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からっぽの部屋⑪
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風間さんは合鍵を渡してくれたが、どうしても気が引けた僕はバイトが終わるとそのまま自分の家に帰宅した。
もちろん布団はない。あの時風間さんが僕の部屋に置いていったクッションの入った袋が玄関で出迎えてくれた。その袋の中からクッションとお菓子を取り出して殺風景な部屋に置く。お菓子は明日のバイトの時に持って行くことにして、クッションは寝床と勉強スペースを兼ねているデスクライトの近くに置く。
僕はいつも通り床の上に寝転がり資料を読み、終わるといつも通り毛布だけかけて寝ようとする。しかし苦戦した。昨日暖かい布団で寝る心地よさを覚えてしまった感覚は、床の上で毛布一枚で寝ることを"心地よくない"と判断していた。多少改善するようクッションを頭に敷いてみると、幾分か改善されたが、やはり昨日に比べてしまうと雲泥の差がある。以前からそうだったはずだが、それに気づいている自分が怖い。どんどん耐性がなくなっている。しかしその変化を肯定的に捉えている自分も出てきた。この変化は、自分がどんなにいけないと思いながらも取り戻したかったものだ、というのは最初からうっすら気づいていた。同時に、それを取り戻すたびに風間さんは嬉しそうにする。風間さんにはもらってばかりだからお返しできているようで嬉しかった。
そんなことを考えながら、クッションに頭を沈めている心地よさを頼りに眠りについた。
もちろん布団はない。あの時風間さんが僕の部屋に置いていったクッションの入った袋が玄関で出迎えてくれた。その袋の中からクッションとお菓子を取り出して殺風景な部屋に置く。お菓子は明日のバイトの時に持って行くことにして、クッションは寝床と勉強スペースを兼ねているデスクライトの近くに置く。
僕はいつも通り床の上に寝転がり資料を読み、終わるといつも通り毛布だけかけて寝ようとする。しかし苦戦した。昨日暖かい布団で寝る心地よさを覚えてしまった感覚は、床の上で毛布一枚で寝ることを"心地よくない"と判断していた。多少改善するようクッションを頭に敷いてみると、幾分か改善されたが、やはり昨日に比べてしまうと雲泥の差がある。以前からそうだったはずだが、それに気づいている自分が怖い。どんどん耐性がなくなっている。しかしその変化を肯定的に捉えている自分も出てきた。この変化は、自分がどんなにいけないと思いながらも取り戻したかったものだ、というのは最初からうっすら気づいていた。同時に、それを取り戻すたびに風間さんは嬉しそうにする。風間さんにはもらってばかりだからお返しできているようで嬉しかった。
そんなことを考えながら、クッションに頭を沈めている心地よさを頼りに眠りについた。
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