
実際、確信も確証もないことが多い。何年も前の、自身が関わっていない事件の解明というのはやはり大きな壁があるものだ。
空想上の安楽椅子探偵とは、どれほどの天才なのやら。
「蟹田さんが掴んでいた情報なんかが残っていたりは?」
「申し訳ないけれど、何も残っていなくてね。病室を確認したことはあるんだけれど、彼が持っていたメモ帳などは無くなっていた。彼が持ち出したのか、それとも」
「誰かが処分したのか、ですね……」
杜村は頷く。
「そして、病人としてここにいた彼が、病室で遺体として発見されていない以上、最終日に何らかの行動をとっていたのは間違いない」
「……そうですね。地震と津波は装置稼働の後に起きているから、逃げ出すことは出来ない……」
八月二日、夜九時の時点で病室にいたのなら、蟹田さんの魂魄はそのまま信号領域に取り込まれているはずだ。遺体が病室になかったということは、その時彼が外に出ていた証左になる。
杜村は事故後、警察等の捜査よりも前に周囲の様子を確認したそうなので、蟹田の不在は確定事項としていいだろう。
「全てが飲み込まれ、流されてしまっているというのが本当に悔やまれるところですね」
「それがGHOSTの恐ろしさ……と言うしかないかな」
「やはり、災害自体についても組織が引き起こしたものだったと?」
「あくまでも誘発を期待する程度のことしか出来なかったと思うし、きっと次善策も講じていたんだろうけど……結果的に目論見通り地震と津波は発生した。だから、それをもって組織はWAWプログラムを幕引きとしたんだろうね」
人工地震を引き起こせるかどうかについては、現代でも明確な結論は出ていない。しばしば陰謀論のネタにされることもあるようなシロモノだ。
ただ、絶対ではなくともそれを引き起こす確率を高める程度のことは、技術によって可能なのかもしれない。殊更に、満生台は過去より地震の頻発する地域であったし、そのプレートを外側から揺さぶることによって地震を誘発する……電磁波を利用していたGHOSTだからこそ、そんな馬鹿げた手段に出られたのだろう。
「大金を積み上げて築いた城を、たった一瞬で消し去る……全く、理解出来ない組織だ」
「あれだけの設備を構築して、沢山の命を救って、笑顔を取り戻したっていうのにね」
そこまでで終わっていれば、まさしくそれは慈善事業だったのだろうが……GHOSTがそこで留まるわけもなく。
「……感傷的になってしまいますけど、話を戻さないと。僕としては、蟹田さんの素性や動向はもっと詳しく知りたくなります。八木さんについても情報が少ない」
「そうだね。まあ、当時僕もある程度調べてはみたけれど有益な情報はなかった。リサーチ力がないだけかもしれないから、そういうのも真澄くん達の力に期待したいけれど」
「収穫があるかどうかは分かりませんが、仲間に頼んでおきますかね」
そう言い、真澄はスマートフォンを取り出して仲間へのメッセージを打ち込んでいく。
画面を消灯させ、スマートフォンを再びポケットの中に入れると、
「……さてと。じゃあ、また映像を見る作業に戻るとします。途中、気になったことは聞いても構わないですよね」
「ああ、いつでも遠慮なく。新しい疑問が出てくるのは歓迎だ」
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