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★登場人物一覧

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真智田 玄人まちだ くろと 、16歳、男性。一人称は僕。物静かで真面目な男の子、一年前に満生台へ引っ越してきた。都会での灰色の日々を忘れ、満生台での毎日に癒されていた。
理緒りお という妹がいたが、彼女に好意を告げられた上で玄人が養子であるという事実を暴露される。現実を受け入れられず、妹の言葉を否定した結果、妹は絶望し飛び降り自殺。玄人もその衝撃的な結末を悲観し、同じ道を辿ろうとしたものの、足に一生の傷を残す結果となった。それが満生台へ引っ越す一因となっている。
ただし、彼は元々盈虧院という児童養護施設で過ごしていた孤児で、当該施設はGHOSTの管理する被験者の選別場所となっていた。満生台へ誘われた直接の理由はそこにある。



仁科 龍美にしな たつみ 、16歳、女性。一人称は私。品行方正な家庭であるも、満生台での彼女は奔放そのもの。移住前は両親から厳しい教育を受けたようで、成績優秀かつ空手の有段者でもある。
彼女も玄人と同様に養子であり、交通事故で実娘の竜美を亡くした夫婦が盈虧院から引き取ったという過去がある。家族になったときにはもういなかった姉に少しでも追いつこうという思いが、彼女の原動力になっていた。
しかし、空手部の合宿からの帰りにバスが事故を起こし、親友であった蛇見 静香じゃみ しずかを喪う。更には自身の腕が使い物にならなくなるほどの傷を負ってしまった。
この経験が原因となり、彼女は満生台へやって来ることとなる。



義本 虎牙よしもと こうが 、16歳、男性。一人称は俺。見た目は不良少年で、実際に移住前の素行は悪かったようだが、満生台で悪行に走ったことはない。つっけんどんだが、仲間思いだったりする。
彼が不良になったのは、自身が盈虧院で過ごす孤児であり、常にいじめの対象であったことが原因で、自衛のために強くなった結果、周囲から不良と見做されるようになっていた。
心根は優しく、同じくいじめを受けていた外鯨 美波とくじら みなみという少年を助け、交流を深めていく。しかし、虎牙には敵わないと判断した不良グループが再び外鯨をターゲットにしたため虎牙は激高。全員を相手取った大喧嘩に発展する。その結果、外鯨を守ることは出来たものの、両目に後戻りの出来ない傷を負ってしまった。彼が満生台へやって来たのはこの経験ゆえのことである。



久礼 満雀くれ みすず 、15歳、女性。一人称は私。医療センターの副院長、久礼貴獅の娘であり、満生台での暮らしは四年と比較的長い。大人しい性格だが、友人の前では明るい一面も。病弱なためあまり外で遊べない。困ったときには「うゆ」というのが口癖。
満生台で起きた事件の中で、病弱な彼女は他の三人から庇護されるかのように、秘密や危険から遠ざけられてきた。しかしながら、彼女が時折みせる言動は、何らかの真実を見通しているかのようなものだったりする。

……そして二〇一八年の夏。満生台が失われてから六年後、ようやく彼女の物語は動き始めるのである。



杜村 双太もりむら そうた 、24歳、男性。一人称は僕。子供たちが通う学校の先生と、医療センターの医師、二つの『先生』を兼任している働き者。子供からも大人からも慕われている。
……その実態はGHOSTの構成員。ただし彼は末端で、WAWプログラム実行役である久礼貴獅に付いてくる形で満生台へとやって来た。早乙女とともに盈虧院の孤児だった過去があり、医師という夢を持たせてくれた久礼を追いかけようとしたことが彼の運命を狂わせたと言えるのかもしれない。



早乙女 優亜さおとめ ゆあ 、25歳、女性。一人称は私。医療センターで働く女性。同年代ということもあってか、双太とは仲が良い。
彼女も双太同様、GHOSTの構成員。普段は医師として働きつつ、WAWプログラム完遂のため久礼の指示に従って行動していた。
しかし彼女は、電波塔稼働を直前にして繰り広げられた事件の中、第二の犠牲者として死亡するという結末を迎えてしまった。



久礼 貴獅くれ たかし 、48歳、男性。一人称は私。満生総合医療センターの副院長。四年前、医療センターが増築された際に家族で移住し医師として働くようになった。
彼はGHOSTの一員であり、永射とともにWAWプログラムの遂行を任された言わば中堅的存在。表向き組織に忠実な動きをするも、彼自身の願いは常に家族へ向いていた。
愛娘の満雀。病弱な彼女を自由にするため、彼は霊体の世界を構築するというWAWプログラムを最大限利用しようと考え、満雀を世界の主に据えた。満生台に住まう全ての人間を霊にしてでも領域を構築する。その意志でひたすらに突き進んだ彼は、まさに電波塔の稼働日である八月二日、第三の犠牲者として何者かに殺される。
……そして、彼の望んだ領域は創造された。何者かの意思が介在した、歪んだ匣庭へと形を変えて。



久礼 羊子くれ ようこ 、45歳、女性。一人称は私。貴獅の妻であり、病弱な身。娘が病弱なのは自身のせいでは、とネガティブに考えることが時折あるよう。
夫が医師として働く裏で怪しげな行動をとっていることは認識しており、特に満雀のことは母として非常に心配している。二週間の物語の中で、彼女なりにあがき続け、最後には虎牙にWAWプログラムの計画書を託した。



