39 / 141
【幻影綺館 ―Institution of GHOST-】
34.揺れ動く体を
しおりを挟む
東尖塔の螺旋階段。
さっきまで二階へ上る階段だけだったこの場所に、今は地下へ下りる階段が現れていた。
さっきの震動は、床が引っ込むときに生じたものだったらしい。
間口は狭いが、人一人がちゃんと下りていけるだけの間隔はあった。
「……進むしか、ないよな」
ただでさえ電気が消え、光源のほとんどない館。
そこから更に光の届かない地下へ続く階段とは。
正直言えば、さっきまで僅かに残っていた希望も消え去って、今はもう不安だけが心を占めていた。
「気を付けて進もう。ヤバいもんがあったら、すぐに逃げるぞ」
「ええ……もちろんよ」
ランもシグレくんも、緊張の面持ちで頷く。
「……それにしても」
尖塔内に生じた変化は、階段だけではなかった。
こちらは薄々予感していたことだが、現れた代わりに消えていたものもあったのだ。
爆散し、血飛沫を撒き散らして転がっていた死体。
そう……アヤちゃんの死体が、テンマくんの死体と同じく無くなっていたのである。
「もしかしたら、全部の死体が無くなってるのかもしれないな」
「チホちゃんの死体も、ですか」
「あくまでも予想だけどな。後で確認しておいた方がいいかもしれない」
死体が無くなる理由が全く不明なのだが、それも嫌な予感しかしない。
わざわざ手間をかけてでも、何らかの存在が死体を移動させていることになるのだから。
或いは……化物の体は消失するのか? 生憎そこまでは分かる由もない。
「……行こう」
先頭を進む俺とソウヘイがスマホで先を照らし、シグレくんとランが恐る恐るついてくる。
そんな感じで、俺たちはゆっくりと階段を下っていった。
下りていく途中で、壁の材質がガラリと変わる。それまでは石壁だったのが、突然人工的なタイル建材に。色も暗めの青らしく、地上階との差が激しい。
地上階は館全体の雰囲気に合わせているが、地下はまるで別の建築物のよう、と言えばいいのか。とにかくそんな雰囲気だ。
それから、下りていく内に気付いたが、どうも下りた先には光源があるらしく、進むにつれて視界が明るくなっていった。
三十段ほどの階段を下りきると、そこからは長い廊下が続いていた。途中折れ曲がったりもしているが、一本道で伸びている。天井にはやはり蛍光灯が規則的に並んでいて、その灯りで廊下を照らしていた。
「……こりゃあ、明らかに怪しい施設って感じだぜ……?」
「ですね……」
ソウヘイの言わんとしていることは分かる。
率直に言えば、ここは何らかの研究施設に思えてならなかった。
廊下の端には扉が三つある。左右に一つずつと、突き当たりに一つだ。扉の前にはプレートが取り付けられていて、左は医務室、右は倉庫となっている。
そして、突き当たりの扉は。
「GHOST研究所……日下分室……?」
見たくなかった名前が、しかしそこにはハッキリと刻まれていた。
日下分室。それは、ヒカゲさんをトップとした施設であるという意味。
GHOSTという名称は組織名なのだろうが、研究所ということは確実に、この場所で何らかの研究を行っていたということになる。
今までの情報を整理すれば、その研究は明らかに……。
「霊についての研究、か」
必然的にそれは、命を弄ぶ研究だ。
テンマくんが遺した、鏡ヶ原の事件のような。
そう、あの事件もGHOSTとやらが起こしたものという可能性は極めて高かった。
「いよいよヤバい場所に来ちまったって感じだな。……中に入りたいところだが」
言いながら、ソウヘイはスライドドアの窪みに手を掛けて開こうとする。しかし、ドアは僅かも動いてはくれなかった。
