66 / 154
挑戦⑤
しおりを挟む
あれから風間さんの家でお世話になる時は掃除や片付け、食事作りを手伝った。風間さんに無理しないように言われているので一気に行わず、ある程度行ったら後日に回し、自分の勉強の時間は確保させてもらった。その甲斐あって、最初は風間さんは僕がそれらを行うことを心配していたが、今ではにこやかに見守ってくれている。僕もそのおかげで全く勉強に支障が出ることがなく、不自由な点は一つもなかった。
風間さんの役に立てたことも、僕の発言が聞いてもらえることも嬉しかった。僕は少し気がよくなって徐々に風間さん以外の人にも自分の考えを伝えていくことにした。次に僕が考えを言えるとしたら宗田さんたちしかいない。
宗田さんたちなら多分受け入れてもらえる気もする。僕は言われた仕事をしっかりとこなす代わりに言われた仕事しかしていなかった。少し手伝える時も怖くてそれを伝えられずにいた。今だって怖い。でも僕は変わると決めたのだ。風間さんもそれを喜んでくれている。
「5番テーブルに水を届けたら僕が3番テーブルの片付けしましょうか……?」
恐る恐る、僕は提案してみる。
「ほんと!?助かる!!ありがとう柳くん!」
島崎さんが明るい笑顔で答えてくれる。宗田さんと大和田さんはこちらをにこやかに見ている。
「じゃあ柳くんが今持ってるこのオーダーは私が厨房に届けておくから行ってきてくれる?」
島崎さんはさりげなく動きやすいようにサポートしてくれた。
僕はその日初めて自分で考えて動きながら仕事をした。提案をするたびに宗田さんも大和田さんも島崎さんも満面の笑みを返してくれた。
僕は今までで1番仕事が楽しかった。
風間さんの役に立てたことも、僕の発言が聞いてもらえることも嬉しかった。僕は少し気がよくなって徐々に風間さん以外の人にも自分の考えを伝えていくことにした。次に僕が考えを言えるとしたら宗田さんたちしかいない。
宗田さんたちなら多分受け入れてもらえる気もする。僕は言われた仕事をしっかりとこなす代わりに言われた仕事しかしていなかった。少し手伝える時も怖くてそれを伝えられずにいた。今だって怖い。でも僕は変わると決めたのだ。風間さんもそれを喜んでくれている。
「5番テーブルに水を届けたら僕が3番テーブルの片付けしましょうか……?」
恐る恐る、僕は提案してみる。
「ほんと!?助かる!!ありがとう柳くん!」
島崎さんが明るい笑顔で答えてくれる。宗田さんと大和田さんはこちらをにこやかに見ている。
「じゃあ柳くんが今持ってるこのオーダーは私が厨房に届けておくから行ってきてくれる?」
島崎さんはさりげなく動きやすいようにサポートしてくれた。
僕はその日初めて自分で考えて動きながら仕事をした。提案をするたびに宗田さんも大和田さんも島崎さんも満面の笑みを返してくれた。
僕は今までで1番仕事が楽しかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
130
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる