54 / 154
水族館④
しおりを挟む
風間さんの家に着くと、いつも通り僕が手を洗ったり着替えたりしている間に手を洗い、風呂のスイッチを押して準備を済ませ、ポットで湯を沸かして、僕がソファに座って少しするとすぐに部屋着に着替えた姿で横に座ってきた。
「柳くん、今日お風呂は先に入る?」
最近の風間さんは僕によくこういう質問をしてくる。比較的簡単な2択を僕に委ねるのだ。僕はその2択を今までどうしていたか、ということを踏まえて答えるので、この場合はいつも先を譲られるので先と答える。
「了解。明日は開園が10時だからその時間に着くように行くのはどうかな?」
断る理由はない。
「はい。分かりました」
風間さんはこうやって聞いていくことできっと僕が自発的に何かをしたいと言うのを待っている気がする。
それでも僕は何もしたいと言えなかった。どうしたいのか、未だにそれがよくわからない。そしてどこまで言っていいのか、それもまだ掴みきれずにいた。
結局その日も投げかけられた2択以外の要望はできずに眠りについた。それでも2択を答えれば風間さんは嬉しそうで、僕も少し嬉しくなった。
「柳くん、今日お風呂は先に入る?」
最近の風間さんは僕によくこういう質問をしてくる。比較的簡単な2択を僕に委ねるのだ。僕はその2択を今までどうしていたか、ということを踏まえて答えるので、この場合はいつも先を譲られるので先と答える。
「了解。明日は開園が10時だからその時間に着くように行くのはどうかな?」
断る理由はない。
「はい。分かりました」
風間さんはこうやって聞いていくことできっと僕が自発的に何かをしたいと言うのを待っている気がする。
それでも僕は何もしたいと言えなかった。どうしたいのか、未だにそれがよくわからない。そしてどこまで言っていいのか、それもまだ掴みきれずにいた。
結局その日も投げかけられた2択以外の要望はできずに眠りについた。それでも2択を答えれば風間さんは嬉しそうで、僕も少し嬉しくなった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
130
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる