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第一章 外れスキル
229.犯人 ※マルクス視点
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俺は宰相に呼ばれて図書館に戻っていた。
「冒険者様武器の何かあった時のために武器の準備をしてもらってもよろしいですか?」
「えっ!? こんなところで戦うのか?」
「わかりません。ただ、あそこにいた司書の存在が気になるんです」
宰相はこの城で働いている人の顔や家柄は基本的に記憶しているらしい。さすが国王の側近と言ったところか。
その宰相が言うには今日いた司書は初めて図書館にいた人物だと言っていた。
そこの何が気になるのか俺にはわからないから聞いたがため息を吐かれてしまった。
「私の知らない人物が城にいるという点と城の図書館に仕掛けられた強制進化の首輪の存在でわかりますか?」
「知らない人物と首輪か……そいつが仕掛けたということか?」
「正解です」
「うっし!」
俺の考えはどうやら合っていたようだ。俺は素直に喜んでしまった。
「冒険者様は本当に素直な方が多いんですね。では中に入りますね」
若干馬鹿にされている感じがするが、素直なのは良いことだからな。
俺は扉に手をかけて開けた。
――パリン!
開けた瞬間風が俺達の顔を靡いた。辺りには散らばる紙と本。どうやら風で飛ばされたようだ。
「冒険者様早急に司書探してもらっても良いですか? 窓は開かないような作りになってるんです」
宰相の言葉に俺はハッとした。窓が開かない仕組みなのに風が吹いているとはどういうことだろうか。
現に窓が……割られていた。
「逃してたまるか」
俺は窓際に近づくとすでに逃げる後ろ姿の人物がいた。
「追いかけます!」
「へっ!? ここは三階だぞ!」
俺はそのまま窓から飛び降りた。冒険者の体は丈夫だからな。
「つっ……」
強がったが痛みは一瞬だ。昔の俺ではこんなことをしたらすぐに腰がやられていたが、リハビリによる成果だろう。
「こらっ! お前逃げるなよ」
俺は逃げる人物を追いかけた。
腰につけていたハンマーの魔道具を発動させ大きく振りかぶって……投げた。
するとハンマーはそのまま逃げるやつに向かって飛んでいった。
結婚祝いとして冒険者達からもらった新調したばかりのハンマーだが一瞬にして押し返された。
やつの手のからは風属性の魔法が発動されたのだ。
気づいた時はやつは姿を消していた。犯人だと思われた人物を逃してしまった。
俺はハンマーを取りに行くとゾロゾロと出てきた鎧を着たやつらに囲まれていた。
「おい、そこのお前止まれ!」
「ん? なんだ?」
「城での武器は禁じられている。よってお前に処罰を与える」
いや、お前らも剣を俺に向けているではないか。
「すみませんー! その人は私が依頼した人です」
戸惑っている俺に宰相が走って来てくれた。
宰相の存在に気づいた鎧の男達は俺に謝るわけでもなく、そのままその場を去って行った。
本当に貴族ってタチが悪い。
「はぁ……はぁ……」
「大丈夫ですか?」
「いや……それはこっちのセリフですよ。急にあの高さから飛び降りるとは誰も思わないですよ」
いや、さっきまで追いかけていたやつもここから飛び降りて……あいつは風属性魔法を使って衝撃を吸収したのだろう。
「それでどうでした?」
「すみません逃してしまいました」
「そうですか。まだいつも管理している司書が別の部屋で眠らされているのを発見できたので幸い良いとしましょうか」
司書は隣の部屋で何かで眠らされていたらしい。
きっと計画的な犯行だったのだろう。
「そろそろ話も終わっていると思います。ケントくんのところへ戻りましょうか」
「ああ」
俺達はケントと国王がいる部屋に戻ることにした。
「冒険者様武器の何かあった時のために武器の準備をしてもらってもよろしいですか?」
「えっ!? こんなところで戦うのか?」
「わかりません。ただ、あそこにいた司書の存在が気になるんです」
宰相はこの城で働いている人の顔や家柄は基本的に記憶しているらしい。さすが国王の側近と言ったところか。
その宰相が言うには今日いた司書は初めて図書館にいた人物だと言っていた。
そこの何が気になるのか俺にはわからないから聞いたがため息を吐かれてしまった。
「私の知らない人物が城にいるという点と城の図書館に仕掛けられた強制進化の首輪の存在でわかりますか?」
「知らない人物と首輪か……そいつが仕掛けたということか?」
「正解です」
「うっし!」
俺の考えはどうやら合っていたようだ。俺は素直に喜んでしまった。
「冒険者様は本当に素直な方が多いんですね。では中に入りますね」
若干馬鹿にされている感じがするが、素直なのは良いことだからな。
俺は扉に手をかけて開けた。
――パリン!
開けた瞬間風が俺達の顔を靡いた。辺りには散らばる紙と本。どうやら風で飛ばされたようだ。
「冒険者様早急に司書探してもらっても良いですか? 窓は開かないような作りになってるんです」
宰相の言葉に俺はハッとした。窓が開かない仕組みなのに風が吹いているとはどういうことだろうか。
現に窓が……割られていた。
「逃してたまるか」
俺は窓際に近づくとすでに逃げる後ろ姿の人物がいた。
「追いかけます!」
「へっ!? ここは三階だぞ!」
俺はそのまま窓から飛び降りた。冒険者の体は丈夫だからな。
「つっ……」
強がったが痛みは一瞬だ。昔の俺ではこんなことをしたらすぐに腰がやられていたが、リハビリによる成果だろう。
「こらっ! お前逃げるなよ」
俺は逃げる人物を追いかけた。
腰につけていたハンマーの魔道具を発動させ大きく振りかぶって……投げた。
するとハンマーはそのまま逃げるやつに向かって飛んでいった。
結婚祝いとして冒険者達からもらった新調したばかりのハンマーだが一瞬にして押し返された。
やつの手のからは風属性の魔法が発動されたのだ。
気づいた時はやつは姿を消していた。犯人だと思われた人物を逃してしまった。
俺はハンマーを取りに行くとゾロゾロと出てきた鎧を着たやつらに囲まれていた。
「おい、そこのお前止まれ!」
「ん? なんだ?」
「城での武器は禁じられている。よってお前に処罰を与える」
いや、お前らも剣を俺に向けているではないか。
「すみませんー! その人は私が依頼した人です」
戸惑っている俺に宰相が走って来てくれた。
宰相の存在に気づいた鎧の男達は俺に謝るわけでもなく、そのままその場を去って行った。
本当に貴族ってタチが悪い。
「はぁ……はぁ……」
「大丈夫ですか?」
「いや……それはこっちのセリフですよ。急にあの高さから飛び降りるとは誰も思わないですよ」
いや、さっきまで追いかけていたやつもここから飛び降りて……あいつは風属性魔法を使って衝撃を吸収したのだろう。
「それでどうでした?」
「すみません逃してしまいました」
「そうですか。まだいつも管理している司書が別の部屋で眠らされているのを発見できたので幸い良いとしましょうか」
司書は隣の部屋で何かで眠らされていたらしい。
きっと計画的な犯行だったのだろう。
「そろそろ話も終わっていると思います。ケントくんのところへ戻りましょうか」
「ああ」
俺達はケントと国王がいる部屋に戻ることにした。
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