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Ⅱ 専属メイド
可愛い妹と過保護な姉 4
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「でも、本当に困ると思うから、今度小さなブラを用意してもらうようにするわね。……一応聞いておくけど、さすがにショーツは履いているのよね……?」
「は、履いてますよ!」
さすがにノーパンメイド服は癖が強すぎる気がする。そこは思いっきり否定しておいた。
「でも、用意してもらうってことは小さな服を作る専用の職人がいるんですか?」
「そんなのいないわよ。わたしたちの大きさであんたたち向けの服を作っても、ちょうど良いサイズに作るのは難しいわ。あんたの今着ている服みたいに、極端にブカブカなものができてしまうもの」
「じゃあ、どうやって……?」
「そりゃ、あなたたちが小さくなったのだから、服だって小さくできるんじゃないの? わたしは魔女じゃないから、どうやってやるのかとかは知らないけれど」
「魔女……?」
レジーナお嬢様がなんとなく呟いた言葉に、わたしは強く反応した。
「レジーナお嬢様! 今魔女って言いましたか!?」
「い、言ったけど、何よ?」
レジーナお嬢様が目を逸らしながら答える。
「レジーナお嬢様、うちのお屋敷に縮小魔法が使える魔女がいることを知っているんですか?」
「そりゃ、わたしは次期当主になったんだから、そのくらいの情報は知ってるわよ」
ヒントどころか答えではないか。どうやらレジーナお嬢様は詳しいことを知っているみたいだ。レジーナお嬢様の部屋にわたしを忍び込ませて探らせようとしたアリシアお嬢様の作戦は当たっていたようだ。
「あの、誰なんですか、それは……?」
「新人メイドが知るべきことじゃないわ」
レジーナお嬢様がプイッと顔を背けてしまった。
「でも、わたしは被害にあった張本人ですよ? 充分知るべきことだと思いますけど!」
「被害って、あなたどのみちあの子が助けてくれなかったら寒空の元倒れていたじゃないの」
レジーナお嬢様が呆れたように言う。
「そ、そうですけど……」
わたしが少し口調を弱めると、レジーナお嬢様がフンっと鼻を鳴らして、ごまかすみたいにして、元の話題に戻す。
「ねえ、あなた。そんなことよりも、まだアリシアを誑かしたかどうかの話、終わってないんだけど。あの子はわたしの大切な妹なの。変な入れ知恵をして、悪巧みをさせないでちょうだい」
レジーナお嬢様がわたしを中間地点に挟むみたいにして、左右の手のひらを机に思いっきり叩きつけた。その衝撃で立っていられなくなり、思いっきり尻餅をついてしまう。そして、グッとレジーナお嬢様が顔を近づけてくる。必要以上にしっかりとルージュとグロスを塗って、光を反射させている真っ赤な唇が動く。
「あなたの目的を教えてもらおうかしら」
レジーナお嬢様が、今にもわたしのことを食べてしまうのではないかというような怖い顔をして問いかけてくるから、迫力に気圧されて何も言えなくなってしまった。ただ金魚みたいに口をパクパクと開閉しながら、わたしはなんとか声を出そうとした。
「あなたはアリシアに取り入って、彼女を次期当主に擁立して、屋敷内でのあなた自身の立場を良くする。そんな理想を描いてるんでしょ?」
「……いや、全然違いますけど」
わたしが困惑した調子で伝えると、レジーナお嬢様が「え?」と困ったような反応を見せた。
「は、履いてますよ!」
さすがにノーパンメイド服は癖が強すぎる気がする。そこは思いっきり否定しておいた。
「でも、用意してもらうってことは小さな服を作る専用の職人がいるんですか?」
「そんなのいないわよ。わたしたちの大きさであんたたち向けの服を作っても、ちょうど良いサイズに作るのは難しいわ。あんたの今着ている服みたいに、極端にブカブカなものができてしまうもの」
「じゃあ、どうやって……?」
「そりゃ、あなたたちが小さくなったのだから、服だって小さくできるんじゃないの? わたしは魔女じゃないから、どうやってやるのかとかは知らないけれど」
「魔女……?」
レジーナお嬢様がなんとなく呟いた言葉に、わたしは強く反応した。
「レジーナお嬢様! 今魔女って言いましたか!?」
「い、言ったけど、何よ?」
レジーナお嬢様が目を逸らしながら答える。
「レジーナお嬢様、うちのお屋敷に縮小魔法が使える魔女がいることを知っているんですか?」
「そりゃ、わたしは次期当主になったんだから、そのくらいの情報は知ってるわよ」
ヒントどころか答えではないか。どうやらレジーナお嬢様は詳しいことを知っているみたいだ。レジーナお嬢様の部屋にわたしを忍び込ませて探らせようとしたアリシアお嬢様の作戦は当たっていたようだ。
「あの、誰なんですか、それは……?」
「新人メイドが知るべきことじゃないわ」
レジーナお嬢様がプイッと顔を背けてしまった。
「でも、わたしは被害にあった張本人ですよ? 充分知るべきことだと思いますけど!」
「被害って、あなたどのみちあの子が助けてくれなかったら寒空の元倒れていたじゃないの」
レジーナお嬢様が呆れたように言う。
「そ、そうですけど……」
わたしが少し口調を弱めると、レジーナお嬢様がフンっと鼻を鳴らして、ごまかすみたいにして、元の話題に戻す。
「ねえ、あなた。そんなことよりも、まだアリシアを誑かしたかどうかの話、終わってないんだけど。あの子はわたしの大切な妹なの。変な入れ知恵をして、悪巧みをさせないでちょうだい」
レジーナお嬢様がわたしを中間地点に挟むみたいにして、左右の手のひらを机に思いっきり叩きつけた。その衝撃で立っていられなくなり、思いっきり尻餅をついてしまう。そして、グッとレジーナお嬢様が顔を近づけてくる。必要以上にしっかりとルージュとグロスを塗って、光を反射させている真っ赤な唇が動く。
「あなたの目的を教えてもらおうかしら」
レジーナお嬢様が、今にもわたしのことを食べてしまうのではないかというような怖い顔をして問いかけてくるから、迫力に気圧されて何も言えなくなってしまった。ただ金魚みたいに口をパクパクと開閉しながら、わたしはなんとか声を出そうとした。
「あなたはアリシアに取り入って、彼女を次期当主に擁立して、屋敷内でのあなた自身の立場を良くする。そんな理想を描いてるんでしょ?」
「……いや、全然違いますけど」
わたしが困惑した調子で伝えると、レジーナお嬢様が「え?」と困ったような反応を見せた。
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