ヒロインさん観察日記

蒼碧翠

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その時の子供たち ~ ガーデンパーティーにおける報告書 ~

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 御披露目ガーデンパーティーにおいて、アルフォンソ様が親しくお話をされていた方、気にかけられていた方、苦手なご様子だった方は、次の通りである。



 ◎親しくされていた方


 イアトス・ソリネミワ (7歳)
  
 ・現近衛騎士団団長 次男  (長剣が得意)

 ・明るめの金髪

 ・澄んだ青空色の瞳

 ・現在、少し脳筋発言が多い
  (これからの教育が期待される)
  
 ・たまに失言も有り
  (その場合、兄より肉体による教育的指導が入る)

 ・甘い物が大好き
  (ガーデンパーティーにて出されていた、全種類のスイーツ類を最低3周はして食べていた、との目撃談多数有り)

 ・ガーデンパーティー開始時、アルフォンソ様を『姫』だと思い、反射的に『騎士の礼』を捧げ、周りの年長者たちを慌てさせていた
  (アルフォンソ様が『騎士の礼』の意味をまだ理解されておらず、返礼を返す前であった為、今回は見逃され、その場では大事には至らなかったが、帰宅後、父親と礼儀作法の教師による教育的指導が強化された)

 ・下記の『ロノイ・カフィラ』とは従兄弟同士である


 △イアトス殿は明るく人当たりも良く、騎士としての理想像をもっており、アルフォンソ様にとっては良い兄的存在として捉えられているようすが、見受けられた



 ロノイ・カフィラ (6歳)

 ・南方辺境伯 四男  (短剣の両刀遣い)

 ・明るめの茶髪

 ・深い緑の瞳

 ・涙脆いところがある
  (心優しく、他人に感情移入しやすい為、これから精神的鍛練が必要と思われる)

 ・肉類が大好き
  (ガーデンパーティーにて出されていた全種類の肉類の料理を食べた後、気に入った料理の前に居続け、皿に料理がなくなると次の料理に移り、新たに料理が提供されたらまた前の料理に戻り、というのを数回繰り返してたという目撃談多数)

 ・兄2人と姉1人がすでに成人済みであり、他学園に在学中の兄と姉が1人づついる6人兄弟の末子である為、半年しか年の差がない従兄弟『イアトス・ソリネミワ』に非常に強いライバル心を持っている


 △自分が末子である為、ガーデンパーティーでは頼られる事に当初戸惑いも見られたが、現在、年下のアルフォンソ様に高い関心があるようである





 ◎気にかけられて方



 ハミーユ・ノダイヨ (9歳)

 ・現宰相 嫡男 (このままいけば次期宰相候補)

 ・落ち着いたブルーグレーの髪

 ・紫紺の瞳

 ・『100年に1人の秀才』と言われる神童であり、すでに学力は上級仕官より上である
  (と言われているが、正式な学力検査はまだ行われていない為、正確な学力はまだ未確定であるが、少なくとも非公式で行われた上級仕官採用試験問題と同等の口頭の問答では、答えられなかったり、答えに詰まったと言う事はなかった)

 ・パン類が大好き
  (ほっておくとパンしか食べない為、自宅では食事を取らす為毎食、必ずサンドイッチやドッグなど惣菜系のパンを数種類用意されている)


 □年の離れた妹がいる為面倒見が良く、大抵の事は自分で対処出来てしまう為、面倒事を持ち込まれ易い、苦労人気質なところがあるが、自分が大切ではないと思った相手に対しては、かなりキツい突っ込みをする場面が見られた。アルフォンソ様に対しては、そつのない対応ではあったが、まだ様子見をしているようで、その雰囲気を感じ取られたのか、アルフォンソ様はハミーユ殿に対し、気にはなっているが、少し距離を置かれていた。





 ◎苦手なご様子だった方


 ニシノ・タケオ (7歳)

 ・東方同盟国 第3王子  (母国語での表記は『武王 仁紫乃』)

 ・黒髪だが陽にかざすと茶が強く見える

 ・黒に近い濃紺の瞳

 ・武術全般得意
  (中でも刀が得意で、自分に合わせて打った業物を常に側に置いている)

 ・魚類が大好き
  (自国では魚を生食する文化があり、今回のガーデンパーティーでは〈気温の問題で〉用意がされなかったのを、殊の他残念に思われていたようだ)

 ▼表情を読まれない訓練をかなり厳しくされていて、いつも飄々とされており、しかもなかなか掴み処のない性格らしく、ガーデンパーティーでは、アルフォンソ様が引いてる場面も見られ、少し苦手なご様子だった。しかし、数年後には学園に留学されてくる予定になっているので、お互いに友好を育んで頂きたく思われる





 《影による報告書 一部抜粋》






 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 5月29日


 アルフォンソの誕生日から3日が過ぎ、今日、ガーデンパーティーでの報告書が、影からあった。

 もしかして、と思っていたがやっぱりか・・・

 まだ学友候補者の候補の段階ではあるが、記憶にある名前と特徴がある。

 あとは婚約者候補の報告書が成されるのを待って、ソフィーとじっくり話さないと。
 問題は、ソフィーの記憶がどこまで戻ってるかだが・・・最悪私1人が動く事になるが、この国の未来にも関わる事だからな。

 場合によれば、アルフォンソに伝える事もしないといけないだろう。
 その見極めをいつするか・・・

 ま、アルフォンソは教育が始まったばかりだから、まだしばらくは猶予があるだろう。
 他の者も、これからの教育次第では変わるだろうし、これからも影の報告が重要になってくるな。

 あぁぁぁぁぁ!!
 影の人数が足りん!!
 影は使えるようになるまで時間が掛かるし、他にも割かないといけない部署も人員もいるし!!!
 使える人材が欲しいっっ!!!!






 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 こうして、アルフレッドが言葉に出せない心の内を日記に書きなぐっていた時、お気に入りであるお忍び用ワンピースのウエストがどう頑張っても入らず、ソフィリアは1人、泣き崩れていた。

 周りにいた優秀な侍女たちは、そっと目を逸らし、ソフィリアから声がかかるまで、見て見ぬ振りを続ける。


 もちろん、この事も影からアルフレッドに報告がなされ、アルフレッドの疲れていた心に、笑いと癒しをもたらしたのであった。





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