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第二区画
99. あれ? オークはどこですか?
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俺はもうスカベンナーには関わらないようにしてオークの回収に向かう。
さっき桃乃を助けるときに倒したやつが、集落の中でそのまま残っているはずだ。
たしか倒したところは集落の入り口付近。
建物から出るとちょうど集落の入り口付近だったため、覚えている範囲で向かうがオークの姿は全く見当たらなかった。
「先輩どうしたんですか?」
俺を心配してなのか後ろには桃乃がついてきている。
「ああ、オークを回収しようと思って……」
俺はそう伝えると桃乃は頷いていたが、なぜか腕の中にいるスカベンナーはビクッとしてどこか遠くを見ていた。
俺の中の何かが嫌な予感を感じている。
周囲を見渡すとそこにはオークの鎧だけが落ちていた。オーク達は桃乃に興奮して自分で鎧を脱いでいたため、そのまま置いてあるとは思っていた。
ただ、問題なのは倒したはずのオークの死体がない。
「なぁ、ももちゃん?」
「どうしましたか?」
「俺が倒したオークって回収したか?」
「いや、集落に入ってからは先輩の看病で必死でしたよ。それに私は攻撃していないので回収できないです」
「そうか」
俺は桃乃の方に振り変えると、スカベンナーはどこかへ逃げようとしていた。
「桃乃! そのままスカベンナーを捕まえておけ!」
「はい!」
急に俺が桃乃と呼んだからか、本人も驚き身が引き締まったようだ。
逃げ出そうとしているスカベンナーをしっかり捕まえていた。
「おい、お前がオークを食べただろ?」
俺がスカベンナーに声をかけると首を横に振っている。反応を示すってことは言葉を理解しているということだ。
「ももちゃんはどう思う?」
「んー、見た目がハイエナだからないとは言えないですね」
確かに桃乃が言う通り見た目はハイエナそっくりだ。ハイエナってライオンなどが狩った獲物を横取りするイメージが俺の中にはあった。
それに表示されれ名前の由来が気になっていた。
名前がスカベンナーなのだ。
スカベンってスカベンジャーという言葉とどこか似ている。
もしそれが事実ならゴミクズや腐食肉を集めるハイエナという意味になるのだろう。
「おい、もう一度確認するけど嘘をついたらどうなるかわかっているよな?」
俺は装備から魔刀の鋸を取り出し、スカベンナーを脅すことにした。
「お前がオークを食べたのか?」
言葉を理解しているのであれば、ここでスカベンナーの反応があるはずだ。もしくは、魔物の本能で命の危機を感じて攻撃をしてこれば対処しやすい。
そんな俺とスカベンナーの様子を桃乃は心配そうに見ていた。桃乃自身も手が震えている。
可愛がっていた魔物が自分の目の前で斬られるかも知れないと思えば仕方ない。
俺も本気で殺すわけではないが、スカベンナーも魔物だ。俺達に害をなす存在であれば倒すしかない。
魔物の素材は思ったよりも値段が高値だからな。
しかし、スカベンナーの反応は違った。魔刀の鋸や俺ではない何かに怯えていたのだ。
「もうやめてください。最低です!」
流石に俺も可哀想に思い武器をしまった。それでもスカベンナーはずっと怯えている。
「おい、大丈夫か?」
俺が軽く触れると動物であれば威嚇すると思ったが、スカベンナーは変わらず震えていた。
「ほら! 先輩が驚かすからベンが怯えているじゃないですか」
「ああ、すまない」
俺は罪悪感に押し潰されそうになり、武器を収納する。
それにしても、怯え方が尋常じゃない。
「俺が悪かったよ」
「そうです。先輩が悪いんです」
桃乃は相変わらず俺の心を抉るのが上手いようだ。ひょっとしたら魔物よりも強い存在だろう。
俺と桃乃が必死にスカベンナーを宥めていると、次第に落ち着きを取り戻す。
「怯えさせてすまないな」
俺がスカベンナーに謝ると、言葉自体は理解しているのだろう。先程までの態度とは違い、にやりと笑う普段のスカベンナーに戻っていた。
これで一件落着……とはいかない。
まだいくらになるかはわからないが、値段を知るために、一体だけでも回収する必要がある。
「それでオークは食べたんか?」
俺の言葉にスカベンナーは首を横に振っていた。コボルトのときにも感じたが、動物に近い魔物はかなり知能が高いと思う。
スカベンナーは桃乃の腕から飛び降りると、ついて来いと言わんばかりに振り返る。そのまま集落の奥に走っていく。
「オークがいるってことか?」
「きっとそうですよ。あの小さな体で流石に食べきれないですからね」