牛牧 高成うしき たかなり 、61歳、一人称は儂、私。満生台に医療センターを設立した張本人であり、現院長。高齢のため実務はほぼ全て久礼貴獅に引き継いでいる。地元住民と親しい。
息子をALSという難病で亡くしており、それが医療センターを設立するきっかけとなった。体が動かなくなる難病だったという点から、彼が治したいと考えるのもそうした身体的なハンディキャップに関わるものとなっている。
とは言え、一人の力で街一つを変えるには限界があった。そして資金難となり、立ちいかなくなりかけた際に現れたのがGHOSTである。
彼はGHOSTに身売りするという苦渋の選択をし、医療センターの病院長という肩書だけを残して全てを譲り渡した。それが悲劇の始まりだったことを、彼は今でも後悔している。



瓶井 史かめい ふみ 、72歳、女性。一人称は私。生まれが満生台の地元住民であり、山林の殆どを所有している地主。村に伝わる鬼の祟りについて詳しい。近年の過剰な開発に嫌悪感を抱いている。
満生台――彼女が過ごしていた頃からすれば三鬼村――を守りたいという思いからではあるも、結果的にそれは住民の不安を煽る行動に繋がり、住民たちの心を疲弊することとなった。彼女自身はその強かな心ゆえか、最後まで何にも影響されることはなかったが。



永射 孝史郎ながい こうしろう 、32歳、男性。一人称は私。満生台を『満ち足りた暮らし』のできるニュータウンにすべく派遣されてきた市長的存在。現在は電波塔計画を推進している。
彼の実態はGHOSTの一員で、久礼貴獅がWAWプログラムの実行役なら彼は管理役。街の行政などを計画が遂行しやすいよう取り計らっていた。
非常に高飛車な性格であり、虎牙に計画を知られた際も焦らず、むしろ彼を罠に嵌めようとすらしていた。しかし、予見出来なかったトラブルによってこの物語の第一の犠牲者となる末路を迎えてしまった。



八木 優やぎ まさる 、39歳、男性。一人称は私。地震の多い満生台周辺の地質について調べている研究者。山中に小さな観測所を構え、そこで生活している。
観測所には天体望遠鏡もあり、八木は空いた時間に天体観測も行っていて、またひと昔前には電波を主題とした論文を著したこともあった。この方面の知識があったためか、龍美と事件を調査していく際、彼はWAWプログラムに電波が関わっていることを看破している。子どもたちにとっては頼れる存在だったものの、電波塔稼働日の前日、土砂崩れに見舞われ大怪我を負い、そのまま復帰することはなかった。



秤屋 千代はかりや ちよ 、20歳、女性。一人称は私。満生台で唯一のお店である秤屋商店で働く女性。元々は親が経営していたが、今は一人で切り盛りしている。病院から機械器具の注文もあるため、そういった部品も仕入れている。
父親が過去の地震で足に大怪我をしたために店主を引き継いでおり、今も看病をしながらの生活をしている。
最終日、父親が精神に異常を来たし、目が赤く充血していることに驚く。そして玄人や龍美たち周囲の人間も同様の症状となり、混乱しきった状態のまま彼女は最期の時を迎えた。



蟹田 郁也かんだ いくや 、25歳、男性。一人称は俺。医療センターに入院している患者。入院生活は長く、満生台に住居を持たないものの知り合いは複数いる。
実のところ、彼が病気というのは嘘であり、交流のあった牛牧に頼み込んで満生台へ潜入した探偵のような存在。彼は個人的に、満生台で起きている通信技術関係の問題を調査していた。これについて、虎牙が電波塔計画に関連したものかと訊ねた際、彼はそこだけには留まらないという回答をしており、WAWプログラムに何か裏があるのではと深読みしていたように思える。
コンピュータ関係の造詣も深いが、これは父親の影響だという。その父親は作成したプログラムが企業に採用されるほどの技術を持っていたが、最後は知人に技術を持ち逃げされ、失意の中死亡したのだと話していた。



佐曽利 功さそり いさお 、57歳、男性。一人称は俺。虎牙の親族であり、牛牧の旧友でもある。満生台に居を構えたのも牛牧に呼ばれてのこと。虎牙視点の物語において、彼の製造している物がハンディキャップを負った人の補助になる何らかの道具である旨の描写がなされた。
現在も牛牧と交流があり、その流れで医療センターからの依頼も引き受けている。自身はGHOSTに所属していないが、その存在について知っているのは仕事上の繋がりゆえである。



河野 理魚こうの りお 、14歳、女性。一人称不明。病弱な女の子で、病によってか喋ることがない。学校もよく欠席するため、周囲の人からは心配されている。
時折目が真っ赤に充血し、夢遊病のように彷徨い歩くことがあるが、これは医療センターでの手術後から起きるようになった症状。事件の後半、彼女はこの状態のまま蟹田の人工呼吸器を外すという行動に出ており、赤目=脳への過負荷が原因との見方から、彼女が一種の洗脳状態にあったのではとの推測がなされている。
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