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第一章 外れスキル
194.決着
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俺達の目の前でまた合成魔法が発動しようとしていた。
「今度はどうする?」
「準備はしている。何回か近づくよ」
「わかった」
ラルフはグリッドを重ね合わせ、大きく膨れ上がったファイヤーボールを防いだ。
その隙間を俺は駆け走るが、魔法士達にはすでに気付かれていた。
「ファイヤーアロー」
今度はファイヤーボールではなく、矢の形をした火の矢が数本現れた。
魔法士が弓を引くように手を離すと同時に火の矢が向かってきた。
「ウィンドボール」
そのタイミングで空気の塊が触れると、矢の勢いは急に増した。
「熱っ!?」
急な矢の速さに俺は避けきれず魔法が腕を掠れた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
魔法士は俺が近づかないように火の矢の数を増やし魔法を連発した。
あまりの数に俺は避けきれない判断し身構えるとラルフの叫ぶ声が聞こえた。
「グリッド!」
矢が近づく瞬間にラルフはグリッドを俺の前に出した。矢はグリッドの触れると魔素に変わったが、それでも数が多く俺に当たって爆発するものもあった。
「あいつらしぶといな……」
「詠唱はまだか?」
「もう少しだ!」
「今のうちに時間を稼ぐぞ」
グリッドが魔法を打ち消すのに何かしらの制約があると気づいた魔法士は俺達に向かって速度重視で魔法を放った。
「グリッド!」
グリッドを横に連なるように並べると、矢はグリッドで全て防ぐことが出来た。
「ケントここなら大丈夫か?」
「いけるよ」
俺達の作戦はまだバレていないようだ。しかし、魔法士団の詠唱の方が先に終わっていた。
「よし、イケるぞ」
「待ってました!」
「あいつらを潰してやれ」
「メテオレイン」
後衛の魔法士が呪文を唱えると、俺達を囲うように直径1m以上はある岩の塊が無数に浮かんでいた。
「ははは! これなら防げないだろう」
「おい、お前たちやりすぎだ」
副団長は俺達を守るために詠唱を始めた。
「俺達は大丈夫です!」
ラルフは魔法士が今まで使った魔法から返還された魔素を取り込んでいた。
俺達はグリッドで魔法を分解して魔素を集めていたのだ。
「これで準備は大丈夫じゃ。ビー助戻ってくるのじゃ」
相手には見えないようにビー助とコロポが協力していたのだ。
実際は俺達四人?vs新人魔法士団三人で戦っていたのだ。
「出てこい! グリッドオオオォォォー!」
ラルフが叫ぶと俺達を中心に無数のグリッドが展開された。隙間はあるが半円のシールドのように感じた。
今まで見たことない数のグリッドの俺は驚いた。魔力が増えるだけで全く別のスキルに見える。
「破壊し尽くせー!」
魔法が放たれると無数のグリッドに触れ魔素に変換されていた。
様々な角度から降ってくる岩の衝撃にグリッドは破壊され、ラルフはその場ですぐにグリッドを生成し続けた。
魔力不足で倒れそうになってもそれでも俺達を守ろうと必死に堪えていた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
「アースストライク」
魔法士達はすぐに発動できる呪文を唱え、まだ降り続けるメテオに続き攻撃を仕掛けた。
「セヴィオン様間に合いません」
「わかった」
副団長は自身の防御魔法が間に合わないと分かり、セヴィオンに伝えるとセヴィオンは剣を抜いた。
「セヴィオン様はやく!」
しかし、セヴィオンはその場で足を止めた。
「なにかあったら私が責任を問おう」
「何言ってるんですか。あのままじゃあの子供達が――」
「顔を見てみろ」
セヴィオンの声に副団長は二人の顔を見ると納得したのか詠唱をやめた。
「ケントいけるか」
メテオレインが止まった後もまたビー助が魔素を集めていた。
今度はラルフじゃなくて俺に吸収させるために……。
「ああ、ラルフ助かったぞ」
「おう!」
俺は手を上にあげて指を鳴らした。イメージはシャボン玉が弾けるようにだ。
「水治療法!」
俺の声とともにどこかで弾ける音が聞こえた。すると同時に轟音が聞こえた。
「おい、なんだ」
「上だ!」
魔法士達は上を見上げるがすでに遅かった。
真上から大量の水が降ってきてのだ。
その量は有名な国境を隔てる滝を連想させるほどの量だった。
魔法士達は逃げることもできず上から落ちてくる水に流されていくだけだ。
「アブソリュートディフェンス」
副団長は魔法を詠唱させ、呪文を唱えると自身達を守るように発動させた。
俺達はラルフのグリッドで水治療法も魔素に変換するから問題はない。
「ははは、あいつらに一本やられたな」
魔法士達はそのまま大量の水に流されている様子を見てセヴィオンは腹を抱えて笑っていた。
若干縦型ドラムの洗濯機の中にいるイメージに近いからな。
「セヴィオン様笑ってないで止めてあげてください」
「ケントくん止めてくれ」
セヴィオンの声が聞こえた俺は水治療法を止めた。
魔法士達は訓練場の床に苦しむように倒れていた。
「ケント流石だな」
「ラルフこそ守ってくれてサンキュー!」