「……自動ドアなんだろうな、多分。電気は通ってるけど開かないか」
「セキュリティがあるんじゃないかしら?」
ランはそう言って、扉の横にある機械装置を指差す。どうもそれはカードリーダーのようだ。
「ここにカードを通して認証するんだと思うんだけど」
「ぽいな。……そう言えばレイジ、会議室にIDカードが置いてあったんじゃなかったか」
「ああ、一応持ってきたけどさ」
俺が胸ポケットからIDカードを取り出すと、それだとばかりにランが引ったくる。
「これで開くに違いないわ!」
ニヤリと笑い、ランはゲスト用と記載されたそのカードを機械に通す。これで認証されるなら、扉は自動的に開かれるはずだが。
鳴り響いたのは認証の音ではなく、エラーを示すビープ音だった。
「……えっ?」
瞬間、だった。
まさしく一瞬にして、世界は完全な闇に包まれる。
電気が消えたのだと理解するのに数秒を要した。
ひょっとしたら魂を抜かれたんじゃないかとすら思ってしまったほどだ。
「認証エラーで電気系統が切れるのか……!?」
「くそ、軽率だった!」
地下空間で明かりが無くなるのは致命的過ぎる。
視界の喪失は混乱をもたらし、慌てた俺たちは互いに体をぶつけあってしまう。
狭い空間だ。まぼろしさんを呼んだときもそうだったが、不安が押し寄せて堪らなくなる。
こんなとき、誰かに腕でも掴まれたりしようものなら、心臓が止まりそうなほどに。
「明かりを点けましょう!」
シグレくんの声がして、ゴソゴソとポケットをまさぐる音もする。
焦って失念していたが、今まで通りスマホで明かりをとればとりあえずは凌げるのだ。一番冷静だったのはシグレくんだったか。
と思ったが、シグレくんも流石に不安でならなかったか、明かりを点けようとしてスマホを取り落としてしまう。ガシャン、という音が廊下内に響いた。
「あ、すいませんっ」
「いや、大丈夫だ」
シグレくんが先に動いてくれたおかげで、俺も落ち着くことができた。ポケットからスマホを取り出して、ライトを点灯させる。
そして、まずは床に落ちたシグレくんのスマホを照らす。
「ありがとうございます……」
その間に、ソウヘイもスマホのライトを点けていた。それからシグレくんもライトを点け、周囲は割合明るくなる。
「ふう、明るくはなったな。しかし認証エラーで電気系統が消されるとは……」
「ですね、びっくりしました……」
全く、心臓に悪すぎる。
予想はしてなかったが、少しくらい身構えていた方が良かったか。
「……まったく、ランの思いつきはアテに」
ならないな、という言葉は口から出てこなかった。
それよりも前に、気付いてしまったから。
「……あいつ」
スマホのライトを、周囲にかざす。
けれど……この狭い廊下には今、俺とソウヘイと、シグレくんだけしか存在しなかった。
「どこ行った?」
ランの姿が、忽然と消えていた。
*
全速力で地上へと戻った俺たち。
けれど、そのときにはもう全てが終わっていた。
玄関ホールまで走ってきた俺たちを待っていたのは……絶望的な光景だった。
「……あ……ああ……」
情けない声が、口から漏れ出す。
それを抑えることも、この目から溢れるものを抑えることも不可能だった。
激情が込み上げ、なのに体から力が抜けていく。
俺はまともに立つことすらできなくなって、がくりと頽れた。
でも……視線だけは。
ずっと、彼女から離すことはできなかった。
「……ラン……」
おかしいだろ?
ついさっきまで、俺の隣にいて笑っていたあいつが。
必ず生きて出ようって、強く決意していたあいつが。
どうしてこんなことにならなくちゃいけないんだ?
あの一瞬の暗闇に沈んで、こんな結末を迎えなくちゃいけないんだ……?
