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第三部【流刻園幻想 ―Omnia fert aetas―】
十八話 存在
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『……こうして』
流れていた映像が消え、世界は現在の多目的室に戻ってくる。
あの頃とまるで変わらない少女の霊は、物憂げな表情でその物語を締めくくる。
『リクくんは新垣くんになったのです。そして、新垣くんに恋していたミヨちゃんに、新垣くんとして思いを打ち明け……』
「……もういい」
聞いていられなかった。
「もう、そこまででいい……」
そこから先は分かり切っていて――言葉にされることが、辛くて堪らなかった。
「……嫌……そんなのって、ない……酷すぎるよ……!」
ミイちゃん――いや、ミイナちゃんが嘆く。
オレとミイちゃんのために、涙すら流してくれる。
それはとてもありがたく、そしてとても胸が締め付けられた。
『リクくんは、とんでもない方法で幸せを掴み……いや、奪いました。だけどその代償として、常に命……というより、魂の危険に晒されることになった』
「代償……」
『はい。リクくんの状態は、死体に魂を詰め込んだようなものです。それが本来の降霊術……その延長なわけですが。彼は魂を固着し続けるために、幾度も儀式を行う必要に迫られた。それで、リクくんはミヨちゃんにはバレないよう、自分を愛し、儀式を行ってくれる人間を探し求めなければならなかった……』
元の肉体でなく、別人の肉体に魂が戻されたのが理由なのだろう、リクは生き返ったのではなく、魂を別の入れ物に詰められた状態になった。ゆえに魂と体が結びつかず、乖離しやすくなってしまったわけだ。
方や新垣勇作として、ミイちゃんと家庭を築きながらも、彼女に事実が露見しないよう、彼女以外に魂を繋ぎ止めてくれる人を用意する必要に迫られた。
酷過ぎる二重生活だ……。
「……全部、全部辻褄が合います。リクくんが死んでから、ユウくんは人が変わったみたいだってお母さんは言ってました。それでも好きだったから結婚して……傷を癒してあげようとして。なのに、自分から気持ちが離れているような気がしてならないって……ずっと零していたんです」
愛した人が、その中身が。本当は別人だったなんて。
信じられるだろうか? 普通は信じられる筈がない。
だから、変わった理由を探し求めて、出来ることならその空白を埋めようとして。
そんな努力をしたにも拘らず、それは全くの無意味だったのだ。
……ミイちゃん。
「……愛した人が、本当は違う人間だったなんて……」
ミイナちゃんが、両手で顔を押さえて蹲る。
その嗚咽を聞いているのが、心苦しかった。
「……ここでも、なのか。こんな悲劇が、ここでも……起きていたなんて」
ミオさんも、声を震わせる。
オレのために、悲しんで……怒ってくれている。
だけどもう、悲しんでも怒っても、全ては取り返しのつかないことだった。
「……リクは、恐らく今日ここへやって来たんだな?」
『はい。度重なる降霊術によって、彼の魂はもう限界を迎えていたんでしょう。そして、年を経るごとに彼を愛してくれる人もいなくなってしまったんでしょう。全てが限界……けれど、新垣くんから奪った幸せを失いたくはない。いや、せめて失うのなら……全てを自分で消し去ろうと……』
「滅茶苦茶だよ……そんなの」
『でも、リクくんはそんな狂気に囚われてしまったんです。身も心もボロボロになったその果てに……』
それほどまでに、あいつは強欲だったということだろう。
オレの幸せを奪うだけでは飽き足らず、その幸福を自分だけのものとし、心中しようとした。
恐ろしい奴だ。
オレはあいつのそんな恐ろしさを、気付きもしなかった。
「リクは自らの築いた家族を、自らの手で終わらせようとした。あのナイフは……リクが持ってきたものなんだろう」
『はい。……彼は校内へ侵入し、まず子どもたちを殺すつもりだった。それに気付いたミヨちゃんは、すぐに学校へ駆けつけてきたけれど、そこで……』
オレが二年一組で見た死体は、だから。
決してミイちゃんのお母さんなんかではなく。
彼女自身だったのだ。
オレの大切なミイちゃんが殺されていたのに、オレはそれにも気付かなかった。
オレを中心に起きているはずの悲劇なのに、オレは蚊帳の外だったのだ……。
『……地獄のような一幕から、私は耐えきれずに目を背けてしまいましたが、リクくんがそんな風に暴れ、家族や周囲の人間を殺害していったことで、恐らくその死者を蘇らせようとして、誰かが降霊術を使ったんだと思います。その一つの結果が、新垣くん。あなただったんでしょう……』
オレを呼び戻そうとする者なんて、一人しかいない。
だからオレは、二年一組で意識を取り戻したのだろう。
「……あいつが招いた、惨劇か」
情けなく上ずった声で、オレは呟く。
「引っ込み思案で、臆病で。……でも、何だかんだ優しかったはずのあいつが、心の奥でどうしても譲りたくなかったもの……それが、ミイちゃんだったわけだ。……はは、その執念には感服するよ」
彼の執念はドールという男の協力によって歪んだ形で結実し。
そして、今日この日を迎えてしまった。
「……ということは。この空間はお母さんか、その……リクという人の未練によって出来上がったということなんでしょうか」
「もしくは……その両方なのかもね」
『ええ……だから、ここから抜け出すには二人の霊魂をどうにかしなければならないと思います』
二人の霊魂。彼女が言うその二人とは、リクとミイちゃんのことなのだろう。
「はは……つい数時間前までその二人は、オレと一緒にいたはずなのにさ。それが……二十年も前のことだなんて。今がこんな、残酷なことになってるなんて……」
「ユウサクくん……」
分かっている。もう、どうにもならないことだ。
オレの青春は遠い彼方へ過ぎ去って、二度とは取り戻せなくなった。
それでも、嘆く権利くらいはある。
絶望に涙を流す権利くらいは。
「……話してくれてありがとう。君のおかげで全部分かった。ここで何が起きたのかも……オレたちがどうすればいいのかも」
『……いいえ、ごめんなさい。こんなことしか、できなくて……』
少女は自身の行いを悔やみ、オレに頭を下げる。
……彼女にとっては仕方のなかったことだ。だって彼女は、リクを大切に思っていたのだから。
その気持ちを踏みにじったリクが悪いことは、明らかだった。
『……もう、行かなくちゃ。これが、最後の未練だったから』
そう呟く彼女の体は、なるほど少しずつ透明度が増していた。
更に、体の内から光も発せられている。
『……どうか、無事にここから抜けられますように――』
その言葉を最後に、室内を眩い光が迸り。
元の暗闇が戻ったときには、少女の姿は跡形もなくなっているのだった。
今ようやく、彼女は成仏出来たのだ。
七不思議の呪いから、ようやく解放されたのだ……。
「……あの子も、犠牲者の一人なんだ。ようやく、成仏できたんだよな」
「ユウサクさん……」
ミイナちゃんが、心配げにオレの方を見つめてくる。
「……大丈夫。オレのことなら心配いらないよ。それより、脱出方法が分かったんだ。それを喜ばなきゃ。二人の魂を……鎮めなきゃ」
「……うん。そうだね」
ミオさんが、後ろからそっとオレの肩に手を当ててくれた。
「ミイナちゃん……君も一緒に行こう」
「……は、はい! ……よろしく、お願いします」
オレにとっては、恋人と友人の問題。
そしてミイナちゃんにとっては、家族の問題。
全く初対面な筈なのに、その家族にはオレも入っていて。
とても嬉しいことなのに、オレには返すものが何もない。
この時代、オレは空っぽの人間だった。
