141 / 271
第140話
しおりを挟む
虎珀に声をかけることが出来なかった日向は、いつもの庭へと来ていた。
行き場もなく、ただ落ち着ける場所が欲しくて。
柔らかい暖かな風を感じながら、呆然と城下町を見下ろす。
「……大丈夫、かな……」
やはり、あの2人は何かあった。
いつからなのかは分からないものの、あの様子では、しばらくあの空気を引きずりそうだ。
手を差し伸べるべきなのかも分からず、日向は深いため息を吐く。
盗み見していたとはいえ、仲が少し拗れていることを知ってしまった。
この場合、どうすればよいものか。
「瀧と凪がいてくれたらなぁ……」
何か困ったことがあれば、日向は2人を思い出す。
どんなに大変なことが起きても、どうしても解決しない悩み事があったとしても、あの2人がいれば全て明るい方へと向かった。
仙人としてだけでなく、多くの場面で救世主となってくれた瀧と凪。
黄泉に来てからというもの、あの2人の有り難さを痛感させられる。
頼れる2人は、この場合どうするのだろう。
2人なら……と考えるも、やはり日向だけの力ではどうすることもできない。
何より、人間と妖魔では、感じ方も違うだろう。
「もう……どうしちゃったんだよ、2人とも……」
「ピィッ!」
「このままじゃ、ずっとあのままな気がする」
「ピィ?」
「でも、僕が首を突っ込んでややこしくなったら……」
「ピィ~!」
「いやでも、本当に2人だけに任せてもっ」
「ピィィィィィ!!!!!!!」
「……………ん?」
ずっと、鳥の鳴き声がしていた。
聞こえるのは聞こえる、が気にしていなかった。
だって、鳥の声なんて聞こえてきても変では無い。
カラスだって、夕方に鳴いているだろう?
それと同じ、だからいちいち反応なんてしなくていい、日常的なことなんだ。
そう、こんなにも執着的でなければ……。
「……………………えっ」
よく考えれば、妙に近くから聞こえている。
言うなれば、真隣。
真隣?鳥の鳴き声が?しかも連続で?
これは、ちゃんと正常な出来事なのか?
夢ではない、では何が聞こえている?
何がそんなに、間近で聞こえてくるのだ?
聞こえてはいけないものではないだろうか。
そう考えた途端、日向の背筋がゾッとした。
あまりにも不気味すぎて、日向は警戒しながら、ゆっくりと隣へと視線を泳がせた。
そして映ったのは……
「ピィッ!」
普通の鳥より少し大きい、黒い鷲。
あの鬼の王と似たような特徴をしている、唯一無二の鳥。
「や、楊!?」
バサッと翼を広げ鳴くのは、楊だった。
幽霊や化け物ではないと分かり、日向はドッと力が抜けていく。
「もう楊ー!びっくりしただろー!?」
「ピィ?」
ただ日向が気が付かなかったのが悪いのだが、楊にそんな気持ちが伝わるはずもなく、楊は理解出来ずにコテンっと首を傾げている。
日向は自分を落ち着かせると、キョロキョロと辺りを見渡した。
「え、あれ?魁蓮は?一緒じゃないの?」
楊がいるということは、魁蓮もいる。
というのが基本なのだが、どれだけ探しても、魁蓮の姿がない。
ではなぜ、楊はここにいるのか。
日向が不思議そうに楊を見下ろすと、
「ピィィ!」
「えっ?」
突然、楊は日向の袖を引っ張り出した。
破れないように、でも必死に。
魁蓮の鷲ということもあってか、楊はそれなりに力が強い。
本気で引っ張られれば、日向が引きずられるほど。
当然、今引っ張られているのもかなり力があるため、日向は軽くよろけてしまう。
「えっ、なになになに!?」
日向は体勢を整えようと、その場に立ちあがる。
直後、それを待っていたかのように、楊はパッと日向から離れた。
「……え?」
立ち上がるのは、違うのか?
それとも、立ち上がらせたかったのか?
楊の考えていることは分からないが、突然離れた楊を、日向は何なんだ?というふうに見つめた。
すると突然、楊は翼をバサバサと動かして飛んだ。
「ピィッ!」
そして、ピューっとどこかへ行ってしまう。
しかし、楊の視線は日向の方へと向けられていた。
それはまるで、「ついてきて」と言っているよう。
「えっ?」
楊は、日向に用があったのか?
ここに魁蓮はいない、恐らく楊の独断で日向の元へ来ているのだろう。
では、楊がどこかへ飛んでいくのも、日向が関連していること?
いや違う。
楊が単独で行動するのは、ほぼ有り得ないと考えていい。
もし動くとすれば、魁蓮の指示。
つまり、楊がここにいるのは、魁蓮に何かあったのか?
