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第二章 イケメンスローライフ?
49.異世界の不思議
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俺は畑に向かうと、目の前の光景に驚いた。
「畑から肉が生えてる……?」
この世界にきた時、男性でも子供が産めることに驚いた。
だが、それに近い衝撃を受けている。
「茎が骨みたいになってるのか?」
肉だと思われる植物に触れると、硬く芯がしっかりとしていた。
白くて硬い茎が伸びており、その先に肉の塊のようなものが1つずつ実っている。
"畑の肉"や"大地の黄金"と呼ばれているものが地球でも存在していたがそれとは別物だ。
栄養成分が凝縮しており、様々なものにも使われている畑の肉と言われている大豆には全く見えない。
「異世界版の大豆ってことかな?」
大豆とは見た目が全く異なるが、魔果と同じようなことなんだろう。
異世界だから何があってもおかしくないよな。
周囲にはイケメンばかりだしな。
あっ、あの気持ち悪いモブは別物だ。
その後も畑の中を回っていたが、種類によって肉の性質や部位のような違いがあった。
牛肉のような赤身が強いものや、脂肪分が多く豚肉に近い畑の肉がある。
「実はニャンタってベジタリアンってことか」
畑の肉を食べているニャンタは、実は野菜好きってことだよな。
一通り見て回ったが、ニャンタとリッパーはこっちに来る様子もない。
すぐに来ると思っていたが、既に10分は経過しているだろう。
俺はゆっくりと家の窓から家を覗くと、上半身裸のリッパーに手を触れているニャンタがいた。
「あいつらできているのか?」
怖いと思っていたはずのリッパーに、ニャンタは優しく触れていた。
実はそういう関係だとバレないためにも、あれだけツンツンしていたのか?
「確かあの時リッパーはすぐに扉を閉めたよな?」
リッパーの家に来た瞬間を思い出した。
あの時は一度扉を開けたリッパーはニャンタを見て扉を閉めた。
そしてニャンタもリッパーをジッと見つめていた。
家を知っている仲なのも、本当はバレないようにしていたのかもしれない。
俺は静かに心の奥底に今見た光景に蓋をした。
邪魔にならないようにその場からゆっくりと離れる。
『トモヤあそこが気になるから行ってみて』
カレンに言われた通りに畑の端に行くと、柵の近くにひっそりと芽を出している植物があった。
「これが気になるやつか?」
『自然の加護を持っているトモヤなら力になると思うよ』
カレンが言うことは間違いではないが、危険なことが多い。
前回も大量に薬草を見つけることができたが魔物に囲まれたりなど散々な目にあった。
「んー、それは信じていいのか?」
『私を疑うのー?』
「いや、そんなことはないけど植物なんて育てたことないぞ?」
植物って枯れやすいから、適当に育てたら枯れてしまうだろう。
初心者の俺が育てるより、リッパーの方が良い気がする。
『トモヤなら大丈夫だと思うよ?』
それでもカレンは俺が育てるように誘導してくる。
そこまで言われたら断れない気がした。
「とりあえずリッパーに相談してみるよ」
あれからさらに時間が経っているが、まだ来る様子はない。
きっとイチャイチャして、俺の存在を忘れていそうだな。
むしろ忘れられているぐらいがちょうど良いのだろう。
そんなことを思っていると玄関から二人が出てきた。
いつもと変わらない二人……ではなかった。
どこかすっきりとした顔のニャンタの後ろから、少し顔を赤くして笑っているリッパーがいた。
あー、リパニャンかと思ったら、今の表情でなんとなく気づいてしまった。
本当はニャンリパだった。
ニャンタがネコらしくにゃんにゃんしているのかと思ったが、やはりそこはトラだった。
ウェンベルグ公爵家の二人も、見た目とは正反対だったもんな。
自分より大きくてイカツイ仏頂面のリッパーがにゃんにゃんする方だったとはね。
「異世界って何が起こるかわからないな」
『なーに?』
カレンにはこの状況を理解できていないのだろう。
あまり考えてはいなかったが、カレンって話し方からまだ子どものような気がする。
