からっぽを満たせ

ゆきうさぎ

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挑戦④

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「うっまぁぁぁ~柳くんって料理上手だね!蓮の店で働いてるのもよくわかる!」
今日は食材を買いに行って、風間さんといろんなものを買い込んだ結果、いい時間になってしまった。早く晩御飯にするのが得策だろうと思い、野菜炒めを作ったに過ぎないのだが、風間さんはとても喜んでくれた。
本当ならもっと手の込んだ万人受けして写真映えもするような料理を振る舞ってみたかったがそんな時間がなかった。
「でも野菜炒めですし…」
野菜炒めなんて炒めればできるようなものを風間さんに出すなんて申し訳なく、反省しかなかった。
「野菜炒めだってちゃんと野菜切ったり時間も手間もすごくかかってるし、それに他所で買うのとはまた味が全然違って美味しいよ」
風間さんがいつもより優しい笑顔でそう言ってくれる。僕は心臓が締め付けられるような気がして戸惑ったが、純粋に風間さんの言葉が嬉しかった。
「俺が今まで食べた野菜炒めの中で1番好き」
そう言ってパクパク食べていく風間さんの様子が嬉しい。
僕の人生の中で料理をしてこんなに楽しかったことは今日が初めてだった。
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