俺達の手が重なり大きくハイタッチの音が訓練場に響いた。
初めて俺達のコンビネーションがうまく決まった日だった。
「今度はどうする?」
「準備はしている。何回か近づくよ」
「わかった」
ラルフはグリッドを重ね合わせ、大きく膨れ上がったファイヤーボールを防いだ。
その隙間を俺は駆け走るが、魔法士達にはすでに気付かれていた。
「ファイヤーアロー」
今度はファイヤーボールではなく、矢の形をした火の矢が数本現れた。
魔法士が弓を引くように手を離すと同時に火の矢が向かってきた。
「ウィンドボール」
そのタイミングで空気の塊が触れると、矢の勢いは急に増した。
「熱っ!?」
急な矢の速さに俺は避けきれず魔法が腕を掠れた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
魔法士は俺が近づかないように火の矢の数を増やし魔法を連発した。
あまりの数に俺は避けきれない判断し身構えるとラルフの叫ぶ声が聞こえた。
「グリッド!」
矢が近づく瞬間にラルフはグリッドを俺の前に出した。矢はグリッドの触れると魔素に変わったが、それでも数が多く俺に当たって爆発するものもあった。
「あいつらしぶといな……」
「詠唱はまだか?」
「もう少しだ!」
「今のうちに時間を稼ぐぞ」
グリッドが魔法を打ち消すのに何かしらの制約があると気づいた魔法士は俺達に向かって速度重視で魔法を放った。
「グリッド!」
グリッドを横に連なるように並べると、矢はグリッドで全て防ぐことが出来た。
「ケントここなら大丈夫か?」
「いけるよ」
俺達の作戦はまだバレていないようだ。しかし、魔法士団の詠唱の方が先に終わっていた。
「よし、イケるぞ」
「待ってました!」
「あいつらを潰してやれ」
「メテオレイン」
後衛の魔法士が呪文を唱えると、俺達を囲うように直径1m以上はある岩の塊が無数に浮かんでいた。
「ははは! これなら防げないだろう」
「おい、お前たちやりすぎだ」
副団長は俺達を守るために詠唱を始めた。
「俺達は大丈夫です!」
ラルフは魔法士が今まで使った魔法から返還された魔素を取り込んでいた。
俺達はグリッドで魔法を分解して魔素を集めていたのだ。
「これで準備は大丈夫じゃ。ビー助戻ってくるのじゃ」
相手には見えないようにビー助とコロポが協力していたのだ。
実際は俺達四人?vs新人魔法士団三人で戦っていたのだ。
「出てこい! グリッドオオオォォォー!」
ラルフが叫ぶと俺達を中心に無数のグリッドが展開された。隙間はあるが半円のシールドのように感じた。
今まで見たことない数のグリッドの俺は驚いた。魔力が増えるだけで全く別のスキルに見える。
「破壊し尽くせー!」
魔法が放たれると無数のグリッドに触れ魔素に変換されていた。
様々な角度から降ってくる岩の衝撃にグリッドは破壊され、ラルフはその場ですぐにグリッドを生成し続けた。
魔力不足で倒れそうになってもそれでも俺達を守ろうと必死に堪えていた。
「ファイヤーアロー」
「ウィンドボール」
「アースストライク」
魔法士達はすぐに発動できる呪文を唱え、まだ降り続けるメテオに続き攻撃を仕掛けた。
「セヴィオン様間に合いません」
「わかった」
副団長は自身の防御魔法が間に合わないと分かり、セヴィオンに伝えるとセヴィオンは剣を抜いた。
「セヴィオン様はやく!」
しかし、セヴィオンはその場で足を止めた。
「なにかあったら私が責任を問おう」
「何言ってるんですか。あのままじゃあの子供達が――」
「顔を見てみろ」
セヴィオンの声に副団長は二人の顔を見ると納得したのか詠唱をやめた。
「ケントいけるか」
メテオレインが止まった後もまたビー助が魔素を集めていた。
今度はラルフじゃなくて俺に吸収させるために……。
「ああ、ラルフ助かったぞ」
「おう!」
俺は手を上にあげて指を鳴らした。イメージはシャボン玉が弾けるようにだ。
「水治療法!」
俺の声とともにどこかで弾ける音が聞こえた。すると同時に轟音が聞こえた。
「おい、なんだ」
「上だ!」
魔法士達は上を見上げるがすでに遅かった。
真上から大量の水が降ってきてのだ。
その量は有名な国境を隔てる滝を連想させるほどの量だった。
魔法士達は逃げることもできず上から落ちてくる水に流されていくだけだ。
「アブソリュートディフェンス」
副団長は魔法を詠唱させ、呪文を唱えると自身達を守るように発動させた。
俺達はラルフのグリッドで水治療法も魔素に変換するから問題はない。
「ははは、あいつらに一本やられたな」
魔法士達はそのまま大量の水に流されている様子を見てセヴィオンは腹を抱えて笑っていた。
若干縦型ドラムの洗濯機の中にいるイメージに近いからな。
「セヴィオン様笑ってないで止めてあげてください」
「ケントくん止めてくれ」
セヴィオンの声が聞こえた俺は水治療法を止めた。
魔法士達は訓練場の床に苦しむように倒れていた。
「ケント流石だな」
「ラルフこそ守ってくれてサンキュー!」
俺達の手が重なり大きくハイタッチの音が訓練場に響いた。
初めて俺達のコンビネーションがうまく決まった日だった。
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