だから、日向を呼びに来た…………?
「えっ……あ、楊!ま、待って!」
そう考えた途端、見過ごせなくなった。
日向は訳が分からないまま、楊を追いかける。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
楊を追いかけてたどり着いたのは、書物庫。
誰もいない書物庫は、暗い夜のように静かだ。
「ね、ねぇ楊?魁蓮に何か指示されたんじゃねぇの?」
書物庫へと連れてこられた日向は、困惑している。
だって、楊は魁蓮の指示で日向の元に来たと思ったのだから。
だというのに、魁蓮の姿は無い。
「や、楊~?」
日向が何度も呼ぶものの、楊は黙って飛んでいる。
一体、彼は何を考えているのだろう。
魁蓮は、関係ないのだろうか。
「……てか、楊。どこ行ってるの?」
ふと、日向はあることを疑問に思う。
そもそも、なぜ誰もいない書物庫に?
楊も日向も、ここはあまり利用しない場所だ。
なのに、なぜ楊は。
そんなことを考えているなど知らず、楊は大きな体をものともしないような動きで、本がたくさん積み上げられた書物庫の中を進んでいく。
日向は窓から差し込む光を頼りに、楊を見失わないよう必死に追いかける。
本や巻物ぐらいしか置いていないというのに、書物庫の中は無駄に広く、進んでも進んでも景色が変わらない。
なぜ楊は、この中へと入ったのだろうか。
「ちょっ、楊!待ってくれ!」
奥に進めば進むほど、古いものなのか。
だんだん埃っぽくなってきて、鼻がムズムズする。
そして、頼りにしていた光も薄くなってきた。
肉眼で楊を追いかけるのが、やっとな程に。
そもそも、魁蓮はここにある書物を全て読んだのだろうか。
難しいことはよく分からない日向からすれば、こんなに要らないのでは?と思ってしまう。
大事なものだとしても、もう少し整理出来るだろう。
なんて愚痴みたいなことを考えていると、突然楊が地面に降り立った。
「ピィ!」
「えっ?」
日向がやっとの思いで楊の元に行くと、楊は地面を見つめていた。
日向も導かれるように、地面に視線を落とすと……
「……花?」
積み重なる書物の山に紛れて、地面に蓮の花の絵が描かれていた。
決して大きくない絵は、地面をしっかり見なければ見つけられないほどの大きさ。
そっと触れると、描かれているというよりは、刻印か何かで焼き付けたような跡だ。
「なんだろう、これ」
日向がポカンとしていると、隣にいた楊が、先程と同じように日向を引っ張る。
今、触れたばかりの手を甘噛みして、そして蓮の絵へと近づけた。
「えっ、どうした?」
「ピィー!」
楊は日向の手を甘噛みしながら鳴く。
楊は、何かを訴えている。
日向は必死に頭を動かした。
蓮の花の絵、日向を呼んだ、日向の手…………。
「あっ……」
日向はある考えが浮かんで、ハッと顔を上げる。
すると楊は、日向のその反応を見て、パッと甘噛みしていた日向の手から離れた。
手が解放された途端、日向はその掴まれていた手に全快の力を込めていく。
周りに影響が及ばないよう、微弱な力で。
そして、再び蓮の絵に触れた。
直後……………………………
「うわっ…………!」
力が込められた手で触れた途端、その蓮の絵を中心に、線がゆっくりと現れた。
日向の力に導かれるように現れた線は、だんだんとその存在を見せ始め……
線は、扉を描いた。
「こんな所に、扉があったなんて……」
隠し扉なのだろうか。
床に綺麗な扉が現れると、扉は静かに開かれた。
その不思議な現象に、日向は息を飲む。
ゆっくりと開かれる扉、日向はそれを待っていると、
「……えっ?」
開いた扉の向こうには、階段があった。
終わりの見えない暗い階段は、下に続いている。
どうやら、地下のようだ。
「何これ……」
「ピィ!」
暗すぎる、なんなんだこの階段は。
あまりにも終わりが見えない階段に、日向は恐怖心が煽られる。
が、そんな日向を他所に、待ってました!というように、楊は元気よくその階段を飛んで下った。
挑戦心が強いのか、暗いところが好きなのか。
とにかく、楊の行動に日向は驚愕している。
「えっ、嘘でしょ!?さすがに魁蓮呼んだ方がいいんじゃねえの!?僕、怒られんの嫌なんだけど!!」
「ピィ~」
扉も開けた、楊は行ってしまった。
当然、今の日向に逃げるという選択肢などなく、ひとりでに進んでいく楊に、日向は慌ててついて行った。
