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勇者を部下にする男。
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「え?それってつまり、私は瘴気を消して世界を救えってことですか?」
「話が早くて助かります」
(いやいやいやいや、冗談じゃないぞ!!)
「いやいやいやいや!私、普通のOLですよ!?わかる?OL,オフィスレディ、事務方なのよ。書類かきかきする人。戦えるわけないじゃないですか!!」
(いい年こいて何言ってんだと思われるかもだけどさ!無理でしょ!!!)
私が焦って抗議すると彼は鼻で笑った。
「異世界から召喚されたものは何か特別な力を与えられているはずですよ」
(特別な力ってなんだ!?魔法!?どんなムリゲーだよ。)
「どんな力かも、どうやって使えるかもわからないのに戦えっておかしいですよ!」
私が抗議していると彼は私をじっと見た。そして言う。
「レイ・ブラッドベルグの名において命じます。貴女は勇者となり世界を救うのです」
「……」
(何それ?そんなの脅しじゃん!どんだけ偉そうなのよこの世界の男は!)
そんなの私はごめんだとばかりに席から逃げたが、彼に腕を掴まれて引き寄せられた。そして私の耳元で彼は囁いた。
筋肉しつのがっちりボディは超ストライクなのだが、勇者は勘弁してほしい。
科学とかさ、知恵で災害の援助とかなら喜んでやるが「勇者」だぞ。どんだけラノベ世界なんだよ。無理!
「ナナミ様。私は王国騎士団長のレイ・ブラッドベルグだ」
「……」
(いくら偉い人だからって、いきなり自己紹介?タメ口きいてくるのって失礼すぎない!?)
私が睨んでいると彼は言った。
「俺は団長だ。命令は絶対だからな」
(なんて傲慢なセリフ!しらんがな)
「しらんがなそんなこと!」
(こんなの許せん!)と内心おもっていると、彼は言った。
「お前は今日から俺の直属の部下になる」
「え?」
(まさか、こいつの支配下?冗談ポイポイだぞ)
「あの……私は冒険者登録したいんですけど……」
ブラック企業から解放されて、自由に生きたいのに。そして、日本の科学と技術力で細々と生きていければ……。
「ダメだ。お前は俺の部下だ」
(は?部下。なぜそこまで私を部下にしたいの?)
「……じゃあ、せめてそのしゃべり方なんとかなりませんか?もっと普通に話せないんですか?」
(なんかちょっと怖いくらいなんだけど!)
私が言うとレイ団長は不機嫌になった。眉根をよせて私を睨む。
「このしゃべり方が普通だ」
ムスッとしながら、ハッキリと言い放つ。
(なんで私の周りの人はみんな敬語を使わないの?)
「ふつう、ふつうって……私の世界はそれが普通なんです。だいたい勇者ってどういうことですか?私そんなの無理です」
私が言うと彼は少し考えるそぶりを見せたがすぐに言った。
「お前の国ではどうだったか知らんが、ここではこれが普通なんだ」
(つまりこの世界の礼儀作法も違うのか……)
私はあきらめたようにため息をついた。これ以上言っても無駄なようだし、レイ団長はおそらく
「私が勇者である」
ということ以外は何も聞いてくれないだろう。
(なんかもう面倒くさくなってきたな。)
私はレイ団長をじっと見た。そして言った。
「わかりました」
(もういいや。この世界で勇者やってやりますか)
もうどうにでもなれと思いながら言うと、彼はふっと笑った。そして私の手をとった。
「じゃあ今から城へ向かうぞ」
「へ?」
彼は私を連れて馬屋に向かった。私は自分の服に着替え、荷物を馬に乗せようとしたのだがレイ団長はそれも一緒に持つと
「さっさと城にいくぞ」
と私を促した。
(なんなのこの人、行動がいちいち偉そうね)
私はそう思いながらも黙って彼に従った。
「話が早くて助かります」
(いやいやいやいや、冗談じゃないぞ!!)
「いやいやいやいや!私、普通のOLですよ!?わかる?OL,オフィスレディ、事務方なのよ。書類かきかきする人。戦えるわけないじゃないですか!!」
(いい年こいて何言ってんだと思われるかもだけどさ!無理でしょ!!!)
私が焦って抗議すると彼は鼻で笑った。
「異世界から召喚されたものは何か特別な力を与えられているはずですよ」
(特別な力ってなんだ!?魔法!?どんなムリゲーだよ。)
「どんな力かも、どうやって使えるかもわからないのに戦えっておかしいですよ!」
私が抗議していると彼は私をじっと見た。そして言う。
「レイ・ブラッドベルグの名において命じます。貴女は勇者となり世界を救うのです」
「……」
(何それ?そんなの脅しじゃん!どんだけ偉そうなのよこの世界の男は!)
そんなの私はごめんだとばかりに席から逃げたが、彼に腕を掴まれて引き寄せられた。そして私の耳元で彼は囁いた。
筋肉しつのがっちりボディは超ストライクなのだが、勇者は勘弁してほしい。
科学とかさ、知恵で災害の援助とかなら喜んでやるが「勇者」だぞ。どんだけラノベ世界なんだよ。無理!
「ナナミ様。私は王国騎士団長のレイ・ブラッドベルグだ」
「……」
(いくら偉い人だからって、いきなり自己紹介?タメ口きいてくるのって失礼すぎない!?)
私が睨んでいると彼は言った。
「俺は団長だ。命令は絶対だからな」
(なんて傲慢なセリフ!しらんがな)
「しらんがなそんなこと!」
(こんなの許せん!)と内心おもっていると、彼は言った。
「お前は今日から俺の直属の部下になる」
「え?」
(まさか、こいつの支配下?冗談ポイポイだぞ)
「あの……私は冒険者登録したいんですけど……」
ブラック企業から解放されて、自由に生きたいのに。そして、日本の科学と技術力で細々と生きていければ……。
「ダメだ。お前は俺の部下だ」
(は?部下。なぜそこまで私を部下にしたいの?)
「……じゃあ、せめてそのしゃべり方なんとかなりませんか?もっと普通に話せないんですか?」
(なんかちょっと怖いくらいなんだけど!)
私が言うとレイ団長は不機嫌になった。眉根をよせて私を睨む。
「このしゃべり方が普通だ」
ムスッとしながら、ハッキリと言い放つ。
(なんで私の周りの人はみんな敬語を使わないの?)
「ふつう、ふつうって……私の世界はそれが普通なんです。だいたい勇者ってどういうことですか?私そんなの無理です」
私が言うと彼は少し考えるそぶりを見せたがすぐに言った。
「お前の国ではどうだったか知らんが、ここではこれが普通なんだ」
(つまりこの世界の礼儀作法も違うのか……)
私はあきらめたようにため息をついた。これ以上言っても無駄なようだし、レイ団長はおそらく
「私が勇者である」
ということ以外は何も聞いてくれないだろう。
(なんかもう面倒くさくなってきたな。)
私はレイ団長をじっと見た。そして言った。
「わかりました」
(もういいや。この世界で勇者やってやりますか)
もうどうにでもなれと思いながら言うと、彼はふっと笑った。そして私の手をとった。
「じゃあ今から城へ向かうぞ」
「へ?」
彼は私を連れて馬屋に向かった。私は自分の服に着替え、荷物を馬に乗せようとしたのだがレイ団長はそれも一緒に持つと
「さっさと城にいくぞ」
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(なんなのこの人、行動がいちいち偉そうね)
私はそう思いながらも黙って彼に従った。
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