「どうして、だよ……」
彼女の体は、規則的に揺れ続けている。
俺はその体に、縋りつこうと手を伸ばし続ける。
けれど、それは叶わず。
中空に伸ばした手は、虚しく空振ってしまうのみだった。
ランは、玄関ホールの天井から吊り下げられ。
その縄は首を絞め。
額にはべっとりと赤いものが流れ。
もう、俺たちに何の表情も浮かべてはくれなかった。
「うわああぁぁああああッ!」
止め処ない涙と絶叫の中で。
俺は喪ったものがとてつもなく大きな存在だったことを……理解した。
さっきまで二階へ上る階段だけだったこの場所に、今は地下へ下りる階段が現れていた。
さっきの震動は、床が引っ込むときに生じたものだったらしい。
間口は狭いが、人一人がちゃんと下りていけるだけの間隔はあった。
「……進むしか、ないよな」
ただでさえ電気が消え、光源のほとんどない館。
そこから更に光の届かない地下へ続く階段とは。
正直言えば、さっきまで僅かに残っていた希望も消え去って、今はもう不安だけが心を占めていた。
「気を付けて進もう。ヤバいもんがあったら、すぐに逃げるぞ」
「ええ……もちろんよ」
ランもシグレくんも、緊張の面持ちで頷く。
「……それにしても」
尖塔内に生じた変化は、階段だけではなかった。
こちらは薄々予感していたことだが、現れた代わりに消えていたものもあったのだ。
爆散し、血飛沫を撒き散らして転がっていた死体。
そう……アヤちゃんの死体が、テンマくんの死体と同じく無くなっていたのである。
「もしかしたら、全部の死体が無くなってるのかもしれないな」
「チホちゃんの死体も、ですか」
「あくまでも予想だけどな。後で確認しておいた方がいいかもしれない」
死体が無くなる理由が全く不明なのだが、それも嫌な予感しかしない。
わざわざ手間をかけてでも、何らかの存在が死体を移動させていることになるのだから。
或いは……化物の体は消失するのか? 生憎そこまでは分かる由もない。
「……行こう」
先頭を進む俺とソウヘイがスマホで先を照らし、シグレくんとランが恐る恐るついてくる。
そんな感じで、俺たちはゆっくりと階段を下っていった。
下りていく途中で、壁の材質がガラリと変わる。それまでは石壁だったのが、突然人工的なタイル建材に。色も暗めの青らしく、地上階との差が激しい。
地上階は館全体の雰囲気に合わせているが、地下はまるで別の建築物のよう、と言えばいいのか。とにかくそんな雰囲気だ。
それから、下りていく内に気付いたが、どうも下りた先には光源があるらしく、進むにつれて視界が明るくなっていった。
三十段ほどの階段を下りきると、そこからは長い廊下が続いていた。途中折れ曲がったりもしているが、一本道で伸びている。天井にはやはり蛍光灯が規則的に並んでいて、その灯りで廊下を照らしていた。
「……こりゃあ、明らかに怪しい施設って感じだぜ……?」
「ですね……」
ソウヘイの言わんとしていることは分かる。
率直に言えば、ここは何らかの研究施設に思えてならなかった。
廊下の端には扉が三つある。左右に一つずつと、突き当たりに一つだ。扉の前にはプレートが取り付けられていて、左は医務室、右は倉庫となっている。
そして、突き当たりの扉は。
「GHOST研究所……日下分室……?」
見たくなかった名前が、しかしそこにはハッキリと刻まれていた。
日下分室。それは、ヒカゲさんをトップとした施設であるという意味。
GHOSTという名称は組織名なのだろうが、研究所ということは確実に、この場所で何らかの研究を行っていたということになる。
今までの情報を整理すれば、その研究は明らかに……。
「霊についての研究、か」
必然的にそれは、命を弄ぶ研究だ。
テンマくんが遺した、鏡ヶ原の事件のような。
そう、あの事件もGHOSTとやらが起こしたものという可能性は極めて高かった。
