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Fifteenth Chapter...8/2
赤く染まって
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「……はあ……はあ」
前屈みになり、膝に手をついて、僕は荒くなった息を整える。そうやって幾らか気持ちを落ち着かせてから、周りを確認した。
我武者羅に走ってきたせいか、街の中央辺りにやってきてしまったようだ。すぐ近くには、中央広場の入り口が見える。夜には式典が始まるはずだが、今は誰の姿もなかった。不気味なほどの静けさだ。
……走ってきたせいなのか、また少し、頭が痛い。
中央広場の中へ、僕はふらりと入っていく。整列したパイプ椅子に、簡素な演台。それ以外には飾り付けもないけれど、これを炎天下の中一人で準備した双太さんは、相当に大変だったはずだ。
奥には、記念碑がある。僕の背より高い、二メートル弱はあろうかという細くて大きな碑だ。そこには何も書かれていないけれど、牛牧さんはこの碑に、人々を災いから守り、繁栄に導いてほしいという願いを込めて作った。
今、街に降りかかっている災い。鬼の祟りだと住民たちが信じる、悲劇の連鎖。……この碑に込めた願いは、所詮儚いものなのだろうか。災いが退けられることは、ないのだろうか。
頭が、痛む。
「…………」
どこからか、視線を感じる。さっきの恐怖がまだ、尾を引いているのかもしれない。辺りはさっきから、ずっと静かなのだから。ぐるりと周りを見回してみても、人っ子一人いない。僕を見る目なんて、ない筈なのだ。
でも、嫌な気配は消えない。……微かな寒気を伴って、それは残り続けている。……一体誰だ? どこかで僕を嗤っているのは、誰だと言うんだ。
視線を意識する度に、頭の痛みが強くなってくる。その痛みも、視線も振り払いたくて、僕は頭を緩々と振りながら、広場を抜け出た。
何かがおかしい。右から、左から、視線は僕を突き刺してくる。その正体を知りたくて、僕は不意を突いて振り返ってみる。けれどそこには、誰もいない。ただ家並みが、道標の碑があるくらいだ。
……道標の碑。今でこそ、そんな名前で呼ばれているけれど、この碑が立てられた理由は、鬼の祟りを鎮めるため。つまり、鎮め石だったのだ。こんなにも、鎮めの碑が沢山あるというのに。祟りが続いているのでは、何の意味もありはしない。
いや、それだけじゃない。……どうしてか、この碑から視線を感じるような、そんな気さえしてきてしまう。この碑が鬼に侵食されて、碑を通して、僕を見つめているかのような、薄ら寒い気配……。
「馬鹿馬鹿しい……」
言い聞かせるよう、わざと吐き捨てるように言って、僕は痛む頭を手で押さえながら、ふらふらと歩いた。もう、どこへ向かっているのか分からない。考えられない。誰かに、助けてほしくてたまらなかった。安心して、休めるところがほしかった。
もう……帰ってしまおうか。
耐えきれなくなって、僕は家の方へ体を向けようとした。
だが――
「うわッ……!」
轟音が、突如として響いてきた。それとほぼ同時に、大地が震動する。そんな馬鹿な。これは、昨日と同じじゃないか――。
立っているのが難しいほどの縦揺れが、数秒間続いた。その揺れが収まっても、音は止まない。嫌な予感がして、山の方を見上げると、予感が当たっているのがすぐに分かった。
また、土砂崩れが起きたのだ。
ずるずると、斜面が崩れ落ちていく。悪夢の再現だった。昨日崩れた場所を起点にして、相当な横幅の大地が抉れ、崩落していった。その直下には電波塔がある。今度ばかりは、衝突は回避しえない場所だ。
