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第五章 冬の嵐
143.偽聖女、この世界の医者にイライラする
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私達は男達に近づくと、邪魔者を排除するような威圧的な視線を向けて睨みつけた。
それを感じ取ったアルヴィンとアスピリンは剣に手をかけた。
「ここは騎士が戦う場所ではないですよ」
私は二人の背中に軽く触れて近づく。
「孤児院を任せられているマミと申します。王太后様の病態を聞いてもよろしいですか?」
私の言葉にさらに態度は悪くなる。
目の前で唾を吐く人が現れるぐらいだ。
「女がこんなところになんのようだ? 医の道もわからない小娘が高貴な私達に話しかけるではない」
「そんなに話したいなら、股の一つでも開いたらどうだ」
「ははは、それが良い」
やはりこの国の男はクソばかりだ。
アルヴィンやバッカアが断然良い男に見えてくる。
あのバッカアだって、バカなのは否定できないがまだ素直な男性だ。
バカなのはどうしようもないが……。
「貴様、マミ先生になんてことを――」
「ははは、騎士の分際で私達医者に何もできないだろう」
「くっ!」
この世界で医者はよほど立場が良い扱いなんだろう。
貴族であるアルヴィンにもどうしようもできない状況の気がした。
そんな中、必死に頭を抱えて考えている男性がいた。
「すみません、あなたなら話が通じそうなのでお話を伺ってもよろしいですか?」
「あっ、はい」
少し幼さが残るメガネをかけた知的な男性だ。
天然パーマなのか髪の毛がくるくるしており、アホ毛が飛び出ている。
どこか孤児院にいる子ども達を思い出してしまう風貌をしていた。
「王太后様は数日前から呪いにかかり、何かしらの内臓に病気が移ったように思います。症状は熱と咳、息苦しさの訴えがあります」
インフルエンザから他の病気になったことまでは理解していた。
思ったよりも勉強ができる子なんだろう。
「ただ、僕には治療の仕方や状態までは把握できませんでした」
「そうだろうな! お前みたいな未熟な医者がわかるわけない。そもそも王太后は大きな呪いになったんだ!」
「むしろ早く死んで呪いを撒き散らさないようにして欲しいぐらいだ」
屋敷で働く使用人の前で患者の悪口を言っている男達に腹が立ってくる。
王太后がどこにいるかはわからないが、聞こえているのかもしれない。
そう思ったら私は知らない間に体が動いていた。
――パチン!
私は男達に平手打ちをしていた。
「あなた達それでも医者ですか?」
「貴様私に――」
「王太后は呪いではありません。それを呪いだと言って目の前の現実を理解しようともしない人が医者を名乗る資格はないです」
「女のくせに生意気な」
「お前達は男の上に乗って、ただただ子どもを孕んでおけば――」
「それ以上汚い口を開いたら首が飛ぶぞ」
私がもう一度叩く前にアルヴィンが、すでに剣を抜いて首に当てていた。
同様にアスピリンも剣も抜いていたが、副団長という役職もあり手が出せないのだろう。
この世界の医者はクズばかりで腹立たしい。
使用人のなかには女性もいるため、ずっとこんな感じだったら悔しい思いをしているのかもしれない。
虫唾が走る男達に使用人の女性達が嫌なことをされていないのか心配だ。
そもそも王太后がちゃんと診てもらっているのかも疑問になってくる。
「そこの若い医者はついて来てもらって良いですか?」
「えっ、僕ですか?」
私は彼に頷くと、さっきまでのホワホワしていた表情はキリッとした。
彼はきっと良い医者になる気がした。
まぁ、まだまだ経験年数が少ない私が言えたことではないけどね。
「すみません、王太后様のお部屋に連れて行ってもらってもいいですか?」
「はい!」
「あとは部屋の中の換気と消毒をお願いします」
マスクとアルコールを渡されて困惑していたが、あとはアルヴィン達に任せれば良いだろう。