緊張しながら、楊から離れないようにと早足で……。
行き場もなく、ただ落ち着ける場所が欲しくて。
柔らかい暖かな風を感じながら、呆然と城下町を見下ろす。
「……大丈夫、かな……」
やはり、あの2人は何かあった。
いつからなのかは分からないものの、あの様子では、しばらくあの空気を引きずりそうだ。
手を差し伸べるべきなのかも分からず、日向は深いため息を吐く。
盗み見していたとはいえ、仲が少し拗れていることを知ってしまった。
この場合、どうすればよいものか。
「瀧と凪がいてくれたらなぁ……」
何か困ったことがあれば、日向は2人を思い出す。
どんなに大変なことが起きても、どうしても解決しない悩み事があったとしても、あの2人がいれば全て明るい方へと向かった。
仙人としてだけでなく、多くの場面で救世主となってくれた瀧と凪。
黄泉に来てからというもの、あの2人の有り難さを痛感させられる。
頼れる2人は、この場合どうするのだろう。
2人なら……と考えるも、やはり日向だけの力ではどうすることもできない。
何より、人間と妖魔では、感じ方も違うだろう。
「もう……どうしちゃったんだよ、2人とも……」
「ピィッ!」
「このままじゃ、ずっとあのままな気がする」
「ピィ?」
「でも、僕が首を突っ込んでややこしくなったら……」
「ピィ~!」
「いやでも、本当に2人だけに任せてもっ」
「ピィィィィィ!!!!!!!」
「……………ん?」
ずっと、鳥の鳴き声がしていた。
聞こえるのは聞こえる、が気にしていなかった。
だって、鳥の声なんて聞こえてきても変では無い。
カラスだって、夕方に鳴いているだろう?
それと同じ、だからいちいち反応なんてしなくていい、日常的なことなんだ。
そう、こんなにも執着的でなければ……。
「……………………えっ」
よく考えれば、妙に近くから聞こえている。
言うなれば、真隣。
真隣?鳥の鳴き声が?しかも連続で?
これは、ちゃんと正常な出来事なのか?
夢ではない、では何が聞こえている?
何がそんなに、間近で聞こえてくるのだ?
聞こえてはいけないものではないだろうか。
そう考えた途端、日向の背筋がゾッとした。
あまりにも不気味すぎて、日向は警戒しながら、ゆっくりと隣へと視線を泳がせた。
そして映ったのは……
「ピィッ!」
普通の鳥より少し大きい、黒い鷲。
あの鬼の王と似たような特徴をしている、唯一無二の鳥。
「や、楊!?」
バサッと翼を広げ鳴くのは、楊だった。
幽霊や化け物ではないと分かり、日向はドッと力が抜けていく。
「もう楊ー!びっくりしただろー!?」
「ピィ?」
ただ日向が気が付かなかったのが悪いのだが、楊にそんな気持ちが伝わるはずもなく、楊は理解出来ずにコテンっと首を傾げている。
日向は自分を落ち着かせると、キョロキョロと辺りを見渡した。
「え、あれ?魁蓮は?一緒じゃないの?」
楊がいるということは、魁蓮もいる。
というのが基本なのだが、どれだけ探しても、魁蓮の姿がない。
ではなぜ、楊はここにいるのか。
日向が不思議そうに楊を見下ろすと、
「ピィィ!」
「えっ?」
突然、楊は日向の袖を引っ張り出した。
破れないように、でも必死に。
魁蓮の鷲ということもあってか、楊はそれなりに力が強い。
本気で引っ張られれば、日向が引きずられるほど。
当然、今引っ張られているのもかなり力があるため、日向は軽くよろけてしまう。
「えっ、なになになに!?」
日向は体勢を整えようと、その場に立ちあがる。
直後、それを待っていたかのように、楊はパッと日向から離れた。
「……え?」
立ち上がるのは、違うのか?
それとも、立ち上がらせたかったのか?
楊の考えていることは分からないが、突然離れた楊を、日向は何なんだ?というふうに見つめた。
すると突然、楊は翼をバサバサと動かして飛んだ。
「ピィッ!」
そして、ピューっとどこかへ行ってしまう。
しかし、楊の視線は日向の方へと向けられていた。
それはまるで、「ついてきて」と言っているよう。
「えっ?」
楊は、日向に用があったのか?
ここに魁蓮はいない、恐らく楊の独断で日向の元へ来ているのだろう。
では、楊がどこかへ飛んでいくのも、日向が関連していること?
いや違う。
楊が単独で行動するのは、ほぼ有り得ないと考えていい。
もし動くとすれば、魁蓮の指示。
つまり、楊がここにいるのは、魁蓮に何かあったのか?
だから、日向を呼びに来た…………?