凄まじい砂埃が、山を包んだ。その黄土色の中に、電波塔も沈んでいく。……とうとう、鬼の祟りが電波塔を崩したのか。あまりのことに、呆然自失の状態でただただ浮かんだのが、そんな思いだった。
しかし、砂埃が風に払われた後、そこにはまだ、電波塔がしっかりとそびえていた。どうやら、広い範囲の土砂が削れたものの、あまり深く抉れたわけではなかったようだ。流れ落ちる土砂の量も、昨日のそれよりも少なかったであろうことが、跡を見ればよく分かる。貴獅さんたちにとってみれば、これは不幸中の幸いだろう。……二日連続で土砂崩れが起きる時点で、有り得ないくらいの不幸だが。
鬼の祟り。もう、それで決着させてしまいたくなる。でなければ、どうしてこんなにも次から次へ、気味の悪い凶事ばかりが続いてしまうというのか……。
「大丈夫? 玄人くん」
声がした方を向くと、そこには心配そうにこちらを見つめる千代さんがいた。……そうか、ここは秤屋商店の前だ。千代さんも、地震に驚いて外へ出てきたらしい。それで僕の情けない姿を見つけたわけだ。
「……はい、大丈夫です。突然地震があって、土砂崩れがあって、びっくりして……」
さっきから続く頭痛のせいで、頭を押さえて目をぎゅっと瞑りながら、僕は千代さんに言う。彼女も不安そうな表情で、
「昨日もあったわよね……また、大きな地震がくるのかしら。怖いわ……」
「ですよね……昔、お店が潰れちゃったんですもんね」
「半壊、だけどね。怪我もしちゃったし……大変だったから」
「怪我……そりゃ、しますよね」
「ええ。私はまだマシだったんだけどねえ……」
私は、ということは、千代さんの両親は大怪我を負ってしまったのか。お店が半壊したのだから、瓦礫の下敷きになったりしたのかもしれない。それなら、死んでいてもおかしくなかっただろう。
「……これ以上の大地震がこないことを、祈りましょう」
「そうね……」
千代さんは溜息を吐いて、潤んだ瞳でこちらを見つめてきた。
――そして。
「……!?」
「……どうしました、千代さん」
彼女の表情が急変する。僕もそれにびっくりして、慌てて訊ねる。
「く、……玄人くん、あなた……」
千代さんの声が、いつになく震えている。怯え? でも、突然怯えだす理由なんてあるだろうか。それも、僕を見て……。
瞬間、意識が遠のく。千代さんが、何かを言っている。暑さと痛みのせいか、思考がはっきりしない。僕はしっかりしなくてはと、歯をぐっと食いしばった。
千代さんの言葉が、聞こえた。
「玄人くん……あなたも、目――」
目?
僕の目が……どうしたって?
彼女はまだ、僕の方を見て怖がっている。
今にも泣き出しそうな顔で、ずっとこちらを見ている。
逸らしたくても逸らせないとばかりに、ずっと。
頭が、痛い。
商店のガラス戸に、自分の姿が薄っすらと映っている。
僕はそこに映る顔を見る。
呆けた顔。
真っ直ぐに見つめる、目。
――赤い目が、あった。
「うわあああッ!!」
「玄人くん!」
何故だ。
何故、何故、何故、何故。
訳が分からなかった。
どうして自分の身にこんなことが起きているのか、全然理解出来なかった。
そんなことある筈がない。
この目が赤く染まっているなんて、ある筈がないのだ!
だって、それは、それはつまり、鬼の狂気に呑まれてしまったということで。
僕の頭がオカシクなってしまったということで。
でも、そんな筈はないのだ。
だって、僕はまだ普通に、こうやって自分の意思を持っていられているじゃないか!
狂っているわけがない。
僕は、鬼になんか祟られていない。
僕は――正常なんだ。
頭の痛みがどんどん増してくる。こちらを見つめる視線も増えてきているような気がする。
そんなこと、有り得ない。
でも……でも、感じるんだ。
すぐそこまで、鬼が迫ってきているような、恐怖。
振り返ればそこに、鬼が立っているかのような恐怖……!