他の医者達も剣を向けられたら何もできないはず。
私は若い医者とともに王太后が寝ている部屋に向かった。
それを感じ取ったアルヴィンとアスピリンは剣に手をかけた。
「ここは騎士が戦う場所ではないですよ」
私は二人の背中に軽く触れて近づく。
「孤児院を任せられているマミと申します。王太后様の病態を聞いてもよろしいですか?」
私の言葉にさらに態度は悪くなる。
目の前で唾を吐く人が現れるぐらいだ。
「女がこんなところになんのようだ? 医の道もわからない小娘が高貴な私達に話しかけるではない」
「そんなに話したいなら、股の一つでも開いたらどうだ」
「ははは、それが良い」
やはりこの国の男はクソばかりだ。
アルヴィンやバッカアが断然良い男に見えてくる。
あのバッカアだって、バカなのは否定できないがまだ素直な男性だ。
バカなのはどうしようもないが……。
「貴様、マミ先生になんてことを――」
「ははは、騎士の分際で私達医者に何もできないだろう」
「くっ!」
この世界で医者はよほど立場が良い扱いなんだろう。
貴族であるアルヴィンにもどうしようもできない状況の気がした。
そんな中、必死に頭を抱えて考えている男性がいた。
「すみません、あなたなら話が通じそうなのでお話を伺ってもよろしいですか?」
「あっ、はい」
少し幼さが残るメガネをかけた知的な男性だ。
天然パーマなのか髪の毛がくるくるしており、アホ毛が飛び出ている。
どこか孤児院にいる子ども達を思い出してしまう風貌をしていた。
「王太后様は数日前から呪いにかかり、何かしらの内臓に病気が移ったように思います。症状は熱と咳、息苦しさの訴えがあります」
インフルエンザから他の病気になったことまでは理解していた。
思ったよりも勉強ができる子なんだろう。
「ただ、僕には治療の仕方や状態までは把握できませんでした」
「そうだろうな! お前みたいな未熟な医者がわかるわけない。そもそも王太后は大きな呪いになったんだ!」
「むしろ早く死んで呪いを撒き散らさないようにして欲しいぐらいだ」
屋敷で働く使用人の前で患者の悪口を言っている男達に腹が立ってくる。
王太后がどこにいるかはわからないが、聞こえているのかもしれない。
そう思ったら私は知らない間に体が動いていた。
――パチン!
私は男達に平手打ちをしていた。
「あなた達それでも医者ですか?」
「貴様私に――」
「王太后は呪いではありません。それを呪いだと言って目の前の現実を理解しようともしない人が医者を名乗る資格はないです」
「女のくせに生意気な」
「お前達は男の上に乗って、ただただ子どもを孕んでおけば――」
「それ以上汚い口を開いたら首が飛ぶぞ」
私がもう一度叩く前にアルヴィンが、すでに剣を抜いて首に当てていた。
同様にアスピリンも剣も抜いていたが、副団長という役職もあり手が出せないのだろう。
この世界の医者はクズばかりで腹立たしい。
使用人のなかには女性もいるため、ずっとこんな感じだったら悔しい思いをしているのかもしれない。
虫唾が走る男達に使用人の女性達が嫌なことをされていないのか心配だ。
そもそも王太后がちゃんと診てもらっているのかも疑問になってくる。
「そこの若い医者はついて来てもらって良いですか?」
「えっ、僕ですか?」
私は彼に頷くと、さっきまでのホワホワしていた表情はキリッとした。
彼はきっと良い医者になる気がした。
まぁ、まだまだ経験年数が少ない私が言えたことではないけどね。
「すみません、王太后様のお部屋に連れて行ってもらってもいいですか?」
「はい!」
「あとは部屋の中の換気と消毒をお願いします」
マスクとアルコールを渡されて困惑していたが、あとはアルヴィン達に任せれば良いだろう。
他の医者達も剣を向けられたら何もできないはず。
私は若い医者とともに王太后が寝ている部屋に向かった。
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