「いよいよヤバい場所に来ちまったって感じだな。……中に入りたいところだが」
言いながら、ソウヘイはスライドドアの窪みに手を掛けて開こうとする。しかし、ドアは僅かも動いてはくれなかった。
「……自動ドアなんだろうな、多分。電気は通ってるけど開かないか」
「セキュリティがあるんじゃないかしら?」
ランはそう言って、扉の横にある機械装置を指差す。どうもそれはカードリーダーのようだ。
「ここにカードを通して認証するんだと思うんだけど」
「ぽいな。……そう言えばレイジ、会議室にIDカードが置いてあったんじゃなかったか」
「ああ、一応持ってきたけどさ」
俺が胸ポケットからIDカードを取り出すと、それだとばかりにランが引ったくる。
「これで開くに違いないわ!」
ニヤリと笑い、ランはゲスト用と記載されたそのカードを機械に通す。これで認証されるなら、扉は自動的に開かれるはずだが。
鳴り響いたのは認証の音ではなく、エラーを示すビープ音だった。
「……えっ?」
瞬間、だった。
まさしく一瞬にして、世界は完全な闇に包まれる。
電気が消えたのだと理解するのに数秒を要した。
ひょっとしたら魂を抜かれたんじゃないかとすら思ってしまったほどだ。
「認証エラーで電気系統が切れるのか……!?」
「くそ、軽率だった!」
地下空間で明かりが無くなるのは致命的過ぎる。
視界の喪失は混乱をもたらし、慌てた俺たちは互いに体をぶつけあってしまう。
狭い空間だ。まぼろしさんを呼んだときもそうだったが、不安が押し寄せて堪らなくなる。
こんなとき、誰かに腕でも掴まれたりしようものなら、心臓が止まりそうなほどに。
「明かりを点けましょう!」
シグレくんの声がして、ゴソゴソとポケットをまさぐる音もする。
焦って失念していたが、今まで通りスマホで明かりをとればとりあえずは凌げるのだ。一番冷静だったのはシグレくんだったか。
と思ったが、シグレくんも流石に不安でならなかったか、明かりを点けようとしてスマホを取り落としてしまう。ガシャン、という音が廊下内に響いた。
「あ、すいませんっ」
「いや、大丈夫だ」
シグレくんが先に動いてくれたおかげで、俺も落ち着くことができた。ポケットからスマホを取り出して、ライトを点灯させる。
そして、まずは床に落ちたシグレくんのスマホを照らす。
「ありがとうございます……」
その間に、ソウヘイもスマホのライトを点けていた。それからシグレくんもライトを点け、周囲は割合明るくなる。
「ふう、明るくはなったな。しかし認証エラーで電気系統が消されるとは……」
「ですね、びっくりしました……」
全く、心臓に悪すぎる。
予想はしてなかったが、少しくらい身構えていた方が良かったか。
「……まったく、ランの思いつきはアテに」
ならないな、という言葉は口から出てこなかった。
それよりも前に、気付いてしまったから。
「……あいつ」
スマホのライトを、周囲にかざす。
けれど……この狭い廊下には今、俺とソウヘイと、シグレくんだけしか存在しなかった。
「どこ行った?」
ランの姿が、忽然と消えていた。
*
全速力で地上へと戻った俺たち。
けれど、そのときにはもう全てが終わっていた。
玄関ホールまで走ってきた俺たちを待っていたのは……絶望的な光景だった。
「……あ……ああ……」
情けない声が、口から漏れ出す。
それを抑えることも、この目から溢れるものを抑えることも不可能だった。
激情が込み上げ、なのに体から力が抜けていく。
俺はまともに立つことすらできなくなって、がくりと頽れた。
でも……視線だけは。
ずっと、彼女から離すことはできなかった。
「……ラン……」
おかしいだろ?
ついさっきまで、俺の隣にいて笑っていたあいつが。
必ず生きて出ようって、強く決意していたあいつが。
どうしてこんなことにならなくちゃいけないんだ?
あの一瞬の暗闇に沈んで、こんな結末を迎えなくちゃいけないんだ……?