走るしかなかった。躓いても、転んでも、逃げる以外に何も考えられなかった。逃げている間だけは何も起こらない気がして、そうであることをただ願って、走り続けた。
前屈みになり、膝に手をついて、僕は荒くなった息を整える。そうやって幾らか気持ちを落ち着かせてから、周りを確認した。
我武者羅に走ってきたせいか、街の中央辺りにやってきてしまったようだ。すぐ近くには、中央広場の入り口が見える。夜には式典が始まるはずだが、今は誰の姿もなかった。不気味なほどの静けさだ。
……走ってきたせいなのか、また少し、頭が痛い。
中央広場の中へ、僕はふらりと入っていく。整列したパイプ椅子に、簡素な演台。それ以外には飾り付けもないけれど、これを炎天下の中一人で準備した双太さんは、相当に大変だったはずだ。
奥には、記念碑がある。僕の背より高い、二メートル弱はあろうかという細くて大きな碑だ。そこには何も書かれていないけれど、牛牧さんはこの碑に、人々を災いから守り、繁栄に導いてほしいという願いを込めて作った。
今、街に降りかかっている災い。鬼の祟りだと住民たちが信じる、悲劇の連鎖。……この碑に込めた願いは、所詮儚いものなのだろうか。災いが退けられることは、ないのだろうか。
頭が、痛む。
「…………」
どこからか、視線を感じる。さっきの恐怖がまだ、尾を引いているのかもしれない。辺りはさっきから、ずっと静かなのだから。ぐるりと周りを見回してみても、人っ子一人いない。僕を見る目なんて、ない筈なのだ。
でも、嫌な気配は消えない。……微かな寒気を伴って、それは残り続けている。……一体誰だ? どこかで僕を嗤っているのは、誰だと言うんだ。
視線を意識する度に、頭の痛みが強くなってくる。その痛みも、視線も振り払いたくて、僕は頭を緩々と振りながら、広場を抜け出た。
何かがおかしい。右から、左から、視線は僕を突き刺してくる。その正体を知りたくて、僕は不意を突いて振り返ってみる。けれどそこには、誰もいない。ただ家並みが、道標の碑があるくらいだ。
……道標の碑。今でこそ、そんな名前で呼ばれているけれど、この碑が立てられた理由は、鬼の祟りを鎮めるため。つまり、鎮め石だったのだ。こんなにも、鎮めの碑が沢山あるというのに。祟りが続いているのでは、何の意味もありはしない。
いや、それだけじゃない。……どうしてか、この碑から視線を感じるような、そんな気さえしてきてしまう。この碑が鬼に侵食されて、碑を通して、僕を見つめているかのような、薄ら寒い気配……。
「馬鹿馬鹿しい……」
言い聞かせるよう、わざと吐き捨てるように言って、僕は痛む頭を手で押さえながら、ふらふらと歩いた。もう、どこへ向かっているのか分からない。考えられない。誰かに、助けてほしくてたまらなかった。安心して、休めるところがほしかった。
もう……帰ってしまおうか。
耐えきれなくなって、僕は家の方へ体を向けようとした。
だが――
「うわッ……!」
轟音が、突如として響いてきた。それとほぼ同時に、大地が震動する。そんな馬鹿な。これは、昨日と同じじゃないか――。
立っているのが難しいほどの縦揺れが、数秒間続いた。その揺れが収まっても、音は止まない。嫌な予感がして、山の方を見上げると、予感が当たっているのがすぐに分かった。
また、土砂崩れが起きたのだ。
ずるずると、斜面が崩れ落ちていく。悪夢の再現だった。昨日崩れた場所を起点にして、相当な横幅の大地が抉れ、崩落していった。その直下には電波塔がある。今度ばかりは、衝突は回避しえない場所だ。
凄まじい砂埃が、山を包んだ。その黄土色の中に、電波塔も沈んでいく。……とうとう、鬼の祟りが電波塔を崩したのか。あまりのことに、呆然自失の状態でただただ浮かんだのが、そんな思いだった。
