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第一章 外れスキル
183.実力
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カタリーナはすぐに詠唱を始めた。訓練場の石がカタカタと揺れだすと、そのまま浮き上がり渦を巻き出した。
次第に渦は大きくなり、ラルフに向かって行った。
「おい、流石にトルネードはないだろ」
風属性魔法である"トルネード"は辺りの空気を取り込んでいるのか、ラルフの元へ着く頃にはさらに大きさを増していた。
言葉の意味そのままで竜巻が突然目の前に現れたのだ。
「さすがギルドマスターね……」
他の魔法使いもカタリーナの魔法に驚きを隠せないでいた。
「くっ!」
ラルフはトルネードにグリッドを当てると勢いに押し返されそうになっていた。
そもそもトルネードにグリッドを当てる方がおかしい気がする……。
必死に踏ん張り止まろうとするがトルネードの力は弱まらなかった。
次の瞬間グリッドから嫌な音が響いた。
――パキッ!
グリッドは二つに折れ、トルネードはラルフを飲み込もうとしていた。
「ラルフ逃げろー!」
俺は咄嗟に叫ぶがなぜか聞こえないようだ。中に入ろうとしても見えない壁に邪魔されている。
「消えろ!」
瞬時に危ないと判断したカタリーナは、強制的にトルネードを消しラルフの元へ駆け寄った。
特にラルフには怪我はなく、地面に座り込んでいた。
「ははは、やっぱ強いですね」
「伊達にギルドマスターはやっておらんのじゃ」
カタリーナはやはり強かった。まだまだカタリーナには疲れた様子もなく、力の半分も出していないのだろう。
「はじめの魔法を防いだのは流石じゃ。低ランクの冒険者であればあの程度でやられるやつは多いのじゃ」
カタリーナが褒めると、ラルフの目には涙が溢れそうになっていた。
「もう少し魔力を鍛えて、魔法を全て防ぐだけの立ち回りと力があればケント達を守ることはできるのじゃ」
カタリーナはラルフが模擬戦を頼んできたのか理解しているようだ。
――パチン!
カタリーナは指を鳴らすと、魔法障壁は解除された。やっと見えない壁は無くなったのだ。
「ラルフ大丈夫かー?」
俺は近づこうとするとカタリーナはラルフの耳元で何か呟いた。
「あいつもまだまだなのじゃ。全て自分で抱え込もうとするから、しっかりラルフが守ってやるのじゃ」
そう一言告げるとカタリーナは仕事に戻って行った。
「ラルフ怪我してない?」
俺は心配そうにラルフの顔を覗き込んだ。
「ああ、大丈夫だ。久しぶりだからここで運動していかない?」
「怪我がないなら良かった。ちょっとだけ運動してから帰ろうか」
俺はラルフに手を伸ばすと、ラルフその手を掴み立ち上がった。
「これからもよろしく」
「ん?」
ラルフは小さな声で何か呟いたが、俺には聞こえなかった。
次第に渦は大きくなり、ラルフに向かって行った。
「おい、流石にトルネードはないだろ」
風属性魔法である"トルネード"は辺りの空気を取り込んでいるのか、ラルフの元へ着く頃にはさらに大きさを増していた。
言葉の意味そのままで竜巻が突然目の前に現れたのだ。
「さすがギルドマスターね……」
他の魔法使いもカタリーナの魔法に驚きを隠せないでいた。
「くっ!」
ラルフはトルネードにグリッドを当てると勢いに押し返されそうになっていた。
そもそもトルネードにグリッドを当てる方がおかしい気がする……。
必死に踏ん張り止まろうとするがトルネードの力は弱まらなかった。
次の瞬間グリッドから嫌な音が響いた。
――パキッ!
グリッドは二つに折れ、トルネードはラルフを飲み込もうとしていた。
「ラルフ逃げろー!」
俺は咄嗟に叫ぶがなぜか聞こえないようだ。中に入ろうとしても見えない壁に邪魔されている。
「消えろ!」
瞬時に危ないと判断したカタリーナは、強制的にトルネードを消しラルフの元へ駆け寄った。
特にラルフには怪我はなく、地面に座り込んでいた。
「ははは、やっぱ強いですね」
「伊達にギルドマスターはやっておらんのじゃ」
カタリーナはやはり強かった。まだまだカタリーナには疲れた様子もなく、力の半分も出していないのだろう。
「はじめの魔法を防いだのは流石じゃ。低ランクの冒険者であればあの程度でやられるやつは多いのじゃ」
カタリーナが褒めると、ラルフの目には涙が溢れそうになっていた。
「もう少し魔力を鍛えて、魔法を全て防ぐだけの立ち回りと力があればケント達を守ることはできるのじゃ」
カタリーナはラルフが模擬戦を頼んできたのか理解しているようだ。
――パチン!
カタリーナは指を鳴らすと、魔法障壁は解除された。やっと見えない壁は無くなったのだ。
「ラルフ大丈夫かー?」
俺は近づこうとするとカタリーナはラルフの耳元で何か呟いた。
「あいつもまだまだなのじゃ。全て自分で抱え込もうとするから、しっかりラルフが守ってやるのじゃ」
そう一言告げるとカタリーナは仕事に戻って行った。
「ラルフ怪我してない?」
俺は心配そうにラルフの顔を覗き込んだ。
「ああ、大丈夫だ。久しぶりだからここで運動していかない?」
「怪我がないなら良かった。ちょっとだけ運動してから帰ろうか」
俺はラルフに手を伸ばすと、ラルフその手を掴み立ち上がった。
「これからもよろしく」
「ん?」
ラルフは小さな声で何か呟いたが、俺には聞こえなかった。
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