「……行こうか。全部終わらせて、ここから出るために」
きっと、ここから出られるのは彼らだけなんだろうけど。
でも、せめて感謝を返せるのなら、それしかないのだろうとオレは思った。
流れていた映像が消え、世界は現在の多目的室に戻ってくる。
あの頃とまるで変わらない少女の霊は、物憂げな表情でその物語を締めくくる。
『リクくんは新垣くんになったのです。そして、新垣くんに恋していたミヨちゃんに、新垣くんとして思いを打ち明け……』
「……もういい」
聞いていられなかった。
「もう、そこまででいい……」
そこから先は分かり切っていて――言葉にされることが、辛くて堪らなかった。
「……嫌……そんなのって、ない……酷すぎるよ……!」
ミイちゃん――いや、ミイナちゃんが嘆く。
オレとミイちゃんのために、涙すら流してくれる。
それはとてもありがたく、そしてとても胸が締め付けられた。
『リクくんは、とんでもない方法で幸せを掴み……いや、奪いました。だけどその代償として、常に命……というより、魂の危険に晒されることになった』
「代償……」
『はい。リクくんの状態は、死体に魂を詰め込んだようなものです。それが本来の降霊術……その延長なわけですが。彼は魂を固着し続けるために、幾度も儀式を行う必要に迫られた。それで、リクくんはミヨちゃんにはバレないよう、自分を愛し、儀式を行ってくれる人間を探し求めなければならなかった……』
元の肉体でなく、別人の肉体に魂が戻されたのが理由なのだろう、リクは生き返ったのではなく、魂を別の入れ物に詰められた状態になった。ゆえに魂と体が結びつかず、乖離しやすくなってしまったわけだ。
方や新垣勇作として、ミイちゃんと家庭を築きながらも、彼女に事実が露見しないよう、彼女以外に魂を繋ぎ止めてくれる人を用意する必要に迫られた。
酷過ぎる二重生活だ……。
「……全部、全部辻褄が合います。リクくんが死んでから、ユウくんは人が変わったみたいだってお母さんは言ってました。それでも好きだったから結婚して……傷を癒してあげようとして。なのに、自分から気持ちが離れているような気がしてならないって……ずっと零していたんです」
愛した人が、その中身が。本当は別人だったなんて。
信じられるだろうか? 普通は信じられる筈がない。
だから、変わった理由を探し求めて、出来ることならその空白を埋めようとして。
そんな努力をしたにも拘らず、それは全くの無意味だったのだ。
……ミイちゃん。
「……愛した人が、本当は違う人間だったなんて……」
ミイナちゃんが、両手で顔を押さえて蹲る。
その嗚咽を聞いているのが、心苦しかった。
「……ここでも、なのか。こんな悲劇が、ここでも……起きていたなんて」
ミオさんも、声を震わせる。
オレのために、悲しんで……怒ってくれている。
だけどもう、悲しんでも怒っても、全ては取り返しのつかないことだった。
「……リクは、恐らく今日ここへやって来たんだな?」
『はい。度重なる降霊術によって、彼の魂はもう限界を迎えていたんでしょう。そして、年を経るごとに彼を愛してくれる人もいなくなってしまったんでしょう。全てが限界……けれど、新垣くんから奪った幸せを失いたくはない。いや、せめて失うのなら……全てを自分で消し去ろうと……』
「滅茶苦茶だよ……そんなの」
『でも、リクくんはそんな狂気に囚われてしまったんです。身も心もボロボロになったその果てに……』
それほどまでに、あいつは強欲だったということだろう。
オレの幸せを奪うだけでは飽き足らず、その幸福を自分だけのものとし、心中しようとした。
恐ろしい奴だ。
オレはあいつのそんな恐ろしさを、気付きもしなかった。
「リクは自らの築いた家族を、自らの手で終わらせようとした。あのナイフは……リクが持ってきたものなんだろう」
『はい。……彼は校内へ侵入し、まず子どもたちを殺すつもりだった。それに気付いたミヨちゃんは、すぐに学校へ駆けつけてきたけれど、そこで……』
オレが二年一組で見た死体は、だから。
決してミイちゃんのお母さんなんかではなく。
彼女自身だったのだ。
オレの大切なミイちゃんが殺されていたのに、オレはそれにも気付かなかった。
オレを中心に起きているはずの悲劇なのに、オレは蚊帳の外だったのだ……。
『……地獄のような一幕から、私は耐えきれずに目を背けてしまいましたが、リクくんがそんな風に暴れ、家族や周囲の人間を殺害していったことで、恐らくその死者を蘇らせようとして、誰かが降霊術を使ったんだと思います。その一つの結果が、新垣くん。あなただったんでしょう……』
オレを呼び戻そうとする者なんて、一人しかいない。
だからオレは、二年一組で意識を取り戻したのだろう。
「……あいつが招いた、惨劇か」
情けなく上ずった声で、オレは呟く。
「引っ込み思案で、臆病で。……でも、何だかんだ優しかったはずのあいつが、心の奥でどうしても譲りたくなかったもの……それが、ミイちゃんだったわけだ。……はは、その執念には感服するよ」
彼の執念はドールという男の協力によって歪んだ形で結実し。
そして、今日この日を迎えてしまった。
「……ということは。この空間はお母さんか、その……リクという人の未練によって出来上がったということなんでしょうか」
「もしくは……その両方なのかもね」
『ええ……だから、ここから抜け出すには二人の霊魂をどうにかしなければならないと思います』
二人の霊魂。彼女が言うその二人とは、リクとミイちゃんのことなのだろう。
「はは……つい数時間前までその二人は、オレと一緒にいたはずなのにさ。それが……二十年も前のことだなんて。今がこんな、残酷なことになってるなんて……」
「ユウサクくん……」
分かっている。もう、どうにもならないことだ。
オレの青春は遠い彼方へ過ぎ去って、二度とは取り戻せなくなった。
それでも、嘆く権利くらいはある。
絶望に涙を流す権利くらいは。
「……話してくれてありがとう。君のおかげで全部分かった。ここで何が起きたのかも……オレたちがどうすればいいのかも」
『……いいえ、ごめんなさい。こんなことしか、できなくて……』
少女は自身の行いを悔やみ、オレに頭を下げる。
……彼女にとっては仕方のなかったことだ。だって彼女は、リクを大切に思っていたのだから。
その気持ちを踏みにじったリクが悪いことは、明らかだった。
『……もう、行かなくちゃ。これが、最後の未練だったから』
そう呟く彼女の体は、なるほど少しずつ透明度が増していた。
更に、体の内から光も発せられている。
『……どうか、無事にここから抜けられますように――』
その言葉を最後に、室内を眩い光が迸り。
元の暗闇が戻ったときには、少女の姿は跡形もなくなっているのだった。
今ようやく、彼女は成仏出来たのだ。
七不思議の呪いから、ようやく解放されたのだ……。
「……あの子も、犠牲者の一人なんだ。ようやく、成仏できたんだよな」
「ユウサクさん……」
ミイナちゃんが、心配げにオレの方を見つめてくる。
「……大丈夫。オレのことなら心配いらないよ。それより、脱出方法が分かったんだ。それを喜ばなきゃ。二人の魂を……鎮めなきゃ」
「……うん。そうだね」
ミオさんが、後ろからそっとオレの肩に手を当ててくれた。
「ミイナちゃん……君も一緒に行こう」
「……は、はい! ……よろしく、お願いします」
オレにとっては、恋人と友人の問題。
そしてミイナちゃんにとっては、家族の問題。
全く初対面な筈なのに、その家族にはオレも入っていて。
とても嬉しいことなのに、オレには返すものが何もない。
この時代、オレは空っぽの人間だった。
「……行こうか。全部終わらせて、ここから出るために」
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