しかし、砂埃が風に払われた後、そこにはまだ、電波塔がしっかりとそびえていた。どうやら、広い範囲の土砂が削れたものの、あまり深く抉れたわけではなかったようだ。流れ落ちる土砂の量も、昨日のそれよりも少なかったであろうことが、跡を見ればよく分かる。貴獅さんたちにとってみれば、これは不幸中の幸いだろう。……二日連続で土砂崩れが起きる時点で、有り得ないくらいの不幸だが。
鬼の祟り。もう、それで決着させてしまいたくなる。でなければ、どうしてこんなにも次から次へ、気味の悪い凶事ばかりが続いてしまうというのか……。
「大丈夫? 玄人くん」
声がした方を向くと、そこには心配そうにこちらを見つめる千代さんがいた。……そうか、ここは秤屋商店の前だ。千代さんも、地震に驚いて外へ出てきたらしい。それで僕の情けない姿を見つけたわけだ。
「……はい、大丈夫です。突然地震があって、土砂崩れがあって、びっくりして……」
さっきから続く頭痛のせいで、頭を押さえて目をぎゅっと瞑りながら、僕は千代さんに言う。彼女も不安そうな表情で、
「昨日もあったわよね……また、大きな地震がくるのかしら。怖いわ……」
「ですよね……昔、お店が潰れちゃったんですもんね」
「半壊、だけどね。怪我もしちゃったし……大変だったから」
「怪我……そりゃ、しますよね」
「ええ。私はまだマシだったんだけどねえ……」
私は、ということは、千代さんの両親は大怪我を負ってしまったのか。お店が半壊したのだから、瓦礫の下敷きになったりしたのかもしれない。それなら、死んでいてもおかしくなかっただろう。
「……これ以上の大地震がこないことを、祈りましょう」
「そうね……」
千代さんは溜息を吐いて、潤んだ瞳でこちらを見つめてきた。
――そして。
「……!?」
「……どうしました、千代さん」
彼女の表情が急変する。僕もそれにびっくりして、慌てて訊ねる。
「く、……玄人くん、あなた……」
千代さんの声が、いつになく震えている。怯え? でも、突然怯えだす理由なんてあるだろうか。それも、僕を見て……。
瞬間、意識が遠のく。千代さんが、何かを言っている。暑さと痛みのせいか、思考がはっきりしない。僕はしっかりしなくてはと、歯をぐっと食いしばった。
千代さんの言葉が、聞こえた。
「玄人くん……あなたも、目――」
目?
僕の目が……どうしたって?
彼女はまだ、僕の方を見て怖がっている。
今にも泣き出しそうな顔で、ずっとこちらを見ている。
逸らしたくても逸らせないとばかりに、ずっと。
頭が、痛い。
商店のガラス戸に、自分の姿が薄っすらと映っている。
僕はそこに映る顔を見る。
呆けた顔。
真っ直ぐに見つめる、目。
――赤い目が、あった。
「うわあああッ!!」
「玄人くん!」
何故だ。
何故、何故、何故、何故。
訳が分からなかった。
どうして自分の身にこんなことが起きているのか、全然理解出来なかった。
そんなことある筈がない。
この目が赤く染まっているなんて、ある筈がないのだ!
だって、それは、それはつまり、鬼の狂気に呑まれてしまったということで。
僕の頭がオカシクなってしまったということで。
でも、そんな筈はないのだ。
だって、僕はまだ普通に、こうやって自分の意思を持っていられているじゃないか!
狂っているわけがない。
僕は、鬼になんか祟られていない。
僕は――正常なんだ。
頭の痛みがどんどん増してくる。こちらを見つめる視線も増えてきているような気がする。
そんなこと、有り得ない。
でも……でも、感じるんだ。
すぐそこまで、鬼が迫ってきているような、恐怖。
振り返ればそこに、鬼が立っているかのような恐怖……!
走るしかなかった。躓いても、転んでも、逃げる以外に何も考えられなかった。逃げている間だけは何も起こらない気がして、そうであることをただ願って、走り続けた。
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