集落内で倒した魔物は二体いる。スカベンナーより何倍も大きい魔物をすぐに食べることは無理だろう。
俺と桃乃はスカベンナーの後をついていくことにした。
さっき桃乃を助けるときに倒したやつが、集落の中でそのまま残っているはずだ。
たしか倒したところは集落の入り口付近。
建物から出るとちょうど集落の入り口付近だったため、覚えている範囲で向かうがオークの姿は全く見当たらなかった。
「先輩どうしたんですか?」
俺を心配してなのか後ろには桃乃がついてきている。
「ああ、オークを回収しようと思って……」
俺はそう伝えると桃乃は頷いていたが、なぜか腕の中にいるスカベンナーはビクッとしてどこか遠くを見ていた。
俺の中の何かが嫌な予感を感じている。
周囲を見渡すとそこにはオークの鎧だけが落ちていた。オーク達は桃乃に興奮して自分で鎧を脱いでいたため、そのまま置いてあるとは思っていた。
ただ、問題なのは倒したはずのオークの死体がない。
「なぁ、ももちゃん?」
「どうしましたか?」
「俺が倒したオークって回収したか?」
「いや、集落に入ってからは先輩の看病で必死でしたよ。それに私は攻撃していないので回収できないです」
「そうか」
俺は桃乃の方に振り変えると、スカベンナーはどこかへ逃げようとしていた。
「桃乃! そのままスカベンナーを捕まえておけ!」
「はい!」
急に俺が桃乃と呼んだからか、本人も驚き身が引き締まったようだ。
逃げ出そうとしているスカベンナーをしっかり捕まえていた。
「おい、お前がオークを食べただろ?」
俺がスカベンナーに声をかけると首を横に振っている。反応を示すってことは言葉を理解しているということだ。
「ももちゃんはどう思う?」
「んー、見た目がハイエナだからないとは言えないですね」
確かに桃乃が言う通り見た目はハイエナそっくりだ。ハイエナってライオンなどが狩った獲物を横取りするイメージが俺の中にはあった。
それに表示されれ名前の由来が気になっていた。
名前がスカベンナーなのだ。
スカベンってスカベンジャーという言葉とどこか似ている。
もしそれが事実ならゴミクズや腐食肉を集めるハイエナという意味になるのだろう。
「おい、もう一度確認するけど嘘をついたらどうなるかわかっているよな?」
俺は装備から魔刀の鋸を取り出し、スカベンナーを脅すことにした。
「お前がオークを食べたのか?」
言葉を理解しているのであれば、ここでスカベンナーの反応があるはずだ。もしくは、魔物の本能で命の危機を感じて攻撃をしてこれば対処しやすい。
そんな俺とスカベンナーの様子を桃乃は心配そうに見ていた。桃乃自身も手が震えている。
可愛がっていた魔物が自分の目の前で斬られるかも知れないと思えば仕方ない。
俺も本気で殺すわけではないが、スカベンナーも魔物だ。俺達に害をなす存在であれば倒すしかない。
魔物の素材は思ったよりも値段が高値だからな。
しかし、スカベンナーの反応は違った。魔刀の鋸や俺ではない何かに怯えていたのだ。
「もうやめてください。最低です!」
流石に俺も可哀想に思い武器をしまった。それでもスカベンナーはずっと怯えている。
「おい、大丈夫か?」
俺が軽く触れると動物であれば威嚇すると思ったが、スカベンナーは変わらず震えていた。
「ほら! 先輩が驚かすからベンが怯えているじゃないですか」
「ああ、すまない」
俺は罪悪感に押し潰されそうになり、武器を収納する。
それにしても、怯え方が尋常じゃない。
「俺が悪かったよ」
「そうです。先輩が悪いんです」
桃乃は相変わらず俺の心を抉るのが上手いようだ。ひょっとしたら魔物よりも強い存在だろう。
俺と桃乃が必死にスカベンナーを宥めていると、次第に落ち着きを取り戻す。
「怯えさせてすまないな」
俺がスカベンナーに謝ると、言葉自体は理解しているのだろう。先程までの態度とは違い、にやりと笑う普段のスカベンナーに戻っていた。
これで一件落着……とはいかない。
まだいくらになるかはわからないが、値段を知るために、一体だけでも回収する必要がある。
「それでオークは食べたんか?」
俺の言葉にスカベンナーは首を横に振っていた。コボルトのときにも感じたが、動物に近い魔物はかなり知能が高いと思う。
スカベンナーは桃乃の腕から飛び降りると、ついて来いと言わんばかりに振り返る。そのまま集落の奥に走っていく。
「オークがいるってことか?」
「きっとそうですよ。あの小さな体で流石に食べきれないですからね」
集落内で倒した魔物は二体いる。スカベンナーより何倍も大きい魔物をすぐに食べることは無理だろう。
俺と桃乃はスカベンナーの後をついていくことにした。
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