バリキャリOL異世界転生！勇者とかムリゲーです。

ここは異世界ってやつですね

馬からおろしてもらい、大きな門につく。
甲冑を着た門番らしき男性に制止された。

「身分証か通行許可書は？」

（あちゃー、そういうの必要なのね。っつーか、この建物と言い、甲冑と言いどう見ても日本じゃないわね）

「あ、えっと、持ってないです。でも街に入りたいんですけど」

「名前は？」

「ナナミです」

「どこから来たんだ？」

門番らしき男性がじろじろと私を見た。警戒されているのがわかる。

（まさか異世界からきたなんて言えないよね）

「すみません。日本って国なんですけど・・・」

（わかってもらえるかなぁ、頭のおかしな人間と思われるかな。どうしたものか。）

私が困りながら答えると彼は目を大きくした。
そしてしばらく黙ったあと何かわかったようだ。
彼はもうひとりの門番に何か話している。

「団長！！」

門番のひとりが叫んだ。もう一人も驚いている。どうやら偉い人らしい。

（団長と呼ばれたってことは、この人はかなり身分が高い人なのかしら）

彼は私に言った。

「ついてきてください」

門番の男性が彼の執務室に案内してくれた。
質素ながら品のいい部屋だ。私は椅子に座らされ、お茶とフルーツをだされた。

（とりあえずは歓迎してくれるのかな）

「ありがとうございます」

ほっとしたのも束の間、彼は私の前でひざまずいた。

（はい？何事？？そしていきなりのひざまずきって？お姫様でもなんでもない、しがないアラフォーOLだぞ）

この時に、とっとと逃げていればよかった。

まさか、爆弾発言を聞くとは思わなかった。。。