子どもにこの教育はいけないと思い、胸ポケットに入っているカレンから二人の姿が見えないように俺は隠した。
「畑から肉が生えてる……?」
この世界にきた時、男性でも子供が産めることに驚いた。
だが、それに近い衝撃を受けている。
「茎が骨みたいになってるのか?」
肉だと思われる植物に触れると、硬く芯がしっかりとしていた。
白くて硬い茎が伸びており、その先に肉の塊のようなものが1つずつ実っている。
"畑の肉"や"大地の黄金"と呼ばれているものが地球でも存在していたがそれとは別物だ。
栄養成分が凝縮しており、様々なものにも使われている畑の肉と言われている大豆には全く見えない。
「異世界版の大豆ってことかな?」
大豆とは見た目が全く異なるが、魔果と同じようなことなんだろう。
異世界だから何があってもおかしくないよな。
周囲にはイケメンばかりだしな。
あっ、あの気持ち悪いモブは別物だ。
その後も畑の中を回っていたが、種類によって肉の性質や部位のような違いがあった。
牛肉のような赤身が強いものや、脂肪分が多く豚肉に近い畑の肉がある。
「実はニャンタってベジタリアンってことか」
畑の肉を食べているニャンタは、実は野菜好きってことだよな。
一通り見て回ったが、ニャンタとリッパーはこっちに来る様子もない。
すぐに来ると思っていたが、既に10分は経過しているだろう。
俺はゆっくりと家の窓から家を覗くと、上半身裸のリッパーに手を触れているニャンタがいた。
「あいつらできているのか?」
怖いと思っていたはずのリッパーに、ニャンタは優しく触れていた。
実はそういう関係だとバレないためにも、あれだけツンツンしていたのか?
「確かあの時リッパーはすぐに扉を閉めたよな?」
リッパーの家に来た瞬間を思い出した。
あの時は一度扉を開けたリッパーはニャンタを見て扉を閉めた。
そしてニャンタもリッパーをジッと見つめていた。
家を知っている仲なのも、本当はバレないようにしていたのかもしれない。
俺は静かに心の奥底に今見た光景に蓋をした。
邪魔にならないようにその場からゆっくりと離れる。
『トモヤあそこが気になるから行ってみて』
カレンに言われた通りに畑の端に行くと、柵の近くにひっそりと芽を出している植物があった。
「これが気になるやつか?」
『自然の加護を持っているトモヤなら力になると思うよ』
カレンが言うことは間違いではないが、危険なことが多い。
前回も大量に薬草を見つけることができたが魔物に囲まれたりなど散々な目にあった。
「んー、それは信じていいのか?」
『私を疑うのー?』
「いや、そんなことはないけど植物なんて育てたことないぞ?」
植物って枯れやすいから、適当に育てたら枯れてしまうだろう。
初心者の俺が育てるより、リッパーの方が良い気がする。
『トモヤなら大丈夫だと思うよ?』
それでもカレンは俺が育てるように誘導してくる。
そこまで言われたら断れない気がした。
「とりあえずリッパーに相談してみるよ」
あれからさらに時間が経っているが、まだ来る様子はない。
きっとイチャイチャして、俺の存在を忘れていそうだな。
むしろ忘れられているぐらいがちょうど良いのだろう。
そんなことを思っていると玄関から二人が出てきた。
いつもと変わらない二人……ではなかった。
どこかすっきりとした顔のニャンタの後ろから、少し顔を赤くして笑っているリッパーがいた。
あー、リパニャンかと思ったら、今の表情でなんとなく気づいてしまった。
本当はニャンリパだった。
ニャンタがネコらしくにゃんにゃんしているのかと思ったが、やはりそこはトラだった。
ウェンベルグ公爵家の二人も、見た目とは正反対だったもんな。
自分より大きくてイカツイ仏頂面のリッパーがにゃんにゃんする方だったとはね。
「異世界って何が起こるかわからないな」
『なーに?』
カレンにはこの状況を理解できていないのだろう。
あまり考えてはいなかったが、カレンって話し方からまだ子どものような気がする。
子どもにこの教育はいけないと思い、胸ポケットに入っているカレンから二人の姿が見えないように俺は隠した。
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