「えっ……あ、楊!ま、待って!」
そう考えた途端、見過ごせなくなった。
日向は訳が分からないまま、楊を追いかける。
┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈
楊を追いかけてたどり着いたのは、書物庫。
誰もいない書物庫は、暗い夜のように静かだ。
「ね、ねぇ楊?魁蓮に何か指示されたんじゃねぇの?」
書物庫へと連れてこられた日向は、困惑している。
だって、楊は魁蓮の指示で日向の元に来たと思ったのだから。
だというのに、魁蓮の姿は無い。
「や、楊~?」
日向が何度も呼ぶものの、楊は黙って飛んでいる。
一体、彼は何を考えているのだろう。
魁蓮は、関係ないのだろうか。
「……てか、楊。どこ行ってるの?」
ふと、日向はあることを疑問に思う。
そもそも、なぜ誰もいない書物庫に?
楊も日向も、ここはあまり利用しない場所だ。
なのに、なぜ楊は。
そんなことを考えているなど知らず、楊は大きな体をものともしないような動きで、本がたくさん積み上げられた書物庫の中を進んでいく。
日向は窓から差し込む光を頼りに、楊を見失わないよう必死に追いかける。
本や巻物ぐらいしか置いていないというのに、書物庫の中は無駄に広く、進んでも進んでも景色が変わらない。
なぜ楊は、この中へと入ったのだろうか。
「ちょっ、楊!待ってくれ!」
奥に進めば進むほど、古いものなのか。
だんだん埃っぽくなってきて、鼻がムズムズする。
そして、頼りにしていた光も薄くなってきた。
肉眼で楊を追いかけるのが、やっとな程に。
そもそも、魁蓮はここにある書物を全て読んだのだろうか。
難しいことはよく分からない日向からすれば、こんなに要らないのでは?と思ってしまう。
大事なものだとしても、もう少し整理出来るだろう。
なんて愚痴みたいなことを考えていると、突然楊が地面に降り立った。
「ピィ!」
「えっ?」
日向がやっとの思いで楊の元に行くと、楊は地面を見つめていた。
日向も導かれるように、地面に視線を落とすと……
「……花?」
積み重なる書物の山に紛れて、地面に蓮の花の絵が描かれていた。
決して大きくない絵は、地面をしっかり見なければ見つけられないほどの大きさ。
そっと触れると、描かれているというよりは、刻印か何かで焼き付けたような跡だ。
「なんだろう、これ」
日向がポカンとしていると、隣にいた楊が、先程と同じように日向を引っ張る。
今、触れたばかりの手を甘噛みして、そして蓮の絵へと近づけた。
「えっ、どうした?」
「ピィー!」
楊は日向の手を甘噛みしながら鳴く。
楊は、何かを訴えている。
日向は必死に頭を動かした。
蓮の花の絵、日向を呼んだ、日向の手…………。
「あっ……」
日向はある考えが浮かんで、ハッと顔を上げる。
すると楊は、日向のその反応を見て、パッと甘噛みしていた日向の手から離れた。
手が解放された途端、日向はその掴まれていた手に全快の力を込めていく。
周りに影響が及ばないよう、微弱な力で。
そして、再び蓮の絵に触れた。
直後……………………………
「うわっ…………!」
力が込められた手で触れた途端、その蓮の絵を中心に、線がゆっくりと現れた。
日向の力に導かれるように現れた線は、だんだんとその存在を見せ始め……
線は、扉を描いた。
「こんな所に、扉があったなんて……」
隠し扉なのだろうか。
床に綺麗な扉が現れると、扉は静かに開かれた。
その不思議な現象に、日向は息を飲む。
ゆっくりと開かれる扉、日向はそれを待っていると、
「……えっ?」
開いた扉の向こうには、階段があった。
終わりの見えない暗い階段は、下に続いている。
どうやら、地下のようだ。
「何これ……」
「ピィ!」
暗すぎる、なんなんだこの階段は。
あまりにも終わりが見えない階段に、日向は恐怖心が煽られる。
が、そんな日向を他所に、待ってました!というように、楊は元気よくその階段を飛んで下った。
挑戦心が強いのか、暗いところが好きなのか。
とにかく、楊の行動に日向は驚愕している。
「えっ、嘘でしょ!?さすがに魁蓮呼んだ方がいいんじゃねえの!?僕、怒られんの嫌なんだけど!!」
「ピィ~」
扉も開けた、楊は行ってしまった。
当然、今の日向に逃げるという選択肢などなく、ひとりでに進んでいく楊に、日向は慌ててついて行った。
緊張しながら、楊から離れないようにと早足で……。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説



みどりとあおとあお
うりぼう
BL
明るく元気な双子の弟とは真逆の性格の兄、碧。
ある日、とある男に付き合ってくれないかと言われる。
モテる弟の身代わりだと思っていたけれど、いつからか惹かれてしまっていた。
そんな碧の物語です。
短編。

そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。




ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる