からっぽを満たせ

ゆきうさぎ

文字の大きさ
上 下
103 / 154

記憶(風間幸久)④

しおりを挟む
しばらくして、美鶴さんは小さい子を連れてきた。その日も避けようと思ったが父さんに止められて逃げられなかった。仕方なく近くに控えながら様子を伺う。小さな子は美鶴さんにとてもよく似た可愛い顔をしている。一瞬女の子かと思ったが、服装からして男の子のようだった。
「挨拶しなさい」
父さんに呼ばれて近づいて挨拶をしたけど、気に食わない男と美鶴さんの子だ。いくら美鶴さんの子供だとはいえ、気に食わない男の息子である子なんて素直に可愛がってやる気はない。
でも美鶴さんが屈んでいうのだ。
「かなくん、ゆきくんよ!ゆきくん、かなくんをよろしくね」
美鶴さんがよろしくというのだから美鶴さんの手前だけ、少しだけ面倒を見なければ。そう思った。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

囚われ王子の幸福な再婚

BL / 連載中 24h.ポイント:1,050pt お気に入り:156

宮廷画家は悪役令嬢

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:379

ライオンガール

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:20

フリー台本置き場(声劇、朗読)

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:360

処理中です...