からっぽを満たせ

ゆきうさぎ

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これまで、これから⑧

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ゆきに言われて先に風呂を済ませた僕は新しいワイドダブルベッドの上で落ち着かなくて端っこに座ったままでいた。一旦横になってみたら、新しいベッドの臭いに混じってゆきの匂いがしたから余計落ち着かない。
「ふはっ、カナ緊張してる、かわいい」
寝室に入ってきたゆきは僕をみた瞬間吹き出すように笑ったので、僕は恥ずかしさでいっぱいになる。同時に笑われたことに少しイラッとして枕を投げる。ゆきは僕が投げた枕を簡単にキャッチしてしまう。悔しい。
「ごめんごめん、カナがあまりにもかわいいからさ」
固くなって座っている僕の横にどかっとゆきが座る。僕の肩にさらに力が入る。
「カナが本当にいやなことはしないから、大丈夫」
ゆきの手が僕の腰に回され、耳元でそう囁かれるとくすぐったくて恥ずかしくて甘えたくて……いろんな想いが溢れて僕の体の力が抜ける。
ゆきはもう片方の手を僕の頭の後頭部に回すと頭を撫でながら僕の体をベッドへ押し倒した。
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