「どうして、だよ……」
彼女の体は、規則的に揺れ続けている。
俺はその体に、縋りつこうと手を伸ばし続ける。
けれど、それは叶わず。
中空に伸ばした手は、虚しく空振ってしまうのみだった。
ランは、玄関ホールの天井から吊り下げられ。
その縄は首を絞め。
額にはべっとりと赤いものが流れ。
もう、俺たちに何の表情も浮かべてはくれなかった。
「うわああぁぁああああッ!」
止め処ない涙と絶叫の中で。
俺は喪ったものがとてつもなく大きな存在だったことを……理解した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
この欠け落ちた匣庭の中で 終章―Dream of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
ーーこれが、匣の中だったんだ。
二〇一八年の夏。廃墟となった満生台を訪れたのは二人の若者。
彼らもまた、かつてGHOSTの研究によって運命を弄ばれた者たちだった。
信号領域の研究が展開され、そして壊れたニュータウン。終焉を迎えた現実と、終焉を拒絶する仮想。
歪なる領域に足を踏み入れる二人は、果たして何か一つでも、その世界に救いを与えることが出来るだろうか。
幻想、幻影、エンケージ。
魂魄、領域、人類の進化。
802部隊、九命会、レッドアイ・オペレーション……。
さあ、あの光の先へと進んでいこう。たとえもう二度と時計の針が巻き戻らないとしても。
私たちの駆け抜けたあの日々は確かに満ち足りていたと、懐かしめるようになるはずだから。
この満ち足りた匣庭の中で 二章―Moon of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
それこそが、赤い満月へと至るのだろうか――
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
更なる発展を掲げ、電波塔計画が進められ……そして二〇一二年の八月、地図から消えた街。
鬼の伝承に浸食されていく混沌の街で、再び二週間の物語は幕を開ける。
古くより伝えられてきた、赤い満月が昇るその夜まで。
オートマティスム、鬼封じの池、『八〇二』の数字。
ムーンスパロー、周波数帯、デリンジャー現象。
ブラッドムーン、潮汐力、盈虧院……。
ほら、また頭の中に響いてくる鬼の声。
逃れられない惨劇へ向けて、私たちはただ日々を重ねていく――。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
この満ち足りた匣庭の中で 三章―Ghost of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
幾度繰り返そうとも、匣庭は――。
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
その裏では、医療センターによる謎めいた計画『WAWプログラム』が粛々と進行し、そして避け得ぬ惨劇が街を襲った。
舞台は繰り返す。
三度、二週間の物語は幕を開け、定められた終焉へと砂時計の砂は落ちていく。
変わらない世界の中で、真実を知悉する者は誰か。この世界の意図とは何か。
科学研究所、GHOST、ゴーレム計画。
人工地震、マイクロチップ、レッドアウト。
信号領域、残留思念、ブレイン・マシン・インターフェース……。
鬼の祟りに隠れ、暗躍する機関の影。
手遅れの中にある私たちの日々がほら――また、始まった。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
ゾンビ発生が台風並みの扱いで報道される中、ニートの俺は普通にゾンビ倒して普通に生活する
黄札
ホラー
朝、何気なくテレビを付けると流れる天気予報。お馴染みの花粉や紫外線情報も流してくれるのはありがたいことだが……ゾンビ発生注意報?……いやいや、それも普通よ。いつものこと。
だが、お気に入りのアニメを見ようとしたところ、母親から買い物に行ってくれという電話がかかってきた。
どうする俺? 今、ゾンビ発生してるんですけど? 注意報、発令されてるんですけど??
ニートである立場上、断れずしぶしぶ重い腰を上げ外へ出る事に──
家でアニメを見ていても、同人誌を売りに行っても、バイトへ出ても、ゾンビに襲われる主人公。
何で俺ばかりこんな目に……嘆きつつもだんだん耐性ができてくる。
しまいには、サバゲーフィールドにゾンビを放って遊んだり、ゾンビ災害ボランティアにまで参加する始末。
友人はゾンビをペットにし、効率よくゾンビを倒すためエアガンを改造する。
ゾンビのいることが日常となった世界で、当たり前のようにゾンビと戦う日常的ゾンビアクション。ノベルアッププラス、ツギクル、小説家になろうでも公開中。
表紙絵は姫嶋ヤシコさんからいただきました、
©2020黄札
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【恋愛ミステリ】エンケージ! ーChildren in the bird cageー
至堂文斗
ライト文芸
【完結済】
野生の鳥が多く生息する山奥の村、鴇村(ときむら)には、鳥に関する言い伝えがいくつか存在していた。
――つがいのトキを目にした恋人たちは、必ず結ばれる。
そんな恋愛を絡めた伝承は当たり前のように知られていて、村の少年少女たちは憧れを抱き。
――人は、死んだら鳥になる。
そんな死後の世界についての伝承もあり、鳥になって大空へ飛び立てるのだと信じる者も少なくなかった。
六月三日から始まる、この一週間の物語は。
そんな伝承に思いを馳せ、そして運命を狂わされていく、二組の少年少女たちと。
彼らの仲間たちや家族が紡ぎだす、甘く、優しく……そしてときには苦い。そんなお話。
※自作ADVの加筆修正版ノベライズとなります。
表紙は以下のフリー素材、フリーフォントをお借りしております。
http://sozai-natural.seesaa.net/category/10768587-1.html
http://www.fontna.com/blog/1706/
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる