からっぽを満たせ

ゆきうさぎ

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自覚①

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「はぁ~」
あの元気いっぱいのショータがため息をついていた。僕はそっとミヤを見るとミヤは呆れ顔で教えてくれた。
「この前合コンでこいつだけ彼女ができなかったんだってさ」
「嫌な予感はしたんだ…男が1人多かったからっ…!」
「誰か断りそうな奴が来たんだろうな、お前は数合わせだ」
「ミヤひどい!」
ショータの反応を見ながらミヤは大笑いして、僕はまだうっすらとしか笑えないことがちょっと悔しい。
あれから2人とよくいるようになって、ショータは元気いっぱいでちょっとお調子者、流行を掴むのが早いタイプで、ミヤはいつも冷静でクールに見えて中身は実はショータとそんなに変わらないくらいノリが良く、ユーモアのセンスに溢れていることがわかった。この2人との会話は飽きない。ノリよく話している時もあれば、講義のことを話すと2人とも真面目で的確な話ができる。バランスが良く、居心地が良かった。
ミヤの大笑いが少し落ち着くのを待って僕は好奇心に駆られて聞いた。
「合コンってどんなもの?」
「は??」
ミヤとショータの唖然とした声は綺麗に重なって聞こえた。
「ヤナ、お前そりゃないぜ」
ショータが肩を落として俯きながらいう。その横ではミヤがこれでもかというくらい頷いている。
僕はよくわからず、聞いてはいけないことだったかと一瞬不安になったが、2人は怒っている様子ではなかったのでそのまま待ってみる。
「合コンってのは、簡単に言えば男子と女子が恋人探しをする場だよ」
「へえ……」
「ヤナ!お前興味なさそうだな!何だよ!女の子とドキドキワクワクな毎日で、お花畑にいるような幸せな日々は送りたくないのか!」
ショータがいっそう騒がしく聞いてくる。言葉の意味は取りづらいが言いたいことはわかる。僕は合コンに行かなくてもその感覚は知っている。
「ヤナはイケメンだからもう彼女がいるんじゃないのか」
ミヤがそういうと、そこからショータは僕の話を聞く気もミヤの話を聞く気も無くしたようで一人で騒ぎ始めてしまった。
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